公開日:2026.06.18 更新日:2026.06.03
NEW格安物件の探し方と選び方|タイプ別の特徴と購入前の注意点を解説
物件を探していると、数十万円台や100万円台など、思わず二度見してしまう「格安物件」に出会うことがあると思います。「この価格なら家を持てるかもしれない」と、プランを巡らせた方もいるでしょう。
ただし、格安物件は安さだけで判断すると、購入後にさまざまな費用がかさみ、結果的に高くつくことがあります。
そこで大切なのが「なぜ安いのか」「自分に合うタイプなのか」「住める状態にするまでいくらかかるのか」を整理して考えることです。この記事では、格安物件が安く売られる理由や主な種類、探し方、内見・費用・契約前の注意点までをまとめて解説します。
目次
なぜ安い?格安物件の相場と破格の値段で売られる背景

格安物件とは、同じエリアや条件の物件と比べて、販売価格が低く設定されている不動産のことです。数十万円台や100万円台、なかには0円の物件もあったりと、初期費用を抑えて家を手に入れたい人にとって魅力的に見えるでしょう。
しかし、安く買える背景にはそれなりの理由があることがほとんどです。
よくあるのは、建物が古く、雨漏りやシロアリ被害、水回りの劣化などで修繕が必要なケースです。長く空き家になっていた物件では、残置物の処分や庭木の管理、浄化槽の点検など、住み始める前に手間や費用がかかることもあります。
また、駅やスーパー、病院から遠いなど立地が不便な物件も、買い手が限られやすいため価格が下がりやすくなります。地方や郊外では、交通の便や地域の需要の少なさが価格に影響しているケースも少なくありません。
また、建築基準法上の「再建築不可」や「接道義務違反」の問題、借地権・共有名義・相続登記未了(義務化対象)など、法律や権利関係の事情で安くなっている物件もあります。相続した家を早く手放したい、遠方に住んでいて管理できないといった売主側の事情から、相場より安く売り出される場合もあります。
格安物件の主な種類とそれぞれの特徴

建物の古さが価格に影響しているものもあれば、立地の不便さ、権利関係の問題、売主の事情などによって相場より安くなっているものもあります。
そのため、格安物件を探すときは、価格だけで候補を選ぶのではなく、どのタイプの物件なのかを見極めることが大切です。種類ごとの特徴を知っておけば、自分がチェックすべき物件の方向性を整理しやすくなります。
今回は、格安物件の代表的な種類として、以下の5つを紹介します。
| 格安物件の種別 | どのような人に向いているか | 取得・購入時の最大の注意点 |
|---|---|---|
| ① 古民家 | 伝統的な日本家屋の意匠(梁や柱)を活かした暮らしをしたい人 | 骨組みの腐食、雨漏り、シロアリ補修による莫大な改修費用。 |
| ② 田舎暮らし向け | 地方移住や二拠点生活(デュアルライフ)、家庭菜園をしたい人 | 医療・買い物インフラ、冬場の除雪、地域コミュニティの負担感。 |
| ③ 中古平屋 | ワンフロアの快適な動線、シニア世帯の終の棲家、バリアフリー重視 | 2階建てに比べて広大な土地(敷地面積)が必要となる点。 |
| ④ 訳あり物件 | 建築規制や法的リスクを許容してでも、購入コストを極限まで下げたい人 | 接道義務違反による再建築不可、共有名義の紛争、事故物件リスク。 |
| ⑤ 0円物件(譲渡) | 維持管理の手間や修繕コストを引き受けてでも、初期費用を抑えたい人 | 固定資産税の引き継ぎ、残置物処分、税法上の「みなし贈与税」。 |
格安物件の探し方と主な方法
格安物件を探す主な方法には、空き家バンク、空き家ポータル・マッチングサイト、不動産ポータルの特集検索などがあります。それぞれ見つけやすい物件の特徴が異なるので、これらの方法を組み合わせて、理想の物件を見つけましょう。
ここでは、探し方ごとの見つけやすい物件の特徴と注意点を解説します。
「アキサポ」などの空き家マッチングサービスで探す
「アキサポ」などの空き家マッチングサービスでは、空き家を活用したい所有者と、空き家に住みたい人・使いたい人を直接つなぐサービスを提供しています。一般的な不動産ポータルでは見つけにくい物件に出会えることもあり、格安物件を探す方法のひとつになります。
特に、古い空き家やリフォーム前提の物件、地域に眠っている未活用物件を探したい人にとっては、メリットが大きい選択肢となっています。
たとえばアキサポでは、空き家を専門に扱ってきたプロフェッショナルが希望条件に合う空き家を二人三脚で探します。物件の状態や活用方法、リフォームについても相談できますし、リフォーム費用はアキサポが負担する仕組みなので、購入後の改修費に不安がある人でも、初期費用を抑えながら空き家での暮らしを検討しやすいでしょう。
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空き家バンクで探す
自治体が運営している空き家バンクでは、一般的な不動産ポータルに掲載されにくい古い家や、庭・農地付きの物件、地域の移住支援とあわせて検討できる物件が見つけやすいという特徴があります。
自治体によっては、改修補助金や移住支援制度を用意している場合もあるため、物件情報と支援制度を一緒に確認できるメリットもあります。
ただし、掲載情報や写真が少ないことも多く、写真や価格だけでは建物の状態まで判断しにくい場合があります。気になる物件があれば、電話や窓口で補修の必要性、契約形態、内見の流れ、補助金の対象条件などを確認しておきましょう。
不動産ポータルの特集から探す
不動産ポータルサイトでは「100万円以下」「古民家」「平屋」「田舎暮らし」「リフォーム向き」などの特集から格安物件を探せることがあります。エリアをまたいで比較しやすく、価格帯や物件の傾向をつかみたいときに便利です。
不動産会社が仲介している物件も多いため、問い合わせや内見、契約までの流れが比較的分かりやすい点もメリットです。初めて格安物件を探す場合は、不動産ポータルで相場感をつかみ、そのうえで空き家バンクや空き家ポータルも確認すると候補を広げやすくなります。
ただし、特集に掲載されている物件でも、安い理由まで詳しく書かれているとは限りません。「要リフォーム」「現況渡し」「再建築不可」「心理的瑕疵あり」などの記載がある場合は、具体的な内容を問い合わせて確認しておきましょう。
格安物件の一覧で最初に見るべきチェック項目

一覧ページの情報だけで判断せず、最低限ここだけは確認するというチェック項目を持つと失敗が減ります。
物件一覧では、価格と間取りだけでなく、後で変更しにくい条件を優先して見ます。具体的には、所在地の詳細度、接道、築年数、構造、上下水道の種類、駐車場の有無、そして「補修不要」「DIY可」などの注記の根拠です。短い一言の裏に、費用と工期が隠れていることが多いからです。
次に、取引条件の欄を読みます。売買か賃貸か、譲渡型賃貸か、応相談なのかで、資金の用意の仕方が変わります。交渉中表示や価格変更がある物件は、人気や売主の焦りが読み取れる一方、条件が複雑で長期化している可能性もあるため、なぜ動いていないのかを確認する姿勢が重要です。
最後に、写真と文章から「見えない部分」を想像して質問項目を作ります。外観写真しかないなら水回りの状態、床の写真がないなら傾きやシロアリ、敷地写真が少ないなら境界や擁壁など、欠けている情報ほどリスクが高い傾向があります。一覧は判断の場ではなく、内見前の疑問点を増やす場だと捉えると精度が上がります。
格安物件の内見で確認したい建物・土地・周辺環境
格安物件の内見で大切なことは、購入後に費用や手間がかかりそうな部分を、あらかじめ確認しておくことです。チェック項目が多いため、建物・土地・周辺環境の3つに分けて見ると、見落としを減らしやすくなります。
主なチェックポイントは以下のとおりです。
| 確認する場所 | 主なチェックポイント |
| 建物 | 雨漏り跡、床の沈み、シロアリ被害、柱や土台の傷み、窓や建具の立て付け、カビ臭 |
| 土地 | 境界の明確さ、擁壁や石垣のひび割れ、排水の流れ、井戸や浄化槽の位置、庭木や竹林の管理 |
| 周辺環境 | 交通量、騒音、におい、日当たり、近隣の空き家状況、買い物・通院のしやすさ、通信環境 |
まず建物を見るときは、見た目の古さよりも、劣化の原因を確認しましょう。たとえば天井や壁に雨漏り跡がある場合、屋根や外壁まで修繕が必要になる可能性があります。床の沈みやカビ臭がある場合は、床下の湿気やシロアリ被害も疑っておきたいところです。
次に土地については、境界や排水、庭木の管理状況をよく確認しておきましょう。敷地が広いと建物よりも草刈りや伐採、擁壁の補修などに費用がかかるケースがあります。井戸や浄化槽がある場合は、使用できる状態か、点検や交換が必要かも見ておきましょう。
そして周辺環境は、実際に現地へ行って交通量や騒音、におい、日当たり、近隣の空き家の多さなどをよく確認しましょう。移住や二拠点生活を考えている場合は、携帯電波やインターネット回線、買い物・通院のしやすさまで確認しておくと安心です。
注意!格安物件は購入価格ではなく「費用総額」で判断しよう

格安物件の価格は、住み始めるまでにかかる総額をよく見ましょう。物件価格が数十万円台でも、改修費や税金、残置物の処分費などを足すと、100万円単位で高くなる可能性があります。
主に確認しておきたい費用は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 主な内容 |
| 購入時の諸費用 | 仲介手数料、登記費用、印紙税、固定資産税の清算など |
| 税金・保険 | 不動産取得税、固定資産税、火災保険料など |
| 改修費 | 屋根・外壁、水回り、給排水、電気、断熱、シロアリ対策など |
| 整理・撤去費 | 残置物の処分、庭木の伐採、解体費用など |
| 生活立ち上げ費 | 家具・家電、通信回線、車や交通費、引っ越し費用など |
特に注意したいのが、住むために必要な改修費です。屋根や外壁、床下、給排水設備、電気容量、断熱など、住みやすさに直結する部分は高額な費用がかかることが多く、これらを複数個所改修すると、100万円以上かかることも珍しくありません。
また、古い家では現況渡しの条件になっていることも多く、残置物の処分や庭木の管理、浄化槽の交換などが買主負担になる場合もあります。契約前に、どこまで売主が対応してくれるのか、どこから買主負担になるのかを確認しておきましょう。
格安物件を購入する流れと契約前の注意点
格安物件を購入するまでの一般的な流れは以下のとおりです。
- 1.物件情報を集める
- 2.気になる物件について問い合わせる
- 3.建物状態や取引条件を確認する
- 4.現地を内見する
- 5.購入費用・改修費・維持費を見積もる
- 6.買付申込を行う
- 7.重要事項説明を受ける
- 8.売買契約を結ぶ
- 9.引き渡しと所有権移転登記を行う
契約前に必ず確認すべきは、民法第562条に基づく「契約不適合責任」の免責特約の有無です。個人間の取引(宅建業者が売主でない取引)では、売主の責任を全面的に免除する「現況有姿(現状渡し)」の特約が一般的です。この場合、引き渡し後に隠れた重大な欠陥(雨漏り、シロアリ、構造躯体の腐食等)が発覚しても、売主がその欠陥を知りながら故意に告げなかった場合を除き、買主は一切の修繕請求や損害賠償、契約解除を請求できない極めて高い自己責任を負うことになります。これらは宅地建物取引における「重要事項説明(重説)」で必ず書面確認すべき項目です。
また、住宅ローンを使う場合は、早めに金融機関へ相談しておきましょう。築年数が古い物件や状態が悪い物件では、担保評価が低くなり、希望どおりに融資を受けられないことがあります。リフォーム費用まで借りたい場合は、リフォームローンとの組み合わせも確認が必要です。
格安物件は、契約条件があいまいなまま進めるほどリスクが大きくなります。口頭の説明だけで判断せず、費用負担や引き渡し条件を契約書で確認し、不安な点があれば不動産会社や専門家に相談しながら進めましょう。
格安物件に関するよくある質問
Q:格安物件は物件価格が安くても、結果的に高くつくことがあるのは本当ですか?
A: はい、本当です。格安物件は住み始めるまでに高額な改修費(屋根・外壁、水回り、シロアリ対策など)がかかるケースが多く、残置物の処分費や庭木の伐採費用が買主負担になることも珍しくありません。物件価格の安さだけで判断せず、諸費用やリフォーム代を含めた「費用総額」で見極めることが大切です。
Q:格安物件の契約で、特に注意すべき契約条件はありますか?
A: 契約前に必ず「契約不適合責任」の免責特約(現況有姿・現状渡し)の有無を確認してください。この特約があると、引き渡し後に雨漏りやシロアリなどの重大な欠陥が発覚しても売主に修繕や損害賠償を請求できず、すべて自己責任での負担となるため極めて注意が必要です。
まとめ|格安物件は「安さ」より自分に合うタイプと総額で選ぼう
格安物件を選ぶときは、価格だけで判断せず、なぜ安いのか、住み始めるまでにいくらかかるのかを確認することが大切です。古民家、田舎暮らし向け物件、中古の平屋など、種類によって特徴がかわるので、今回紹介した注意点を振り返りながらチェックしてみてください。
また、格安の空き家を探したい方は、空き家の専門家が集まるアキサポの販売中物件をチェックするのがおすすめです。一般的な物件サイトだけでは見つけにくい空き家も確認できるため、ぜひ一度アクセスしてみてください。
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この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。