公開日:2026.01.17 更新日:2026.01.15
NEW投資対象に土地はおすすめ?土地投資の特徴と向いている人・向かない人
不動産投資の選択肢として「土地」を検討する際、どのようなイメージを持っているでしょうか?「建物より手間がかからなそう」「値下がりしにくい資産なのでは」と感じる方は多いと思いますが、建物がない分選択肢が広すぎて、具体的なイメージが持てない人もいるのではないでしょうか。
実は土地投資は短期間で利益を狙う投資というよりも、資産をどう守り、どう使い続けていくかを考える投資手法です。そのため、性格や目的に合わないまま選んでしまうと、思ったような効果を得られないと感じてしまうこともあります。
そこでこの記事では、土地投資の基本的な特徴やメリット・注意点、向いている人・向いていない人の考え方を整理しながら、代表的な土地投資の種類や判断のポイントを解説します。
目次
投資対象としての「土地」はどんな特徴がある?

投資対象としての土地は、立地や形状に適した使い方を見つけ、その価値を維持し続けることが求められる資産です。その点で、日々値動きする株式や、用途があらかじめ決まっている建物とは、資産との向き合い方そのものが異なります。
そこでここでは、土地が持つ代表的な3つの特徴を紹介します。
土地投資は「増やす投資」より「守る投資」に近い
投資対象としての土地は、値動きは比較的緩やかで、市場のニュースや一時的な感情に左右されにくい傾向があります。そのため、資産を増やすことよりも、資産保全や長期保有を目的に選ばれることが多いです。
地価が上昇すれば結果的に利益が出る可能性はありますが、それを短期売買で確実に取りにいく投資とは考え方が異なります。インフレ対策や、資産全体の安定性を高める目的で土地が選ばれるのも、この「守る投資」という性質があるためです。
建物投資に比べてキャッシュフローがなくなるリスクが高い
土地投資は一度利用が途切れると、収益を生まない期間が長期化しやすい特徴があります。建物の場合は数カ月程度の空室で済むことが多いですが、土地は次の活用をスタートしないと収益が発生しません。たとえば、駐車場用地として貸していた土地の契約が終了したあとに、半年間借り手が見つからなければ、その間は無収益となってしまいます。
立地の影響が極端に大きい
土地投資は、場所そのものの価値が投資の成否を大きく左右します。建物投資であれば、設備や管理、リフォームなどで価値を補う余地がありますが、土地投資はエリア選定によって投資の結果が決まるケースが多いです。
そのため、需要のある立地を選べば、活用の選択肢が広かったり、長期的な安定収入が見込めたりとメリットが多いですが、立地選定を誤ると、活用方法が極めて限定され、収益どころか固定資産税の負担のみが残るという「負動産」化するリスクがあります。
投資で土地を選ぶメリットと注意点

土地の大きなメリットは管理の手間が少なく、長期的に資産を保有しやすいことです。ただしこの点は、収益性を重視する人にとっては物足りなさを感じる原因になるかもしれません。つまり、土地投資のメリットとデメリットは立場によって裏返る可能性があるのです。
そのため、土地投資を「儲かるかどうか」だけで評価すると失敗する恐れがあります。そこでここでは、土地投資のメリットと注意点を整理しながら見ていきましょう。
土地投資のメリット
土地投資の大きなメリットは、修繕や老朽化のリスクがないことです。建物投資では、設備の故障や外壁・屋根の補修など、定期的な修繕費用が避けられませんが、土地そのものは経年劣化をしないため、これらの出費が発生しにくいです。
また、活用方法を後から変えやすい点も土地投資ならではの強みです。最初は駐車場として利用し、周辺環境の変化に応じて別の用途に切り替えるなど、柔軟な運用が可能です。建物を建ててしまうと用途を変えるには大きなコストがかかりますが、土地であれば状況に合わせた判断がしやすくなります。
さらに、物理的な劣化が少ないため、管理の外部委託も容易で、多忙なビジネスパーソンの副業としても適しています。
土地投資のデメリット
一方で、土地投資にははっきりとしたデメリットもあります。そのひとつが、土地そのものは建物のように賃料収入を生まない資産であるため、金融機関からの評価が厳しく、融資が通りにくい点です。
また、土地は時の経過により価値が減少しない資産とみなされ、所得税法・法人税法上の「減価償却」の対象になりません。建物投資で期待できるような効果を期待している場合は、思ったような効果を感じられないかもしれません。
さらに、固定資産税や都市計画税が毎年「確実に」発生する点も見逃せません。収益が出ていない期間であっても税金の支払いは避けられないため、保有コストを甘く見積もると資金繰りに影響が出ることがあります。
土地投資が向いている人の特徴

土地投資が向いているかどうかは、その人の考え方やライフスタイルとの相性が大きくかかわってきます。まずは、土地投資と相性が良いと考えられる人の特徴を整理してみましょう。
土地投資が向いている人の特徴には、以下のようなものがあります。
- 長期視点で資産を持ちたい人
- 値動きの大きい投資が苦手な人
- 本業が忙しく、管理に時間を割けない人
- すでに他の投資をしていて、資産分散したい人
- 相続税対策を長期的に計画している人
これらに当てはまる人は、時間をかけて資産を保有することに抵抗が少ない傾向があるといえます。投資をライフサイクルの一部として、長期・低負荷で継続できる条件が揃っているため、土地投資との相性が良いといえるでしょう。
ただし「向いている=必ず儲かる」という意味ではないことは覚えておいてください。土地投資は利回りの高さを競う投資ではなく、どれだけストレスなく保有し続けられるかが成否を分けます。自分の性格や生活スタイルと照らし合わせて、自然に続けられそうかどうかを判断することが、この先の意思決定につながっていくでしょう。
土地投資を選ばないほうがいい人の特徴
土地投資は長期的に付き合っていく比較的保守的な投資方法であるため、投資の目的や取り組む姿勢によっては、別の投資手法を選んだほうがよいケースもあります。
たとえば、以下のような特徴の人には、土地投資は向いていないと考えられます。
- 短期間で資産を増やしたい人
- 高利回りを最優先に考えている人
- 融資をフル活用して投資規模を拡大したい人
- 税金対策を投資の主目的にしている人
- 「買えばなんとかなる」と考えている人
土地は価格変動が緩やかで、収益化までに時間がかかることも多いため、これらに当てはまる場合は、投資に期待しているような効果を得るのは難しいでしょう。
また、土地は金融機関からの評価が厳しいため、融資をフル活用したレバレッジ戦略との相性が良いとはいえません。自己資金を厚めに用意する必要があり、資金効率を重視する人ほど制約を感じる可能性があります。
その他にも、値上がりを期待して土地を購入することにも注意が必要です。値上がりだけを期待して積極的な活用をしないでいると、税金や維持費だけがかさむリスクがあります。
土地投資は、購入後の使い方や出口戦略までを含めて初めて成立する投資です。「建物がないから」といって、建物投資よりも気軽に始められるものではないことを、よく理解しておきましょう。
初心者が知っておきたい代表的な土地投資の種類

土地投資と一口にいっても、選ぶ活用方法によってリスクや手間、収益の出方は大きく変わります。そこでここでは、代表的な土地投資の手法について、特徴やメリット・デメリット、向いている人を見ていきましょう。
更地・遊休地をそのまま保有する土地投資
もっともシンプルなのが、更地や遊休地をそのまま保有するタイプの土地投資です。建物を建てず、将来的な地価上昇や活用のタイミングを見据えて土地を持ち続けるため、管理の手間は最小限で済みます。一方で、収益が発生しない期間が長くなりやすく、固定資産税などのコストに注意が必要なデメリットはあります。
この方法は「将来の選択肢を残す」ことを重視する手法といえます。資産保全や長期保有を前提とする人に向いていますが、明確な出口を決めないまま始めると、ただ持ち続けるだけの土地になりやすいため、保有する理由と、将来的なビジョンを整理してから取り組みましょう。
駐車場・資材置き場などの低負荷型土地活用
土地投資でよく選ばれるのが、駐車場や資材置き場など、建物を必要としない形で土地を活用する投資です。初期費用を抑えやすく、建物の修繕や老朽化といったリスクもありません。立地条件が合えば、少額でも収益を得ながら土地を保有できる点が特徴です。
ただし、収益性は高くなりにくく、需要は立地に大きく左右されます。安定した高収益を前提にすると、期待との差を感じやすいかもしれません。そのため、大きく儲ける投資というよりも、保有コストを抑えつつ土地を維持する手段として捉えるほうが現実的です。土地を遊ばせずに持ち続けたい人に向いた活用方法といえるでしょう。
将来の建築・事業化を見据えた土地投資
将来的に建物を建てたり、事業として活用したりすることを前提に土地を取得するケースもあります。最初は更地や簡易的な活用にとどめ、周辺環境や市場の変化を見ながら、本格的な活用に移行する考え方です。この手法は、立地や用途制限の影響を強く受けるため、事前の調査と計画性が欠かせません。
この土地投資手法は、将来の使い方次第では、活用の選択肢が広がる可能性がある一方で「いつ・何をするか」を自分で判断し続ける必要があります。
そのため、資金をどの段階でどれくらい使うのか、収益が出るまでの期間をどう乗り切るのかといった点を、あらかじめ考えておかなければなりません。将来の活用イメージが曖昧なまま始めてしまうと、途中で判断に迷い、負担だけが増えてしまうケースもあります。
失敗しないための「投資用土地」選び!3つの重要チェックポイント
土地投資を検討する段階では「自分に向いているかどうか」だけでなく「判断を間違えやすいポイント」も事前に把握しておくことが大切です。特に注意しておきたいのは、次の3点です。
・土地の立地と用途制限
・売却・活用・用途変更などの出口戦略
・資金計画は収益が出る前提で組まない
土地は一度購入すると簡単にやり直しがきかないため、感覚的な判断だけで進めてしまうと、後から修正が難しくなります。ここからは、それぞれのポイントについて具体的に見ていきましょう。
土地の立地と用途制限
土地投資を検討する際に最初に確認すべきなのが、立地の良さと都市計画法によって定められた用途地域や建ぺい率・容積率などです。これらを把握しないまま購入すると、希望していた使い方ができない事態になる恐れがあります。
また、現在の使い道だけでなく、将来的にどのように活用できる余地があるかも重要なポイントです。周辺環境の変化や需要の移り変わりに応じて、活用方法を切り替えられるかどうかは、長期保有を前提とする土地投資において大きな判断材料になります。
売却・活用・用途変更などの出口戦略
土地投資を「最終的にどうするのか」を決めないまま始めてしまうと、その場しのぎの判断を繰り返しやすくなります。そのため、購入前にはあらかじめ、将来的に売却するのか、活用するのか、あるいは相続まで持ち続けるのかといった出口の方向性を考えておきましょう。
出口戦略の方向性によって、選ぶべき土地の条件や、許容できるリスクの範囲は大きく変わります。たとえば将来の売却を前提とする場合は、流動性が高く、需要の見込める立地が重要になりますし、活用を前提とする場合は、用途地域や周辺環境、将来的な用途変更のしやすさが大きな判断材料になります。相続まで持ち続けるのであれば、管理のしやすさや維持コストを長期的に抑えられるかどうかも無視できません。
資金計画は収益が出る前提で組まない
土地投資では、購入後すぐに収益が発生しないケースも珍しくありません。そのため、最初から収益が出る前提で資金計画を組んでしまうと、想定外の負担を抱えやすくなります。厳しいようですが、最初は収益がゼロでも耐えられるかを前提に置いて、資金計画を練っておきましょう。
あわせて、固定資産税や都市計画税といった税金、維持管理にかかる費用を含めた長期的なシミュレーションも必要です。短期的な利回りだけを見るのではなく、数年単位での負担を把握したうえで判断することで、土地投資に対する過度な期待や思い込みを防ぐことができます。
まとめ
土地投資は、誰にとっても有利な万能の投資手法ではありません。収益性よりも安定性や保全性を重視する投資である以上、向き・不向きがはっきり分かれる特徴があります。
だからこそ「儲かりそうかどうか」だけで判断せず、自分の性格や投資目的、資金計画と照らし合わせて、無理なく続けられるかを考えることが重要です。まずは、今回整理した視点をもとに、自分にとって土地投資が現実的な選択かどうかを一つずつ確認するところから始めてみてください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。