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公開日:2026.02.05 更新日:2026.01.22

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【初心者向け】不動産におけるLTVの基礎知識と計算・目安・活用術

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不動産投資を検討しているときに「LTV」という言葉をよく目にすると思います。もし「そういう指標があるのか」程度に見ている場合は要注意。実はLTVは、不動産投資の「安全性」と「収益効率」を左右する、経営の舵取りに欠かせない指標なのです。

そこでこの記事では、不動産投資におけるLTVの基本的な考え方から、計算方法、目安となる水準、実際の活用シーンまでを整理して解説していきます。

不動産のLTVとは?不動産投資における重要性を解説

不動産のLTVとはLoan to Value(融資比率)の略で、物件の評価額に対して借入金額が占める割合を表す指標のことです。不動産投資における安全性と攻め方のバランスを考えるための、基本かつ重要な判断材料として活用されています。

たとえば、評価額1億円の物件を8,000万円の借入で購入した場合、LTVは80%です。この数値が高いほど自己資金を抑えて投資できますが、その分、毎月の返済負担は重くなりやすくなります。一方でLTVが低いと返済に余裕が生まれ、経営は安定しやすくなりますが、資産拡大のスピードは緩やかになる傾向があります。

LTVの高低は投資の判断にどう影響する?

不動産投資では、LTVの水準によって「どこに余裕が生まれ、どこに負荷がかかるのか」が大きく変わります。ここでは、LTVが高い場合・低い場合で投資判断がどう変わるのかを、融資・返済の視点とキャッシュフローの視点から整理していきます。

返済負担と融資評価への影響

LTVの高低は、返済の余裕度と金融機関からの評価に直結します。結論から言えば、LTVが高いほど返済リスクは大きく見られ、融資条件は厳しくなりやすくなります。

LTVが高い場合は借入金額が大きくなるため、毎月の返済負担は重くなります。家賃収入が一時的に下振れしたり、金利が上昇した場合でも返済額は原則変わらないため、想定外の事態が起きた際に資金繰りが急激に厳しくなるリスクがあります。

また、LTVが高いと金融機関から「借入依存度が高い投資」と判断されやすくなります。その結果、追加融資や借り換えの審査が厳しくなったり、金利条件が不利になったりするケースも少なくありません。

一方、LTVが低い場合は、返済負担に余裕があり、金融機関からの評価も安定しやすくなります。自己資金をしっかり投入している投資家は、返済能力やリスク管理意識が高いと見なされやすく、次の融資がスムーズに進む可能性が高まります。

キャッシュフローと投資継続性への影響

LTVをキャッシュフローの視点から見ると、LTVが高い投資では、少ない自己資金で投資規模を拡大できるメリットがありますが、毎月のローン返済がキャッシュフローを圧迫するデメリットがあります。

空室が続いたり、大規模修繕が重なった場合、手元資金に余裕がなければ赤字が続き、最悪の場合は投資そのものの継続が難しくなる可能性もあります。数字上は成立していても、「想定外」に弱い構造になりやすい点が高LTVの特徴といえるでしょう。

LTVが低い投資は、借入額が抑えられるため毎月のキャッシュフローは安定しやすくなりますが、自己資金を多く投下する分、短期的な投資効率は下がる傾向があります。

LTVの計算方法(時価ベース・簿価ベース)

LTVは、以下の計算式で求められます。

  • LTV(%) = 借入金(負債) ÷ 物件価格 × 100

ここで気を付けたいのが「物件価格」に「時価ベース」と「簿価ベース」のどちらを適用するかという点です。ここが異なるとLTVの値も変わってきます。

まず簿価ベースとは、帳簿に記載されている取得価額から減価償却費を差し引いた未償却残高を基準とした値です。過去の取得価額を基準にするため計算は簡単ですが、市場環境の変化や価格上昇・下落が反映されにくいという特徴があります。そのため、実際の資産価値よりも低く、あるいは高く評価されてしまうケースもあります。

一方、時価ベースは、現在の市場価格や直近の取引事例をもとに算出される物件価格です。
「今この物件がいくらで売れそうか」という実勢を反映しやすく、LTVを通じて現実的なリスク水準を把握しやすい点がメリットといえます。ただし、市況の影響を受けやすく、タイミングによって評価が変動しやすい点には注意が必要です。

計算式の具体例

具体的な数字を当てはめて、LTVを計算してみましょう。今回は以下の条件で算出します。

前提条件

  • 借入金(負債):4,000万円
  • 物件の時価:5,000万円
  • 物件の簿価評価額:4,500万円

まず、時価ベースで評価した場合は以下のようになります。

  • 4,000万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 80%

一方で簿価ベースで評価した場合は以下のようになります。

  • 4,000万円 ÷ 4,500万円 × 100 = 88.9%(小数点第2位四捨五入)

このように、借入額が同じでも、評価方法が変わるだけでLTVは約10%近く差が出ます。
時価ベースでは「比較的余裕のある水準」に見えていたものが、簿価ベースでは「かなり攻めた水準」に映ることも珍しくありません。

金融機関が行うLTVテストとは?

LTVテストとは、金融機関が融資を行う際に、借入希望額と物件評価額を照らし合わせて返済リスクを確認する審査プロセスです。LTVが高いほど、価格下落や空室が発生した場合に返済が滞る可能性が高いと判断されやすくなります。

このテストで重要なのは、金融機関独自でテストに用いられる指標が異なる点です。物件価格の算出を立地や築年数、用途、将来の流動性などを踏まえて、より精密に行うため、ここで評価額が想定よりも低く見積もられると、LTVが高くなる可能性があります。

そのため、資金計画を立てる段階では、評価額が下振れした場合でも成立するようにLTVを下げるための自己資金を確保しておくと安心です。金融機関のLTVテストは法令ベースではなく各行の内部審査基準で行われるため、評価方法・採用する価格は統一されていません。

不動産投資のLTV目安は?理想の割合とリスク許容度の考え方

不動産投資においてLTVは60~80%が目安といわれるのは、この水準が自己資金を一定程度投入しつつ、融資を活用した投資効率も確保できる、バランスが取りやすい水準だからです。

具体的には、LTVが60%前後であれば、返済負担に余裕が生まれやすく、空室や修繕といった想定外の支出が発生しても資金繰りが崩れにくくなります。市場環境が多少悪化しても、返済計画を立て直しやすいため、長期保有を前提とした安定志向の投資に向いています。

LTVが80%程度まで高くなると、自己資金の割合が低くなるためレバレッジ(※)を活かして投資規模を拡大しやすくなります。適切な物件選定と安定した賃料収入が見込めるのであれば、自己資金に対するリターンを高めることも可能です。ただし、返済額は確実に増えるため、いざというときの自己資金は確保しておきましょう。

ちなみに、60~80%という数字はあくまで一般的な目安にすぎません。実際は数字の印象だけでバランスの良し悪しを決めつけずに、自身の資産状況や投資方針に照らしてLTVの健全性を見極めましょう。

※ 少ない自己資金に対して借入を活用し、投資規模や収益性を拡大する効果

J-REITや不動産クラウドファンディングでLTVが重視される理由

LTVは、現物の不動産だけでなく、不動産を裏付けとした金融商品においても、借入と資産価値のバランスを示す重要な判断材料として活用されています。

そこでここでは、代表的な事例として以下の金融商品にLTVがどのように使われているのかを見ていきましょう。

  • 不動産投資信託(J-REIT)
  • クラウドファンディングによる不動産投資

不動産投資信託(J-REIT)

不動産投資信託(J-REIT)とは、投資家から集めた資金をもとに複数の不動産を取得・運用し、その賃料収入や売却益を分配する金融商品です。オフィスビルや商業施設、物流施設、住宅など、さまざまな不動産を対象に分散投資できる点が特徴です。

J-REITの運用では、自己資金だけでなく金融機関からの借入も活用されるため、財務の健全性を測る指標としてLTVが重視されます。J-REITにおけるLTVの値は、運用報告書や決算資料に明示されているため、どの程度のリスクを取って運用しているかを確認するための指標として確認しておきましょう。

LTVが高いほどレバレッジ効果は高まりますが、その分、市況悪化や金利上昇の影響を受けやすくなります。反対に、LTVが低ければ借入依存度は下がり、安定性は高まるものの、分配金の伸びは穏やかになる傾向があります。

不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、インターネット上のプラットフォームを通じて、複数の投資家が小口資金を出し合い、不動産プロジェクトに投資する仕組みです。現物不動産を直接購入する必要がなく、比較的少額から参加できる点が特徴とされています。

不動産クラウドファンディングにおいて、LTVはプロジェクトの安全性を判断する重要な指標となります。多くの案件で投資家から集めた出資金に加えて金融機関からの借入を併用しているため、LTVの割合によって物件価格に対する借入依存度をチェックできます。

なお、不動産クラウドファンディングでLTVを見る際は、数値だけでなく、プロジェクトの構造もあわせて確認しましょう。LTVが低くても、運用期間が短かったり、売却前提の事業計画であったりする場合は安全とは言い切れません。また、どの時点の評価額を基準にLTVが算出されているのかも確認しておくべきポイントです。

不動産投資を検討する際はLTV以外の指標や実績もチェックしよう

不動産投資のリスクをチェックするためにLTVは重要な指標ですが、あくまでLTVは、借入と資産価値のバランスを見るための入り口であり、LTVだけで投資の良し悪しを判断することはできません。

たとえば、LTVが適正な水準に収まっていたとしても、立地条件が弱かったり、想定利回りが低かったり、空室リスクが高い物件であれば、長期的に安定した収益を確保するのは難しくなります。地域の将来性や賃貸需要といった物件そのものの力は、LTV以上に重要な判断材料になることも少なくありません。

また、実際の運営を考えると、家賃収入だけでなく、管理費・修繕費・税金といった支出を含めたキャッシュフロー全体を把握しておく必要があります。LTVが低く見えても、収支に余裕がなければ、突発的な修繕や市況悪化に耐えられないケースもあります。

そのため、LTVを見る際は、利回りや稼働状況、過去の実績、将来的な出口戦略など、他の指標やデータとあわせて確認することが欠かせません。特に長期保有を前提とする場合は、市場環境や自身の投資方針の変化に応じて、定期的に指標を見直していく姿勢が重要になります。

【まとめ】不動産のLTVを正しく理解して投資判断に活かそう

LTVが理解できると、いま検討している投資の借入への依存度や、想定外の事態への対応度などを、数字から読み解けるようになります。利回りや表面上の収支だけでは見えにくい返済余力や資金繰りの余裕を把握できる点は、LTVの大きな価値といえるでしょう。

大切なのは、LTVを起点として収益性や立地、将来の出口戦略まで含めて全体像を考えることです。今回の記事を参考に、自分の投資スタイルや許容できるリスクをあらためて整理し、LTVを「考えるための道具」として活用してみてください。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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