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公開日:2025.07.08 更新日:2025.08.12

実家じまい・空き家対策を丸ごと解説!相続・売却・片付けのすべて

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相続した空き家を、今後どのように活用するか悩んでいる方は多いはず。とくに、思い入れがある実家ほど判断に迷いやすく、放置すれば建物の老朽化や固定資産税などの税負担が増すリスクもあります。そこで今回は、実家じまいの基本から、空き家のリスク、売却のコツ、相続・税金までを解説します。

実家じまいとは?増加する理由とメリット・デメリット

まずは、実家じまいという言葉が生まれた背景と、そこにあるメリットとデメリットをきちんと把握しておきましょう。

実家じまいとは、親が住んでいた実家を片付けたり解体したりすることで管理を終了する手続きのことを指します。最近では、高齢の親が施設に入ったり、独立した子どもが遠方に住み、帰省の回数が減ったりしている背景から、住み続ける人がいなくなる実家に対して対策をとるケースが増えています。

誰も住んでいない家でも、固定資産税や維持管理費はかかります。また、老朽化が進む実家のメンテナンスや修繕費も無視できません。実家じまいは管理コストの軽減には有効ですが、解体費用が高額になることもあり注意が必要です。とくに遠方に住む子ども世代にとっては、何かあったときにすぐに対応できないことや、維持管理のコストが大きくなってしまうことから空き家管理の負担を減らす手段としても注目されています。

親との思い出が詰まった実家を手放すことには、どうしても心の抵抗があるでしょう。費用に対する不安も少なくありません。だからこそ、実家じまいは慎重に進める必要があります。家族全員が納得できる形にするためには、できるだけ早い段階から情報を集め、じっくりと話し合うことが大切です。

実家を残す場合のメリット・デメリット

実家を残すことは、安心感や思い出を守れるといった精神的なメリットがあります。帰省先として使えたり、将来的に子ども世代が住む可能性を残しておけたりするのも魅力のひとつです。

ただし、空き家のまま放置すると、固定資産税や都市計画税がかかるだけでなく、老朽化が進み、思わぬ修繕費がかかることも。また、防犯面やご近所との関係など、管理上の課題も出てきます。実家をどう活用するのか、将来は誰が管理していくのかなど、現実的な視点から考えておくことが重要です。

老朽化や近隣トラブルなどの空き家のリスク

実家が空き家になると、想像以上に早いスピードで老朽化が進んでしまいます。久しぶりに訪れてみたら、雨漏りや壁のひび割れ、シロアリ被害が広がっていた…なんてケースも珍しくありません。

また、定期的な手入れがされていないと、敷地内に雑草が生い茂ったり、不法投棄や害虫の発生につながったりすることもあります。こうした状態が続くと、近隣住民との関係に影響を及ぼし、場合によっては苦情が寄せられることもあります。

さらに、老朽化が進んだ空き家は買い手も付きにくいため、資産価値が大きく下がってしまう恐れも。買い手が見つかったとしても、大幅な値引きやリフォーム費用の負担を求められるケースも少なくありません。

将来的な空き家リスクを避けるためにも、実家をどう活用・売却・維持するかを早めに考えて行動することが重要です。

どんどん進行する家の老朽化に注意

築年数が進むにつれて、家のあちこちに手を入れる必要が出てきます。たとえば、外壁の塗り直しや屋根の補修、水回りの交換など、どれも放っておけない部分です。

実際に、築20年を超えた戸建て住宅では、リフォームが必要な箇所が一気に増えることが多く、工事費用が数百万円にのぼることも珍しくありません。まだ大丈夫と後回しにしてしまうと、さらに老朽化が進み、最終的には解体を選ばざるを得ず、その際の解体費用も重くのしかかってきます。今のうちから点検や修繕を少しずつ始めておくことが、将来の大きな出費を防ぐ一手になります。

実家の片付け・売却にかかる費用と準備

実家じまいを進めるうえで、まず知っておきたいのが、どれくらいの費用や準備が必要なのかという部分です。いざ片付けを始めてみると、不用品の処分や遺品整理に、想像以上の手間とお金がかかることに気づかされる場合も。

たとえば、使わなくなった大型家具や古い家電の処分。リサイクル業者や不用品回収業者に依頼する場合は、ゴミの量や内容によって費用が大きく変わるので、事前に見積もりを取っておくことが大切です。

特に親世代が何十年も暮らしていた実家には、思い出の詰まった品がたくさんあるもの。捨てるか残すかの判断に迷い、なかなか片付けが進まない…というのも考えられます。

片付けが終わったあとは、不動産会社に査定を依頼し、実家の状態をチェックしてもらうステップが必要です。事前に相場を知っておくことで、売却価格の見通しが立ち、税金や手続きにかかる費用も含めて計画が立てやすくなります。

いざというときに慌てないよう、早めに専門家や業者に相談し、引き渡しの時期や必要な手続きについて段取りを組んでおくことが、スムーズな実家じまいにつながるでしょう。

不用品回収や解体費用のポイント

実家の片付けを進めると、思った以上に大量の不用品が出てくることがあります。全部まとめて処分となると費用がかさんでしまうこともありますが、リサイクルショップに売れるものを引き取ってもらいながら、不用品回収業者に必要な分だけ依頼することで、コストを抑えられる可能性があります。

もし最終的に家を解体することになった場合は、建物の構造によって費用に大きな差が出ることにも注意が必要です。たとえば、木造と鉄筋コンクリート造では、解体にかかる金額がかなり違ってきます。

また、解体したあとの土地をどう活用するかによっても、かかる費用は変わってきます。駐車場にするのか、売却するのか、あるいは新しく何かを建てるのか…。造成工事が必要になる場合は、その分の費用も見込んで、全体的な予算を組んでおくことが大切です。

実家を売る?維持する?検討のタイミングと注意点

実家をこのまま維持するか、それとも売却するか。その判断は誰にとっても簡単なものではなく、でもいつかは向き合わなくてはいけないことです。

たとえば、親が介護施設に入ることになったり、実家が完全に空き家になりそうな状況になったりしたときが、売却を検討するタイミングとして挙げられます。空き家のまま時間が経つほど、建物の劣化は進み、庭の手入れや修繕費、固定資産税などの負担も増していきます。だからこそ、先延ばしにせず、できるだけ早めに方向性を考えることが大切です。

とはいえ、今すぐ売ると決めきれないこともあるでしょう。そんなときは、まずは1年だけ様子を見る、定期的に点検しておくなど、期間や方針をあらかじめ決めておくことで、次の一手が見えやすくなります。

一方で、将来的に自分たちが住むかもしれない、子どもが戻る可能性があるといった場合には、実家を維持する選択肢もあります。ただしその場合でも、修繕や維持にかかる費用、固定資産税、万が一の売却に備えた対策など、長期的な視点で試算しておくことが欠かせません。

家族・親族で話し合うべきこと

実家の名義が親と子どもの共有になっている場合は、家族間での話し合いがとても重要です。なんとなく話は通ってるつもりだったのに、いざ動き出したら意見が食い違ったということも珍しくありません。

たとえば、実家を売る・残すといった判断だけでなく、財産分与の問題や売却利益の分配、実家解体の費用負担などを曖昧なままにしておくと、後になってトラブルになりやすいのです。

家族だからこそ、きちんとルールを決めておくことが、実家じまいにおいて、とても大切な姿勢です。口頭で済ませず、話し合った内容は書面に残すか、最低限メールなどの記録が残るようにしておくと、認識のズレによる「言った・言わない」の行き違いを防ぐことができます。

実家じまいをスムーズに進める手順

実家じまいをスムーズに進めるには、あらかじめ大まかな手順や必要な書類を洗い出し、計画的に準備を始めることがカギになります。

まず最初のステップは、家族間でスケジュールを共有し、誰が何を担当するのかを明確に決めておくこと。特に遠方に住んでいる家族がいる場合や、仕事の都合で動ける日が限られている場合は、帰省のタイミングや役所でしか取れない書類の手配などをしっかり調整しておかないと、作業が思うように進まず、無駄な手間や時間がかかってしまいます。

また、名義変更やライフラインの解約など、意外と忘れやすい公的手続きや契約解除も、リストにしてチェックしながら進めることで、後戻りを防ぐことができます。

さらに、親や当事者だけでなく、他の親族にも定期的に進捗を伝えておくとよいでしょう。片付けにかかる費用、売却時期や見込み価格といったお金に関する情報もなるべくオープンに共有しておくと、後からトラブルを防ぎやすくなります。

段取りと必要書類の準備

実家じまいを進めるにあたっては、相続や名義変更の手続きをする際に、戸籍謄本や住民票などの公的書類が必要になる場面が多くあります。売却を考えている場合には、不動産会社に提出するために、登記簿謄本や敷地の測量図といった資料の確認も求められることがあります。

実家にあるはずと思っていた書類が見つからない…とならないためにも、必要な書類を事前にリストアップし、どこで、どのように手に入れるかを早めに調べておくのがポイントです。

片付けから売却・解体までの流れ

まずは家財道具の整理と不用品処分からはじめ、必要であれば買取業者や不用品回収業者を活用しましょう。

売却を決めた場合は、不動産会社に査定を依頼し、実家の価値を把握するところからスタート。そのうえで、売却価格の目安を決め、宣伝活動や内覧対応を行い、買主との交渉、契約へと進みます。ここまでの流れをスムーズに進めるには、家族との連携やスケジュールの共有も欠かせません。

一方、解体を選ぶ場合は、建物の構造や敷地の広さによって解体費用に大きな差が出ることがあります。1社だけで即決せず、複数の業者から見積もりを取り、内容や金額を比較するのがおすすめです。

実家売却にかかる税金と相続のポイント

親から相続した実家を売却する場合、譲渡所得税や住民税が課されることがあります。譲渡所得税は譲渡益に対して課税され、所有期間に応じて税率が変わります。また、相続登記や遺産分割協議書の作成といった手続きが必要になることもあり、法的な面で想像以上に複雑になりやすいのが実情です。家族での話し合いと並行して、司法書士や税理士などの専門家に早めに相談しておくことで、思わぬミスやトラブルを防ぐことができます。

また、売却のタイミングによって、税金の負担が軽くなるケースもあります。たとえば、譲渡所得の特例や相続税の控除などをうまく活用すれば、費用面の負担を減らすことができるかもしれません。

空き家の売却に適用される3,000万円控除とは

一定の条件を満たした空き家を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。適用するためには、たとえば以下の要件を満たす必要があります。

・相続開始から3年以内に売却すること
・被相続人が相続開始直前に一人で居住していた家であること
・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家であること
・相続から譲渡までの間、家屋が空き家であり賃貸・事業で使用されていないこと
・建物とその敷地をセットで相続していること
・売却金額が1億円以下であること
・建物が現行の耐震基準を満たしていること

うちの実家も当てはまるかも?と思ったら、まずはこれらの条件に合っているかを早めに確認してみましょう。準備に意外と時間がかかることもあります。決められた期限内に必要書類をそろえて税務署に届け出る必要があるため、事前の確認を欠かさずおこないましょう。

権利証・契約書が見つからない場合の対応

実家の整理をしていると、権利証や契約書がどこにも見当たらない…という場面に直面することもあるでしょう。権利証が見つからない場合でも、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得すれば、不動産の所有者情報を確認できます。そうした手続きをスムーズに進めるためにも、早めに司法書士などの専門家に相談しておくと安心です。

よくあるトラブル事例と対処法

実家じまいを進めるなかで、思いがけないトラブルに直面することは少なくありません。実際に自分がその立場になったときに慌てないよう、よくあるケースを知っておくと安心です。

たとえば、きょうだい間で実家への思いや考え方に差があると、売却・解体の選択や誰が片付けを担当するかといった判断で意見が食い違い、話し合いがなかなか進まないことがあります。こうした状況が長引くと、その間にも家は老朽化し、必要のなかった修繕費用が発生することも。

また、実家の売却がうまくいかずに空き家期間が長引いてしまうと、相続税の支払いに支障が出たり、思わぬ金銭的なトラブルにつながったりすることもあります。もしも税金の支払いが厳しいと感じたら、融資の検討など、早めの資金計画を立てておくことが大切です。

家族間の認識違いを防ぐコツ

実家じまいを進めるうえで、意外と多いのが家族間の認識のズレです。とくに費用の分担や財産の分け方について、自分はこう思っていたのに、親やきょうだいは違っていた…というすれ違いが起きやすく、後になってから“そんな話、聞いてない”とトラブルになることもあります。

こうした行き違いを防ぐには、話し合った内容を口頭だけで済ませず、できるだけ書面に残しておくことが大切です。あとから見返せるように、メモや共有ファイルにまとめておくだけでも安心感が違うでしょう。

売却難航時や相続税支払いの問題点

いざ実家を売ろうと思っても、立地や建物の状態によっては思うように買い手が見つからず、売却が長引いてしまうケースもあります。相続税の支払い期限が重なり、納税資金を準備できずに延滞税が発生してしまうことも無きにしも非ず。最悪の場合、資産の差し押さえにつながるリスクもゼロではありません。

売れるだろうと楽観視していたら、気づけば期限が目前…という事態を防ぐためにも、相続が発生したらできるだけ早い段階で、相続税のおおよその額を把握し、売却完了までにいくら必要かといった資金計画を立てておくことが大切です。

親の転居先・介護費用を考える

実家じまいを考えるとき、同時に検討しなければならないのが、親が暮らす場所と介護にかかる費用です。

たとえば、親が介護施設への入居を希望している場合、その施設の環境やサービスの質だけでなく、入居一時金や月々の利用料など、経済的な面もきちんと把握しておく必要があります。医療サポートがどこまで受けられるか、食事内容や生活リズムなど、親本人の希望や体調とも照らし合わせながら、慎重に選ぶことが大切です。

できれば家族がそばで見守ってあげたいと思っても、もし自分が遠方に住んでいる場合は、現実的に毎日のサポートは難しいかもしれません。そういったときには、見守りサービスや地域の訪問介護など、別の支援のかたちも選択肢に入れて総合的に考える必要があります。

介護施設を選ぶ際のポイント

介護施設を選ぶとき、どこも似たようなものと思っていると、後になってこんなはずじゃなかった…と後悔することも。実際には、施設ごとにサービスの内容やスタッフの人数、医療機関との連携体制などに大きな違いがあります。

親に認知症の症状がある場合は、認知症ケアに力を入れている施設を選んだり、要介護度が高ければ、医療的なサポートが充実している施設を選んだりといった判断が必要になります。

パンフレットやホームページだけでは分からないことも多いため、いくつかの施設を見学し、実際に現場の雰囲気やスタッフの対応を自分の目で確かめておくと安心です。いきなり入所させるのは不安…という方は、ショートステイ(短期間の体験入所)を利用してみるのもひとつの方法。実際に過ごしてみることで、親がリラックスして過ごせる環境かどうかの判断材料になるでしょう。

遠方からの見守りサービス活用

最近では、スマートフォンや通信機器を使った遠隔見守りサービスが自治体や民間企業で広く提供されています。実家にカメラやセンサーを設置しておくことで、離れて暮らす親の動きをいつでもチェックでき、もしもの時にはすぐに連絡が入るので、日常の様子を確認しながら安心感が持てるでしょう。

安否確認を簡単にできるうえに、遠方に住んでいるとなかなか頻繁に顔を見に行けない…といった悩みが解消できるため、実家じまいにおいても見守りサービスの活用を検討すると良いでしょう。

実家じまい対策で空き家リスクを防ごう

実家じまいは、親の新しい住まいや介護費用、空き家の管理リスク、そして売却のタイミングや方法など、さまざまな課題が絡み合います。だからこそ、できるだけ早く準備を始めることが大切です。親の世代と自分たちの世代、それぞれの立場や事情を尊重しつつ、専門家のアドバイスや不動産会社の査定も活用して一緒に方向性を決めていくことが、実家じまいを成功させるカギになります。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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