公開日:2026.01.15 更新日:2026.01.15
NEW田舎に住むメリットは?後悔しない移住のために知っておきたい生活・仕事・お金の話
「田舎に住むメリット」と聞いて、豊かな自然やゆとりある住環境、生活コストの安さを真っ先に思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、こうした魅力は、見方を変えると利便性の低さや仕事・医療環境の制約といった課題にもつながりやすく、必ずしも誰にとってもプラスになるとは限りません。
実際、田舎暮らしを始めるには、生活スタイルそのものを見直す必要がある場面もあります。そのため、メリットだけに目を向けてしまうと、移住後に「思っていた暮らしと違った」と感じてしまうこともあるのです。
そこでこの記事では、田舎に住むことで得られる生活面・仕事面・経済面のメリットを整理しつつ、あらかじめ知っておきたいデメリットや、その対策についても解説します。
目次
なぜ今「田舎に住む」人が増えている?注目が集まる背景とは

近年、田舎暮らしが注目されている背景には、生活コストの上昇や働き方の多様化が重なったことなど複数の要因が関係しています。物価高で都市部の家賃・光熱費の負担が増したことに加え、リモートワークの普及によって「必ずしも都市部に住む必要がない」人が増えたことで、地方で暮らす選択肢がより現実的になりました。
また、メディアやSNSで地方移住の事例が紹介される機会が増え、田舎暮らしの魅力が伝わりやすくなったことも一因として挙げられるでしょう。
特に移住者のブログやYouTubeなどは、現地に行かないと分からない「リアルな生活情報」が詰まっており「自分も挑戦してみたい」という気持ちを抱く人が増えていると考えられます。
さらに、最近は多くの自治体が空き家バンクや「地方創生移住支援事業」に基づく移住支援金、子育て支援制度などを積極的に打ち出しており、田舎暮らしを始めやすい環境が整っている点も大きいです。
田舎に住むメリット
田舎に暮らす大きなメリットは、生活の中で都会では得にくい「余裕」を確保できることにあるでしょう。
都市部と比べて住まいの広さ・物価・家賃などでゆとりが生まれやすく、静かな生活環境も確保しやすいため、経済的・精神的な『余白』につながります。
では、具体的にどのような効果が期待できるのか、ここでは、生活面・経済面・仕事面の3点で整理してみましょう。
生活面のメリット:広い家と豊かな自然、密な人付き合い
田舎暮らしにおける生活面でのメリットは、広い住環境と自然の近さ、そしてコミュニティの温かさが揃っている点です。
田舎は土地の価格が低いケースが多いため、庭付きの戸建てやゆとりある間取りの物件を選びたい人にはピッタリです。特に子育て世代にとっては、子どもが走り回れるスペースや家庭菜園のある生活は、魅力的に映ることでしょう。
また、山・川・海など四季ごとの景観が身近にあり、散歩やアウトドアが日常の延長線になる点も大きな魅力です。休日だけでなく、仕事の合間の気分転換として自然に触れられるようになりますし、自然が「特別な場所」ではなく「身近な環境」になるのは、田舎ならではの贅沢といえるでしょう。
そして、地域コミュニティの存在も田舎暮らしの特長です。田舎では近所同士の距離が近いため、生活の相談ができたり、季節行事に誘われたりと、人とのつながりが密なケースが多いです。
初めての土地で心配に感じる人もいると思いますが、挨拶や地域活動を通じて関係を築いていけば、自然と受け入れてもらえる場面も増えていきます。地域に溶け込むことで、暮らしの安心感や支えを実感しやすくなる点も、田舎ならではの大きなメリットです。
経済面のメリット:生活コストの削減と充実した移住支援金
経済面の大きなメリットは、都市部よりも家賃や生活費が少なく済むことです。特に家賃は大幅に安くなるケースが多く、同じ予算でも広い家や庭付きの物件を選べる可能性があります。固定費を抑えたい場合や、家族でゆったり暮らしたい場合には、有効な選択肢となるでしょう。
食費の面では、野菜や魚といった地元で採れる食材を安く手に入れやすい特徴があります。朝採れ野菜や旬の果物が手頃な価格で並ぶ地域も多く、取れたての食材を日常的に楽しめるのは、田舎ならではの嬉しいポイントです。さらに家庭菜園を始めれば、節約をしながら自分で育てる楽しさも感じられます。
さらに、自治体が提供する移住支援金や住宅取得補助などを活用できる点も大きなメリットです。自治体によっては、移住支援金として最大100万円(単身の場合は60万円)に加え、子育て世帯への加算金が用意されているケースもあります。移住先を考える際には必ずチェックしておきましょう。
仕事面のメリット:場所を選ばない働き方やチャレンジできる環境など
仕事面においては、個人の選択による比重が大きいものの、働く場所や時間の自由度を高めることが可能です。最近はリモートワークに対応した企業も増えており、田舎に住みながら都市部と同じ仕事を続けられるケースも珍しくありません。リモートワークが中心になれば、通勤時間がなくなる分、家族との時間を増やしたり、資格取得の勉強に充てたりと、働き方そのものに余裕を生みやすくなります。
また、生活コストが下がる副次的な効果として、副業やフリーランスなどに挑戦しやすい環境が整うメリットもあります。自治体によってはコワーキングスペースの提供や創業補助金など、チャレンジを後押しする制度が用意されているところもあるのでチェックしてみてください。
さらに、田舎では農業・林業・漁業といった一次産業に触れられる機会が多く、自分の手で生活をつくる実感を得やすいのも魅力です。新規就農研修や地域おこし協力隊のように、未経験からでも挑戦できる仕組みがあるため「自然の中で働きたい」「食に関わる仕事がしたい」という人にとっては良いチャレンジの場となるでしょう。
田舎暮らしのデメリットと対策

田舎暮らしには魅力が多い一方で、移動手段や医療、仕事の選択肢においては不便さを感じやすいという現実があります。これらは生活の土台となる部分のため、手放しに考えられないポイントであり、事前に地域の実情や課題を把握しておく必要があります。
そこでここでは、それぞれのデメリットを和らげるための対策を具体的に紹介します。
移動手段の問題:車に最適化した生活スタイルを組む
田舎暮らしでまず直面しやすいのが「車が必須になる」ことです。バスや電車は本数が少なく、最終便の時間も早いので、日常生活のほとんどを車で完結させる必要が出てきます。
この課題を和らげるには、生活スタイルそのものを「車中心」に最適化することが効果的です。運転が苦手な人は、コンパクトカーや安全性能の高い車種を選ぶだけでも負担が大きく減りますし、維持費が心配な人は、軽自動車を中心にした車種選びやカーシェア・レンタカーの併用でコストを抑えることもできます。
老後が心配な場合は、市街地まで徒歩でアクセスできる立地や、デマンドタクシーやコミュニティバスなどが整備されている地域を選ぶと良いでしょう。自治体によっては、高齢者向けの送迎支援や病院直行便を運行している場合もあります。
医療・商業施設の弱さ:早めの情報収集やオンラインショッピングが有効
田舎はどうしても医療と商業インフラの弱さが目立ってしまいます。医療機関は大きな病院まで車で30〜60分かかるケースも多く、特に小児科・産婦人科・在宅医療などの分野では地域差が大きく出てしまいます。
そのため、使う医療機関は住む前に把握しておく必要があります。かかりつけ医を早めに見つけておけば急な体調不良にも落ち着いて対応できますし、小児科や産婦人科が少ない地域では、休日当番医や広域病院の距離をチェックしておくと不安が軽減されるでしょう。
また、商業施設についても、スーパーやドラッグストアが限られていたり、営業時間が短かったりと、都会のような便利さを期待することはできません。ただし、このあたりはオンラインショッピングや生協(生活協同組合)の活用でカバーできる部分も大きいです。
働き口の少なさ:リモートワークや副業でリスクを抑える
仕事の選択肢については、都市部に比べて業種・職種が大幅に限られる点が最大の課題です。特に専門職や高収入職は求人が少なく、希望条件に合う仕事を見つけにくい場合があります。正社員よりもパート・アルバイトが中心という地域もあり、キャリアの継続性を考える人にとっては悩みどころになるでしょう。
この点を解決するには、リモートワークや副業の活用が効果的です。元の職場に在籍したままリモートで働ければ、収入やキャリアを維持できる見込みがありますし、あらかじめインターネットでできる副業を始めておけば、地域の求人状況に左右されにくい働き方をつくれます。動画編集・ライティング・プログラミングなど、場所を選ばないスキルを持っておくことで、田舎暮らしでも安定した収入源を確保しやすくなります。
さらに、ある程度の不労所得やストック収入があると、仕事に縛られすぎずに暮らし方の選択肢を広げられます。家賃や生活費が都市部より抑えられる環境だからこそ、小さくても副収入を得ることが生活全体の安心感につながります。
以下の記事では初心者が不労所得を作るための情報を紹介しています。
初心者が知りたい!不労所得を投資で実現するための基礎知識
失敗しないための「田舎に住む」準備リスト|気候・インフラ・コミュニティ

田舎暮らしを始める際には、安全・安心に生活するために以下の3点は必ず確認しておきましょう。
- 気候や災害リスク
- 地域のインフラや通信環境
- コミュニティとの相性や生活環境の違い
では、これらを調べるにあたって、どのようなポイントをチェックすべきでしょうか?それぞれ具体的に見ていきましょう。
気候や災害リスク
移住の準備で最初に確認したいのが、その土地ならではの気候特性や災害リスクです。豪雪地帯では冬の除雪負担が大きく、車の装備や暖房費も都会以上にかかる傾向がありますし、夏の湿気が強い地域ではカビ対策が必要になるなど、実際の生活負担は気候に左右されます。
また、地震・水害・土砂災害といったリスクも必ず確認しておきたいポイントです。自治体のハザードマップや防災情報を見れば、洪水や土砂災害の危険度、地盤の強さなどを事前に把握できますし、避難所までの距離や、過去の災害履歴も参考になります。実際に住み始めた後の安心感を得るためにも、自然環境の特性を理解したうえで移住先を選ぶことが大切です。
地域のインフラや通信環境
次に注目したいのは、インターネット・電力・水道といった生活の基盤がどこまで整っているかです。
上下水道やガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)、ゴミ収集のルール、病院やスーパーまでの距離など、日常生活に関わる基盤がどの程度整っているのかを事前に確認しておきましょう。特に下水については、都市部のように下水道が整備されておらず、浄化槽を利用する地域では、法令に基づく保守点検・清掃・法定検査(年1回)が必要になります。
また、通信環境も見落とせないポイントです。リモートワークやオンライン学習を行う場合、光回線の有無やモバイル回線の電波状況が生活の質を大きく左右します。中には「光回線はエリア外」「スマホの電波が弱い」といった地域もあるため、実際に現地で速度を確認するのが確実です。
コミュニティとの相性や生活習慣の違い
地域の雰囲気やコミュニティとの距離感が、自分に合うかどうかを見極めることも重要です。田舎では、近所付き合いが密な地域もあれば、適度な距離感を保つ地域もあり、そのスタイルはさまざまです。また、ゴミ出しのルールや自治会活動の頻度など、生活リズムに影響する要素も地域差があります。これらは実際に住むうえで「ストレスになるか」「心地よく感じられるか」を左右するため、事前に確認しておきましょう。
地域コミュニティとの相性を見極めるには、短期の滞在や「お試し移住」を活用するのが効果的です。地元のスーパーや公共施設を利用してみたり、住民と挨拶を交わしたりするだけでも、地域の空気感がつかめます。
また、移住相談窓口や地域おこし協力隊などと話すことで、地域独自の習慣や暮らしのリアルを知ることができます。コミュニティとの相性を把握できれば、移住後の生活がぐっとスムーズになり、安心感のあるスタートを切れるでしょう。
まとめ:田舎暮らしのメリットを活かし、自分らしい暮らしを見つけよう
田舎に住むメリットは、自然や住環境のゆとりだけでなく、働き方やお金の使い方を含めて、暮らし全体を見直せる点にあります。生活コストを抑えながら、自分の時間や価値観を大切にできるのは、田舎暮らしならではの魅力といえるでしょう。
一方で、移動手段や医療、仕事の選択肢など、事前に理解しておくべき課題があるのも事実です。だからこそ「憧れ」だけで判断せずに、自分や家族の生活スタイルに合うかどうかを冷静に考えることが重要になります。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。