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公開日:2026.06.27 更新日:2026.06.12

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不動産の収益物件の選び方は?利回りだけで判断しない探し方と購入前の注意点 

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不動産の収益物件を探し始める際、多くの方が最初に注目するのが「表面利回り」や「販売価格」です。これらは収益性を測る上で不可欠な指標ですが、そこばかり見ていると、実際に手元に残るお金や購入後にかかる費用を見落としてしまうことがあります。 

大事なのは、その物件の立地や建物の状態、区分・一棟・戸建てといった種類ごとの特徴を踏まえて、収益の出方とリスクを具体的に見ていくことです。同じ利回りでも空室が出たときの影響や修繕費のかかり方、売却しやすさは物件によって大きく変わりますので、表面上の数字だけでなく「その収益が本当に続くのか」という視点で判断することが大切です。 

そこでこの記事では、収益物件の基本的な種類や探し方、利回りを見るときの注意点、購入前に確認したいリスクを解説します。初めて収益物件を検討する方は、どの数字を見て、どこを専門家に相談すべきかを整理しながら読み進めてみてください。

そもそも不動産の収益物件とは?仕組みと投資目的を解説

収益物件とは、自分で住むためではなく、家賃収入や売却益を得る目的で所有する不動産のことです。入居者との間で締結する建物賃貸借契約から得られる継続的な家賃収入を「インカムゲイン」、所有権移転を伴う売買契約によって譲渡益を得ることを「キャピタルゲイン」と呼びます。

収益物件は「収益を得る」という目的があるがゆえに、物件選びでは「継続して借り手がつくか」「運営費を差し引いて利益が残るか」が判断の中心になります。

この点が意外と難しく、販売図面に書かれた利回りだけでは、本当の収益性までは分かりません。空室が続けば家賃収入は減り、修繕費や管理費、税金、ローン返済などの支出が重なると、想定よりも手元にお金が残らないこともあります。

そのため、見た目や価格の安さだけでなく、収入と支出のバランスを見ながら検討することが大切になってきます。 

不動産投資における収益物件の4つの種類と特徴

収益物件は、種類によって収益の出方や管理の手間、空室時の影響が変わります。どの物件が優れているというより、自分の資金計画や運用できる範囲に合うかを見極めることが大切です。

種類特徴注意点
区分マンション1室から購入しやすく、管理を任せやすい空室になると家賃収入がゼロになりやすい
一棟アパート・マンション複数戸あるため、空室リスクを分散しやすい建物全体の修繕費や管理負担が大きくなりやすい
戸建て賃貸ファミリー層と相性がよく、長期入居につながりやすい建物ごとの個別性が強く、修繕費の差が出やすい
店舗・事務所・倉庫など住宅以外の需要を取り込める業種や立地の影響を受けやすく、退去後の空室期間が長くなることがある

区分マンションは一棟物件に比べて初期費用を抑えやすく、建物全体の管理を管理組合(委託された管理会社)に一任できるため、初心者でも参入しやすいのがメリットです。ただし、1室単位での所有となるため、入居者が退去した瞬間に「稼働率0%(家賃収入ゼロ)」となる極端な空室リスクを内包しています。

一棟アパートや一棟マンションは、複数の部屋から家賃収入を得られる点が特徴です。一方で、屋根・外壁・共用部などの修繕を所有者側で考える必要があり、購入後の管理費用まで見込んでおく必要があります。

戸建て賃貸は、子育て世帯などの長期入居が期待できる反面、建物の状態によって修繕費が大きく変わります。店舗や事務所などの商業系物件は、住宅とは違う収益性がある一方で、契約内容や用途制限、退去後の次の借り手探しまで慎重に確認しましょう。

収益物件の探し方は?検索サイト・不動産会社・非公開物件で探す際の3つのテクニック

収益物件を探すときは、検索サイト、不動産会社、非公開物件の情報を使い分けることが大切です。検索サイトだけを見ると相場観はつかみやすいものの、掲載情報だけでは空室状況や修繕リスクまで判断しきれません。

一方で、不動産会社から紹介される物件や非公開物件も、必ず条件が良いとは限らないため、公開物件と同じ基準で比較する必要があります。

探し方特徴確認したいポイント
物件検索サイト価格・利回り・築年数を比較しやすい表面利回りだけでなく、空室・管理費・修繕費も見る
不動産会社条件に合う物件を提案してもらえる賃料相場・修繕・売却時の見通しまで説明できるか
非公開物件条件に合う買い手へ先に紹介されることがある掘り出し物と決めつけず、通常物件と同じ基準で見る

ここでは、上記の方法で収益物件を探す際に意識したい3つのテクニックを見ていきましょう。

テクニック1:物件種別から入居者像を絞り込む

物件を選ぶ際には、区分マンション、一棟アパート、戸建て賃貸、店舗・事務所など、物件の種類によって想定される借り手や管理の手間が変わるため、物件種別から入居者像を絞り込むと探しやすくなります。

たとえば、区分マンションなら単身者向け、一棟アパートなら複数戸の賃貸経営、戸建て賃貸ならファミリー層など、ある程度の方向性を立てられます。最初に入居者像を考えておくと、見るべきエリアや間取り、設備条件も絞り込みやすくなります。

テクニック2:エリア・路線から賃貸需要を確認する

エリアや路線から探すときは「その地域で借りたい人がいる理由」を確認することが大切です。具体的には、駅からの距離や周辺の企業、大学、病院、商業施設、人口動向などが該当します。

また、同じエリアでも築年数や設備、駅徒歩分数によって家賃は変わります。そのため、周辺の類似物件の募集賃料をリサーチして、想定家賃を高く見積もりすぎないようにしましょう。家賃設定が少しずれるだけでも、利回りや手残りに大きく影響することがあります。

テクニック3:条件指定でリスクのある物件を見分ける

条件指定やフリーワード検索をうまく使うと、リスクのある物件も見分けやすくなります。価格や利回りだけでなく、築年数や構造、総戸数、満室・空室の有無なども組み合わせて実態を精査しましょう。

たとえば、物件を条件から検索する際に、最初から利回りだけで絞りすぎるのは避けたほうが無難です。利回りは基本的に「年間賃料収入÷物件価格」で計算されるため、物件価格が安ければ数字上は高く見えやすくなります。つまり、築年数が古い物件や需要の弱い物件など、本体価格が安い物件も高利回りになる可能性があります。 

収益物件は利回りだけで判断しない!理解すべき主な収益性指標

販売図面に書かれている利回りは、あくまで収益性を見る入口であり、実際の手残りを示しているとは限りません。そのため、物件を比較するときは、実質利回りやNOI、キャッシュフローといった、実際の収益性や手残りに近い指標まで確認することが大切です。 

ここでは最低限覚えておきたい、収益性を判断するための指標を5つ見ていきましょう。

指標意味見るときの注意点
表面利回り年間家賃収入を物件価格で割った数字空室や運営費が反映されていない
実質利回り運営費や購入時の諸費用を考慮した利回りどこまで費用を入れるかで数字が変わる
NOI家賃収入から運営費を差し引いた収益物件そのものの稼ぐ力を見やすい
キャッシュフローローン返済後に手元に残る現金融資条件によって大きく変わる
運営費管理費・修繕費・税金・保険料など見落とすと収支計画が甘くなる

表面利回りと実質利回り

表面利回りとは、年間の家賃収入を物件価格で割って求める数字です。物件情報で最初に提示されることが多く、物件比較の入口として使いやすい値ですが、管理費や修繕費、税金、空室期間などは反映されていません。

一方、実質利回りは、運営費や購入時の諸費用を差し引いたあとの収益性を見るための指標です。表面利回りよりも実際の手残りに近い数字を確認できるため、収益物件を比較する際は、こちらもあわせて見る必要があります。

NOI(物件の収益力)

NOIとは、家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税、保険料などの運営費を差し引いたあとの収益のことです。ローン返済を含める前の数字なので、物件そのものがどれくらい稼ぐ力を持っているかを見る指標になります。

キャッシュフロー(手元に残る現金)

キャッシュフローは、NOIからローン返済額を差し引いたあとに手元に残る現金です。収益物件では、このキャッシュフローがプラスで安定しているかどうかが重要な判断材料になります。

たとえ物件自体の収益性が悪くなくても、借入金額が大きい、金利が高い、返済期間が短いと、毎月の返済負担が重くなります。

運営費(管理費・修繕・税金など)

運営費とは、収益物件を維持・運用するためにかかる費用のことです。代表的な運営費には、管理会社への管理委託費、地方税法に基づく固定資産税・都市計画税、損害保険料(火災・地震保険)、入居募集時の広告費(AD)、および民法第606条(賃貸人の修繕義務)や国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に準拠した修繕・原状回復費用などがあります。

特に屋根や外壁、給排水設備などにかかる修繕費は、まとまった支出になりやすい項目です。利回りを見るときは、毎年かかる費用だけでなく、将来的な修繕費まで含めて収支を考えることが大切です。

物件の購入前に確認すべきポイントとリスクは?

一度物件を購入してしまうと、思ったより入居が決まらなかったり、修繕費がかかったりといった問題が発生しても、簡単に物件を変えることはできません。そのため、収益物件を購入する前には、物件そのものの状態や周辺環境、将来のリスクまで確認しておく必要があります。

ここでは、必ずチェックしておくべきポイントとリスクを、表でまとめて見ていきましょう。

確認項目見るべきポイント注意点
立地駅距離、生活利便性、周辺環境近くても騒音や坂道、夜道の暗さで敬遠されることがある
賃貸環境周辺の人口、企業、大学、病院、商業施設借りたい人がいる理由を説明できるか確認する
管理状態共用部、ゴミ置き場、掲示物、清掃状況管理が悪い物件は入居者満足度や資産価値に影響しやすい
空室リスク現在の空室数、募集期間、周辺競合満室想定の利回りだけでは実態を判断できない
家賃下落リスク周辺の募集賃料、築年数、設備水準想定家賃を高く見積もりすぎると収支計画が崩れやすい
修繕リスク屋根、外壁、給排水設備、共用部購入後にまとまった支出が発生する可能性がある
災害リスク洪水、土砂災害、地震、液状化などハザードマップや保険の加入条件も確認する

これらのポイントに共通しているのは、物件には「資料だけでは分からないこと」が必ずあるという点です。最近は物件情報や写真、周辺データも確認しやすくなっていますが、共用部の雰囲気や管理状態、周辺環境の細かな違和感までは、画面上だけでは判断しきれません。

投資対象として関心のある物件を抽出した後は、必ず詳細な現地調査(実地検証)を行い、管理会社や仲介業者へのヒアリングを通じて、資料に現れない潜在的リスクを徹底的に洗い出します。少しでも不確実な要素や判断に迷う点がある場合は、売買契約を締結する前に各分野のプロフェッショナルへ相談することが賢明です。

融資を受ける際に覚えておきたい基本事項(自己資金・金利・返済比率・耐用年数)

収益物件は、融資条件によって購入後の手残りが大きく変わります。物件価格や利回りだけでなく、自己資金をどれくらい入れるのか、金利や返済期間が収支にどう影響するのかまで確認しておきましょう。

確認項目見るべきポイント注意点
自己資金頭金、諸費用、運転資金空室や修繕に備える現金も残しておく
金利固定・変動、金利上昇時の返済額少しの金利差でも長期では負担が変わる
返済比率家賃収入に対する返済額の割合高すぎると空室や家賃下落で赤字化しやすい
耐用年数建物構造と築年数築古物件は残存耐用年数が短いため金融機関の融資期間が制限されやすく、デッドクロスのリスクが高まる

特に注意したいのは、融資を受けられることと、無理なく返済できることは別だという点です。家賃収入に対して返済額が大きすぎると、少し空室が出ただけで資金繰りが苦しくなる恐れがあります。 

収益物件では空室や修繕が発生しても、ローン返済は続きます。購入前には、満室時だけでなく、空室が出た場合や家賃が下がった場合でもキャッシュフローが残るかを試算しておきましょう。

収益物件を購入する流れ(申込〜契約〜決済〜引渡し)

収益物件の購入では、申込から契約、融資、決済・引渡しまで、期限のある手続きが続くため、事前に流れを把握しておきましょう。主な流れは以下のとおりです。

手順主な内容確認したいポイント
申込・条件交渉買付証明書を提出し、価格や条件を交渉する希望価格、引渡し時期、融資利用の有無
物件調査・融資相談賃料相場、修繕履歴、レントロールなどを確認する収支計画に無理がないか
売買契約重要事項説明(宅建業法第35条)を受け、契約書を締結する融資特約、解除条件、違約金、契約不適合責任の範囲、引渡し条件など
融資承認金融機関の審査を受ける金利、返済期間、自己資金、返済額
決済・引渡し残代金を支払い、所有権移転登記を行う管理会社の引継ぎ、家賃入金先、入居者への通知

売買契約を締結する上で最も致命的なのは、重要事項説明の内容や特約条項に曖昧な点を残したまま署名・捺印してしまうことです。賃料相場や空室状況、修繕履歴、管理会社との契約内容などに曖昧な部分があると、購入後に想定外の支出や運用トラブルにつながる可能性があります。

購入後の運用で収益を守るポイント(管理会社選び・入居募集・賃料改定)

収益物件は、購入後の運用によって収益が大きく変わってきます。物件そのものの条件が良くても、管理が行き届かなかったり、入居募集が弱かったりすると、空室期間が長くなり手残りが減ってしまうかもしれません。

運用のポイント確認したい内容注意点
管理会社選び報告の速さ、空室対策、修繕対応手数料の安さだけで選ぶと対応力に差が出ることがある
入居募集適正賃料、写真、募集図面、内見対応反響が弱い場合は賃料以外の条件も見直す
賃料改定周辺相場、設備水準、入居状況高すぎる賃料設定は空室期間を長引かせる可能性がある

特に大切なのが管理会社の選び方です。管理会社は物件を健全に保ち運用するパートナーですので、月次報告の内容や空室時の提案力、修繕見積もりの妥当性など、長く安心して運用するための絶対条件を満たしているか確認しましょう。

また、入居募集では、周辺相場に合った賃料設定や写真・図面の見せ方、内見対応の速さなどが重要です。希望者がなかなか現れない場合は、家賃を下げる前に広告条件や設備、原状回復の仕上がりを見直す余地があります。

そして賃料を改定する場合は、単に家賃を上げるか下げるかではなく、周辺の競合物件と比べて選ばれる理由があるかを基準に考えましょう。購入後も相場や稼働状況を定期的に確認し、空室が長引く前に対策を取ることが収益を守るポイントです。

収益物件選びで迷ったら専門家に相談しよう

収益物件は、利回りや価格だけでなく、賃貸需要、修繕費、融資条件、購入後の管理まで含めて判断する必要があります。

そのため、収支の見通しや物件の状態、将来の売却・活用まで考える場合は、不動産会社や金融機関、税理士といった専門家に相談しながら進めるのが安心です。

収益物件としての活用や不動産の扱い方で迷っている場合は、空き家活用サービスを提供しているアキサポへの相談も選択肢に入れてみてください。物件の状況や希望に応じた活用方法を整理しながら、無理のない進め方を検討してみましょう。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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