公開日:2026.10.21
NEW他社で断られた物件でも売却できる?不動産売却を進める方法を解説

「この物件は取り扱えません」と不動産会社に断られると、このまま売れないのではないかと不安になりますよね。
しかし、不動産売却を他社で断られた場合でも、売却できないと決まったわけではありません。 不動産会社が売却を断る理由には、築年数や建物の状態、法規制、権利関係のほか、その会社が得意とする物件や対応エリア、採算性なども関係しています。
そのため、まずは断られた理由を整理し、物件の特徴に合った売却方法や相談先へ切り替えることが大切です。この記事では、不動産会社に売却を断られる主な理由から、断られたときに確認したいこと、売却するための方法、不動産会社の選び方まで順に解説します。
目次
不動産会社に売却を断られる主な理由

不動産会社に売却を断られる主な理由は、大きく分けて「物件の状態」「法規制」「権利関係」「採算性」の4つがあります。
同じ物件でも、不動産会社によって得意な分野や買主を探す方法は異なります。まずは、どの部分が売却のネックになっているのかを整理してみましょう。
建物の状態に問題がある
築年数が古い、雨漏りやシロアリ被害がある、建物が大きく傷んでいるなどの問題のある物件は、基本的に敬遠されやすくなります。ほかにも、残置物が多く、そのままでは内覧や引き渡しが難しい場合もこれに該当します。
また、過去に人の死が生じた心理的瑕疵(事故物件)がある場合、国土交通省のガイドラインに沿った正確な告知が求められます。告知義務の判断や適切な説明に慣れていない不動産会社では、対応を断られるケースがあります。
法規制によって利用方法が限られている
再建築できない土地や接道条件に問題がある土地などは、購入後の建て替えや利用方法が限られるため、買主を見つけにくくなりやすいです。
このケースでは用途地域や市街化調整区域などの規制が関係している場合もあり、物件によっては「購入後にどのような使い方ができるのか」を確認するための調査が必要です。こうした調査や説明に慣れていない不動産会社では、取り扱いを断られることがあります。
権利関係が複雑になっている
共有名義や借地権、相続登記が済んでいない物件などは、権利関係の確認や関係者との調整に時間がかかることがあります。購入後に自由に利用・処分できるかわかりにくいと、買主も慎重になり、取引のハードルが高くなりがちです。
たとえば共有不動産全体を売却する場合は共有者との調整が必要です。借地権が関係していれば契約内容や地主との関係を確認する必要があり、抵当権などが残っている場合も手続きを整理しなければなりません。
なお、相続登記は2024年4月より義務化されており、取得を知った日から原則3年以内に申請しなければなりません。義務化前から相続していた場合も2027年3月31日が申請期限です。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
売却しても採算が合いにくい
物件そのものに大きな問題がなくても、採算性が低いと不動産会社から取り扱いを断られることがあります。
たとえば、買主が少ない地域の物件や売却価格が低くなりやすい物件は、成約までに時間がかかる一方で、不動産会社が受け取れる仲介手数料は大きくなりにくい傾向があります。なお、2024年7月の法改正により、800万円以下の低廉な空家等については仲介手数料の上限が原則最大33万円(税込)まで引き上げられましたが、現地調査や案内にかかる人件費・広告費などのコストを勘案して、依然として取り扱いを慎重に判断する不動産会社も少なくありません。
また、売主の希望価格が周辺相場とかけ離れている場合も、売却の見込みを立てにくいため依頼を受けてもらえないことがあります。
断られたときに最初に確認すること

不動産会社に売却を断られたら、すぐに別の会社を探す前に、まずは「なぜ断られたのか」を確認しておきましょう。原因がわかれば、別の会社へ相談すべきか、売却前に解決すべき問題があるのかを判断しやすくなります。
たとえば、接道条件や境界、共有者との調整、希望価格、対応エリアなど、断られた理由をできるだけ具体的に聞いてみてください。対応エリア外や、その会社が扱い慣れていない物件だっただけなら、別の不動産会社へ相談することで進む可能性があります。
一方、再建築できない、権利関係の整理が必要といった物件側の問題であれば、その分野を得意とする会社を探したり、必要な手続きを先に進めたりする必要があります。
あわせて、次の相談に備えて、以下のような書類や情報も整理しておきましょう。
- 登記に関する書類
- 固定資産税の納税通知書
- 間取り図や測量図などの資料
- 建築確認に関する書類
- 修繕やリフォームの履歴
- 賃貸中の場合は賃貸借契約書
- 雨漏りや設備不良など、把握している建物の不具合
- 残置物や増改築の有無
すべてをそろえてから相談する必要はありません。まずは「何が問題なのか」「どこまで情報がそろっているのか」を整理しておくだけでも、次の不動産会社へ事情を伝えやすくなり、売却方法も検討しやすくなります。
不動産会社に断られた物件を売却する方法

一度は不動産会社に断られた物件でも、買取や専門業者への相談、権利関係の整理など、別の方法を選べば売却できるようになるケースがあります。
ここで覚えておきたいのは、断られた理由によって適した方法は異なるということです。建物の状態に問題があるのか、権利関係が複雑なのか、あるいは採算性の問題なのかによって、選ぶべき売却方法や相談先も変わります。
ここでは、代表的な売却方法として以下の5つを紹介します。
| 売却方法 | 向いているケース | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 不動産会社に買い取ってもらう | 早く手間なく手放したい、契約不適合責任を免責してほしい | 仲介に比べて売却価格が低くなりやすい |
| 訳あり物件を扱う専門業者に相談する | 再建築不可や事故物件など、特殊な事情がある | 業者の実績や販路によって条件が大きく変わる |
| 共有持分のみを売却する | 共有者の同意が得られず、自分の持分だけを手放したい | ほかの共有者とトラブルになるリスクがある |
| 建物を解体して土地として売る | 建物の老朽化がひどく、解体すれば再建築できる | 解体費用がかかり、翌年の固定資産税が高くなる場合がある |
| 権利関係を整理してから売る | 未登記や抵当権など、手続きの問題で断られた | 司法書士などの専門家費用や手続きの時間がかかる |
不動産会社に買い取ってもらう
仲介で買主を見つけるのが難しい場合は、一般の購入希望者を探す必要がない、不動産会社に直接買い取ってもらう方法を検討してみましょう。
買取であれば、築年数が古い、建物に不具合がある、残置物が多いといった物件でも、現状のまま相談できる場合があります。相続などで売却期限が決まっている場合や、できるだけ手間をかけずに処分したい場合にも検討しやすいでしょう。
ただし、不動産会社は購入後の修繕や再販売にかかる費用などを見込んで査定するため、仲介より売却価格が低くなるのが一般的です。
訳あり物件を扱う専門業者に相談する
再建築できない物件や事故物件、借地権付きの物件、老朽化が進んだ建物などは、建物や権利関係などに事情がある、いわゆる「訳あり物件」を専門的に扱う不動産会社へ相談する方法があります。
一般的な不動産会社では扱いにくい物件でも、専門業者であれば過去の取引経験や独自の販路を持っていることがあります。一般の住宅購入者だけでなく、投資家や再生を前提とする事業者、隣地所有者など、物件に合った買主を探せる可能性もあります。
共有持分のみを売却する
共有名義の不動産で、共有者全員の合意を得るのが難しい場合は、自分が所有している共有持分のみを売却する方法もあります。
共有持分を購入する投資家や専門業者もいるため、不動産全体を売却できない場合の選択肢になります。ただし、不動産全体を売却する場合とは価格の考え方が異なり、希望する金額で売れないこともあります。
また、売却後は新しい持分所有者とほかの共有者との間で調整が必要になる可能性もあります。共有持分の売却を検討するときは、価格だけで決めず、売却後の影響も確認したうえで慎重に進めましょう。
建物を解体して土地として売る
建物の老朽化が大きな理由で売却を断られた場合は、建物を解体して土地として売る方法もあります。古い建物を残したままでは購入をためらう人でも、更地であれば新築用の土地として検討しやすくなることがあります。
ただし、新築用の土地として売るには、解体後に再建築できることが前提です。道路との接し方などによっては再建築が難しい土地もあるため、解体を決める前に自治体の建築担当窓口などで確認しましょう。
費用面では、建物の大きさや構造に応じた解体費用に加え、残置物の撤去費用などがかかります。また、建物を解体して更地にすると、固定資産税が最大6分の1に減額される「住宅用地の特例」が外れ、土地の税負担が実質的に跳ね上がる(最大3〜4倍程度)点に注意が必要です。なお、建物を放置して自治体から「特定空家」や「管理不全空家」に勧告された場合も、同様に特例が解除されます。 建物分の税額はなくなるため、解体後の負担は土地・建物の両方を踏まえて確認しましょう。
権利関係を整理してから売る
相続登記が済んでいない、抵当権が残っている、境界がはっきりしていないなど、手続き上の問題が理由で断られた場合は、売却前に権利関係を整理することで取引を進めやすくなることがあります。
どこまで整理する必要があるかは、物件の状況によって異なります。すべての問題を先に解決しようとすると時間や費用がかかるため、まずは売却するうえで何が障害になっているのかを確認し、必要な手続きから進めるのが現実的です。
不動産会社だけでは判断が難しい場合は、司法書士や弁護士などと連携しながら進める方法もあります。売却を断られた理由が権利関係にあるなら、こうした手続きに対応できる不動産会社へ相談してみましょう。
不動産会社に物件を売却するまでの5ステップ

不動産会社に売却を断られたときは、やみくもに別の会社へ相談するのではなく、断られた理由に合わせて次の行動を決めていきましょう。
基本的な流れは以下の5ステップです。
- 断られた理由を確認する
物件の状態や法規制、権利関係、価格など、どこが売却のネックになったのかを確認します。 - 売却で何を優先するか決める
できるだけ早く売りたいのか、価格を重視するのか、修繕や片付けをせず現状のまま売りたいのかを整理します。 - 物件に合った売却方法を選ぶ
一般的な仲介だけでなく、買取や訳あり物件を扱う専門業者への相談など、断られた理由に合った方法を検討します。 - 物件に関する情報を整理する
境界や権利関係、修繕履歴、残置物など、次の不動産会社が判断するために必要な情報をまとめておきます。 - 物件の扱いを得意とする会社へ相談する
複数の不動産会社を比較する際は、査定額だけでなく、同じような物件を扱った実績や提案内容も確認しましょう。
一度断られたからといって、同じ条件のまま何社にも相談する必要はありません。まず原因を整理し、売却方法や相談先を変えることで、次の会社では売却まで進められる可能性があります。
不動産会社に断られたあとに避けたい行動

一度売却を断られると、早く次の相談先を見つけようと焦ってしまいがちです。しかし、原因を整理しないまま動いたり、売却を急ぐあまり条件を大きく変えたりすると、かえって売却が難しくなることがあります。
特に、以下の3つには注意しましょう。
- 理由を確認せずに依頼先だけ増やす
断られた原因が分からないまま別の不動産会社へ相談しても、同じ理由で断られる可能性があります。まずは何が問題だったのかを確認し、その分野を得意とする会社へ相談しましょう。 - 相場を無視して価格を決める
高すぎる価格では買主が見つかりにくく、反対に売却を急いで大幅に安くすると、本来得られたはずの金額を逃す可能性があります。周辺相場や物件の状態を踏まえて、現実的な価格を検討することが大切です。 - 不具合や権利関係などを隠して売却する
雨漏りや境界、事故などの事情を隠して契約すると、売却後に損害賠償などのトラブルへ発展する恐れがあります。 把握している情報は不動産会社へ正確に伝え、どのように買主へ説明するか相談しながら進めましょう。
一度断られた後ほど、数を打つよりも「なぜ断られたのか」を踏まえて次の行動を選ぶことが重要です。焦って条件を変えるのではなく、原因に合った売却方法や相談先を探していきましょう。
不動産買取を依頼する会社の選び方

不動産買取を利用する場合は、査定額の高さだけで会社を決めないことが大切です。特に、一度ほかの不動産会社で断られた物件では、建物の状態や権利関係など、売却が難しい理由まで理解したうえで買い取ってもらえるかを確認する必要があります。
複数の会社へ査定を依頼し、価格だけでなく、査定の根拠や契約条件、同じような物件の買取実績まで比較してみましょう。
査定額の根拠を説明してもらえるか
査定を受けたら、金額だけでなく「なぜこの価格になるのか」まで確認しておきましょう。
買取価格には、周辺の取引相場や物件の状態のほか、購入後に必要となるリフォームや解体、残置物の処分などが反映されることがあります。どのような点を評価し、どの部分を費用として見込んでいるのか説明してもらえれば、提示された金額にも納得しやすくなります。
複数社を比較するときも、単純な査定額だけでなく、それぞれの価格がどのような前提で算出されているのかまで見比べてみましょう。
引き渡し条件や売却後の責任が明確か
買取では、物件をどのような状態で引き渡すのかによって売主の負担が変わります。
たとえば、家財道具(残置物)の処分負担や、引き渡し後に雨漏りなどの不具合が見つかった際の「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」を免責にできるかは重要な確認ポイントです。不動産会社による直接買取であれば、この修補責任を免責(売主責任ゼロ)とする契約が一般的です。
「現状のまま買い取ります」と説明された場合も、具体的にどこまで対応してもらえるのかを確認し、契約書の内容と食い違いがないかチェックしておきましょう。不明点について分かりやすく説明してくれるかどうかも、会社を選ぶ際の判断材料になります。
同じような物件の買取実績があるか
一度売却を断られた物件では、その原因に近い物件を扱った経験があるかも確認しておきましょう。
再建築できない物件や共有名義、事故物件、老朽化した建物などは、それぞれ売却時に確認すべきポイントが異なります。同じような物件の買取実績がある会社であれば、必要な手続きや売却までの進め方についても具体的な提案を受けやすくなります。
権利関係が複雑な物件であれば、司法書士や弁護士などの専門家と連携できるかも確認してみてください。査定額だけでなく、「この物件をどのように買い取れるのか」まで説明できる会社を選ぶことで、売却後のトラブルも避けやすくなります。
A1. そうとは限りません。会社によって得意なエリアや物件種別が異なります。断られた理由を確認したうえで、同じような物件の取扱実績がある会社や買取の専門業者に相談してみましょう。
A2. 自治体によって受け入れ条件が異なり、寄付を希望しても必ず引き取ってもらえるわけではありません。活用の見込みや管理負担などを踏まえて判断されるため、自治体の窓口で条件を確認しましょう。あわせて、古い物件を扱う不動産会社への売却相談も検討できます。
A3. 不動産全体の売却には原則として共有者全員の同意が必要です。自分の共有持分のみを売却する方法もありますが、売却後の共有関係への影響も確認しましょう。話し合いで合意できない場合は、共有物分割請求などの方法について弁護士に相談できます。
まとめ|他社で断られた物件でも売却方法はある
不動産売却を他社で断られたとしても、その物件が売れないと決まったわけではありません。大切なのは、なぜ断られたのかを確認し、その理由に合った売却方法や相談先へ切り替えることです。
まずは断られた理由と物件の状況を整理し、どこを解決すれば売却できそうかを確認してみてください。そのうえで、仲介だけにこだわらず、買取や専門業者への相談なども比較しながら、自分の物件に合った方法を選ぶことが大切です。
一社に断られただけで売却を諦めず、同じような物件を扱った実績のある不動産会社へ相談するところから、次の一歩を進めてみましょう。
再建築不可や老朽化、権利関係の複雑さなどを理由に断られてお困りの場合は、空き家の買取実績が豊富なアキサポにご相談ください。現状のまま買取できるか、まずは無料で査定いたします。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






