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公開日:2025.09.02 更新日:2026.06.04

贈与税がかからない方法を解説!生前贈与の非課税枠や計算・申告

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贈与税の負担を抑えるには、年間110万円の基礎控除や相続時精算課税など複数の非課税枠から、自身の目的や資産状況に合う方法を選び、計画的に生前贈与を進めるのが最善です。
特に贈与税は親から子へ財産を渡す際に問題になりがちですが、一定の条件を満たせば、納税が免除されたり節税できたりするケースがあります。

本記事では、そんな贈与税の非課税枠を活用した節税対策、贈与税の仕組み、申告方法までをわかりやすく解説します。特に生前贈与や不動産贈与を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

贈与税とは

贈与税とは、個人が財産を無償で受け取った際に課せられる税金です。現金や不動産、株式などさまざまな資産が対象となり、財産を受け取った人(受贈者)が納税義務者となります。相続とは異なり、基本的に贈与は生前に行われるため、事前の準備や計画が重要です。

無償で土地の名義変更をした場合でも贈与税がかかる

親名義の土地を子どもに名義変更するケースはよくありますが、これも贈与のひとつ。たとえお金のやり取りがなくても、「財産を無償で渡した」とみなされれば贈与税の課税対象となります。不動産贈与を行う際には、贈与税だけでなく、登記費用や登録免許税も発生するので注意しましょう。

「みなし贈与」にも注意が必要

「みなし贈与」とは、贈与という形式をとっていなくとも、実質的に贈与と同様の経済的利益の移転があったと判断されるケースを指します。たとえば、著しく低い価格での不動産売買や、他人の債務の免除・引き受け、生命保険金が契約者以外の受取人に支払われる場合などが該当します。このような行為も税務署に指摘される可能性があるため、贈与契約書を作成するだけでなく、取引の正当性を証明できる客観的な証拠を残しておくことが大切です。

贈与税の算出方法

贈与税の税率は、財産を「誰から受け取るか」によって適用される種類が異なります。計算方法は「一般税率」と「特例税率」の2種類です。贈与税を計算する際の基礎知識として、それぞれ詳しく見ていきましょう。

【贈与税 税率・控除額 比較表】

基礎控除後の課税価格一般税率(親族以外などからの贈与)特例税率(親や祖父母から18歳以上への贈与)
200万円以下税率:10% / 控除額:ー税率:10% / 控除額:ー
300万円以下税率:15% / 控除額:10万円税率:15% / 控除額:10万円(400万円以下まで同条件)
400万円以下税率:20% / 控除額:25万円税率:15% / 控除額:10万円
600万円以下税率:30% / 控除額:65万円税率:20% / 控除額:30万円
1,000万円以下税率:40% / 控除額:125万円税率:30% / 控除額:90万円
1,500万円以下税率:45% / 控除額:175万円税率:40% / 控除額:190万円
3,000万円以下税率:50% / 控除額:250万円税率:45% / 控除額:265万円
4,500万円以下税率:55% / 控除額:400万円(3,000万円超)税率:50% / 控除額:415万円
4,500万円超税率:55% / 控除額:400万円税率:55% / 控除額:640万円

参照:国税庁

一般税率の場合

主に親族以外の人から財産を受け取った場合や、一定の条件を満たさない場合に適用されるのが、一般税率です。課税価格に応じて10%から最大55%までの累進課税が適用され、基礎控除の110万円を差し引いた後の金額に対して課税されます。

特例税率の場合

一方、特例税率は直系尊属(親や祖父母など)からの贈与で、受贈者が贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の子や孫である場合に適用されるものです。一般税率よりも低めに設定されており、節税につながることもあります。ただし、相続時精算課税制度や住宅取得資金の贈与の特例と併用できない場合があるため、適用条件をしっかり確認しておきましょう。特に、相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税の基礎控除は適用されなくなります。

生前贈与で贈与税がかからない方法とは

贈与税には非課税となる制度がいくつか存在します。具体的なものを4つご紹介するので、上手く活用して合法的に税負担を軽減しましょう。

【生前贈与の非課税制度 比較表】

制度名対象者上限額(非課税枠)主な条件注意点
暦年課税の基礎控除制限なし年間110万円特になし(毎年の贈与)定期贈与とみなされない工夫が必要
相続時精算課税制度60歳以上の直系尊属から18歳以上の子・孫通算2,500万円(+年110万円の基礎控除)届出書の提出が必要選択後は暦年課税に戻せない。年110万円を超える分は相続時に課税対象へ加算
配偶者控除(おしどり贈与)婚姻期間20年以上の夫婦最大2,000万円居住用不動産またはその取得資金の贈与同じ配偶者からは一生に一度しか使えない
住宅取得資金の贈与特例直系尊属から18歳以上の子・孫省エネ等住宅:1,000万円
一般住宅:500万円
受贈者の所得制限、住宅の床面積要件など2026年12月31日までの期間限定の特例制度

暦年課税による年間110万円以下の贈与

毎年の贈与額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。これは「基礎控除」と呼ばれる制度で、受贈者1人につき年間110万円までが非課税枠として認められます。そのため、一度に贈与するのではなく複数年にわたって分割して贈与すれば、課税を避けながら資産移転が可能です。

相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度は、贈与者である60歳以上の親や祖父母から、受贈者である18歳以上の子や孫への贈与に適用される制度です。この制度を選択すると、通算2,500万円までの特別控除に加え、2024年以降の法改正により「年間110万円の基礎控除」が新たに創設されました。毎年の贈与のうち110万円以下の部分は申告も不要で、将来の相続財産に加算する必要もありません。110万円を超えた分については、将来の相続時に相続財産に加算して相続税を精算します。

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための資金を贈与する場合、基礎控除110万円とは別に最大2,000万円までが贈与税の対象から外れる「贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)」が適用されます。この制度は一生に一度しか適用できませんが、長年連れ添った夫婦が安心して財産移転を行う手段として有効です。

住宅取得資金の贈与

親から住宅取得資金の贈与を受けた際に、一定の条件を満たせば非課税枠が設けられます。たとえば、新築・中古を問わず、住宅の購入や建築費用にあてる目的であれば、省エネ等住宅の場合は最大1,000万円まで、それ以外の一般住宅の場合は最大500万円までが非課税となります。

ただし、この制度は適用期間や非課税限度額が頻繁に改正されるため、税理士など専門家に相談し、最新情報を把握しておくようにしましょう。

贈与税の申告・納税方法の流れ

贈与税の申告と納税は、期限を守ることが大切です。遅延や不備があると追徴課税のリスクもあるため、正確に手続きを進められるよう、大まかな流れをチェックしておきましょう。

贈与税の申告と納付期限を確認する

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に行わなくてはなりません。この期間を過ぎると、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があるため、早めに準備しておくようにしましょう。

贈与税を計算する

贈与税の計算では、受け取った財産の評価額から基礎控除額を差し引き、税率をかけて課税額を算出します。贈与財産が不動産の場合、その評価は原則として贈与時点の路線価や倍率方式による相続税評価額を基に行われます。固定資産税評価額は、不動産取得税や登録免許税の計算時に用いられます。

<贈与税の計算例>

25歳の子が1年間に親から500万円の贈与を受けた場合

  • 500万円(財産の評価額)-110万円(基礎控除)=390万円(差引課税価格)
  • 390万円(差引課税価格)×15%(特例税率)-10万円(特例税率の控除額)=48万5,000円(贈与税額)
【図解】500万円の生前贈与を受けた場合の計算ステップ
STEP 01
基礎控除を差し引く

贈与された総額から、暦年課税の誰でも使える一律の非課税枠「基礎控除110万円」をマイナスし、課税対象となる金額を出します。

計算式

500万円 − 110万円 = 390万円(課税価格)

STEP 02
特例税率と控除を適用

親や祖父母からの直系贈与(18歳以上)のため「特例税率」が適用されます。390万円に対応する税率15%をかけ、そこから控除額10万円を引きます。

計算式

390万円 × 15% − 10万円 = 48.5万円

STEP 03
最終的な贈与税額

計算された「48万5,000円」が翌年の確定申告期間(2月1日〜3月15日)までに税務署へ申告・納税する、あなた自身の最終的な税額となります。

納税額

48万5,000円

贈与税の申告をする

申告は、贈与税の申告書に必要事項を記入し、税務署へ提出することで完了します。贈与契約書や財産評価明細書など、必要な添付書類も忘れずに準備しておきましょう。電子申告(e-Tax)も利用可能です。

贈与税を納付する

贈与税の納付は、申告と同じく3月15日までが期限です。納付方法には、金融機関窓口での支払いや、クレジットカード、インターネットバンキングによる納付などがあります。納付後の証明書も大切に保管しておくようにしましょう。

贈与税をかしこく回避するために気をつけるべきポイント

無駄な税負担を避けるためには、年数を分ける「分割贈与」、契約書などの「証拠保管」、そして「専門家への相談」の3つを徹底することが極めて重要です。そこで、スムーズに免税・節税するために気をつけておくべきポイントをまとめました。

分割贈与とタイミングの工夫

一度に多額の財産を贈与すると、贈与税が発生しやすくなります。そのため、節税するなら数年に分けて贈与を行う「分割贈与」が効果的です。また、贈与のタイミングを年の初めに設定することで、翌年以降の非課税枠も効率よく使えます。

税務署のチェックポイントとは?

税務署は高額な財産移転や不自然な贈与契約を厳しくチェックします。不動産贈与や名義変更の際には、事前に契約書や証明書類を整えておくと、不要な指摘を避けられるでしょう。また、過去に同様の贈与があったかどうかも調査されることがあるため、記録も保管しておくことが重要です。

税理士への相談でトラブルを防止

税金に関する手続きや制度の選択は複雑になりがちです。そのため、税理士に相談すれば、制度の最新情報や申告のアドバイスを得ることができます。特に相続時精算課税制度や住宅取得資金の非課税制度を検討している方は、専門家の意見を参考にすることで、将来のトラブル回避につなげられるでしょう。

贈与税以外にかかる税金・費用

贈与に伴って発生する税金は贈与税だけではありません。特に不動産贈与の場合は、以下の費用にも注意が必要です。

不動産取得税

不動産を無償で譲り受けた場合でも、不動産取得税が課税されることがあります。税額は固定資産税評価額を基に計算され、自治体によって軽減措置がある場合もあるので、事前に専門窓口などで確認しておくようにしましょう。

登録免許税

名義変更は法務局にて登記を変更する形で行いますが、その際に登録免許税が発生します。贈与による所有権移転登記で課される税額は、課税標準額の2%です。

司法書士への報酬

登記手続きは自分でもできますが、手続きが複雑であるため司法書士に依頼するケースも多く見られます。その際の報酬は事務所ごとに異なりますが、だいたい5万~15万円程度が目安。スムーズな手続きを行うためにも、事前の見積もりをとり、金額と内容を確認しておくとよいでしょう。

空き家の管理・活用・売却をワンストップで対応

アキサポでは、空き家の管理からリノベーション、賃貸・売却、土地活用まで一貫してサポートします。物件の現況を調査したうえで最適な活用方法を提案し、面倒な手続きや実際の作業もまるごと代行。贈与後の空き家をスムーズに資産へと変えるお手伝いをいたします。

専門家と連携した安心のサポート体制

不動産贈与や名義変更、税務対策には複雑な専門知識が欠かせません。アキサポは税理士や司法書士などの専門家と強固に連携しているため、非課税枠の賢い選び方や相続時精算課税制度の選択など、一般では判断が難しい内容についても的確なアドバイスが可能です。

無料相談で空き家の有効活用を提案

「贈与の手続きが不安」「税金で損をしたくない」といった疑問や悩みを解消する無料相談を実施しています。贈与契約書の作成から住宅取得資金の特例活用、将来的な売却支援まで、個々の状況に合わせた具体的な解決策をご提案。生前贈与や相続対策の心強いパートナーとしてご活用ください。

まとめ:贈与税がかからない方法は目的と状況で選ぼう

贈与税でよくある質問 FAQ
Q

親名義の土地をタダで名義変更した場合、本当に贈与税がかかりますか?

A

はい、お金のやり取りが一切ない無償の譲渡であっても、法的には「財産をプレゼントされた(贈与)」とみなされるため、原則として贈与税の課税対象になります。不動産の贈与時は税金だけでなく、法務局での名義変更にかかる登録免許税や司法書士費用も発生するため注意が必要です。

Q

相続時精算課税制度を選ぶと、毎年の110万円の非課税枠(基礎控除)は完全になくなってしまいますか?

A

いいえ、なくなりません。税制改正により、相続時精算課税制度を選択した後でも、それとは別に「年間110万円の基礎控除」が毎年差し引ける仕組みになっています。この年110万円以下の贈与分については税金がかからず申告も不要で、将来の相続財産に加算(持ち戻し)する必要もありません。

Q

親からの「住宅取得資金の贈与特例」は、現在でも使えますか?上限額はいくらですか?

A

はい、現在の税制に基づいて利用可能です。直系尊属から住宅購入や新築のための資金贈与を受けた場合、省エネや耐震等の一定基準を満たす「質の高い住宅」であれば最大1,000万円まで、それ以外の「一般住宅」であれば最大500万円まで贈与税が非課税となる特例措置が適用されます。

贈与税がかからない方法は複数ありますが、大切なのは目的と状況に合った制度を選ぶこと。

非課税枠を活用する暦年贈与や、相続時精算課税制度、配偶者控除、住宅取得資金の特例など、それぞれの制度には適用条件があります。税理士などの専門家のアドバイスも参考にしながら最適な方法を選択し、トラブルなくスムーズな資産移転を実現しましょう。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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