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公開日:2022.01.07 更新日:2026.06.04

【チェックリスト付き】遺産相続の基本ガイド!手続きの流れ・必要書類と期限を徹底解説

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相続をする際に、実家などの空き家を取得するケースは非常に多いです。

ただ、人生の中で相続というのは何回もあるわけではありません。年齢を重ねている方でも経験したことがない人は多く、いざ相続が発生するとなると不安になりますよね。

そこで今回は、空き家の困りごとを幅広くサポートしてきた「アキサポ」が、相続とはそもそも何なのか、どういった手順で相続手続きを進めたらよいのかなど、知っておくべき相続の基本を分かりやすく解説します。

1.遺産相続とは?

遺言書

まずそもそも相続とは、死亡した人(被相続人)の財産を残された人(相続人)が承継することです。財産とは、現金や土地、建物などの「プラスの資産」だけでなく、借入金などの「マイナスの債務」も含みます。

プラスの財産(資産)の代表例

  • ①土地や土地の上に存在する権利: 宅地、農地、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地、借地権、定期借地権、地上権など
  • ②家屋・設備・構築物: 戸建住宅、共同住宅、マンション、店舗、工場、貸家、駐車場、庭園設備などの付属設備
  • ③預貯金・現金: 手元の現金や預貯金、貸金庫の中にある財産
  • ④有価証券: 国債、地方債、社債、上場株式、非上場株式、投資信託の受益証券など
  • ⑤各種債権: 第三者への貸付金、税金の還付金、未収報酬、損害賠償請求権など
  • ⑥知的財産権: 著作権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権
  • ⑦その他: 自動車、貴金属、絵画骨董品、ゴルフ会員権など

マイナスの財産(債務)の代表例

  • ①借入金: 住宅ローンの残高債務、車のローン、クレジットの分割残債務など
  • ②未払金: 土地や建物の賃借料、水道光熱費、通信費、医療費、リース料など
  • ③公租公課: 未払いの所得税、消費税、住民税、固定資産税、都市計画税、贈与税など
  • ④その他: 敷金・保証金(賃貸オーナーだった場合)、他人の債務の保証債務・連帯債務
  • ⑤葬式費用: 厳密には被相続人の生前の債務ではありませんが、相続に際して必然的な支出であるため、相続税の計算上「債務控除」の対象として差し引くことが認められています。

1-1. 法定相続人とは

法定相続人の範囲と優先順位

※配偶者は常に相続人となり、血族は順位の高い人が優先されます

第 1 順位
子・孫(直系卑属)

被相続人の「子」が最優先です。子がすでに亡くなっている場合は、その代わりとして「孫」が遺産を引き継ぎます(代襲相続)。養子や非嫡出子も実子と同順位です。

第 2 順位
父母・祖父母(直系尊属)

被相続人に子や孫(第1順位)が一人もいない場合に限り、相続権が回ってきます。基本は実の「父母」であり、父母がともに死亡している場合は「祖父母」となります。

第 3 順位
兄弟姉妹・甥姪

第1順位(子・孫)も第2順位(父母・祖父母)もいない場合に初めて相続人となります。兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子(甥・姪)が代襲相続します。

民法では、財産を引き継ぐ相続人の範囲を「被相続人の配偶者」と「一定の血族」に限っており、これを法定相続人といいます。相続人には優先順位が法律で定められています。

  • 配偶者: 常に相続人となります。
  • 第1順位(子・孫): 子が最優先です。子がすでに亡くなっていれば、孫が代わりに相続します(代襲相続)。養子(普通養子・特別養子問わず)、非嫡出子(男性の場合は認知が必要)、胎児(生きて生まれた場合)も実子と同順位です。
  • 第2順位(父母・祖父母): 第1順位がいない場合に相続人となります。
  • 第3順位(兄弟姉妹・甥姪): 第1・第2順位がともにいない場合に初めて相続権が回ってきます。

1-2.遺言書の有無

遺言とは、生前に自分の財産の処分方法などの意思を表示しておくことをいいます。満15歳以上で意思能力があれば誰でも行うことができ、複数見つかった場合は「作成日が最も新しいもの」が有効となります。遺言書の形式には主に以下の3つがあります。

①自筆証書遺言

本人が本文、日付、氏名をすべて自筆し、押印して作成する手軽な遺言書です。費用がかからないメリットがある一方、法律の定める形式(日付や押印の漏れなど)を満たしていないと無効になりやすいデメリットがあります。

②公正証書遺言

公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。証人2人の立ち会いが必要で手間と費用はかかりますが、形式不備で無効になるリスクが極めて低く、最も確実で安心できる方法です。

③秘密証書遺言

内容を誰にも知られたくない場合に、中身を秘密にしたまま存在だけを公証役場で認証してもらう遺言書です。自筆の必要はありませんが、形式不備による無効リスクや手間の面から、あまり一般的には利用されていません。一方で、無効になりやすかったり手間と費用がかかったりする点であまりおすすめできません。

⚠️ 検認について:
「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」を発見した場合、勝手に開封してはいけません。偽造防止のため、必ず家庭裁判所で「検認」という手続きを行う必要があります(※法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合を除く)。

1-3. 相続の承認と放棄(3つの選択肢)

相続人は、自分が相続人になったことを知った日から3ヶ月以内に、財産をどのように引き継ぐかを決めて家庭裁判所へ申し出る必要があります。

相続放棄: 資産も負債も、一切の相続権を引き継がない方法です。最初から相続人でなかった扱いになります。必ず3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

単純承認: プラスの資産もマイナスの負債も、すべて無条件で承継します。3ヶ月以内に何の手続きもしなかった場合や、形見分けの範囲を超えて遺産を勝手に処分(売却など)した場合は、自動的に単純承認したものとみなされます。

限定承認: 「引き継いだプラスの資産の範囲内」でマイナスの負債を弁済し、残った借金は引き継がないという方法です。非常に有効な手段ですが、相続人全員が共同で家庭裁判所に申し立てる必要があります。

2.遺産相続手続きの流れとスケジュール

相続の手続きは、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日」を起算日として、法律で多くの期限が定められています。悲しむ余裕がないほど多くの手続きが発生するため、あらかじめスケジュールを把握しておくことが大切です。

【最短7日以内】まず最優先で進めるべき初動チェックリスト

万が一の発生後、悲しむ間もなく期限が迫る重要手続きです。まずはこの5つを確実にクリアしましょう。

  • 医師から「死亡診断書」をもらう 病院で亡くなった場合は主治医から受け取ります。以降のすべての手続きの原本となるため、必ず複数枚コピーを取っておきましょう。
  • 市区町村役場へ「死亡届」を提出する(死亡を知った日から7日以内) 被相続人の死亡地、本籍地、または届出人の専門住所地の役所窓口へ提出します。通常、葬儀会社が手続きを代行してくれるケースが多いです。
  • 「死体火葬許可申請書」を提出する 死亡届の提出と同時に役所に申請します。この許可がないと火葬を執り行うことができません(こちらも葬儀会社が代行するのが一般的です)。
  • 火葬済みの証明を受けて「埋葬許可書」をもらう 火葬場で火葬が済むと、元の許可書に執行済みの旨が捺印されて戻ってきます。これが「埋葬許可書」となり、お墓へ納骨する際に必須の書類となります。
  • 勤務先での退職・死亡手続き 被相続人が在職中だった場合、勤務先へ速やかに連絡し、身分証明書や備品の返却、死亡退職金の支給要件、未払い給与の確認などを行います。

期限・タイミング
手続き内容区分法律上の注意点・2026年最新基準
7日以内死亡届の提出、死体火葬許可申請書の提出義務(★)医師から「死亡診断書」を受け取り、速やかに市区町村役場へ提出します。
2週間以内年金受給権者死亡届・健康保険の資格喪失届、世帯主変更届の提出義務(★)国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内の手続きが必要です。
3ヶ月以内相続放棄、または限定承認の申立て義務(★)借金などのマイナス財産が多い場合、この期限内に家庭裁判所へ申述しないと「単純承認(すべて相続)」とみなされます。
4ヶ月以内被相続人の所得税の準確定申告義務(★)亡くなった方が個人事業主だった場合や、一定の不動産収入などがあった場合に必要です。
10ヶ月以内相続税の申告・納税義務(★)遺産総額が基礎控除額を超える場合は、期限内に税務署への申告と現金一括納付が原則となります。
1年以内遺留分侵害額請求義務(★)遺言書によって自分の最低限の相続権(遺留分)が侵害されていると知った日から1年以内に請求を伝えます。
3年以内不動産(土地・建物)の相続登記義務(★)【重要法改正】 相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記が義務化されました。正当な理由のない懈怠は10万円以下の過料対象です。
随時(早めを推奨)遺言書の有無の確認、遺産分割協議書の作成、銀行・証券口座の名義変更推奨(☆)銀行口座は死亡の事実が伝わると凍結されるため、遺産分割協議後に速やかに凍結解除・名義変更を行います。

口座凍結への注意点

被相続人が亡くなった事実を金融機関が確認すると、口座は不正引き出し防止のために一時的に「凍結」されます。

一度凍結されると、遺産分割協議が成立して所定の解除手続きを完了させるか、法的な「預貯金の払戻し制度(一定の限度額まで)」を利用しない限り、原則としてお金を引き出せなくなるため、葬儀費用などの資金繰りには注意が必要です。

3.相続税などの税金について

相続税

相続をしたら必ず相続税がかかるというわけではありません。相続した財産の総額から、借金や葬式費用(債務控除)を差し引いたあとの額が、国が定める「基礎控除額」を上回るときに初めて相続税の申告・納税の義務が生じます。

3-1. 基礎控除の計算方法

相続税の基礎控除額は、以下の数式で一律に計算できます。

基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 \times 法定相続人の数)

  • 例:相続人が「配偶者と子2人」の計3人の場合3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円 が基礎控除額となります。遺産の正味の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかからず、原則として税務署への申告も不要です。

3-2. 相続税の税率(速算表)

基礎控除額を超えた分(課税対象となる遺産)を、一度法定相続分通りに分けたと仮定した金額に対して、以下の累進税率が適用されます。

法定相続分に応じる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

3-3. 代表的な税額控除:配偶者の税額軽減

配偶者が遺産を相続する場合、非常に大きな大きな減税特例が用意されています。配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額までであれば、配偶者分の相続税は一切かかりません。

⚠️ 注意ポイント:
配偶者の税額軽減や、実家の土地を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」などを利用して最終的な税額を0円にする場合、「税額は0円だが、特例を適用するための申告書」を10ヶ月の期限内に税務署へ提出する必要があります。申告を怠ると特例が使えなくなり、高い税金が課される原因になるため注意してください。

4.相続手続で気を付けたいポイント

相続手続きの期限は、被相続人が死亡したことを知った時点から一斉にカウントダウンが始まります。悲しむ暇もなく手続きに追われてしまいますが、まずは「遺言書の有無の確認」を行い、期限の短い死亡届や相続放棄(3ヶ月以内)などの重要手続きから優先して確実に済ませていきましょう。

また、2024年4月からは不動産の相続登記(名義変更)が法律で義務化されています。実家や土地などの空き家を引き継いだ場合は、放置せずに早めの名義変更を行うことが、将来的な売却やトラブル防止において不可欠です。

遺産相続や空き家取得に関するよくある質問

Q.

親が亡くなり実家(空き家)を相続することになりましたが、何から始めればよいですか?

A.

まずは「遺言書の有無の確認」と「相続人の特定(戸籍謄本の収集)」、そして「相続財産の調査」を並行して行います。特に不動産に関しては、2024年4月より相続登記(名義変更)が法律で義務化されています。自身が相続によって不動産を取得したと知った日から3年以内に登記申請を行わないと、10万円以下の過料の対象となるリスクがあるため、放置せず早めに名義変更の手続きを進めましょう。

Q.

相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに遺産分割協議がまとまらない場合はどうなりますか?

A.

期限内に協議がまとまらない場合でも、一旦「各相続人が法定相続分通りに財産を取得した」と仮定して、10ヶ月以内に期限内申告と納税を行う必要があります。この時点では「配偶者の税額軽減」などの主要な減税特例は原則として適用できませんが、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を一緒に提出しておけば、後から分割が決まった際に特例を適用して払いすぎた税金の還付を受けられます。

Q.

故人に借金があるか不透明です。3ヶ月の「承認・放棄の期限」が過ぎそうな時は?

A.

財産の調査が難航し、3ヶ月の期限(熟慮期間)以内に「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の判断がつかない場合は、期限が切れる前に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てる必要があります。裁判所に正当な理由と認められれば、数ヶ月程度の期間延長が認められます。何もせずに3ヶ月を過ぎてしまうと自動的に借金もすべて引き継ぐ(単純承認)ことになるため注意が必要です。

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この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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