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公開日:2025.07.05 更新日:2026.07.31

親が生きてるうちに家を名義変更するメリットと税金・手続きを解説

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親が生きているうちに家を名義変更する「生前贈与」と、亡くなってからの「遺産相続」は、どちらが得かを一概には言えません。資産の評価額や使える控除・特例によって、有利な方法が変わるためです。ただし、早めの名義変更には、相続トラブルを避けやすく、親の意思を反映しやすいという生前贈与ならではのメリットがあります。

本記事では、親が生きているうちに実家を名義変更するメリット・デメリットから、手続きの流れと必要書類、登録免許税や贈与税などの費用、暦年贈与・相続時精算課税を使った節税方法までを解説します。生前贈与と相続、どちらを選ぶかの判断材料としてお役立てください。

名義変更は親が生きてるうちが得?名義変更のメリット・デメリット

「名義変更」と書かれたブロック

名義変更は、法的にも心理的にも大きな決断です。まだ早いかな…と思っても、備えあれば憂いなし。親が生きているうちに名義変更をする生前贈与のメリットとデメリットをご紹介します。

自宅の生前贈与と遺産相続はどっちがお得?

生前贈与と遺産相続のどちらが得かは、一概には言えずケースバイケースです。相続税・贈与税の負担は、資産の種類や評価額、使える控除・特例によって変わるため、これらを総合的に比較して判断します。

名義変更のメリット

まず、親が生きてるうちに名義変更するメリットは以下の通りです。

  • 1.相続トラブルを回避しやすい
  • 2.贈与者の意思を生かせる
  • 3.贈与時の評価額で税金が計算され、税額が抑えられる可能性がある
  • 4.相続税対策になる場合がある

空き家をあらかじめ誰かに贈与しておくことで、親の死後に「誰が住むのか」「どう分けるのか」といった相続トラブルを避けやすくなります。親が元気なうちに本人の意思を確認することで、希望通りの財産分配が実現しやすくなります。

また、不動産の価格は年々上昇することもあるため、早めに贈与すれば将来の相続時よりも税額が抑えられる可能性もあります。加えて相続税の節税対策として、暦年贈与や相続時精算課税制度を組み合わせることで、さらに負担を軽減することも可能です。

名義変更のデメリット

続いて、親が生きているうちに名義変更するデメリットは以下の通り。

  • 1.高額な贈与税がかかる場合がある
  • 2.場合によっては相続税の対象となることがある

生前贈与には「贈与税」がかかりますが、一般的に相続税よりも贈与税は高税率になる可能性があります。なぜなら、基礎控除額や利用できる特例に違いがあるためです。そのため、空き家の評価額によっては多額の税金が発生することも。

親が亡くなる前の一定期間の贈与は、生前贈与加算として相続税の課税対象になります。この期間は2024年の改正で3年から7年へ段階的に延長中で、2026年内に開始した相続はこれまでどおり3年、2027年1月以降に開始する相続から順次延び、完全に7年となるのは2031年以降です(延長される4年分の贈与は合計100万円まで加算対象外)。

生前贈与や相続に関わる税金・登記の判断は専門知識を要するため、自己判断だけでは思わぬ不利益を招く恐れがあります。

親が生きてるうちに名義変更する方法

親から子へ家を引き渡すイメージ

ここからは、親が生きているうちに名義変更する場合の手順や、負担する税金、税金を抑える方法についてご紹介します。

不動産の名義変更の基本と「贈与」の仕組み

名義とは、登記簿上の所有者の名前のことを指します。親が生きているうちに親名義の不動産を相続人の名義に変更する場合、基本的に生前贈与という扱いになり、家の所在地を管轄する法務局で手続きが必要です。

また、親子間の売買契約によって名義変更をするケースもありますが、相続税の負担を減らすために生前贈与を考えている方は要注意。親子間でも本当に売買が成立していることを証明する必要があります。くれぐれも、みなし贈与と判断されて贈与税が課税されるリスクがあるため、十分な注意が必要です。

そもそも名義変更しないとどうなるのか

名義変更しない場合、たとえ親子の信頼関係があっても、法律的には“口約束扱い”です。将来の不安やトラブルなど、さまざまな不都合が生じる可能性があります。

  • 1.登記がないと第三者に対して所有権を主張できない
  • 2.不動産の売却や担保設定ができない
  • 3.将来的なトラブルの原因になる
  • 4.申告漏れや過料のリスクが高まる

名義が親のままになっている場合、法的には贈与していないとみなされます。仮に贈与を受けた子が贈与された不動産を売却したいと考えても、相続人が不動産を売却することや、不動産を担保にお金を借りることができません。

また、不動産の名義を変更しないまま親が亡くなり相続が発生した場合、遺産分割協議がこじれて、所有権をめぐって相続人同士で争いが起こることも考えられるでしょう。

さらに相続登記は2024年4月から義務化されました。相続発生後3年以内に相続登記をしなかった場合、過料が科される罰則も規定されています。そのほか、生前に贈与されたからといって自分のものと主張すると、申告漏れや税務調査の対象になってしまうこともあります。

生前に名義変更をしておくことで、こうしたリスクを減らすことができます。

親が生きているうちに行う名義変更の流れと必要な手続き

家系図

いざ名義変更をするとなると「必要な書類は?」「期間はどのくらい?」といったことが気になるはず。ここからは、生前贈与における不動産の名義変更の手続きの流れを説明します。

手続きの流れと必要書類

📝生前贈与による名義変更の流れ(目安2〜4週間)

書類の準備に1〜2週間、法務局の審査に1〜2週間が目安です。

1

贈与契約書の作成・締結

贈与の日付・当事者・対象財産などを記載。トラブル防止のため実印がおすすめ。

2

登記申請書類の準備

権利証、印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記申請書、受贈者の住民票などを用意。

3

法務局で登記申請

不動産の所在地を管轄する法務局へ提出。不備をその場で確認できる窓口申請がおすすめ。

4

登記完了・名義変更反映

書類に問題がなければ数日〜1週間ほどで登記が完了し、名義変更が正式に反映される。

名義変更にかかる費用

不動産の生前贈与には、登記の手数料や贈与税などがかかります。そのほか、贈与契約書を作成するための印紙代(一律200円)、印鑑証明書(約300円/通)、固定資産評価証明書の発行手数料(300〜400円/1通)なども必要です。

費用の種類金額の目安補足
登録免許税(必須)固定資産税評価額の2%例:評価額1,000万円→20万円
贈与税基礎控除110万円超で課税受贈者が納税。暦年課税の場合
不動産取得税固定資産税評価額×3%(住宅・土地の特例税率)条件を満たせば軽減措置あり
司法書士報酬5万〜15万円不動産の個数・相続人数で変動
印紙代一律200円贈与契約書に貼付
印鑑証明書約300円/通発行から3か月以内のもの
固定資産評価証明書300〜400円/通登録免許税の計算に必要

参照:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

司法書士に依頼する場合の費用相場と注意点

名義変更を専門家に依頼する場合には、司法書士に依頼します。司法書士は専門的な知識と経験を持ち、名義変更のための手続きや必要な書類の作成などの代行をスムーズに進めることができます。

司法書士に依頼した場合の報酬は5〜15万円が相場ですが、不動産の個数や相続人の数などによって変動します。また司法書士への報酬とは別に、登録免許税(必須)がかかります。

司法書士に依頼する場合の判断基準やメリットは?

名義変更は自分でおこなうこともできます。登録申請のコストを抑えることができるのは、大きなメリットといえるでしょう。ただし、書類の収集や作成には時間と労力を要することも。司法書士に依頼することで、手続きの面倒を省くことができます。

司法書士に依頼すると良いケースは、例えば次のような場合です。

  • 不動産が複数あり、手続きをまとめて依頼したい
  • 不動産が遠方にあり、何度も足を運ぶのが大変
  • 相続人が多く、書類の収集に手間がかかる
  • 平日昼間になかなか時間を作れない
  • なるべく速やかに手続きを進めたい

このほかにも、専門家の知識や助言を活かして手続きを確実に進めたり、中立的な立場の司法書士に依頼することで相続人同士の感情的なトラブルを防ぐことができたりなど、さまざまなリスクを避けることができます。

贈与税・不動産取得税を抑える方法

受贈者に不動産の所有権が移ると、基本的に受贈者が贈与税・不動産取得税を納税しなければいけません。大きな相続税がかかるのでは…とイメージされる方もいるでしょう。実は、節税するための制度や措置がいくつか用意されており、上手く活用すれば負担を軽くすることも可能です。

制度非課税枠特徴・向いているケース主な注意点
暦年贈与年110万円まで毎年コツコツ贈与して相続財産を減らせる相続前の一定期間の贈与は相続財産に加算される
相続時精算課税累計2,500万円まで+年110万円の基礎控除値上がりしそうな不動産を早めに移したい場合一度選ぶと暦年贈与に戻れない。2,500万円超は一律20%

暦年贈与制度の活用

暦年贈与制度とは、一年ごとに一定額以内なら贈与税が非課税になる制度のこと。この基礎控除の制度は、財産の種類や相続人同士の間柄の制限もなく、一年間(1月1日〜12月31日)に110万円以内であれば、基礎控除額の範囲内となるため、税務署の申告も必要ありません。

この制度を活用すれば、数年かけて少しずつ贈与することを検討できます。たとえば、親の不動産を毎年110万円ずつ贈与していくことで、相続時にはその分が遺産から減るため、結果として節税につながるというわけです。

相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度とは、60歳以上の親(祖父母)から18歳以上の子・孫へ贈与する際、累計2,500万円までを非課税にできる制度です。2024年からは年110万円の基礎控除が新設され、この範囲内の贈与は相続時に加算されず、申告も原則不要になりました。

この制度は、将来的に不動産の価値が上がる可能性があり早めに贈与したい場合に向いているといえるでしょう。たとえば、現在の不動産の評価額2,000万円で、将来的に3,000万円になることが予想される場合、前倒しで相続することで、結果として節税につながります。

ただし、一度でも相続時精算課税制度を活用すると、二度と暦年贈与制度が使えなくなるといった制約もあります。また、2,500万円を超える部分に一律20%の贈与税が再計算されるので、最終的に税負担が増えることも考えられるため、慎重な判断が必要です。

不動産取得税の軽減措置

不動産取得税とは、土地や建物を取得(売買・贈与)したときに、一度だけかかる地方税です。一定の条件を満たすことで、軽減措置が受けられます。

不動産取得税は、原則【固定資産税評価額×税率4%】で計算され、一般的に高額になりがちですが、条件を満たせば軽減措置で節税ができます。土地・住宅(非住宅を除く)の取得には、本則4%に代えて特例税率3%が適用されます(現行の適用期限は令和9年〈2027年〉3月31日まで。延長される場合があるため最新の期限は各都道府県税事務所で確認)。

この控除が適用されるのは、新築や増改築をした住宅が対象となります。また、課税床面積が50m2〜240m2であることも適用条件に。さらに、この制度は自動で適用されず、取得後から60日以内の期限を設けている自治体が多いため、早めの申請が必要です。

中古住宅を取得したときにも軽減措置が適用されますが、1982年1月1日以降に新築された建物、または建築士等の耐震診断によって新耐震基準に適合していることが条件になります。

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🏠実家の生前贈与・名義変更に関するよくある質問

Q. 親が生きているうちに実家を名義変更するメリットは?

将来の相続トラブルを回避しやすく、贈与者(親)の意思を確実に反映できる点です。早めの生前贈与は相続税対策につながることもあり、暦年贈与や相続時精算課税制度と組み合わせれば税負担を軽減できる可能性もあります。

Q. 生前贈与は亡くなる前の何年分が相続税に加算されますか?

2024年の改正で加算期間が3年から7年へ段階的に延長中です。2026年内に開始した相続はこれまでどおり3年、2027年1月以降に開始する相続から順次延び、完全に7年となるのは2031年以降です。早めの贈与ほど加算の影響を受けにくくなります。

Q. 名義変更をしないまま放置するとどうなりますか?

法律上は口約束扱いとなり、不動産の売却や担保設定ができません。相続発生時に所有権をめぐる親族トラブルに発展するおそれもあります。2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記しないと過料の対象になります。

まとめ|親が生きているうちに名義変更するなら計画的に

家族が手を握り合うイメージ

親が生きているうちの名義変更(生前贈与)は、相続トラブルを避けやすく、親の意思を反映できるのが大きなメリットです。一方で、贈与税や登録免許税・不動産取得税がかかり、亡くなる前の一定期間(2024年改正で3年から7年へ段階的に延長中)の贈与は相続税に加算される点にも注意が必要です。

暦年贈与や相続時精算課税制度を上手に使えば、負担を抑えられる可能性があります。大切なのは、税額と登記コストをセットで見て、早めに方向性を決めることです。とはいえ、名義変更・相続登記・税金の判断は専門知識が必要で、相続人同士の話し合いも絡むため、個人だけで進めるのは簡単ではありません。

アキサポは、司法書士や税理士と連携し、生前贈与・名義変更の無料相談から、その先の空き家の売却・活用まで一貫してサポートします。まだ方針が固まっていない段階でも大丈夫です。まずは無料相談で、実家のこれからを一緒に整理してみませんか。

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この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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