公開日:2025.11.29 更新日:2025.11.14
NEW二拠点生活(デュアルライフ)の魅力と成功へのステップ
都会の便利さと自然に囲まれた暮らしの両方を楽しめる「二拠点生活(デュアルライフ)」。セカンドハウスという第二の拠点を持てると思うと本当にワクワクしますよね。
最近はテレワークの普及により働く場所の自由度が広がり、以前に比べて始めるハードルが下がったため、始めようと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、二拠点生活の魅力やメリット・デメリット、始める際に押さえておくべきポイントを具体的に紹介します。自分らしい暮らし方を実現するための現実的なステップを、一つずつ整理していきましょう。
二拠点生活とは?注目が高まる理由は?

二拠点生活とは、都市と地方の両方に拠点を持ち、それぞれの環境を行き来しながら暮らす新しいライフスタイルのことです。
働き方改革の浸透や通信環境の発達によって、かつては難しかった「住む場所を自分で選ぶ」という自由が、ようやく実現できるようになりました。いまでは、リモートワークやオンライン会議を活用しながら、平日は都市で仕事や買い物の便利さを享受し、週末は地方で自然や人の温かさに触れて心を整えるといった暮らし方を実現する人が増えています。
また、近年は「お試し移住」や「週末だけの滞在」から始めて、少しずつ二拠点生活へと移行するケースも見られます。都市の利便性を手放さずに、地方の豊かさを日常の中に取り入れるという、バランスのとれた暮らし方が、これからの時代の新しい選択肢として注目を集めているのです。
二拠点生活が生まれた社会的背景
二拠点生活が広がりを見せている背景には、都市と地方のどちらか一方だけでは満たされにくくなった現代の暮らしの事情があります。
都市部では人口の集中による住宅費の高騰や、通勤や騒音などによるストレスなどの問題があり、便利さの裏側で心のゆとりを感じにくくなっている人も少なくありません。こうした現実から「もう一つの拠点を持ちたい」という意識が高まり、地方の暮らしに目を向ける人が増えてきました。
また、リモートワークやオンライン会議が当たり前になりつつあり、職場に通わずとも成果を上げられる環境が整ってきたことも大きな要因です。最近ではフルリモートを前提にした会社も出てきており、また、自宅でできるフリーランス向けの案件も多く見つかります。
つまり、二拠点生活とは単なる流行ではなく、都市の課題とテクノロジーの進化が交差した結果として生まれた、新しい生活のかたちだといえるでしょう。
二拠点生活を活用したライフスタイルの例
二拠点生活は、単に「都会と田舎を行き来する暮らし」ではなく、都市と地域をゆるやかにつなぐ新しい関係のかたちです。
ライフスタイルの例としては、平日は都市で働き、週末は地方で農作業を手伝ったり、地域の行事に参加したりしながら過ごすパターンや、夏の間だけ避暑地でテレワークを行い、冬は都市部で文化やエンタメを楽しむといったように、仕事と余暇を自由に組み合わせた生活などが挙げられます。
こうした暮らし方は、個人が「自分らしい働き方・休み方」を実現できるだけでなく、地域にとっても、外から訪れる人が地域の魅力を再発見してくれたり、イベントで地元の人と交流してくれたりといったメリットがあります。いわば二拠点生活は、そのライフスタイルを通じて、新たな人の流れやつながりを生み出す行為と言えるでしょう。
二拠点生活のメリット

二拠点生活の魅力は、都市と地方それぞれの良さを取り入れながら、自分に合った暮らし方を選べることにあります。
では、二拠点生活を送ることで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、暮らし・仕事・心の豊かさという3つの視点から、その魅力を詳しく見ていきましょう。
暮らし:地域コミュニティへの参加と新たな縁
地方での生活では、都市部では得にくい濃いつながりや人の温かさを感じやすいのが魅力です。地域行事への参加や農作業の手伝い、地元の店でのちょっとした会話など、日々の暮らしそのものが自然と交流の場になっていきます。
そうした経験の積み重ねは、単なる「移住者」としてではなく、地域の一員として迎え入れられるきっかけとなり、生活に豊かな彩りをもたらしてくれるでしょう。
また、地元の人々との信頼関係が生まれることで、ローカルならではの仕事やプロジェクトに参加できる機会も広がります。たとえば、地域の特産品づくりや観光イベントなどに協力すれば、地域の活力と自分のスキルを結びつける形で新しい挑戦が生まれる可能性が生まれるでしょう。
仕事:多様な働き方とワークライフバランス
二拠点生活の2つ目の魅力は、働き方の自由度が大きく広がることです。
昨今は、リモートワークやフリーランス、副業といった柔軟な働き方が一般化したことで、必ずしも都市にいなければ仕事が成り立たない時代ではなくなりました。その結果、「どこで働くか」よりも「どんな働き方をしたいか」を軸に、ライフスタイルを組み立てる人が増えているのです。
「地方」という非日常の環境は、使い方次第で自分を整える場にも、活力を得る場にもなります。たとえば、仕事のリズムから少し離れた「思考の時間」として活用するのも良いですし、次の仕事のために心身を整える、クールダウンの場所にするのも効果的です。別の角度からのアイデアだと、その地域の人々と協力して新しいビジネスを立ち上げるというのも良いかもしれません。
心の豊かさ:ストレス軽減と豊かな自然環境の活用
二拠点生活の3つ目の魅力は、自然の中で過ごす時間が心にゆとりを取り戻してくれることです。
都市では常に人や情報に囲まれ、意識しないうちに心が緊張状態にあることも少なくありません。そんな環境から離れて、朝の光や風の音、季節の移ろいを感じながら過ごす時間は、思っている以上に心を穏やかにしてくれます。
実際に、自然の多い環境に身を置くことでストレスホルモンの分泌が減少し、集中力や睡眠の質が向上するという研究結果もあります。 日々の疲れや焦りを抱えたときに、もう一つの拠点を「心の避難場所」として確保しておけるのは、このライフスタイルの大きなメリットといえるでしょう。
二拠点生活を始める際に覚えておきたい注意点

二拠点生活の代表的なデメリットは、二つの生活を同時に維持・管理していく負担が生じるという点です。
最初は「少し行き来するだけ」と軽く考えていても、実際に始めてみると、思ったよりも費用や時間、管理の手間などがかかることは少なくありません。また、居住地が複数になることで、契約や手続き、地域コミュニティとの関わりなど、暮らしのルールそのものが複雑になる場合もあります。
では、具体的にどのような点に気を付けるべきか。二拠点生活を検討するうえで押さえておきたい主な注意点を、順を追って見ていきましょう。
移動コスト・生活費の増加
二拠点生活でまず意識しておきたいのが、生活コストが二倍とまではいかずとも、確実に増えるという点です。光熱費や通信費、交通費といった日常的な支出に加え、家の維持費や保険料、税金など、見えにくい固定費が積み重なっていきます。
特に片方の住まいを長期間空ける場合は、防犯や日常管理、設備のメンテナンスなどを委託する必要があり、思った以上に費用がかかることもあります。
また、交通費や移動にかかる時間も見逃せません。新幹線や高速道路を利用して定期的に行き来する場合、1回あたりの出費は小さくても、年間でみるとかなりの金額になります。
さらに、拠点を地方に構える場合は、車の維持費や燃料代など、都市部では必要なかったコストが新たに発生するケースもあります。
片方の住宅が空き家になるリスク
セカンドハウスを取得したばかりの頃はこまめに足を運んでいても、仕事や家族の予定が重なったり、季節や天候によって移動が難しくなったりすると、いつの間にか訪れる頻度が減ってしまうことがあります。
そうして人の手が入らない期間が長くなると、湿気や温度変化の影響を受けやすくなり、カビの発生や木材の劣化、配管の乾燥による悪臭など、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
さらに、郵便物が溜まったままになっていたり、夜間に明かりが点かない状態が続くと、
空き巣や不審者に狙われる可能性も高まりますし、草木の繁茂や落ち葉の放置が近隣の迷惑につながれば、地域との関係にも悪影響を及ぼしかねません。
こうした問題を防ぐためには、定期的な換気・通水・清掃などのルーティンを決めておくことが大切です。月に一度でも現地を訪れ、窓を開けて空気を入れ替え、水を流して排水トラップを湿らせるだけで、家の劣化スピードは大きく変わります。
行政手続き・税金・社会保険の取り扱い
二拠点生活を始める際には、税金や社会保険(年金・健康保険)の扱いがどう変わるのかを理解しておくことが大切です。
生活の拠点が増えても、これらの制度は「どちらを主な居住地とみなすか」によって判断されるため、 登録や支払いの手続きを混同しないよう注意が必要です。
- 税金(所得税・住民税)
税金(所得税・住民税)は「住民票のある自治体」で課税されるため、2つ目の拠点を持っていても、基本的には「生活の本拠」である自治体に納める形となる。固定資産税や都市計画税は、物件ごとに発生するため、2つ目の拠点も納める必要がある(セカンドハウスは「住宅用地の特例」が適用されない場合がある) - 年金
居住地が複数あっても、加入状況や保険料の支払い先は変わらず、国民年金の場合は主たる居住地の自治体、厚生年金の場合は勤務先を通じて納付する - 健康保険
加入している健康保険の保険者(勤務先または自治体)によって取扱いは変わらない。ただし、医療機関の所在地が異なる場合には、急病時の対応や診療費の立替払いなどの制度を確認しておくと安心
二拠点生活の始めるために覚えておきたいポイント

理想の二拠点生活を実現するには、ワークスタイルの見直しから住環境の確保、費用や制度の下調べまで、段階的に準備を進めることが欠かせません。
そこでここでは、物件探しから引き渡しまでに特に気を付けるべき、覚えておきたいポイントを、順を追って4つ紹介します。
物件探し・セカンドハウス・移住先の選び方
物件探しでは、まず希望する地域をいくつか候補に挙げてから、交通アクセス・生活インフラ・医療や買い物環境などの利便性を比較検討しましょう。実際に現地を訪れて見学したり、地域イベントや移住体験プログラムに参加したりして、現地の生活リズムや気候、地域の人との距離感なども把握しておくと安心です。
また、古民家や賃貸住宅、シェアハウスといった住まいの形態を選ぶ際には、先にセカンドハウスを持つ目的や期間を明確にしておきましょう。たとえば、短期利用であれば維持費の少ない賃貸やシェアハウスが向いていますが、長期的に腰を据えて滞在するなら、リノベーション可能な古民家や中古住宅の購入も選択肢に入ってきます。
さらに、移住先を決める際には何を重視すべきかも整理しておくことが重要です。利便性や自然環境の豊かさはもちろんのこと、地元の人との関わりやすさ、災害リスク、医療・教育機関へのアクセスといった要素も、暮らしの快適さを左右します。
スケジュール管理を上手にするには
二拠点生活を長く続けるためには、移動を前提としたスケジュール設計を立てておくのが大切です。あらかじめ年間や月単位の予定を整理し「どの時期にどちらの拠点で過ごすか」を決めておけば、仕事や家庭のスケジュールを安定させやすくなります。
また、オンライン会議ツールやクラウドサービスを活用すれば、どちらの拠点にいても仕事に対応しやすくなります。可能であれば、あらかじめ職場にセカンドハウスのことを伝えておき、どちらにいても対応できる体制を整えておきましょう。
また、週単位や月単位で移動のリズムを作っておくのも効果的です。たとえば「週の前半は都市で打ち合わせ、後半は地方でリモートワークや休養」というパターンができていれば、無理のない二拠点生活サイクルを作りやすくなります。
住宅契約時は細かな条項までよく確認を
セカンドハウスを購入する際には、契約期間や更新料、修繕義務などの基本的な条項をあらかじめ把握しておきましょう。特に利用頻度が低いセカンドハウスでは、賃貸契約上の扱いが「常時居住」ではなく「別荘・短期利用」とされる場合があります。この場合、長期間不在中の設備故障や近隣トラブルが起きたときに、借主がどこまで責任を負うのかが契約書で明確にされているかを必ず確認しておきましょう。
また、賃貸契約では「現状回復の範囲」や「契約解除時の違約金」「管理費の負担方法」など、 通常の居住契約とは異なる取り決めがあるケースも少なくありません。頻繁に利用しない物件ほど交渉の余地が限られるため、契約書を鵜呑みにせず、疑問点があれば不動産会社や専門家に条文の意味を確認することがトラブル防止につながります。
一方で、中古住宅やリノベーション物件を購入する場合は、修繕費や維持費を含めた長期的なコストの見通しを立てておくことが大切です。契約後に配管や基礎部分など目に見えない箇所の不具合が見つかると、計画していた予算が大きく崩れる可能性があるため、事前に建物診断(ホームインスペクション)を受けている物件を選ぶと安心です。
まとめ・総括
二拠点生活を成功させるには、「憧れ」だけでなく、費用や管理、税金などの現実的な課題にも目を向けることが欠かせません。
無理のない生活リズムを維持しながら両方の拠点を快適に保つのは意外と大変です。そのためにも、年間スケジュールを立て、移動や生活コストのバランスを見極めながら、無理のないスタイルを見つけていきましょう。
「もう一つの暮らし方」を現実のものにするために、まずは小さなステップから。都市と地域、どちらの良さも味わえる自分らしいデュアルライフを形にしていきましょう。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。