公開日:2025.12.01 更新日:2025.11.19
NEW【不動産投資のおすすめは?】空き家活用で安定収益を得る方法・種類・成功戦略
長引くインフレや金利上昇を背景に、安定した資産運用先として注目を集めている不動産投資。中でも、空き家を活用した投資スタイルは初期費用を抑えながら収益化を図れる方法のひとつであり、リノベーションや賃貸経営、民泊など、多彩な活用手段があるところも魅力です。
この記事では、不動産投資の基本から空き家を活かす具体的な方法、成功のポイントまでわかりやすく解説します。
目次
今なぜ不動産投資が注目されているのか【インフレ・金利上昇への対策】

景気の変動や物価上昇の影響を受けにくく、長期的に安定した資産形成を目指せるのが不動産投資の特徴です。特に近年は、株式や暗号資産など値動きの大きい投資よりも、安定収益を重視する個人投資家が増えています。
安定資産としての不動産の価値
不動産は、現物資産であることからインフレに強いといわれています。物価が上がっても土地や建物の価値は下がりにくく、家賃収入という形で継続的なキャッシュフローを得られる点がメリットです。
また、長期保有によって資産価値が安定するため、「将来への備え」として検討する人も増加傾向にあります。相続対策や節税効果を見込んで投資を始めるケースも多く、目的に応じて柔軟に運用できる点でも注目されています。
金利・インフレ・物価上昇の影響
近年の金利上昇や物価高は、現預金の実質的な価値を下げる要因となっています。その一方で、不動産はインフレ局面で資産価値が上がりやすく、家賃収入も物価に連動して上昇傾向に。こうした環境下では、現金をただ保有するよりも、物件を資産として持つことで「実質的な資産防衛」が可能になります。
株式投資など他の投資との比較
株式投資や投資信託は、短期的な値動きが大きく、タイミング次第で損益が変動しやすいという特徴があります。一方、不動産投資は入居者がいる限り家賃収入が発生し、安定的なリターンを得やすいのが強み。もちろん初期費用や運用コストは発生しますが、リスク分散や長期的な収益を重視する投資家にとっては、有力な選択肢といえるでしょう。
空き家を活用した不動産投資の魅力【低コスト・高利回りの可能性】

人口減少や都市集中により、全国で増え続ける空き家。総務省によると、その数は900万戸*を超えるといわれています。放置すれば老朽化や倒壊、治安悪化など地域課題につながる一方で、適切に再生すれば新たな収益源にもなる。それが「空き家活用による不動産投資」です。ここからは、空き家を投資対象とする魅力を3つの観点から見ていきましょう。
*参照:令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果
初期費用を抑えて始められる投資方法
空き家投資の最大のメリットといえるのが、初期コストを抑えてスタートできるところ。新築マンションやアパートを購入する場合、数千万円単位の資金が必要になるのが一般的ですが、空き家なら物件価格が安く設定されているケースが多く、リフォーム・リノベーションを行っても総費用を1,000万〜2,000万円台に抑えられることもあります。
また、自治体によっては空き家活用を促進するための補助金・助成金制度を設けており、耐震改修や省エネリフォームにかかる費用を一部負担してくれる場合も。こうした制度を上手く利用すれば、自己資金が少なくても投資を始めやすくなります。
さらに、住宅ローンではなく不動産投資ローンを利用することで、リフォーム費用を含めて融資を受けることも可能。自己資金を抑えながら、空き家を“収益を生む資産”へと変えることができます。
放置空き家を収益資産に変える仕組み
空き家を再生して活用する不動産投資は、「眠った資産の再稼働」です。古い住宅を賃貸物件や民泊施設、シェアスペースなどにリノベーションすれば、家賃収入や宿泊収益を得るビジネスモデルに転換できます。
例えば、地方の空き家を改修して月5万円の賃貸住宅として貸し出した場合、年間で60万円の家賃収入が発生。購入費用と改修費を合わせて800万円と仮定しても、表面利回りは7.5%となり、都心のワンルーム投資よりも高利回りを狙えるケースもあります。
地域課題の解決と収益化を両立できる点
空き家への投資は、「収益」と「社会貢献」を両立できるところも魅力。使われなくなった家を再生することで、地域に人の流れと経済が生まれます。カフェやコワーキングスペースとしての再利用、移住者向けの賃貸住宅など、地域活性化の起点となるケースも少なくありません。
近年では「社会的投資(ソーシャルインベストメント)」という考え方が広がりつつあり、単なる利回り重視ではなく、地域再生や環境保全にも貢献する投資手法として注目されています。
空き家活用の主な投資スタイル

空き家を活用した不動産投資と一口に言っても、その手法はさまざまです。代表的なスタイルとしては、賃貸経営・民泊・シェアスペース運営・リノベーション後の売却などが挙げられます。ここでは、それぞれの特徴とメリットをご紹介します。
賃貸経営として貸し出す方法
最も王道で安定した運用ができるのが、空き家を賃貸物件として貸し出す「賃貸経営」です。入居者がいれば毎月家賃収入を得られ、長期的に安定したキャッシュフローを構築できます。古民家や戸建てを改修してファミリー向け賃貸やテレワーク対応物件として提供するケースも増加中。特に地方では、リノベーション済みの一軒家を借りたい移住希望者が多く、安定した需要があります。
一方で、入居者募集や建物管理といった手間は発生しますが、管理会社に委託すれば負担を軽減することも可能です。空室リスクを最小限に抑えたい場合は、立地選定とターゲット設定が成功の鍵となるでしょう。
民泊・シェアスペースとして運用する方法
次に人気なのが、空き家を「民泊」や「シェアスペース」として活用するスタイルです。観光地や駅近エリアでは、短期滞在型の民泊施設として運営することで、高い稼働率を狙えます。
また、都心や住宅街では、時間貸しのシェアスペースとしての運用もおすすめ。会議室、ワークスペース、撮影スタジオ、地域イベントの会場など、用途の幅が広く、利用者層も多様。初期費用を抑えつつ、1時間単位で貸し出す仕組みなら、柔軟な収益化に繋がります。
ただし、民泊やレンタルスペース運営には、自治体の許可や届出が必要な場合も。特に民泊は、住宅宿泊事業法(新法民泊)や特区民泊の適用条件を厳守し、法令や利用規約を確認したうえで、安全管理やトラブル対策を徹底しておくようにしましょう。
リノベーション後に売却益を得る方法(再販型)
「再販型投資」は、購入した空き家をリノベーションして資産価値を高め、売却益(キャピタルゲイン)を得る手法です。老朽化した住宅をデザイン性の高い物件に再生すれば、購入時よりも高値で売却できるケースも珍しくありません。
特に、空き家をフルリフォームして「中古+リノベーション物件」として販売するスタイルは、若年層から人気を集めています。住宅ローン控除の対象になる場合もあり、買い手がつきやすいのもメリットです。
一方、再販型は短期間で利益を得られる反面、リフォーム費用や市場の価格変動リスクも伴います。施工業者の選定や、販売時のマーケティング戦略が成功を左右するポイントになるでしょう。
空き家投資で成功するための3つのポイント

空き家を活用した不動産投資を成功させるためには、感覚や勢いではなく、データと戦略に基づいた計画が不可欠です。特に、立地・リフォーム費用・運営体制の3点は、利回りや空室率に直結する重要なポイント。ここでは、投資効果を高めるために押さえておきたいポイントを解説します。
立地条件と入居需要の見極め方
まず重視すべきは「立地」。どんなにおしゃれにリノベーションしても、需要が見込めないエリアでは入居者がつかず、収益が安定しません。賃貸経営を前提にするなら、駅徒歩圏内や商業施設の近く、教育環境の整ったエリアが基本。一方で、地方や観光地では、短期滞在型の民泊や移住希望者向けの賃貸など、エリア特性に合ったターゲット設定が有効です。
また、人口動態や周辺の賃料相場、入居率などを事前にデータで把握することもポイント。最近は自治体や不動産ポータルが無料で統計を公開しており、客観的な情報をもとに投資判断ができます。「地域にどんなニーズがあるか」を掘り下げることが、空き家投資成功の第一歩といえるでしょう。
リフォーム・リノベーションの費用と利回りの関係
空き家投資では、リフォームやリノベーションの費用が利回りに大きく影響します。見た目を整えるだけでなく、耐震補強や水回り設備の更新、断熱改修など、長期的な運用を前提とした改修を行わなくてはなりません。改修費を抑えすぎると入居者満足度が下がり、逆にかけすぎると投資回収に時間がかかることも。そのため、物件価格と改修費のバランスをどう取るかが重要です。たとえば、総投資額に対して年間家賃収入が10%前後であれば、健全な運用といえるでしょう。
また、リノベーションによってターゲット層を広げられるのも空き家投資の強みです。「古民家×モダンデザイン」「テレワーク対応の個室付き賃貸」など、時代のニーズに合わせた企画力が収益性を左右します。
空室リスクを抑えるための運営ノウハウ【管理会社活用のメリット】
空室リスクを避けるには、“選ばれる物件”に育てる工夫が欠かせません。たとえば、内覧時に印象を左右する照明や内装を整えるだけでも、成約率が大きく変わります。さらに、入居者とのコミュニケーションを重視し、定期的な設備点検や清掃を行うことで、長期入居にもつながります。
また、近年はSNSやポータルサイトを活用したデジタル集客も有効です。物件写真をプロのカメラマンに依頼したり、動画ツアーを公開したりするだけで、閲覧数が数倍に伸びることもあります。
また、管理を自分で行うのが難しい場合は、不動産管理会社に委託する選択肢も検討してみましょう。入居募集からトラブル対応まで一括で任せられるため、遠方の物件でも安定的に運用することができます。委託を検討する際は、管理業務を行う業者が宅地建物取引業の免許を持っているか、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)に基づき適切に業務を行っているかも確認しておくようにしましょう。
投資の資金計画とリスク対策

空き家を活用した不動産投資では、収益を最大化するために資金計画とリスクマネジメントも重要です。どれだけ魅力的な物件でも、返済計画やコスト管理が甘ければ利益を出し続けることは難しいでしょう。ここでは、投資を長期的に安定させるための資金設計のポイントを解説します。
投資ローン・補助金・助成金の活用
不動産投資では、自己資金だけでなく、投資ローンを上手に活用することが重要です。銀行や信用金庫のほか、最近では地元の金融機関が空き家再生を目的とした融資商品を提供しているケースも増えています。
ローンの金利は「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶかで返済総額が変わります。金利上昇リスクを避けたいなら固定金利、初期の返済負担を軽くしたいなら変動金利を選ぶのが一般的。変動金利を選択する場合は、将来的な金利上昇に伴う元利均等返済額の増加や、未払利息の発生リスクについて、金融機関が説明義務を十分に果たしているかも確認しましょう。いずれにせよ、返済計画を長期的にシミュレーションしておくことが大切です。
さらに、リフォーム費用や耐震補強に使える補助金・助成金制度も確認しておくことも忘れずに。自治体によっては上限100万円〜200万円の補助が出る場合もあり、初期費用を大幅に削減できます。国や自治体の最新制度を調べ、併用できるものは積極的に活用していきましょう。
管理費・修繕費など運用コストの把握
日々発生する「ランニングコスト」も、投資の成否を左右するポイントのひとつ。主な支出としては、管理費・修繕積立・固定資産税・保険料などがあります。これらを含めた年間コストを正確に把握し、手残り収益(実質利回り)を計算しておくようにしましょう。
一般的に、表面利回りが10%前後でも、管理費や税金を差し引くと実質利回りは6〜7%程度まで下がることも。「想定より利益が出ない」というケースの多くは、コスト見積もりの甘さが原因です。また、築年数の古い空き家では、建築基準法や耐震改修促進法に基づく基準を満たすため、5〜10年ごとの大規模修繕費も計画に入れておく必要があります。定期的な修繕を怠ると資産価値が下がり、結果的に空室リスクが高まるため、早めのメンテナンスを心がけましょう。
節税効果と長期的な収益設計
不動産投資には、節税面でのメリットもあります。建物の減価償却費を経費として計上できるほか、管理費や修繕費、ローン利息も必要経費として扱えるため、所得税・住民税の軽減につながります。また、相続対策の観点でも不動産は有効です。現金よりも評価額が低くなる傾向があるため、相続税の節税手段として利用されるケースも多く見られます。
さらに、空き家を活用した不動産投資は短期ではなく「中長期の運用」が基本。築年数や地域の需要変化を見据え、10年・20年単位で収支計画を立てることが、安定経営のポイントになります。
空き家投資の成功事例と将来性

空き家を活用した不動産投資は、単なる「資産運用」にとどまらず、地域再生の一翼を担う新しい投資モデルとして注目を集めています。ここでは、実際に成果を上げている事例と、これからの可能性について見ていきましょう。
地方空き家の再生で高利回りを実現した事例
地方における空き家取得・再生のメリットは、物件価格が抑えられている点にあります。例えば、府県が公開している事例には、駅徒歩圏の町家を改修して店舗併用賃貸としたケースが含まれています**。このように、取得価格+リノベーションを工夫し、家賃や用途を最適化することで、表面利回り10%超という数値を実現している実例も少なくありません。
空き家を“使われていない資産”から“収益を生む物件”へと変えたことで、オーナーは安定した賃貸収益を手にしています。
地域コミュニティと連携した空き家運用
収益確保だけで完結しないのが、空き家再生のもうひとつの魅力です。たとえば、京都市では「Kyoto Dig Home Project」と題し、空き家を地域住民や移住者との交流拠点として活用する取り組みを展開しています。このようなプロジェクトでは、古民家をカフェ・ワークスペース・宿泊施設として再生して住み手と地域をつなげる場を創出。結果として、物件オーナー・入居者・地域がそれぞれ価値を享受する“三方よし”のモデルが誕生しています。収益性と地域貢献を組み合わせたこのような運用スタイルは、今後ますます注目されるでしょう。
今後広がる「社会的投資」としての可能性
空き家投資は、これまでの「新築購入→賃貸」という流れから、既存資産の再生・流通へと軸が移りつつあります。自治体や国も、空き家利活用を促進する制度・補助金を整備しており、投資環境が整い始めているのが現状***です。個人投資家はもちろん、地域金融機関・自治体・NPOと連携してスキームを構築することで、利回りだけでなく“社会的リターン”をも伴う投資が可能になります。将来的には、空き家再生が「資産運用」から「地域価値創造の手段」としても定着するでしょう。
***出典:国土交通省「地方公共団体における空き家対策の実例集」
まとめ
空き家を活用した不動産投資は、低コストで始められる実践的な資産運用であり、同時に地域社会に価値をもたらす新しい投資スタイルです。賃貸経営や民泊、シェアスペースなど、アイデア次第で収益化の可能性は広がります。
しかし、いざ投資しようとなると「空き家をどう活かせばいいか分からない」「投資として成立するのか不安」と感じることも。そんなときは、ぜひアキサポにご相談を。専門家が資金計画からリノベーション、運営サポートまでを一貫して支援し、あなたに最適なプランをご提案いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。