2021.08.16
空き家再生をして活用しよう|具体的な事例も紹介

「空き家を所有していて老朽化が進んできているので再生を考えているけど、もしかして全部解体する建て替えのほうがいいのかな?」
そんなふうに考えて悩む方は多いです。
そこで、再生と建て替えについて違いや大まかな費用などを把握した上で、今後も住む予定がないのであれば「活用」してみませんか。
それでは早速、空き家再生について見ていきましょう。
目次
再生(リフォーム)と建て替え(解体)の違いとは?

まず、「そもそも再生と建て替えの違いって何なの?」という疑問にお答えします。
再生(リフォーム)は基礎部分を残して修繕、改築
空き家の再生とは基礎となる柱や構造部分を残して解体作業をし、利用できる部分は再度活用しながら修繕、増築する方法を指します。たとえば居間だけ、水回りだけ、お風呂場だけなどの部分リフォームも可能ですし、もちろんフルリフォームも可能で範囲はさまざま。
後から建築をすることが前提で基礎部分を残して解体作業をするので、損傷を与えないよう丁寧な作業を行います。
ただ、再生ができるかどうかは基礎が活かせる状態にあるかどうかで決まるので、「建て替えじゃなくて基礎部分を活かしたリフォームがしたい」と希望していたとしても必ずできるとは言い切れないので注意が必要です。
建て替えは基礎部分から取り壊し
建て替えは解体とも言われ、今ある建物を基礎部分も含めてすべて取り壊して新しく建築をすることを指します。
ちなみに、都市計画区域または準都市計画区域において、現状建物が建っているとしても、その土地が幅員4m以上の道路に2m以上接していない場合は、原則として再建構築不可物件となります。
この場合、建物を解体して更地にした後の新たな建て替えができないので、事前確認・注意が必要です。
空き家の修繕・リフォームに関する市場の盛況ぶり

空き家の修繕・リフォームの市場は盛り上がりを見せています。
株式会社日本政策投資銀行の「古民家の活用に伴う経済的価値創出がもたらす地域活性化」によると、空き家の修繕・リフォームに関する潜在的な市場規模を試算したところ、「あくまでも概算ですがおよそ1.8兆円の潜在的な金額規模が推計された」とされています。
日本の人口が減っていくのに伴って空き家は増加していて、平成30年住宅・土地統計調査によると全国の空き家数はおよそ846万戸と言われています。全住宅に占める空き家の割合は13.55%となっていて、空き家率は年々増加しています。
しかも、空き家を管理するにしても、その余裕がなかったり、更地にするより建物が建っていたほうが税金が安く済んだりということから、空き家を所有したまま放置してしまうケースが多いのです。
そこで行政では空き家対策として、空き家を再生する際に補助金制度を用意したり、空き家を利用して地域活性化を促すためにさまざまな施策を行ったりしています。
古民家空き家の所有者が自ら住むのではなく、U・Iターンによる移住者向けやレストランなどの商業拠点向けとして古民家の賃貸を希望する人も少なくありません。
そこで、古民家そのものがブランド化され、リノベーションによる付加価値で販売したり賃貸に出したりすることで流通が促進され、なおかつ日本の伝統建築が保存・活用される仕組みになっていっています。
空き家をその地域の資源として取り壊さず再生・活用することによって、資源を無駄にせずその地域らしさを残して人が集まるような仕組みを作っています。
空き家再生にかかるおおよその費用

リフォームしたいと考えてはいるけれど具体的な費用が検討もつかなかったら不安ですよね。
空き家の再生にかかる費用は、建築物の現在の状態や地域、リフォームを依頼する会社、再生の目的によってもピンキリです。
・部分的で最低限のリフォームに留める場合
・総合的なリフォームをする場合
それぞれの場合に分けて見ていきましょう。
部分的で最低限のリフォームに留める場合
壁紙やフローリングの張替や浴室、トイレ、キッチンなどの水回りだけなど、部分的にリフォームをする場合だと数十万~500万円以内で収まるケースが多いです。
空き家をそのまま管理していく場合でも、賃貸に出したり活用したりしていく場合でも水回り部分は特に劣化するスピードが早いので注意して見ておきたいです。
参考までに各箇所の参考金額を表にしました。
再生箇所 | 費用相場 |
---|---|
壁紙交換 | 1千円/㎡ |
床の張替 | 1万~7万円/畳 |
トイレ | ~50万円 |
風呂 | 50万~150万円 |
キッチン | 50万~100万円 |
洗面所 | ~50万円 |
外壁 | 50万~350万円 |
屋根 | 50万~350万円 |
耐震補強・改修 | 30万~150万円 |
雨漏り修理 | 1万~45万円 |
シロアリ対策 駆除・予防リフォーム | 1,800~3,500円/㎡ |
あくまで参考にはなりますが、全面的にやる必要がなく部分的な再生で済みそうなのであれば、必要な箇所をメモしておき、概算で計算してみると良いでしょう。
総合的なリフォームをする場合
各部屋の内装や水回り設備の一新など全面的にリフォームする場合には、予算に加えて工期にも余裕を持っておきたいです。
築年数が経った一戸建てやアパートを所有している場合には、外壁・屋根のリフォームも必要になってくるケースが多々あります。
総合的な再生をする際の費用目安は、マンションなら250万~1,000万円、一戸建てなら500万~2,000万円と見ておくと良いでしょう。
もちろん、建物の劣化具合や断熱性能、使用する材料、最新の設備を選ぶ場合などによっても大きく価格が変動します。
あらかじめ再生のための予算と優先順位を決めておくと迷いが少なくなるのでおすすめです。絶対に再生が必要な箇所と譲れない部分、そこまで予算をかけなくてもいい箇所に分けて考えておきましょう。
もしかなり老朽化が進行していて、解体してしまうほうが安くなりそうであれば建て替えを検討するのもおすすめです。
また、古民家の再生についてはこちらに詳しくまとめています。
建て替えではなく再生することのメリットや、自治体からの補助金について詳しいことが書いてありますので是非参考にしてみてくださいね。
「古民家再生(リフォーム)のメリットや費用相場、助成金・補助金まとめ」
空き家再生の具体的な事例(新しい活用方法)

空き家の所有者が頭を抱える空き家の活用方法。
空き家を再生して所有しておくのもよいですが、維持管理していくには時間的にも経済的にもコストがかかってきます。
そこで、実際どのように活用されているのかを紹介します。
・農地付き空き家への移住
・2地域居住(セカンドハウス)希望者への賃貸や売却
・自治体による活用(移住体験者用の家)
・カフェやギャラリーとして利用
意外と幅広い活用方法。
ひとつずつ見ていきましょう。
農地付き空き家への移住
平成30年3月の「『田園回帰』に関する調査研究中間報告書」(総務省)によると、都市部住民の3割超が「農山漁村地域へ移住してみたい」との考えを持っています。そこで、「地方へ移住して、小規模な農業をしたい」、そんな人のニーズに応えるべく、自治体の移住者支援が進んでいます。
もしも農地付きの空き家を所有しているのであれば一度、貸出できるよう空き家バンクへの登録を自治体に相談してみてください。
2地域居住(セカンドハウス)希望者への賃貸や売却
都会に住む人が週末や夏休みの間だけなどの一定期間だけ地方で過ごすことを2地域居住といいます。
在宅ワークの浸透だったり団塊の世代のリタイア後の新しい生活様式として人気が出てきていたりと、セカンドハウスの需要が高まっています。
そのため、2地域居住を希望する方に貸し出したり売却したりする方法で活用がされています。
自治体による活用(移住体験者用の家)
2地域居住をする方の中には、「いずれ移住したいとは考えているけど、田舎暮らしもほとんどしたことがないし不安だからとりあえずはお試しで借りてみたい」という方も多くいます。
いずれは地方で暮らしてみたいという移住希望者のための移住体験用の家を自治体で用意しているところがあります。
そのために空き家を活用しています。
カフェやギャラリーとして利用
古民家空き家の活用と相性のいいカフェやギャラリーとしての利用。
どこか懐かしい雰囲気のあるカフェは、古民家カフェとして非常に人気が高いです。
また、アートの展示会場として利用されることも。
築年数が経っている空き家を所有している方は、チャンスに変えられます。
アキサポなら費用負担ゼロで空き家再生&活用

見えている部分は比較的新しそうに見えても、目に見えない部分が侵食されていると意外にも費用がかかってしまうもの。空き家の再生には思った以上に費用がかかります。
空き家を管理しながら所有し続けるのも苦労しますよね。
「さまざまな形で活用されているとはいえ、自分の所有している空き家がそんなにうまく活用できるか不安…」
そんな方におすすめしたいのが「アキサポ」のサービスです。

空き家の再生や売却をしたくても、不動産の知識がなくてハードルが高いと感じる方は多いと思います。思うようにいかず「お金と時間だけがかかってしまった」なんてことは避けたいですよね。
そんな悩みを解決するためには、弊社のサービス「アキサポ」がおすすめです。
空き家をマッチングするサービスで、空き家所有者様の持ち出しは0円。もしリフォームが必要になった場合も弊社で負担するため、失敗のリスクが無いのです。
空き家のリスクを解消したいけど失敗が怖い。もしそんな悩みをお持ちでしたら、ぜひ「アキサポ」に相談してみてください。
アキサポでは空き家の活用を行っていて、以下のような事例があります。
カフェバルへの再生

築年数不明の老朽化の進んだ木造長屋の再生事例です。
この地域に住む人たちの「気軽に飲める場所が欲しい」という要望と、「カフェバルを創業したい」という若者の希望がマッチして地域住民で賑わうカフェバルへと変身を遂げました。
宿泊施設への再生

築115年の歴史ある京町家をリノベーションした事例です。
地域の「空き家対策」と文化・街並みの象徴である京町家の「保存・再生」2つの観点を大切に、古民家ならではの伝統文化の本質を残しながらリノベーションを実施しました。
現在では1日1組限定のラグジュアリーな宿泊施設へと生まれ変わっています。
費用負担ゼロの空き家再生なら「アキサポ」にお任せ

アキサポならこのように空き家所有者様の費用負担はゼロで、空き家の借り手とのマッチングまで行いますので、リフォーム代金はかかりません。
マッチングが成立した後は毎月の賃料の一部を空き家所有者様にお支払いする仕組みになっているので、もし再生・活用に興味があればぜひアキサポへ一度ご相談ください。
「アキサポ」を運営する弊社・ジェクトワンは、空き家を専門で取り扱っている空き家のプロ集団です。借り手を探すところから利活用案の提案、リフォーム案の提案、契約の締結まで対応可能。「アキサポ」がワンストップで対応することで、空き家再生までの工程を無駄なく行うことができます。
空き家のリスクは早期解決に越したことはありません。もし少しでも気になるなら、お気軽に「アキサポ」までお問い合わせください。