公開日:2020.08.10 更新日:2026.07.22
空き家助成金とは?対象条件や使い道・自治体の適用事例を解説

空き家の解体やリフォームを行う際、自治体から費用の一部が支給される「空き家助成金(補助金)」を活用できる場合があります。助成金制度をうまく利用すれば、自己負担を大幅に抑えて空き家の再生や処分を進めることが可能です。
ただし、助成金は誰もが自由に受給できるわけではなく、自治体ごとの対象要件や着工前の事前申請など、把握しておくべき条件や注意点が存在します。
本記事では、空き家助成金の概要や主な使い道、適用条件、申請時の注意点、実際の自治体事例までわかりやすく解説します。費用負担を抑えて空き家を適切に管理・処分したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
空き家に適用される助成金とは?

空き家助成金がもらえる背景
空き家の助成金とは、国と自治体が連携して行っている空き家対策への支援措置です。この政策が制定された背景には、近年深刻化している空き家問題があります。
総務省発表の「住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は2023年調査で過去最多の900万2,000戸(空き家率13.8%)に達しています。1978年の268万戸から約3.3倍に増加しており、国や自治体による助成金主導の対策が強化されています。
空き家は、周辺環境を悪化させるのみならず、倒壊の危険性や犯罪率の増加など、様々なリスクを発生させます。そこで国は、空き家を減らして地域の活性化や景観の改善、そして防犯性を高めるために、空き家支援事業を制定しました。
下記ページでは、空き家問題について取り上げています。空き家問題の原因と解決策について、より詳しく知りたい人は、ぜひ下記記事を参考にしてください。
うちの家は大丈夫?「空き家問題」で起こりうるリスク、原因、対策を解説
4つの空き家支援事業
国が、空き家支援事業として費用を補助しているのは、以下の4つの事業です。空き家の活用や除却のみならず、空き家を活用した事業者に対し、事業費用の一部を国が負担しています。
| 事業名 | 概要・主な支援内容 |
|---|---|
| 空き家再生等推進事業 | 空き家の除却(解体)や、地域拠点への改修・利活用にかかる費用を補助 |
| 空き家対策総合支援事業 | 自治体が進める総合的な空き家対策(調査・除却・改修・活用)に対する包括的支援 |
| 先駆的空き家対策モデル事業 | 民間事業者等による先進的・モデル的な空き家対策の取り組みを支援 |
| 空き家所有者情報提供による空き家利活用推進事業 | 所有者情報と利活用希望者をマッチングさせ、スムーズな売却・賃貸を促進 |
空き家の助成金を使ってできる3つのこと

これらの国の空き家支援事業から、交付される補助金は主に3つ。空き家を除却したり活用したりする場合に、補助金が交付されます。
老朽化した内装・外装を修繕し、賃貸住宅、店舗、シェアオフィス等として再活用する費用を助成。
倒壊危険のある危険家屋を安全に解体・撤去し、周囲の防犯や環境悪化を防ぐための費用を支援。
自治体の空き家バンク等を利用して物件を取得・移住する際にかかる初期費用や取得費用の一部を補助。
これらの補助金は国から自治体を通して、空き家事業を営む事業主に交付されます。補助金の額は、自治体により様々で、最大で100万円ほどの金額になる自治体もあります。
そのため補助金を受け取るためには、自治体管轄内の補助金対象の事業者に依頼することが必要。もし、該当の事業者でない場合には、補助金対象外となる場合もありますので、依頼前に補助金制度が受けられるかどうか、確認してみてください。
自己資金が足りず、空き家の処分に困っていた人は、これらの助成金を上手に利用して、空き家の解体やリフォームなどを検討してみてください。また、助成金を活用して空き家を利用した不動産投資を始めるのも、ひとつの手段です。
空き家の助成金を適用させるときの注意点
助成金を活用すれば自己負担を抑えて整備や利活用が進められますが、申請にあたっては以下の3点に注意が必要です。
① 自治体によって支援策・受給額が異なる
空き家助成金は、国からの支援をもとに自治体ごとに制度が作られています。国が個人へ直接交付するものではないため、地域によって支給額や対象条件、申請時期が大きく異なります。
② 建物の状況に応じて適切な手段を選ぶ
空き家に補助金が出るといっても、リフォームできないほど老朽化が進んでいるケースもあります。建物の状態によって「リフォーム補助」か「解体補助」のどちらが適しているか、事前の見極めが必要です。
③ 放置すると「特定空家」指定で税金が実質約6倍に
管理を怠り「管理不全空家」や「特定空家」に指定されて自治体から勧告を受けると、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除されます。土地の税負担が実質最大約6倍に跳ね上がるため、放置せず早めの計画を立てましょう。
空き家に適用できる補助金とコマワリキッチン事例
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では、自治体が交付している補助金にはどんなものがあるのでしょうか。
空き家に適用できる補助金の例
| エリア | 自治体名 | 補助金の名称・概要 | 適用条件・特記事項 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 文京区 | 解体費用を最大200万円補助 | 解体後、区が無償で10年間土地を利用することが条件 |
| 東京都 | 台東区 | 特定空家等の解体費用の一部(1/3)を補助 | 事前審査および特定空家等の認定が必要 |
| 東京都 | 八王子市 | 空き家所有者が行う改修工事費用の1/2を補助 | 市内業者の施工や居住・利活用の要件あり |
| 地方 | 北海道(各市町村) | 空き家の撤去・解体費用の一部を交付 | 地元の指定事業者を利用した施工が条件 |
| 地方 | 福島県 | 空き家を取得・リフォームする費用を補助 | 被災者等の居住支援目的が対象 |
| 地方 | 熊本県 | 空き家バンク経由で取得した物件の改修費補助 | 空き家バンクへの登録および一定期間の定住が要件 |
上記の表をみてわかるように、補助金の中には特定の条件が設定されているものがあります。気になる助成金が適用可能かどうか、確認してから申請するようにしましょう。
空き家の活用アイデアと実績事例
空き家の活用方法は単なる居住用に限りません。シェアハウスや事業用スペース、地域コミュニティ拠点など、アイデア次第で多角的な活用が可能です。
【過去活用事例】空き家を再生したシェアキッチン
アキサポでは、空き家をリノベーションし、シェアキッチン「コマワリキッチン」として再生・運用を行った実績があります。
- プロジェクト概要:空き家をイベントや料理教室が開催できる本格的なキッチンスペースへ改装。
- ビジネスモデル:利用者から会員登録および施設利用料をいただく形で運用を実施。
- 活用のポイント:居住用としての需要が伸びにくい物件であっても、店舗・事業用スペースへと転用することで新たな収益・価値を生み出すことができます。
このように、建物の立地や特性に応じた最適な活用アプローチが存在します。ご自身の所有する空き家に適したプランを見極め、利用できる助成金を効果的に手配していきましょう。
豊島区初の公民連携シェアキッチン、空き家再生で目指す創業支援とまちづくり
まとめ
空き家の活用や解体で利用できる助成金(補助金)制度について解説しました。自治体の助成金を上手に活用すれば、大きな費用負担を抑えて空き家問題の解決へ一歩踏み出すことができます。
ただし、助成金は必ず工事の着工前に事前申請が必要であり、指定業者の利用条件や建物の状態による制限もあります。放置して「管理不全空家」等に指定されると、固定資産税が実質約6倍に激増するリスクもあるため、早めの判断が重要です。
「自分の空き家で使える助成金があるか知りたい」「費用負担を抑えて活用・処分したい」とお悩みの方は、アキサポへご相談ください。
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空き家の活用・処分を無料相談する ➔この記事の監修者
岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。






