公開日:2022.08.08 更新日:2026.06.08
空き家解体費用の平均・相場は?構造別に一覧で解説【2026年版】
空き家の解体を考えている方の多くは、空き家の解体費用に不安を感じているのではないでしょうか?
具体的な費用が分からず、前に進めない方も多いと思います。じつは空き家の解体費用は、物件によって差はあるものの、ある程度の相場があります。そこでこの記事では、空き家の解体費用相場や、解体費用を安く済ませるコツについて解説します。
目次
一軒家の空き家解体費用は総額いくらかかる?

空き家の解体費用は主に以下の4項目で構成されています。
①労務費用(解体工事にかかる作業費用)
②廃棄物処理費用(廃棄物の分別・取り壊しなど)
③廃棄物運搬費用(廃棄場への運搬・処分費用など)
④足場や養生などの周辺費用
なかでも最も比率が高いのが労務費用です。人件費や重機・工具の使用料が含まれ、建物の立地・構造・工事内容によって大きく変動します。「建物を壊すだけ」と考えていると、予想以上に高額になるケースもあります。
空き家解体費用が変動する要素とは?
労務費用に影響する主な要因は以下の4つです。
①建物の立地:作業のしやすさや使える重機に影響
②建物の構造:木造・鉄骨造・RC造など
③建物の規模:延べ床面積
④その他:付帯工事やアスベスト処理の有無など
見落とされがちなのが①の立地です。重機の搬入可否や作業スペースの制約が費用に直結するため、最初に確認すべき要素です。④のアスベストについても、該当する場合は専門的な除去作業が必要となり、費用が大幅に増加します。
解体すべきかどうか迷っている方は、まずこちらの記事を参考にしてください。
空き家解体の費用相場とメリット・デメリット|更地の税金も解説
建物の立地
道路が狭い・アクセスが悪いなど立地が不便な場合、重機が現場に入れず人力での解体が必要になり、費用が増大します。重機が入れても、電線が近くにある場合は作業範囲が制限され、傾斜地では重機の安定性が低下するため、いずれも作業効率が下がり費用に影響します。
建物の構造
木造は比較的解体が容易で費用を抑えやすい一方、近年の廃材処理費用の上昇により費用が増加傾向にあります。鉄骨造・RC造は構造が複雑で専門技術・機材が必要なため、木造より費用が高くなります。
また、同じ坪数でも平屋より2階建ての方が解体費用は安くなる傾向があります。平屋は基礎や屋根の面積が広く、その分の解体コストが増えるためです。
建物の規模
規模が大きいほど費用も高くなります。敷地いっぱいに建っている建物は重機の搬入スペースが確保できず、周辺道路を使った工事が必要になる場合があります。この場合、道路使用許可の取得や警備員の配置など追加コストが発生します。また、一部を手作業で解体してから重機を入れる場合も、全て重機で解体するより費用が増します。
その他(付帯工事・アスベスト処理)
残置物の撤去・庭木・ブロック塀の解体など付帯工事が発生すると追加費用がかかります。建物にアスベストなどの有害物質が含まれている場合は専門的な除去処理が必要となり、費用が大幅に上乗せされます。事前に有害物質の有無を確認し、見積もりに処理費用を含めておくことが重要です。
一軒家の空き家解体における総額の費用相場は?
一軒家の空き家の解体総額は、建物の構造と規模によって変わってきます。例えば、30・40・50坪を考えた場合、木造住宅なら120~300万円、鉄骨造なら150~330万円、鉄筋コンクリート(RC)造なら180~360万円程度が相場になります。
ほかにも、建物の立地している地域によっても額が変動する場合があります。それぞれの項目について具体的に見ていきましょう。
【1.建物の立地】による費用相場
| 地域 | 坪単価相場(木造30坪程度) |
|---|---|
| 北海道・宮城・秋田・富山・石川・愛媛・高知・佐賀・熊本・大分・宮崎 | 2〜3万円(総額60〜90万円) |
| 上記・東京・神奈川以外の都道府県 | 2.5〜3.5万円(総額75〜115万円) |
| 東京都・神奈川県 | 3〜4万円(総額90〜120万円) |
データ引用元:一戸建て解体費用の坪単価(地域別相場)/クラッソーネ
空き家解体の相場は、全国で大きな差はありません。ただし、東京都と神奈川県は、建物が密集し、人通りも多い都市部での作業が多くなるため、割高になっています。
【2.建物の構造】による費用相場
| 構造 | 坪単価相場 |
|---|---|
| 木造 | 3〜5万円/坪 |
| 鉄骨造 | 5〜7万円/坪 |
| RC造(鉄筋コンクリート) | 6〜8万円/坪 |
構造ごとの費用相場は、一般的に鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨造、木造の順に高額です。耐久性のある建材を使うほど、取り壊しにも手間がかかりますし、基礎についても、重量のある建材に対応するために強固な基礎が作られており、全体的に作業負担が大きくなります。
【3.建物の規模】による費用相場
| 建物の規模 | 木造 | 鉄骨造 | RC造 |
|---|---|---|---|
| 30坪 | 120万〜180万円 | 150万〜210万円 | 180万〜240万円 |
| 40坪 | 180万〜240万円 | 210万〜270万円 | 240万〜300万円 |
| 50坪 | 240万〜300万円 | 270万〜330万円 | 300万〜360万円 |
解体費用は、建物の規模が大きくなるほど割高になる傾向にあります。これは、規模が大きいほど、同じ面積を取り壊すのに多くの時間と労力が必要になる傾向があり、さらに廃棄物の量も多くなる傾向にあるためです。解体に大型の重機が必要になる場合はさらに割高になる可能性があります。
【4.その他】の費用相場
| 工事の種類 | 費用相場 |
|---|---|
| 家屋内の残置物撤去 | 8,000〜1万円/約1㎡ |
| ブロック塀解体 | 1万円/1本 |
| 庭木の撤去 | 2,000〜3,000円/約1㎡ |
| 庭石の撤去 | 1万円/約1t |
| 倉庫の撤去 | 2〜3万円/1個 |
| 門・フェンスの撤去 | 2万円/1組 |
建物の取り壊しに付帯工事が発生すると追加で費用が発生します。土地が広く、ブロック塀や庭木などが多い場合は費用がかさむ可能性があるので注意しましょう。ちなみに、付帯工事をどこまでやるかは本人次第ですが、基本的に老朽化した工作物は無い方が買い手が付きやすいです。
ちなみに、アスベストの処理が発生した場合は、状況が特殊であるため、個別に費用を見積もる必要があります。
相続を放棄した場合に空き家の費用負担をしなければならないのか?
相続放棄を行った場合、相続人は遺産を一切受け取らないという立場になります。これには、遺産の中の財産だけでなく、負債も含まれます。したがって、相続を放棄した場合、相続人は空き家の管理費用や税金、解体費用などの負担を免除されます。
ただし、民法には以下のような定めがあり、管理責任を完全に逃れるわけではありません。
2023年(令和5年)の民法改正により、旧940条の「相続放棄をした者の管理継続義務」は廃止され、新設の897条の2に再編されました。改正後は「相続放棄をした者は、放棄時に相続財産を現に占有している場合に限り、相続人または相続財産清算人に引き渡すまでの間、自己の財産と同様の注意をもって管理する義務を負う」とされています。占有していない場合は管理継続義務を負わない点が、改正前との大きな違いです。
つまり、後順位の相続人がいない場合や、複数の相続人がいたが最後に相続放棄をした場合などは、新たな相続人が見つかるまで、管理責任を負うことになります。ちなみに、新たな相続人が見つかるまでというのは、家庭裁判所で相続財産の精算を行う「相続財産管理人を選任するまで」です。
空き家の解体費用を安く抑える3つのポイント

①補助金・助成金制度を活用する
空き家の解体費用を補助する制度は、全国の自治体で実施されています。工事着工前に申請が必要なケースがほとんどのため、早めに確認しておきましょう。
主な補助金制度の例は以下のとおりです。
木造住宅解体工事費補助金
一宮市では「民間木造住宅解体工事費補助金」として、1981年5月31日以前に建築された延べ床面積30㎡以上の木造住宅で、耐震診断の結果判定値が1.0未満のものを対象に、工事費用の23%(上限20万円)を補助しています。
老朽危険家屋解体工事補助金
長期間放置されて倒壊の恐れが生じた空き家を解体する際に補助する制度です。特定空家等に指定される前に解体を促進することを目的としており、各自治体が独自の基準で実施しています。
危険廃屋解体撤去補助金
薩摩川内市では「危険廃屋等解体撤去促進事業補助金」として、危険廃屋・認定廃屋に対して経費の1/3(上限30万円)、景観支障廃屋に対して経費の1/2(上限45万円)を補助しています。ただし年度ごとに受付終了となるため、最新の受付状況は必ず市の公式サイトで確認してください。
補助金の条件について
補助金は、劣化が進んでいない空き家や所得が一定以上の場合は対象外となるケースがあります。また、耐震基準を満たさない建物のみを対象にしていたり、空き家バンクへの登録が条件になっていたりする場合もあります。内容は自治体によって大きく異なるため、必ず各自治体の窓口またはホームページで確認しましょう。
②季節・時期を見極める
台風・梅雨・真夏・積雪期は作業難度が上がり費用が高くなる傾向があります。繁忙期の12月〜3月も避けるのが得策です。急ぎでなければ、作業がしやすい春(4〜6月)や秋(9〜11月)に依頼すると費用を抑えやすくなります。
③解体業者の選定
業者によって費用は大きく異なります。現場から遠い業者は重機・トラックの使用時間が増え割高になりやすいため、現場周辺の業者を中心に探しましょう。必ず複数の業者から見積もりを取って比較することが重要です。
空き家を解体する前に!メリット・デメリットを把握しよう

空き家を解体することのメリットは以下のとおりです。
| 種別 | 内容 |
|---|---|
| メリット① | 安全性が確保される |
| メリット② | 管理費用を削減できる |
| メリット③ | 土地活用の自由度が上がる |
| デメリット① | 解体費用がかかる |
| デメリット② | 土地の固定資産税が上がる場合がある |
| デメリット③ | 建物の価値が失われる |
| デメリット④ | 周辺環境への影響が生じる可能性がある |
空き家解体のメリット3つ
メリット①:安全性が確保される
放置された空き家は老朽化が進み、倒壊・火災・不法侵入・不法投棄などのリスクが高まります。解体することでこれらのリスクを排除し、地域への負担を軽減できます。
メリット②:管理費用を削減できる
空き家を所有している限り、固定資産税・保険料・定期点検・補修費用などが発生し続けます。放置状態が続くと増税措置が取られるケースもあり、長期的に見ると解体費用の方が結果的に安くなる場合があります。
メリット③:土地活用の自由度が上がる
建物を解体して更地にすることで、新築・駐車場・貸地など多様な活用が可能になります。特に都市部では土地自体の価値が高いため、財産価値の最大化や収益化につながる可能性があります。
空き家解体のデメリット4つ
デメリット①:解体費用がかかる
解体には100万円単位の費用がかかるのが一般的で、有害物質の除去や特殊な廃棄物処理が必要な場合はさらに増加します。複数業者への見積もり比較や、解体後の利用計画を事前に検討しておくことが重要です。
デメリット②:土地の固定資産税が上がる場合がある
住宅が建っている土地には「住宅用地特例」として固定資産税の減額措置(200㎡以下は1/6、超過部分は1/3)が適用されています。建物を取り壊すと翌年1月1日時点で住宅用地として使われていない場合、この特例が解除されて税負担が増加します。
なお、2023年の空家法改正により「管理不全空家」に指定された場合は、建物が残っていても住宅用地特例の対象外となる場合があります。
デメリット③:建物の価値が失われる
解体すると建物が持つ価値を完全に失います。まだ利用可能な状態であれば、リフォーム・リノベーションにより賃貸・売却という選択肢も残っています。解体前に建物の現状と活用可能性を確認することが重要です。
デメリット④:周辺環境への影響
解体後に長期間空き地のままになると、草木の繁茂・不法投棄・防犯上の問題が生じる可能性があります。解体後の土地活用計画をあらかじめ決めておくことが大切です。
空き家解体は費用・税制・資産価値の面でデメリットも多いため、状況をしっかり考慮したうえで判断しましょう。解体前にリノベーションして活用する手段がないかを検討することもおすすめです。空き家活用に関するお悩みは、「アキサポ」にお気軽にご相談ください。
空き家を解体した後の土地活用の方法とは?

空き家を解体したあとは、固定資産税対策のためにもなるべく早く土地活用を進めましょう。うまく活用できれば継続的な収入源となり、家計を支えてくれる手段にもなります。
アキサポでは、これまでに数多くの土地活用を実現してきました。一見使い道がなさそうな物件でも活用に成功した事例がありますので、その中から2つの事例を紹介します。
事例①:不法投棄が増えた空き家をバイクガレージへ

管理できない状態が続いて不法投棄が増えていたこちらの空き家では、バイクガレージに生まれ変わりました。
不法投棄が続く空き家は視認性の悪さを利用してバイクガレージへ
事例②:学生向け賃貸アパートを駐車場へ

かつて学生向け賃貸アパートだったこの物件は、30年以上空き家状態が続いていました。老朽化が著しく活用も困難だったため解体し、時間貸し駐車場として再生。倒壊リスクを解消しながら、安定した収入源として生まれ変わった事例です。
よくある質問
まとめ
空き家の解体費用は建物の構造や規模、業者などによって変わりますが、一般的に工事が難しい物件ほど高額になる傾向にあります。
解体費用が高いと感じたら、補助金の活用や工事の時期や季節などを検討してみるとよいでしょう。
また、空き家を放置し続けたり、更地として長期間所有し続けるのはリスクやデメリットが大きいためおすすめしません。もし、空き家を解体しようか迷っていて、費用面で折り合いがつかない場合は、空き家活用という方法もあるので、一度「アキサポ」へお問い合わせください。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。