公開日:2022.08.08 更新日:2022.08.08
空き家の解体費用相場はいくらか?補助金を活用して安く抑えるコツとは?

空き家の解体を検討しているけど、具体的にどのくらい費用がかかるのか分からなくて不安に感じていたり、補助金などを活用して少しでも解体費用を安くしたいと考えていたりする方は多いのではないでしょうか。
この記事では、空き家の解体費用相場や、解体費用を安く済ませるコツについて解説します。空き家解体後の土地活用についても言及していますので、解体した後どうしようか悩まれている方もぜひご覧ください。
目次
1.一軒家の空き家解体費用はいくらか?

一軒家の空き家の解体費用は、立地や構造などによって大きく変わってきます。
解体費用を左右する要素と、解体費用相場について解説します。
1-1.解体費用を左右する要素
解体費用を左右する要素は以下のとおりです。
・建物の立地 ・建物の構造 ・建物の規模 ・その他 |
ひとつずつ見ていきましょう。
1-1-1.建物の立地
立地が悪ければ建物の解体がしにくくなるため、費用が上がる要因になります。
例えば、立地が悪く、解体用の重機が入っていけない場合には人力で解体する部分が増えることにより労力がかかるため費用がかかります。重機が入れても動きにくかったり、電線が張り巡らされている立地や傾斜地だったりと、解体に不利な立地であればあるほど費用が上乗せされます。
1-1-2.建物の構造
建物が何で造られているかによって解体費用が変わってきます。
例えば、木造なのか、鉄骨造なのか、RC(鉄筋コンクリート)造なのかなどによって、解体のしやすさが変わるため坪単価が変動します。
また、造りだけでなく建物が1階建てなのか2階建てなのかのように住宅の階数によっても費用が変わります。ちなみに例えば同じ坪数であれば、平屋より2階建てのほうが解体費用が安くなる傾向にあります。平屋のほうが費用のかかりやすい基礎部分や屋根の部分が広くなるからです。
1-1-3.建物の規模
建物の規模が大きくなればなるほど当然、解体費用は高くなります。
また、建物の規模が大きく、敷地いっぱいに建っている場合、重機を搬入できずに使用できないことも。そうすると、重機が敷地内に入れないので建物周辺の道路を使って解体することになります。道路の使用許可をとったり、警備員を配置する必要があったりと手間がかかる分費用が高くなる傾向にあります。
また、一部を手作業で解体してスペースを確保した後に、重機を入れて本格的な解体作業をする場合も、すべてを重機で解体する場合に比べると高くなりやすいです。
1-1-4.その他
空き家の中の残置物や庭木の撤去、ブロック塀の解体などの付帯工事があると追加で費用がかかります。また、有害物質であるアスベストが使用されている場合には、解体時に特別な処理が必要となるため費用が上乗せされます。
1-2.一軒家の空き家解体における費用相場
一軒家の空き家解体にかかる、構造×規模の費用相場は以下のとおりです。
木造 | 3~5万円/坪 |
鉄骨造 | 5~7万円/坪 |
鉄筋コンクリート(RC)造 | 6~8万円/坪 |
つまり、たとえば40坪の一軒家を解体する際にかかる費用は、木造住宅なら120~200万円、鉄骨造なら200~280万円、鉄筋コンクリート(RC)造なら240~320万円程度が相場になります。
また、都道府県別に見る相場は、クラッソーネさんの一戸建て解体費用の坪単価(地域別相場)の地域ごとの相場一覧によると、以下のとおりです。
都道府県 | 家屋解体費用の坪単価相場(木造30坪程度) |
---|---|
北海道、宮城県、秋田県、富山県、石川県愛媛県、高知県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県 | 20,000~30,000円 |
青森県、岩手県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、福岡県、長崎県、鹿児島県 | 25,000~35,000円 |
東京都、神奈川県 | 30,000~40,000円 |
最後に付帯工事別の相場は以下のとおりです。
付帯工事の種類 | 費用 |
---|---|
家屋内の残置物撤去 | 8,000~10,000円/約1㎡ |
ブロック塀解体 | 10,000円/1本 |
庭木の撤去 | 2,000~3,000円/約1㎡ |
庭石の撤去 | 10,000円/約1t |
倉庫の撤去 | 20,000~30,000円/1個 |
門・フェンスの撤去 | 20,000円/1組 |
2.空き家の解体費用を安く抑える3つのコツとは?

空き家の解体費用は、少しでも安く抑えたいもの。
安く抑えるための3つのコツを紹介します。
1.補助金・助成金制度を活用する 2.季節・時期を見極める 3.解体業者の選定 |
それぞれ見ていきましょう。
2-1.①補助金・助成金制度を活用する
空き家の解体にかかる費用は地方自治体で補助金を出しているところがあります。
空き家が所在する地方自治体によって用意している補助金制度が異なってくるため、各地方自治体に問い合わせをしてみましょう。
ここでは、空き家の解体工事費用の補助金制度を紹介します。
2-1-1.1:木造住宅解体工事費補助事業
空き家は劣化が進み、倒壊の危険性があります。その危険性から身を守るために補助金が用意されています。
例えば、一宮市では耐震診断で一定程度の倒壊の恐れがある木造の空き家であるなどの条件を満たした場合に補助される、木造住宅解体工事費補助事業の制度があります。
2-1-2.2:老朽危険家屋解体工事補助金
一定期間空き家を放置すると、特定空き家などに指定されてしまうケースがありますが、長期間管理されておらず放置されている空き家を解体する場合に補助をしてくれる制度があります。
長期間放置されたことによって倒壊の恐れが出てくるため、解体を促進する目的で用意されています。
2-1-3.3:危険廃屋解体撤去補助金
放置されている空き家は、周辺へも悪影響を及ぼす可能性があります。近隣住民の安全性を確保する意味でも危険家屋を解体するための費用が補助される仕組みがあります。
例えば、薩摩川内市(さつませんだいし)では、危険廃屋・認定廃屋に対して上限を30万円として経費の3分の1を補助してくれます。景観支障廃屋に対しては、上限を45万円として経費の2分の1を補助してくれます。
2-1-4.空き家解体の補助金制度の条件について
空き家解体の補助金制度は活用できれば大変ありがたいシステムですが、必ずしもどのような空き家でも、誰でもが利用できるわけではありません。
例えば、空き家は空き家でもそこまで痛みが進んでいない空き家では、倒壊の恐れや周辺への景観の悪影響などがなく補助金が降りない可能性があります。
また、所得が高いと補助金を利用しなくても解体作業ができると判断され降りない可能性や、耐震基準に満たない空き家でなければ降りない可能性、自治体の空き家バンクに登録していなければ補助金が降りないなどの条件つきの場合なども。
各地方自治体によって大きく条件は異なるため、細かくホームページや電話で確認をしましょう。
2-2.②季節・時期を見極める
解体作業を行う季節や時期を見極めましょう。
一般的に台風が多い季節や梅雨の時期、暑さが厳しい夏や寒さや雪が降る季節は費用が高くなります。作業のしやすい時期に解体作業を行うことで、作業員に対してかかる労力が少なくなるため費用が安くなる傾向にあります。
また、繁忙期である12月~3月も避けるのが吉です。
「解体をどうしても今すぐに依頼したい!」というわけでなければ、季節や時期を見て依頼するほうが安く済むでしょう。
2-3.③解体業者の選定
解体業者によっても費用が大きく変動する場合があります。
例えば、解体現場と業者の距離が遠ければ、重機やトラックなどの使用時間も伸びるために費用が高くなりやすいでしょう。できるだけ現場周辺で解体業者を探すと費用を抑えやすいです。
必ず複数の業者に見積もりをとるようにしましょう。
3.空き家を解体した後の土地活用の方法とは?

空き家を解体した後どうするか悩んでいる方には、土地活用という手段をおすすめします。
建物が建たない土地の固定資産税負担は大きく、所有しているだけで毎年多額の税金を支払わなければなりません。
活用をすることで収入源となり、家計を支えてくれる手段にもなります。
アキサポでは、土地活用の支援をしています。所有者様の負担は0円で空き家を借り受けリノベーションを施し、借りたい人へ貸すシステム
3-1.事例①:不法投棄が増えた空き家をバイクガレージへ

管理できない状態が続いて不法投棄が増えていたこちらの空き家では、バイクガレージに生まれ変わりました。
3-2.事例②:学生向け賃貸アパートを駐車場へ

かつて学生向け賃貸アパートだった建物は、30年以上空き家状態でした。
老朽化が進んでいたため、解体をして時間貸しの駐車場へ生まれ変わりました。
解体できて倒壊の危険性がなくなっただけでなく、所有者にとって安定した収入源にもなりました。
3-3.空き家解体後の土地活用はアキサポにお任せください!
空き家を解体したあとの土地活用に迷ったらアキサポまでぜひお気軽にご相談ください。
また、空き家を解体せず建物のリノベーション費用が所有者様の負担0円でリノベーション可能です。所有者様のご希望やお考えもお聞きした上で、どのように活用するかを一緒に検討しましょう。

4.空き家を解体することのメリット、放置することのリスク

空き家を解体することのメリットは以下のとおりです。
・空家を維持管理する手間や負担がなくなる ・「特定空家等」に指定されるリスクを軽減できる |
放置することのリスクは以下のとおりです。
・周辺の住民に迷惑をかけることになる ・税金の優遇措置を受けられなくなる |
4-1.空き家を解体することのメリット
空き家を解体することで、空き家を維持管理する手間や負担がなくなります。
解体して気にする必要がなくなることで心理的な負担感もなくなります。
空き家の放置を続けると、「特定空家」に指定される可能性が高くなります。
特定空き家に指定されると、税金の優遇措置がなくなるので税負担が大きくなります。
4-2.空き家を放置することのリスク
空き家を放置することによって劣化がどんどん進み、倒壊する危険性が高くなりますし、景観が悪化します。そうすることで、近隣の住民に迷惑をかけてしまいやすくなります。
また、前述したように放置をすることで特定空家に指定されるリスクも高くなってしまいます。
5.まとめ

空き家の解体費用は建物の構造や規模、業者などさまざまな要因によって大きく変動があります。
補助金を活用したり、季節・時期を見極めたりと少し工夫をするだけで費用は安く抑えられるようになります。
空き家を解体せずに放置し続けたり、解体しても更地として何も活用せず所有して置いたりするのはリスクやデメリットも大きいです。
そのため、空き家を解体しようか迷っている方や、空き家を解体した後どうしようか悩んでいる方はぜひ一度アキサポへお問い合わせください。