公開日:2022.01.28 更新日:2026.07.10
空き家の解体費用の相場は?メリット・デメリットと補助金も解説
空き家の解体費用は、木造で1坪あたり3〜5万円が目安です。40坪の木造住宅ならおよそ120〜200万円で、解体には維持管理の負担や「特定空家等」のリスクを減らせるメリットがある一方、費用がかかり土地の固定資産税が上がるデメリットもあります。
空き家を相続したものの、すでに持ち家があるため解体を検討している人は少なくありません。ただ、一度解体すると家は元には戻りません。だからこそ、解体するとどうなるのかを事前に把握しておきたいところです。
そこでこの記事では、空き家の困りごとを幅広くサポートしてきたアキサポが、空き家を解体するメリット・デメリット、費用相場、注意点までわかりやすく解説します。
1. 空き家を解体するメリットとデメリット

まず、空き家を解体するメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは空き家を解体するメリットとデメリットについて解説します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 維持管理の手間や負担がなくなる |
| メリット | 「特定空家等」に指定されるリスクを軽減できる |
| デメリット | 解体費用がかかる |
| デメリット | 建物にまつわる思い出が失われる |
| デメリット | 住宅用地特例(税の優遇)が受けられなくなる |
1-1. 空き家を解体するメリット
空き家を解体するメリットは、大きく2つです。
- 維持管理の手間や負担がなくなる
- 「特定空家等」に指定されるリスクを軽減できる
1-1-1. 維持管理の手間や負担がなくなる
相続した家でも、すでに持ち家がある場合は空き家の維持管理が必要になります。
人が住まない家は想像以上に傷みやすく、定期的な換気や庭木の手入れを怠ると、劣化が進み価値も下がります。管理が行き届かないと空き家だと分かりやすくなり、不審者の侵入や放火など犯罪の温床になるおそれもあり、近隣にも迷惑をかけかねません。遠方に住んでいるほど負担は大きく、解体すればこの手間から解放されます。
1-1-2. 「特定空家等」に指定されるリスクを軽減できる
放置空き家の増加に対応するため、2014年(平成26年)11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立しました。
この法律では、管理が不十分な空き家を「特定空家等」に指定し、行政が助言・指導・勧告・命令や行政代執行を行えると定めています。命令に従わない場合は50万円以下の過料が科され、行政が所有者に代わって解体などを行い、その費用が所有者に請求されることもあります。さらに2023年12月施行の改正では、特定空家等の手前にあたる「管理不全空家等」も新設されました。老朽化した家は災害時に倒壊する危険もあり、解体すればこうした指定リスクを減らせます。
1-2. 空き家を解体するデメリット
一方、デメリットは主に3つです。
- 解体費用がかかる
- 建物にまつわる思い出が失われる
- 税金の優遇措置(住宅用地特例)が受けられなくなる
1-2-1. 解体費用がかかる
解体をためらう最大の理由が、費用の大きさです。売却予定なら、更地の価値と建物付きの価値のどちらが高いかを業者に判断してもらいましょう。解体して赤字になるなら、解体する意味は薄くなります。
1-2-2. 建物にまつわる思い出が失われる
家には家族との思い出が刻まれています。解体するとその思い出が失われると感じ、踏み切れない方も少なくありません。家が残っていれば維持管理で訪れるたびに思い出を振り返れますが、解体するとその機会も減ります。
1-2-3. 税金の優遇措置を受けられなくなる
土地と家屋の所有者には、毎年固定資産税と都市計画税がかかります。
土地に建物が建っていると住宅用地特例により、固定資産税は最大6分の1、都市計画税は最大3分の1に軽減されます。この優遇のために解体をためらう方も多いですが、管理できないまま所有し続けると「特定空家等」に指定され、かえって優遇が外れるリスクもあります。
2. 空き家を解体する場合の相場

空き家の解体費用は、建物の構造によって大きく変わります。木造で1坪あたり3〜5万円が目安で、40坪ならおよそ120〜200万円です。構造別の相場は以下のとおりです。
| 建物の構造 | 解体費用の目安(1坪あたり) |
|---|---|
| 木造 | 3〜5万円 |
| 鉄骨造 | 5〜7万円 |
| 鉄筋コンクリート(RC)造 | 6〜8万円 |
| 建物の構造 | 40坪の解体費用の目安 |
|---|---|
| 木造 | 120〜200万円 |
| 鉄骨造 | 200〜280万円 |
| 鉄筋コンクリート(RC)造 | 240〜320万円 |
ただし、上記はあくまで目安です。解体業者や、平屋・2階建て・3階建てといった階数によっても費用は変わります。
たとえば建物が隣家と近接していたり、重機が入れないほど狭い道の奥にあったりすると、費用は上乗せされます。足場が立てにくい・重機が使えない現場では手作業が増え、その分の人員が必要になるためです。
また、古い家にはアスベスト(有害物質)が使われていることがあります。使用されている場合は解体時に特別な処理が必要で、別途費用がかかります。庭や玄関周りの外構、浄化槽がある場合も、撤去費用が別に発生します。
自分の物件だと解体費用がどのくらいになるのか、目安を早く知りたい場合は、無料のオンライン試算ツールを使う方法もあります。たとえば横浜市では、土地・建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などの条件から、解体費用や解体後の売却価格の概算を無料で把握できる「すまいの終活ナビ」を案内しています。まずはこうしたツールでおおよその金額感をつかんでから、業者に見積もりを依頼すると検討がスムーズです。
このように解体費用は、建物の状況や繁忙期・閑散期によっても変動します。金額の大きい工事だからこそ、複数の業者に見積もりを依頼し、比較して選ぶのがおすすめです。
出典:横浜市「空家を手放したい方へ」
3. 解体費用を抑える方法と注意点

解体費用を抑える方法は、主に3つあります。残置物を自分で撤去する、自治体の補助金を活用する、そして解体せず活用する、という選択肢です。
解体費用を抑える3つの方法
残置物を撤去しておく
家具や衣類などが残っていると、割高な処分費がかかります。自分で片付けられる範囲を先に処分しておくと費用を抑えられます。
自治体の補助金を活用する
老朽空き家の解体費を補助する制度を設ける自治体があります。金額や要件は自治体ごとに異なるため、公式サイトで確認しましょう。
解体せず「活用」する
そもそも解体しない選択肢もあります。貸し出せば家賃収入が得られ、更地化による固定資産税の増加も避けられます。
3-1. 家の中の荷物(残置物)を撤去しておく
解体工事の際、家の中に家具や衣類などの残置物があると、割高な処分費がかかります。さらに置き石の撤去や、工事の邪魔になる庭木の伐採・雑草処分などを先にすませておくと、付随する処理費を減らせます。自分でできる範囲を片付けておくことが、費用を抑えるコツです。
3-2. 空き家の解体費用補助金を活用する
放置された空き家は、地域の環境衛生や防災・防犯に悪影響を及ぼします。そのため、危険な空き家の解体費の一部を補助する自治体があります。代表例は次のとおりです。
| 自治体 | 補助内容(金額・要件は要・最新確認) |
|---|---|
| 埼玉県秩父市 | 解体工事費の3分の1を補助(上限は市内業者30万円/市外業者20万円)。昭和56年5月31日以前建築・1年以上空き家などの要件あり。年度ごとに受付期間・予算枠あり |
| 神奈川県横浜市 | 住宅除却補助制度:耐震性が低い木造住宅等の解体費を補助(昭和56年5月末以前建築は上限50万円、昭和56年6月〜平成12年5月末建築は課税世帯20万円・非課税世帯40万円) |
出典:秩父市「空き家解体補助金を助成します」 / 横浜市「空家を手放したい方へ」
補助の有無・金額・要件は自治体ごとに異なり、年度で変わることもあります。対象物件のある市区町村の公式サイトで、最新の制度を確認しましょう。
3-3. 空き家を解体せず活用する
そもそも「解体しない」という選択肢もあります。
更地にすると固定資産税は上がりますが、解体せず賃貸に出せば家賃収入が得られ、税負担の増加も避けられます。「人に貸せる状態じゃない」という場合でも、アキサポならリフォーム費用を全額負担(自己負担0円)し、借り手とのマッチングまで対応します。
「解体するつもりだったが、費用負担なしで貸して家賃収入を得るのもいい」とお考えなら、ぜひアキサポにご相談ください。
3-4. 解体後に売却するなら「3,000万円特別控除」も確認
相続した空き家や、解体後の敷地をおおむね3年以内に売却した場合、確定申告により譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)。
相続の直前まで被相続人が一人で住んでいたことなどの要件があり、適用期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡です。解体して売却を考えているなら、税負担を大きく減らせる可能性があるため、早めに確認しておきましょう。適用要件は細かく定められているため、実際に使えるかは税務署や税理士に確認するのが確実です。
出典:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
🏠空き家の解体に関するよくある質問
Q. 空き家の解体費用の相場は?
A. 木造で1坪あたり3〜5万円が目安で、40坪ならおよそ120〜200万円です。構造や立地、アスベストの有無、付帯工事の有無によって費用は変動します。
Q. 解体すると税金は上がりますか?
A. 建物を解体して更地にすると住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税は最大で約6倍、都市計画税は最大で約3倍になり得ます。解体前に試算しておくと安心です。
Q. 解体費用の補助金はありますか?
A. 老朽化した空き家の解体費を補助する制度を設けている自治体があります。金額や条件は自治体ごとに異なるため、対象物件のある市区町村の公式サイトで確認しましょう。
4.まとめ

空き家の解体には、維持管理の手間や「特定空家等」に指定されるリスクを減らせるメリットがある一方、解体費用がかかり、住宅用地特例が外れて土地の固定資産税が上がるデメリットもあります。解体費用は木造・40坪でおよそ120〜200万円が目安ですが、構造や立地で大きく変わるため、複数業者の見積もり比較が欠かせません。残置物の事前撤去や自治体の補助金の活用で、費用は抑えられます。
そして忘れてはいけないのが、「解体しない」という選択肢です。相続した空き家を持て余していても、貸し出せば家賃収入が得られ、更地化による固定資産税の増加も避けられます。アキサポなら、リフォーム費用を全額負担(自己負担0円)で借り手とのマッチングまで対応します。解体か活用かで迷っている段階でも、無料でご相談いただけます。まずは、あなたの空き家に合った選択肢を一緒に整理することから始めてみませんか。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。