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2022.02.22

今人気の農地付き空き家とは?家と農地をセットで取得できる制度

空き家を探している方の中には、家庭菜園をしながら生活する「田舎でスローライフ」に憧れている方も多いと思います。しかし、農地がセットになった空き家はすぐ見つかるわけではありません。

そんな方におすすめなのが今話題の「農地付き空き家」。文字通り農地と空き家がセットで手に入る、地方移住におすすめの物件です。

この記事では、農地付き空き家の概要やメリットなどを解説。合わせて農地付き空き家の探し方も紹介します。

農地付き空き家とは|家と農地がセットの空き家バンク登録情報

広い古風な一軒家外観

「農地付き空き家」とは農地と空き家がセットになった空き家バンクの物件種別のことです。

この物件形式は2013年前後から一部市町村で使われていましたが、ニーズの増加から2018年に国土交通省がガイドラインを制定。さらに2020年には農地付き空き家を活用した農山村地域への移住の促進事業「既存住宅活用農村地域等移住促進事業」がスタートしたことから、近年注目度を増しています。

農地付き空き家は買主と売主の両方にメリットのある物件です。買主からすれば空き家と農地を一度に探せますし、売主からすれば農地と空き家を同時に売却できます。

そもそもガイドライン制定の背景には、都市部に住む人々の中に「農山漁村に移住してみたい」というニーズが大きいことがありました。総務省が2017年に出した報告書によると20~60代の男女において「農山漁村に移住してみたい」と回答した割合は30.6%にものぼるという結果が出ています。

コロナ禍以降、地方への移住はさらに注目度が上がっています。農地と空き家が同時に手に入る農地付き空き家は、「田舎でスローライフ」を考えてる方にとって、まさに一石二鳥の物件であると言えます。

農地と空き家が取得しやすくなる取り組みも

全国の市町村の中には、農地付き空き家を利用した「地域再生計画」という、移住促進に関する計画を定めているところがあります。そして、地域再生計画を策定している市町村では、農地と空き家が通常よりも取得しやすくなる2つの特例が適用されます。

農地などの権利取得に係る特例

農地を売買する場合、原則的に農地の取得には農地法3条に基づく許可が必要となります。3条の許可基準の中には、農地取得後の耕作面積が原則50アール以上、北海道は2ヘクタール以上になることが定められていますが、農地付き空き家を取得する場合においては、農地取得後の耕作面積を緩和できるようになっています。

既存住宅の取得などに係る特例

空き家が市街化調整区域にある場合、空き家の条件によっては取得に伴って都市計画法における用途変更の手続きが必要になるケースがあり、すべての人が許可を得られるわけではありません。

しかし、農地付き空き家の場合は地域振興を推進する観点から、許可審査の配慮をするものとされており、必要性が認められる場合は許可して差し支えないとされています。

農地付き空き家登録の流れ

農地付き空き家登録の流れ

出典:https://www.mlit.go.jp/common/001238964.pdf

農地付き空き家は、空き家バンクへの登録と、農地を管轄する農業委員会への手続きの両方を経て登録されます。

農業委員会の手続きでは、条件がいくつかあり、一般的には「空き家と農地の所有者が同じこと」や「対象の土地が非農地でないこと」などを定めているケースがあります。

農地付き空き家に取り組んでいる市町村の例

実際に農地付き空き家に取り組んでいる市町村の例として、長野県を見てみましょう。

長野県では、長野県と公益社団法人長野県宅地建物取引業協会が協定を結び、県内の情報を取りまとめるサイト「楽園信州空き家バンク」を運営しています。

このサイトでは、物件の検索条件に「家庭菜園・畑付き」という項目があり、農地付きの空き家を一括で検索できるようになっています。

また、農地付き空き家を利用した移住促進に積極的な例として群馬県があります。

群馬県の安中市、富岡市、桐生市は、2020年に揃って農地法3条許可に関する農地取得後の最低耕作面積を1アール以上に緩和しています。

農地付き空き家の魅力とメリット

古い一軒家外観

農地付き空き家の魅力は、憧れの「田舎でスローライフ」を手軽に叶えられる点にこそあります。通常、地方の空き家や農地を取得するには複数の手続きが必要で、しかもすべての人が取得できるわけではありませんが、農地付き空き家ではその条件が大きく緩和されています。

また、農地と空き家を別々に取得する、通常の手続きでは得られないメリットもあります。ここでは、農地付き空き家の魅力とメリットを3つ紹介します。

手軽に自然と触れ合いながらの生活をかなえられる

農地付き空き家の一番大きなメリットが、自然と触れ合いながらの生活が手軽にかなうことです。

自然の多い場所で、家族と一緒に自然と触れ合いながらの生活を楽しんでもいいですし、農業を通して子供の食育を行うのも魅力的です。そしてなにより自分で育てた作物をすぐに食べられるのは何物にも代えがたい喜びがあります。

農地付き空き家なら住み始めてすぐに畑を始められますし、基本的に空き家バンク物件のため、一般的な相場より安い価格で購入可能です。

また、農地付き空き家制度を用意しているのは、基本的にいわゆる田舎生活をウリにした自治体が多く、「田舎でスローライフ」のイメージにマッチするケースも多いと思います。

農のある暮らしに憧れがあるなら、まず農地付き空き家からチェックしてみるのが夢をかなえる近道と言えるでしょう。

空き家と農地をセットで取得できる

「空き家と農地をセットで取得できる」点はかなり大きなメリットです。大げさに思えるかもしれませんが、地方の空き家と農地を取得する際に、大きな恩恵を受けることができます。

通常、地方の空き家と農地を取得する場合、空き家・農地のどちらにも厳しい許可審査が付きまといます。例えば、市街化調整区域の空き家を取得する場合、多くの空き家はその住宅を建築した人とその親族専用の住宅になっており、これを「誰でも住める住宅」に変更する許可を得る必要が出てきます。

また、農地の取得においても、営農の意欲を計るために、農地取得後における保有農地面積の下限が定められています。この面積は原則50アール、北海道だと2ヘクタールとかなり広く、農地取得のハードルとなっています。

しかし、農地付き空き家では地域再生計画が定められていれば、これら両方の条件を緩和できる制度が設けられています。通常は取得可能な条件に当てはまらない人でも、空き家と農地の両方を取得しやすくなっています。

農地だけでなく物置や農機具が付いてくることも

空き家と農地をセットで空き家バンクに登録する性質上、登録者が農機具や農業用物置を持っているケースもあります。これは、ある程度本腰を入れて農業をしたいと考えている方には大きなメリットとなります。

中には昔ながらの、古民家と納屋がセットになっているような場合もあり、スコップやクワといった基本的な農機具がそのままになっていることも。すぐに農業を始めたい場合は、農機具や農業施設が充実した物件をチェックしてみましょう。

農地付き空き家物件を探す方法

地図と虫眼鏡と家

農地付き空き家は一般的な空き家物件よりも条件が特殊なため、物件が掲載されている場所が限られています。

農地付き空き家の情報が掲載されているのは、主に空き家バンクと、空き家バンクに対応している不動産ポータルサイトの2つ。それぞれ詳しく見ていきましょう。

空き家バンク

農地付き空き家は、空き家バンクの利用を前提にした制度です。登録条件の一つに空き家バンクへの登録があり、基本的には空き家バンクで物件を探すこととなります。

空き家バンクとは、全国の市町村が運営している空き家のマッチング補助サービスのことです。該当市町村に空き家を持っている人が物件情報を登録でき、空き家を探している人は市町村のWEBサイトや窓口などで物件情報を探せます。

サービスは基本的に無料で使えますが、媒介契約は宅建業者が行うため仲介手数料は発生します。希望の空き家が見つかったら、通常の不動産探しと同じように内覧もできますし、物件価格は一般的な相場よりも安い傾向にあります。

空き家バンク対応の不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトの中には空き家バンク物件に対応しているものがあります。空き家バンクから探す場合は各市町村のWEBサイトから探す必要がありますが、ポータルサイトからなら複数の市町村をまとめて検索できます。

また、農地付き空き家物件だけを分けて掲載しているサイトもあります。ちなみに、空き家について問い合わせたい場合も、物件情報欄に市町村の問い合わせ先が記載されているためスムーズです。

農地付き空き家にはどんな物件がある?

古びた一軒家外観

実際に空き家バンクで農地付き空き家を探してみると、農地が付いている以外にも農業を営んでいる家ならではの特徴があることが分かります。

そこでここでは、農地付き空き家に多い、メリットになり得る特徴を2つ紹介します。

敷地面積が広い物件が多い

空き家を探し始めてまず気が付くのは、全体的に敷地面積が広い物件が多いことです。特に手広く農業を営んでいる場合は、敷地内で農機具を置いたり苗を育てたりする都合から面積が広く、敷地内に複数の建築物が建っているケースもよくあります。

農地を除いても敷地面積が500平方メートル以上であるというのはよくある話で、広いと1,000平方メートル以上になることもあります。

地方では車が必須のため駐車場として使えますし、子供が遊んだり、家族でバーベキューをしたりと、思い思いの使い方ができます。

通常の空き家より古民家物件が多い

農家の方は昔からその地域で農業を営んでいるケースが多く、昔ながらの古民家に住んでいる場合もよくあります。そのため、農地が付いていない通常の空き家に比べて古民家の割合が高くなっています

かやぶき屋根と囲炉裏があるような物件になるとさすがに数は減りますが、昭和の時代に良く見た、瓦屋根の農家住宅は数多く見つけることができます。

ただ、農地付き空き家は農業を営む条件で物件を取得するため、古民家だけが欲しい方には不向き。古民家をリフォームして民泊施設などにしたいような場合は、農地付きでない物件から探しましょう。

農地付き空き家で憧れの田舎生活を始めよう

農地付き空き家は、空き家と農地を同時に取得できる「田舎スローライフ」を始めるための強い味方。空き家と農地、両方の取得条件が緩和されていることがあるため、通常は取得できない地域の物件でも取得できるチャンスがあります。

さらに、敷地面積が広かったり古民家物件を見つけやすかったりといった特徴もあり、ひとによってはメリットに感じる場合も。

とはいえ、エリアによっては希望の物件が見つからないケースもあると思います。そんなときは諦めずに弊社の空き家活用サービス「アキサポ」に相談してみてください。独自の空き家ネットワークにより、農地付き空き家に条件が近い物件をお探しします。

リモートワークの推進により田舎生活は以前よりハードルが低くなっています。この機会にぜひ憧れの田舎生活をスタートしましょう。

アキサポに相談してみる