公開日:2021.05.24 更新日:2026.06.09
古民家リノベーションの補助金と減税!固定資産税のメリットも
古民家再生に使える補助金や減税制度は、空き家オーナーにとって心強い制度です。しかし、どの制度が自分の空き家に使えるのか、種類や条件が分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、古民家再生に活用できる補助金や減税制度を徹底解説するとともに、費用負担を抑えて古民家再生を実現する方法も紹介します。
目次
なぜ空き家や古民家に補助金制度があるのか
そもそも古民家をはじめとした空き家の補助金制度は、全国で深刻化している空き家問題を解決するために用意されています。
空き家問題とは、管理不全による周辺環境の悪化・犯罪リスクの上昇・建物の破損や倒壊による被害・不動産の流通停滞など、空き家に起因するさまざまな問題の総称です。高齢化や人口減少を背景に相続をきっかけとした空き家化が増えており、現状は個々の所有者による健全な管理や売却などのボトムアップ的な対応が中心となっています。
古民家再生(リフォーム・リノベーション)に使える補助金
古民家再生に使える補助金には、古民家の保存・活用を目的とした古民家向けのものと、空き家全体を対象とした空き家問題の解決・流通促進を目的とするものの2種類があります。いずれも自治体単位で実施されることが多く、制度の内容は地域によって異なります。
例えば、茨城県美浦村では「美浦村住宅リフォーム資金補助金」として、村内の施工業者によるリフォーム工事費用(消費税別)の10%・上限10万円を補助する制度があります。
少しでも自己負担を減らすために、国や各自治体のホームページで利用できる補助金制度がないか確認しておきましょう。
古民家再生(リフォーム)にかかる費用
古民家再生は、建物の構造が規格化されていないことや、入手が難しい材料が使われているケースが多いことから、通常の住宅より工事費用が高くなりやすい傾向があります。
ここでは、古民家再生の費用相場と、あらかじめ押さえておきたいポイントを解説します。
古民家再生の費用相場
古民家のリフォームでは、工事する内容や箇所によって費用に大きな差が出ます。
| リフォームの規模・内容 | 費用相場の目安 | 主な工事内容の例 |
|---|---|---|
| 大規模リフォーム(全体再生) | 1,500万円 〜 2,000万円 | 基礎の補強、水回りの全面刷新、内外装の交換、耐震性・断熱性の向上、間取り変更など |
| 中規模リフォーム(予算抑制) | 501万円 〜 1,000万円 | 傷みの激しい箇所の修繕、主要な生活スペース(LDKや水回り)を中心とした改修など |
| 部分的リフォーム(局所修繕) | 300万円前後 | 洗面所・トイレ・浴室などの水回り設備交換、一部の床や壁紙の張り替え、外壁塗装など |
古民家再生は基礎の補強・水回りや内装の交換・耐震性・断熱性の向上・間取りの変更など、大規模な工事が行われるケースが多く、費用は1,500万円前後になることが多いようです。参考データでも1,500〜2,000万円が最多で、次いで501〜1,000万円となっており、まとまった費用がかかる傾向が確認できます。
部分的なリフォームの場合は300万円程度が目安で、水回りの設備交換・床や壁紙の張り替え・外壁塗装など、気になる箇所にしぼって施工したい方に選ばれることが多い方法です。
古民家再生の費用面で最も重要なのは「あらかじめ予算を決めておくこと」です。
古民家は間取りが広く、基礎・水回り・内装・耐震性・断熱性など手を加える箇所が多いため、優先順位を決めずに進めると費用が際限なく膨らみます。例えば、利用頻度の高いキッチンや水回りには優先的に予算をかけ、使用頻度の少ない和室は表層リフォームにとどめるといった判断が有効です。
古民家は長期にわたって使い続けられる建物です。無理に一度ですべてをリフォームせず、資金に余裕ができたタイミングで追加施工するなど、段階的に進めることも費用を抑える有効な手段です。
古民家再生(リフォーム)に使える補助金・助成金、減税制度
古民家再生のためのリフォーム・リノベーションでは、自治体の補助金や助成金を活用できる場合があります。うまく活用すれば費用負担を大幅に抑えられるため、「知らなかった」とならないよう、代表的な制度をここで確認しておきましょう。
すでに古民家再生を検討中の方は、自分に当てはまる制度がないかチェックしてみてください。
5つの補助金制度
古民家再生に使える代表的な補助金として、以下の5つの制度があります。
| 補助金制度の名称 | 主な対象工事・目的 | 補助金額・内容の目安 |
|---|---|---|
| ①バリアフリーリフォームの補助金 | 段差解消、手すり・スロープ設置など(要支援・要介護認定が条件) | 最大20万円の工事費に対し9割(最大18万円)を支給。自治体の独自助成を併用できる場合あり |
| ②耐震リフォームの補助金 | 古民家の耐震診断や耐震補強工事など | 自治体ごとに毎年の予算枠内で支給。予算上限に達し次第締め切られるため早めの申請を推奨 |
| ③省エネリフォームの補助金 | 太陽光パネル設置、省エネ給湯器導入、高性能建材による断熱改修 | 国の事業では対象経費の1/3以内(戸建て1戸あたり最大120万円まで)などを支給 |
| ④地方自治体の補助金 | 地域経済活性化を目的とした居住部分の改修・補修工事など | 市内・町内の地元施工業者利用を条件に工事費用の一部を助成(各自治体で要確認) |
| ⑤古民家解体費用の補助金 | 老朽化した空き家・古民家の解体(建て替え時に活用可能) | 防災・景観維持を目的に、補助額上限50万円前後・補助率1/2前後が一般的(自治体による) |
①厚生労働省「介護保険における住宅改修」
②③国土交通省「住宅リフォームに関する支援制度について」
③環境省・北海道環境財団「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」
④⑤各市区町村の公式ホームページ(空き家対策・住宅リフォーム関連ページ)でご確認ください
①バリアフリーリフォームの補助金
介護保険の「高齢者住宅改修費用助成制度」として、要支援または要介護に認定された方が居住する住宅のバリアフリー改修(段差解消・手すり設置・スロープ取り付けなど)を行う場合、最大20万円の工事費用に対して9割(最大18万円)が支給されます。対象工事や事前申請の要件があるため、担当のケアマネージャーに事前相談が必要です。自治体独自の「障害者住宅改造費助成制度」などを設けているところもあるため、あわせて確認しておきましょう。
②耐震リフォームの補助金
耐震診断や耐震補強工事を補助する自治体があります。ただし年度ごとに予算が設定されており、上限に達すると申請できなくなるため、早めの手続きが重要です。補助内容は各自治体が毎年更新するため、最新情報を必ず確認しましょう。
③省エネリフォームの補助金
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)」では、高性能な断熱材・窓・ガラス・玄関ドアを使ったリフォームに対して、対象費用の1/3(戸建住宅1戸あたり最大120万円)が補助されます。申請パターンは「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2種類があり、年4回程度の公募があります。
なお、補助内容・上限額・申請期限は年度・公募回ごとに更新されるため、具体的な検討の際は必ず最新の公募要領を確認するか、対応可能な施工業者に問い合わせてください。
④地方自治体の補助金
地方自治体独自の補助金は、市内・町内の施工業者を利用した場合の工事費の一部を補助するものが多くあります。例えば滋賀県豊郷町の「豊郷町住宅リフォーム等補助金事業」では、町内施工業者を利用した住宅改修・補修工事の費用の一部が補助されます。年度によっては予算が設けられない場合もあるため、各自治体の公式ホームページや窓口で最新情報を確認しましょう。
⑤古民家解体費用の補助金
老朽化した空き家を解体・建て替えする際に活用できる補助金です。防災・衛生・景観への悪影響を解消することを目的としており、補助上限50万円前後
9つの減税制度
古民家再生の補助金とあわせて活用したいのが、所得税・固定資産税の減税制度です。耐震化や省エネ化など特定の目的があるリフォームを行う場合、一定の減税を受けられます。
対象となる税金は所得税と固定資産税の2種類で、主な制度として以下の9種類があります。なお、固定資産税の減税(リフォーム促進税制)は2026年3月31日までに完了した工事が対象で、工事完了後3か月以内に市区町村等への申告が必要です。また令和8年度(2026年度)よりバリアフリー・省エネ・長期優良住宅化については床面積要件が40㎡以上240㎡未満に変更されています。利用を検討する場合は、最新の要件を必ず確認のうえ早めに動き出しましょう。
| 減税対象 | 制度名 | 主な減税内容・控除上限 |
|---|---|---|
| 所得税① | 耐震リフォーム減税 | 標準的な工事費用の一定割合を控除(上限250万円) |
| 所得税② | 省エネリフォーム減税 | 断熱改修等の標準的な費用を控除(上限250万円、太陽光設置時は350万円) |
| 所得税③ | バリアフリーリフォーム減税 | 高齢者等居住改修の標準的な費用を控除(上限200万円) |
| 所得税④ | 同居対応リフォーム減税 | キッチン・浴室・トイレ等の増設工事の費用を控除(上限250万円) |
| 所得税⑤ | 長期優良住宅化リフォーム減税 | 耐久性向上改修工事を行い長期優良住宅に認定された場合(上限250万〜600万円) |
| 所得税⑥ | 子育て対応リフォーム減税※ | 子育て世帯・若者夫婦世帯が行う子育て対応改修工事(上限250万円) |
| 固定資産税① | 耐震リフォーム減税 | 耐震基準に適合する改修を行った場合、翌年分の固定資産税を1/2に減額 |
| 固定資産税② | 省エネリフォーム減税 | 一定の省エネ改修を行った場合、翌年分の固定資産税を1/3(長期優良化時は2/3)減額 |
| 固定資産税③ | バリアフリーリフォーム減税 | 一定のバリアフリー改修を行った場合、翌年分の固定資産税を1/3に減額 |
| 固定資産税④ | 長期優良住宅化リフォーム減税 | 耐久性向上等の工事を行い長期優良住宅に認定された場合、翌年分の固定資産税を2/3減額 |
※子育て対応リフォーム減税は2024年度税制改正で新設。適用期限は2025年12月31日まで。
出典:国土交通省「リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について」/国税庁「住宅特定改修特別税額控除」
【所得税の控除】①耐震リフォーム減税(住宅耐震改修特別控除)
現行の耐震基準に適合しない住宅を耐震基準に適合するようにリフォームする際に使える減税制度です。
控除対象限度額:250万円(令和4年1月1日以後に工事した場合)
主な適用要件
・昭和56年5月31日以前に建築された自己居住用家屋であること
・耐震改修後に現行の耐震基準に適合すること
・2以上の住宅を所有している場合は、主として居住の用に供する住宅であること
詳細は国税庁「No.1222 耐震改修工事をした場合」でご確認ください。
【所得税の控除】②省エネリフォーム減税
一般断熱改修工事など省エネ改修工事を行った場合に適用される減税制度です。
控除対象限度額:250万円(太陽光発電設備設置工事を含む場合は350万円)
主な適用要件
・2025年12月31日までに自己の居住の用に供していること
・省エネ改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
・合計所得金額が3,000万円以下であること(令和6年1月1日以後は2,000万円以下)
・工事後の住宅の床面積が50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上を自己居住用に供していること
・省エネ改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えること
詳細は国税庁「No.1219 省エネ改修工事をした場合」でご確認ください。
【所得税の控除】③バリアフリーリフォーム減税
高齢者等が居住する住宅にバリアフリー改修工事を行う場合に適用される減税制度です。
控除対象限度額:200万円(令和4年1月1日以後に工事した場合)
主な適用要件
・2025年12月31日までに自己の居住の用に供していること
・バリアフリー改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
・合計所得金額が3,000万円以下であること(令和6年1月1日以後は2,000万円以下)
・工事後の住宅の床面積が50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上を自己居住用に供していること
・バリアフリー改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えること
詳細は国税庁「No.1220 バリアフリー改修工事をした場合」でご確認ください。
【所得税の控除】④同居対応リフォーム減税
既存住宅に多世帯同居を目的としたリフォーム(キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設を含む工事)を行った場合に適用される減税制度です。
控除対象限度額:250万円
主な適用要件
・2025年12月31日までに自己の居住の用に供していること
・工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
・合計所得金額が3,000万円以下であること(令和6年1月1日以後は2,000万円以下)
・工事後の住宅の床面積が50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上を自己居住用に供していること
・多世帯同居改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えること
詳細は国税庁「No.1224 多世帯同居改修工事をした場合」でご確認ください。
【所得税の控除】⑤長期優良住宅化リフォーム減税
耐震改修工事や省エネ改修工事を伴う耐久性向上改修工事を行い、長期優良住宅の認定を取得した場合に適用される減税制度です。
控除対象限度額
・耐震改修工事を伴う場合:250万円
・省エネ改修工事を伴う場合:250万円(太陽光発電設備工事を含む場合は350万円)
・耐震・省エネ両方を伴う場合:500万円(太陽光発電設備工事を含む場合は600万円)
主な適用要件
・2025年12月31日までに自己の居住の用に供していること
・工事の日から6か月以内に居住の用に供していること
・合計所得金額が3,000万円以下であること(令和6年1月1日以後は2,000万円以下)
・工事後の住宅の床面積が50㎡以上で、かつ床面積の2分の1以上を自己居住用に供していること
・耐久性向上改修工事に係る標準的な費用の額(補助金等を差し引いた後)が50万円を超えること
詳細は国税庁「No.1227 耐久性向上改修工事をした場合」でご確認ください。
なお、2024年度の税制改正により、子育て世帯・若者夫婦世帯が行う子育て対応改修工事(開口部の防犯・転落防止対策、収納スペースの確保など)も新たに所得税控除の対象に追加されました(2025年12月31日まで)。
固定資産税の減税制度(⑥耐震 ⑦省エネ ⑧バリアフリー ⑨長期優良住宅化)
一定の要件を満たすリフォームを行った場合、工事完了の翌年分の固定資産税が減額されます(2026年3月31日までに完了した工事が対象)。工事完了後3か月以内に市区町村の税務窓口へ申告が必要です。
・耐震リフォーム:翌年の固定資産税が1/2に減額(家屋面積120㎡相当分まで)
・省エネリフォーム:翌年の固定資産税が1/3に減額(長期優良住宅化を伴う場合は2/3減額)(家屋面積120㎡相当分まで)
・バリアフリーリフォーム:翌年の固定資産税が1/3に減額(家屋面積100㎡相当分まで)
・長期優良住宅化リフォーム:翌年の固定資産税が2/3に減額(家屋面積120㎡相当分まで)
主な共通要件
・工事費用(補助金等を差し引いた後)が税込50万円〜60万円を超えること
・床面積の2分の1以上が居住用であること(賃貸部分は原則対象外)
・改修後の床面積が50㎡以上であること
なお、令和8年度(2026年度)よりバリアフリー・省エネ・長期優良住宅化については床面積要件が40㎡以上240㎡未満に変更されています。工事前に自治体の担当部署へ対象要件の確認をおすすめします。
【2026最新】田舎の空き家活用方法6選|空き家を再生した成功事例
古民家を「建て替え」ではなく「再生(リフォーム)」するメリット
古民家の改装を考えるきっかけは人それぞれですが、計画時の大きな悩みといえば「建て替えorリフォーム」の選択でしょう。
そこで、ここからは古民家を建て替えるのではなく再生(リフォーム)する具体的なメリットをひとつひとつ解説していきましょう。
柱や梁に樹齢100年を超えるヒノキやケヤキ等の高級木材が使われており、これらは新建材よりも圧倒的な強度を誇ります。その優れた耐久性を活かしたリフォームが可能です。
化学物質を含む新建材を使わないため、シックハウス症候群などの健康リスクを抑えた「健康住宅」を実現できます。構造材の再利用は地球資源の保護にも貢献します。
独特の風合いや開放的な空間美といった古民家の魅力をそのまま残しつつ、現代のライフスタイルに合わせた住みやすさや最新のデザインを追加し、新しい価値を生み出せます。
木造住宅は築25年ほどで「経年減価補正」の下限に達するため、築古の古民家は新築当初に比べ固定資産税が約8割引きの水準となります。建て替えるよりも税負担を圧倒的に低く抑えられます。
【事例】初期費用0円で古民家再生(リノベーション)を実現!

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※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
古民家再生&活用事例【築115年超の京町家】

実際にアキサポが古民家の再生・活用を手掛けた事例をご紹介します。
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よくあるご質問
古民家再生のまとめ
古民家再生は建物の価値を活かせる魅力的な方法ですが、工事費用の高さがハードルになることも少なくありません。
費用を抑えるには、優先順位を決めて予算を組む・補助金や助成金を活用するといったポイントが重要ですが、それでも費用面で踏み出せない方もいらっしゃるでしょう。
古民家や空き家の活用・再生についてお悩みの方は、ぜひ「アキサポ」にお気軽にご相談ください。リノベーション費用をアキサポが負担する独自の仕組みで、費用面のハードルを抑えた古民家再生をサポートします。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
この記事の監修者
岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。