公開日:2026.01.21 更新日:2026.01.15
NEW空き巣から狙われる空き家の特徴3選!被害後の法的リスクと防犯術
使わなくなった空き家は空き巣から守るべきなのでしょうか?「大した物は残っていないから問題ない」と思っている人もいるかもしれませんが、実は、その「無防備な状態」こそが、空き巣だけでなく、さらに深刻な犯罪を呼び込む引き金になります。
空き家が空き巣に入られることの危険性は、物を盗まれることだけではありません。実際は周辺地域にも影響するさまざまなリスクが潜んでいます。
そこでこの記事では、空き家を空き巣から守るべき理由や、空き家特有の危険なサイン、防犯対策や被害に遭った場合の対処法などを解説します。
目次
空き巣に狙われやすい空き家の特徴3選

まずは空き家が空き巣に狙われやすい理由を整理してみましょう。
空き家が空き巣に狙われやすい主な理由は、日常的な人の出入りが少なく、侵入する際のリスクが低いためです。特に、管理が行き届かず異変に気づかれにくい環境が整っているような場合は、下見の段階でターゲットにされやすくなります。
では、どのような空き家がターゲットにされやすいのでしょうか。代表的な3つの例を見ていきましょう。
管理が行き届いていない空き家
日常的な管理や点検が行われていない空き家は、鍵がゆるんだり、窓の閉まりが悪くなったり、雨戸が壊れたり、壁に穴が開いたりして、空き巣が侵入しやすい状況になりがちです。
また、破損は少なくても、防犯カメラやセンサー類が設置されていない家は監視リスクが低いと見なされ、下見の段階で優先的に狙われやすくなります。
つまり、外から見て設備の古さや劣化が分かる状態で、さらに警備も行われていない家は特に侵入しやすい家といえるでしょう。
人の出入りが少ない空き家
長期間にわたって人の出入りがない空き家は、空き巣からすれば「多少の物音や不審な動きをしても周囲に気づかれにくい家」と受け取られてしまいます。
さらに、出入りがない状態が常態化してしまうと、近隣住民も違和感を感じにくくなってしまい、侵入者が敷地内で待機したり、時間をかけて侵入口を探したりしても発見されにくい状況になる恐れがあります。
郵便物や草木が放置された空き家
郵便受けに大量の郵便物が溜まっていたり、庭木や雑草が伸びきっていたりすると、そこから「管理がされていない」「人の出入りが少ない」と受け取られてしまいます。また、玄関先の落ち葉や新聞の散乱、夜に明かりがつかないなどの状況も、犯罪者にとっては絶好の判断材料になります。
下見を行う空き巣はこうした細かな変化を見逃さず、管理の行き届いていない家から優先的に標的を絞り込んでいきます。空き巣に分かりやすいサインを出さないという観点からも、定期的な清掃や郵便物の管理は欠かせないのです。
空き家は周辺地域の空き巣リスクも上昇させる

実は空き家は、空き巣が周辺を下見する際の「拠点」として利用することがあります。空き家の空き巣リスクは自分だけで終わる話ではないのです。
特に注意すべきなのが、先ほど紹介したような管理が行き届いていない空き家です。これらの空き家は空き巣が隠れるのに大変都合がよく、下見の際に身を潜めたり、周囲を観察したりするのに最適な場所になります。
また、空き家を犯行後の逃走ルートとして利用することも考えられます。空き家の管理が行き届いていないだけで、地域全体の監視の目が薄まり、防犯力が下がってしまう可能性があるのです。
空き家に潜むその他の犯罪リスク
空き家の「管理が行き届いていない」「人の出入りがない」という状態を好むのは空き巣だけではなく、それゆえにさまざまな犯罪リスクが付きまといます。
そこでここでは、空き巣以外に特に注意すべき犯罪リスクを3つ紹介します。
不法投棄
管理されていない空き家は、人の目がないため不法投棄の温床になりやすいです。家庭ごみだけでなく、粗大ごみや家電、車のタイヤ、時には産業廃棄物が持ち込まれるケースもあります。
特に、一度不法投棄が行われた空き家は、他の人からも「捨てやすい場所」と判断されてしまい、不法投棄が続きやすくなってしまいます。
不法投棄は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)に違反する行為であり、害虫発生や悪臭、景観悪化などの二次被害を伴うこともあります。地域の環境や治安の面から見ても、避けるべき事態と言えるでしょう。
放火
空き家は、人目が届かない・可燃物が残りやすいという、放火の標的になりやすい環境が揃った物件です。消防庁による令和6年版消防白書によると、放火は出火原因のうち4位となっており、火をつけてもすぐに人が出てこない空き家は、格好の標的といえるでしょう。
また、空き家には、枯れ草、廃材、古い家具などが放置されていることが多く、火がついた場合に延焼しやすい点にも注意が必要です。
このような環境で発見が遅れると周囲に燃え移ったり、建物が倒壊したりと、より大きな被害につながる恐れもあるため、こまめな管理や火災保険への加入などで必ず対策をすべきです。
以下の記事では火災保険の必要性について詳しく解説をしています。
空き家に火災保険が必要な理由|リスクと補償範囲・補償額などを解説
不法占拠・犯罪拠点化
管理が行き届いていない空き家を犯罪者が拠点として悪用するケースもあります。空き家は外から中が見えにくく、人の出入りもないため、犯罪者にとっては安全に利用できる場所とみなされやすいのです。
実際に、警察庁は特殊詐欺や不正薬物の受け渡しに空き家が利用されるケースがあると注意喚起を行っています。空き家に荷物が頻繁に届いたり、荷物受け取りのために人物が外で待機していたりする場合は、すでに利用されている可能性があるため、特に注意が必要です。
空き巣から空き家を守るための管理ポイント

空き巣から空き家を守るには「人が管理している気配を外部に示すこと」 が最も効果的な防犯対策になります。空き巣は、侵入に時間がかかる家や人の目が届く家を避ける傾向があるため、日頃の手入れや点検がそのまま防犯力の向上につながります。
特に重要なのが、外観の整備・郵便物の管理・地域との連携などで、空き家が適切に管理されていると印象づけることです。
では、具体的にどのようなことをすればよいのか、特に重要なポイントを3つ紹介します。
定期的な草刈りと郵便受けの回収
空き家の管理でまず行っておきたいのが、雑草や庭木、郵便受けといった日々変化しやすい部分を定期的に管理することです。これらの放置は管理されていないサインになってしまうため、あらかじめ管理体制を整えておきましょう。
たとえば、庭木や雑草は季節によって成長速度が大きく変わるため、夏場は月に一度、冬場は数ヶ月に一度など、季節に合わせたスケジュールを組んでおくとよいでしょう。自分で作業するのが難しい場合は、植木屋や造園業者に定期管理を依頼する方法もあります。自身の作業が困難な場合は、空き家管理サービスや地域のシルバー人材センターに依頼する方法もあります。
また、郵便受けは「いつ・誰が・どう回収するか」をあらかじめ決めておくと管理が安定しやすいです。長期不在の際には、近隣の方や管理会社に依頼するなど、柔軟な対応を心がけましょう。
キレイな外観維持で「人の気配」を演出
キレイな外観を維持できれば、自然と誰かが管理している印象を与えられます。外壁の汚れやフェンスのゆるみなど、細かな劣化には早めに対応しましょう。
また、玄関灯が切れたまま、表札にほこりが積もったままという状態は、不在が続いているサインとして読み取られてしまうため避けたいところです。このように、小さな手入れを積み重ねることで外観が整い、住宅全体が「管理されている家」として見られやすくなります。
周囲の住民や業者との連携
周囲の住民や自治体との連携は、空き家管理を安定させるうえで大きな力になります。たとえば、日頃から近隣の方と挨拶を交わしておけば、ちょっとした異変にも気づいてもらいやすくなります。
また、業者による空き家の管理サービスは積極的に活用しましょう。スタッフが定期巡回や清掃、設備の簡易点検などを行ってくれるため、自分だけでは手が回らない部分を補えます。特に遠方に住んでいる場合や、多忙で頻繁に訪問できない場合には、心強い存在になってくれるでしょう。
さらに、空き家管理サービスは第三者視点から家の状態をチェックしてもらえるメリットもあります。外観の劣化や設備の異変など、見落としがちなトラブルを早期に発見できれば、結果的に修繕費や防犯面のリスクを抑えることにもつながります。
空き巣を防ぐために防犯グッズを活用しよう

空き巣のリスクを下げるには、防犯グッズを活用する方法もあります。たとえば、遠隔でチェックできる防犯カメラを設置しておけば、自宅からでも状況を確認できますし、外にセンサーライトがあれば、空き巣に対して「この家は見守られている」という印象を与えられます。
代表的な防犯グッズには、次のようなものがあります。
- 防犯カメラ(遠隔監視・録画機能つき)
- センサーライト(人感センサーで照射)
- 補助錠(窓・玄関の複数ロック化)
- 防犯フィルム(ガラス破り対策)
これらの防犯グッズは「空き巣が嫌がる環境をつくる」ことに役立ちます。たとえば、防犯カメラは録画されるリスクを嫌う侵入者に対して威嚇効果がありますし、センサーライトは、空き巣が暗がりを使って近づこうとすることを抑止する効果が期待できます。
また、補助錠で玄関や窓を複数ロック化したり、防犯フィルムでガラス破りを防ぎやすくしたりする方法も、侵入の時間を奪ううえで非常に有効です。
空き家を守るためには活用するのもあり?
空き家を守る方法の一つに「空き家活用」という選択肢があります。空き家活用とは、空き家を貸し出して使用料をもらうビジネスのことで、空き家の管理問題を解決しながら収入が得られることで近年注目されています。
たとえば「アキサポ」では、リノベーション費用をアキサポ側が負担し、その後の賃料から補う仕組みをとっているため、空き家オーナーは自己負担0円で空き家活用を始めることができます。もちろん、相談から提案、運用開始までのサポートも無料です。また、活用後は賃料の一部を空き家オーナーに還元しているため、定期的な収入も得られます。
活用後の用途はカフェや賃貸住宅、民泊施設などさまざまな事例があります。今まで負担に感じていた空き家を再生し、地域に活気を与える施設へと生まれ変わらせることもできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
万が一空き巣被害に遭ったときの対処法
空き家で空き巣被害が発生した場合は、刑法上の「住居侵入罪」や「窃盗罪」に該当する可能性があるため、まずは警察への通報が最優先です。初動を誤ると、証拠が失われたり、受けられるはずの補償が受けられなくなる可能性もあります。まずは安全を確保し、以下の流れに沿って落ち着いて対処しましょう。
空き巣被害に遭ったときの基本手順
- 安全を確保し、すぐに警察へ通報する
不審者が残っている可能性がある場合は、家に入らず安全な場所へ避難する。二次被害(鉢合わせ等)を避けるため直ちに退避し、現場保存を維持したまま速やかに110番通報を行い、警察が到着するまで現場には触れない。ドアノブや窓に触れると指紋などの証拠が失われるおそれがある - 警察を待つ間に気づいた点をメモする
異常に感じた箇所や紛失物の有無など、気づいたことを整理しておくと事情説明がスムーズになる。空き家の場合は「前回訪れた日」と比べて何が違うのかもメモしておく - 現場の状態を写真で残す
破損した窓や侵入口、室内の荒らされた様子などを写真に残しておく。証拠保全に役立つだけでなく、保険会社への報告や修繕依頼にも活かせる - 加入している保険会社へ連絡する
火災保険や住宅総合保険には、盗難や破損に対する補償が含まれているケースがある。写真やメモをもとに、被害状況を正確に伝える - 管理会社や近隣住民へも情報共有する
再発防止のために、近隣住民へ情報共有をする - 防犯設備や管理体制を見直し、再発防止策を取る
鍵の強化や補助錠の追加、防犯カメラ・センサーライトの設置などを検討する
まとめ:空き家の防犯対策で安全と資産価値を守ろう
放置された空き家には思った以上のリスクが潜んでいることが分かったと思います。空き巣や不法投棄、放火といった行為は、どれか一つが起こるだけでも大きな問題になる恐れがあるため、早めの対策が欠かせません。
だからこそ、空き家を所有している場合は「何か起きてから対応する」のではなく、日頃の管理や防犯対策によって、犯罪者に狙われにくい環境を整えておくことが重要です。まずは、外観や郵便物の状態など、空き家がどのように見えているかを一度確認し、できるところから対策を見直してみてください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。