公開日:2025.06.06 更新日:2025.06.06
NEW実家が売れない理由とは?空き家を放置するリスクと対処法を解説

実家を相続したとき、「空き家のまま売れない」「処分方法がわからない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。空き家となった実家が売れないのは、老朽化や立地など複数の原因があるためです。売れないからといって放置していると、トラブルが発生するリスクもあるため、原因を把握した上で適切な対策をとらなければなりません。
この記事では、空き家となった実家が売れない主な理由や放置するリスクに加え、効果的な解決策について解説します。
実家が売れない原因とは?

相続した実家を売りに出してもなかなか売却できない場合、まずはその原因を把握することが大切です。ここでは、考えられる主な理由を確認していきましょう。
相続登記が未了のままだと売却できない
相続した実家が売れない原因のひとつに、「相続登記が未了であること」が挙げられます。登記が完了していないと、正式な所有者として売却手続きを行うことができません。
2024年からは相続登記が義務化されており、3年以内の登記申請が法律で求められるようになりました。未登記のまま放置していると、罰則の対象となる可能性もあるため、早めに登記手続きを済ませましょう。
築年数が古く老朽化している
築年数が経過し、建物が老朽化している物件は、買い手にとって大きな負担となります。例えば、老朽化が激しく、解体前提での購入となる場合、実質的に土地としての価値しか見込めなくなります。また、雨漏りや腐食、シロアリ被害などの修繕が必要な状態の場合、「リフォーム費用がかかる」「住み始めるまでに時間がかかる」といった理由で敬遠されがちです。
立地条件や交通アクセスが悪い
立地条件や交通アクセスの悪さも、物件が売れにくくなる理由の1つです。周辺に商業施設や学校、医療機関などがない場合、生活利便性に欠けると判断され、購入をためらわれることがあります。また、最寄り駅やバス停まで遠く、日常生活に不便な場所にある物件も、需要が少なくなってしまいます。特に、公共交通機関の利用が前提となる高齢者や学生、共働きのファミリー層にとって、交通の便の悪さは大きなマイナスポイントになるでしょう。
再建築不可など法的な制限がある
物件によっては、建築基準法などの法令により、新しく建物を建てられない「再建築不可」の土地に該当することもあります。例えば、建築基準法の「接道義務」の要件を満たさない建物は、建物の再建築が認められません。接道義務とは、建物を建てる土地が、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないといったルールです。
再建築不可の土地は、老朽化などで建物を取り壊した場合、新しい建物を建てられないため、将来的な活用が難しくなります。また、金融機関の住宅ローン審査にも通りにくく、現金での購入が前提になることから、買主にとっては大きなハードルとなります。
売却価格が相場より高すぎる
物件の売却価格が周辺の相場よりも極端に高いと、内見すら入らないケースも珍しくありません。特に、近隣に類似物件がある場合は、価格差が際立ってしまい、選ばれにくくなります。
さらに、値下げを避けたいという思いから価格を据え置いたままでいると、売却活動が長期化するケースも考えられます。結果的に値下げせざるを得なくなるため、最初から相場を踏まえた価格を設定することが大切です。
残置物が多く片付いていない
実家を相続した後、残置物を放置したままだと、物件を売却できない要因となります。家具や家電、雑貨などの残置物が多く残っている状態では、見た目の印象が悪くなり、内覧に訪れた方にマイナスの印象を与えてしまうためです。さらに、購入後にかかる処分費用や片付けの手間を懸念され、「すぐには住めなさそう」と敬遠されることもあるでしょう。
空き家のまま実家を放置するリスク

空き家の実家を放置すると、トラブルや経済的なリスクを招くことがあります。空き家放置によって生じる主なリスクは、下記のとおりです。
特定空き家指定にされると固定資産税が増額される
管理が不十分な空き家は、「空家等対策特別措置法」に基づいて自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家とは、空家等対策特別措置法において、「一定以上のリスクを抱えている」とみなされる空き家を指す言葉です。倒壊や衛生・景観への悪影響など、持ち主だけでなく周囲にまで危険を及ぼす可能性があると判断された場合には、特定空き家の対象となります。
特定空き家に指定されると、住宅用地に適用されていた固定資産税の軽減措置が解除され、税額が最大で4倍程度になることもあります。売れないからといって放置すると、税負担が大きくなり、経済的にもデメリットが大きくなる可能性もあるのです。
犯罪や災害のリスクが高まる
人の出入りがない空き家は、不法侵入や不法投棄、放火といった犯罪の温床になりやすいといったリスクを抱えています。空き家の状態が続くと、近隣住民に不安を与え、地域の治安に悪影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
さらに、老朽化した空き家は、台風や地震などの災害時に建物の倒壊や火災が発生し、第三者に被害を与える危険性も高まります。万が一被害を与えてしまった場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性もあるため、注意が必要です。
近隣とのトラブル・苦情が発生しやすい
空き家を放置していると、近隣とのトラブルや苦情に発展するリスクも高まります。例えば、人の手が入らない空き家は、庭の草木が伸び放題になって隣地にはみ出したり、空き家に野良猫や害虫が住み着いて不衛生な環境になったりするケースも珍しくありません。
問題が続いていると、近隣住民との関係が悪化し、場合によっては自治体への苦情や、行政からの指導につながることもあります。
実家が売れないときの具体的な対処法

売却が難しい物件でも、原因に合わせて適切に対処することで、売却の可能性を高められます。ここでは、空き家となった実家を処分するための具体的な解決策を見ていきましょう。
売却価格の見直し
売れない実家をスムーズに手放す方法の1つは、価格設定の見直しです。相場よりも高すぎる価格で売り出している場合、買い手の検討対象から外れ、内見すら入らないことがあります。
買い手は、周辺の成約事例や掲載物件を比較して判断するため、現実的な価格設定でなければ関心をもってもらえません。一度売却価格を見直し、相場に合った金額へ調整することが、売却を成功させるポイントといえます。
更地にして売却
建物の老朽化が進んでいる場合、解体して更地として売却することも有効な選択肢です。築年数が古く、傷みの目立つような活用しにくい建物が残っていると、買い手は購入後すぐに解体しなければならず、コストと手間がかかってしまいます。一方、更地にしておけば、買い手にとって負担が少ないだけでなく、建築プランも立てやすくなるため、土地の利用イメージが伝わりやすくなります。
ただし、解体には費用がかかるため、事前に不動産会社や解体業者に相談し、費用対効果を見極めることが重要です。
不動産会社の変更・査定のやり直し
依頼している不動産会社で売却が進まない場合、他社への切り替えを検討するのも1つの方法です。特に、「販売活動が積極的でない」「広告掲載が少ない」「担当者の対応に不安がある」といった場合は、実績のある不動産会社へ乗り換えることで、状況が改善するケースもあります。
また、他社に査定を依頼し、最新の市場動向に合わせて価格や戦略を見直すことも、売却成功へのきっかけになります。
不動産買取を検討する
売却までの時間を短縮したい場合や、築年数が古く仲介では売りにくい物件の場合は、不動産会社が直接物件を買い取る「不動産買取」の利用を検討してみましょう。売買仲介とは異なり、内覧対応や買主探しが不要なため、短期間で売却を完了できるのが大きなメリットです。
また、不動産買取を行う不動産会社は、購入後にリフォームや再販売を行う前提で購入するため、老朽化した建物や再建築不可の土地といった、売買仲介では敬遠されがちな物件にも対応してもらえる可能性があります。
空き家管理サービスの活用
すぐに売却が難しい場合や、遠方に住んでいて頻繁に管理できない場合には、「空き家管理サービス」を利用するのも1つの方法です。
定期的に巡回・換気・清掃を行ってくれるため、特定空き家に指定されるリスクを軽減できます。将来的に売却や活用を検討している方は、管理状態を維持しておくことが重要です。
実家が売れない場合でも、適切な対策で売却につなげよう

空き家となった実家が売れない背景には、建物の老朽化や立地条件の悪さなど、さまざまな要因があります。問題を把握せずに放置してしまうと、トラブルが発生したり、税負担が増加したりするおそれもあるため、原因に応じて早めに対策を講じることが大切です。
ご紹介したように、売買仲介で物件が売れない場合は、不動産買取も検討してみましょう。株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」では、売買仲介で断られた物件や、駅から遠くて不便な物件など、どのような物件でも対応が可能です。また、不動産買取以外にも、不動産の活用など、さまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案いたします。不動産売却を検討している方は、まずはお気軽にお電話やお問い合わせフォームからアキサポにご連絡ください。