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公開日:2025.07.25 更新日:2026.07.17

空き家リフォームの費用相場と補助金は?注意点・活用事例も解説

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空き家リフォームとは、老朽化した空き家に改修を施し、住まいや賃貸物件、店舗などとして再び活用できる状態へ再生する取り組みです。全国で空き家が増え続けるなか、新築より費用を抑えながら資産価値を高められる手段として注目が集まっています。費用の目安は、部分改修で数十万〜数百万円、フルリフォームなら1,000万円以上。国や自治体の補助金・減税を組み合わせれば、負担をさらに軽くできます。

この記事では、空き家リフォームの費用相場から、活用できる補助金制度、放置した場合のリスク、実際の施工事例までを整理しました。相続した実家の使い道に迷っている方も、読み終えるころには次の一手が見えてくるはずです。

空き家リフォームの目的と注目される背景

空き家を前に考え込む男性

空き家リフォームが注目される背景には、空き家の急増と新築価格の高騰があります。総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。少子高齢化と都市部への人口集中で地方・郊外の空き家は増え続け、新築より安く既存住宅を活かせるリフォームの需要が高まっています。

リフォームの目的は、自宅としての再利用、賃貸への転用による収益化、売却に向けた資産価値の向上などさまざまです。築古住宅を魅力的な住まいへ再生すれば、新築にはない趣を備えた物件として一定の需要も見込めるでしょう。

制度面のリスクも見逃せません。2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、放置された空き家は「特定空家等」に指定され、行政指導や固定資産税の住宅用地特例の解除につながります。さらに2023年12月施行の改正法では、指導・勧告を受けた「管理不全空家」も特例解除の対象に加わり、対策が一段と強化されました。放置のコストが年々重くなるなか、早めにリフォーム・活用へ動く流れは今後も加速するとみられます。

出典:令和5年住宅・土地統計調査(総務省)/空家等対策の推進に関する特別措置法(2023年改正・国土交通省)

空き家を放置するリスクとデメリット

空き家の窓を空き巣が割る様子

空き家を放置すると、倒壊・雨漏りなどの構造的リスク、不法侵入・放火などの犯罪リスク、そして「特定空家等」指定による固定資産税の増加という3つの大きな不利益が生じます。

リスクの種類内容
構造的リスク老朽化で倒壊・雨漏りが進行。1981年以前の旧耐震基準の物件は地震被害リスクが大きい
行政指導・指定空家法により「特定空家等」に指定され、指導・勧告を受ける可能性がある
税負担の増加住宅用地特例が解除され、土地の固定資産税が大幅に増加する場合がある
防犯・環境面不法侵入・放火・景観悪化などで近隣に迷惑をおよぼす

まず構造面では、老朽化によって倒壊や雨漏りのリスクが高まります。とくに1981年以前の旧耐震基準で建てられた物件は地震被害を受けやすく、耐震診断と早期の改修が有効です。倒壊の恐れがあると判断されれば、空家等対策特別措置法(2015年施行)に基づき、自治体から指導や「特定空家等」の指定を受けることもあります。

次に犯罪・環境面のリスクです。無人の空き家は不法侵入や放火の標的になりやすく、周辺の荒廃は治安の悪化や景観の崩れを招き、近隣住民への迷惑にもつながります。

そして経済面では、「特定空家等」に指定されると住宅用地特例(固定資産税の軽減措置)が解除され、土地の税負担が大幅に増えるケースもあります。

放置は地域社会にも悪影響をおよぼします。リフォームや解体など適切な措置を早めに検討すれば、将来のトラブルや余分なコストを未然に防げるでしょう。

空き家をリフォームするメリット

リフォームについて説明している業者と相談者

空き家を放置せず、リフォームによって価値を高めることで得られる具体的なメリットについて整理します。

まず、空き家リフォームは建物の老朽化を抑制し、住宅としての安全性・快適性を大きく向上させます。とくに耐震補強や断熱改修といった性能向上リフォームを行えば、将来的な建て替えコストを抑えつつ、長期的に安心して住める環境を整えることが可能です。加えて、古い建材や意匠を活かしたリノベーションによる空き家再生は、現代的な利便性と趣のある空間を両立でき、新築にはない魅力を生み出します。

また、空き家は無人のまま放置されるほど劣化が急速に進むため、中途半端に放置するよりは早めに手を加えたほうがトータルの修繕コストが安くなるケースもあります。必要な箇所のみ部分的にリフォームすることで費用を抑えながら、十分な生活スペースや設計の自由度を確保できる点でもメリットが大きいといえるでしょう。

あわせて、自己居住を前提とする場合は住宅ローン減税などの制度を利用できる可能性があります。省エネ・耐震改修に対する国や自治体の補助金・助成制度も活用できる場合があり、条件を満たせば実質負担額の大幅な軽減が可能です。

資産価値の向上と倒壊リスクの回避

古い空き家でも、耐震補強や外壁・屋根の修繕を中心としたリフォームを施すことで建物の資産価値を大きく高めることができます。

特に耐震性能が強化された物件は売却や賃貸でも評価されやすく、将来的な運用も選択肢に含められるのが強みです。倒壊リスクを低減することで「特定空家等」への指定を回避でき、固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)の適用維持にもつながる可能性があります。

家賃収入や事業への活用可能性

空き家をリフォームして居住性の高い空間に再生すれば、賃貸住宅として家賃収入を得ることが可能になります。

また、立地や建物の特性に応じて、カフェ、シェアオフィス、ゲストハウスなどの事業用施設への転用も選択肢となります。特に観光地や地方では、古民家リノベーションによる宿泊施設の開業例が増加しており、地域資源としての空き家活用が注目されています。

こうした活用方法は施設の稼働率を高めるだけでなく、地域コミュニティの活性化にも貢献する点が大きな魅力です。

空き家リフォームの費用相場

空き家リフォームの費用は、部分リフォームで数十万〜数百万円、フルリフォームで1,000万円以上が目安です。費用は物件の状態・改修範囲・構造によって変動し、耐震補強や断熱改修を含めると高額になります。

💰空き家リフォームの費用相場

部分リフォーム

数十万〜数百万円

水回り交換や内装の張り替えなど範囲を限定した改修。短期間・低コストで印象を改善できます。

フルリフォーム

1,000万円以上

設備を全面刷新する改修。耐震補強や断熱改修を伴うと構造工事の追加費用が発生します。

部位別の費用目安

キッチン交換:50〜100万円前後 内装クロス張り替え:10〜30万円 耐震診断・インスペクション:5〜10万円

🛠️部位別リフォーム費用の目安(価格帯別)

0〜20万円
温水洗浄便座 バスタブ交換 畳の交換 壁クロス貼り替え 手すりの設置 内窓の追加
20〜50万円
トイレ全体の改装 IHコンロへの交換 ガス給湯器の交換 洗面所の改装 シロアリ防止処理
50〜100万円
システムキッチン(Ⅰ型) システムバス(マンション) 床暖房の敷設 和室→洋室への改装 外壁材の重ね塗り 耐震補強(金物)
100〜300万円
システムキッチン(対面型) オール電化への改修 リビングの改修 瓦屋根の交換 耐震補強(基礎工事) 太陽光発電システム
300〜500万円
アイランドキッチン 室内全体のエコリフォーム 増築
500〜1,000万円
躯体以外の全面リフォーム 建物の一部を賃貸部屋に
1,000万円超
二世帯住宅化 減築 古民家再生 曳き家・移築

出典:部位別リフォーム費用一覧(国土交通省)

リフォーム費用は、物件の状態やリフォーム範囲、建物の構造によって大きく変動します。特に築年数が古く、設備が著しく老朽化している場合は、キッチンや浴室といった住宅設備の全面交換が必要となり、フルリフォーム(全面改修)が前提になることもあります。さらに、耐震補強や断熱改修などの工事を含めると、費用が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

そのため、着工前には現地調査や建物インスペクション(住宅診断)を実施し、正確な見積もりを把握した上で、予算に合わせた計画を立てることが非常に重要です。

大規模リフォームでは、建物全体の構造補強や給排水・電気配管の交換といったインフラ工事も検討されるため、当初想定より費用がかさむケースもあります。ただし、建物の躯体(構造体)が健全である場合は、必要最低限の部分改修でも対応可能であり、資産価値の低下リスクを抑えつつコスト圧縮にもつながります。どこまで改修を実施するかは、全体の予算と空き家の将来的な用途(賃貸・売却・自己利用など)を踏まえて慎重に判断すべきです。

また、耐震診断を含むインスペクションには5〜10万円程度の費用がかかりますが、物件の状態を正確に把握しておくことでリフォームの方向性を明確にし、不要な工事を省くことができます。結果的にコストの削減につながる場合もあるため、最初の段階での調査投資を怠らないことが大切です。

フルリフォームの参考費用

キッチンや浴室、トイレ、内装などの設備をすべて入れ替えるフルリフォーム(全面リノベーション)では、1,000万円以上の費用が発生するのが一般的です。特に、耐震補強や断熱性能の向上を目的としたリフォームを同時に行う場合は、建物の骨組み(構造体)にまで手を加える必要があり、構造計算や補強工事に伴う追加費用が発生します。

また、間取りの大幅な変更、バリアフリー化、収納拡張などを含む場合は、工期の延長とともにさらなる費用増が見込まれるため、当初から余裕をもった資金計画を立てることが重要です。

空き家リフォームに活用できる補助金・助成金・減税制度

空き家リフォームでは、省エネ改修・耐震補強・バリアフリー化が国や自治体の補助対象になりやすいです。国の「みらいエコ住宅2026事業」では省エネリフォームで最大100万円/戸が補助され、住宅ローン減税やリフォーム減税との併用でさらに負担を抑えられます。

制度内容・上限の目安
みらいエコ住宅2026事業(国)省エネリフォームで最大100万円/戸(改修前後の省エネ性能に応じ40〜100万円)
耐震改修の補助(自治体)旧耐震の木造住宅の耐震補強が対象。額・要件は自治体ごとに異なる
バリアフリー改修の補助・減税高齢者向けの段差解消・手すり設置などが対象になる場合がある
住宅ローン減税自己居住を前提とする場合に利用できる可能性がある
リフォーム減税(住宅特定改修特別税額控除等)耐震・省エネ・バリアフリー改修で所得税が控除される

利用できる制度をあらかじめ把握し、条件を満たせば、リフォーム費用の一部または大部分を軽減することが可能です。

空き家リフォームでは、省エネルギー性能の向上を目的とした断熱工事や、高齢者向けのバリアフリー化、耐震補強工事などが助成や補助の対象になることが多く、比較的充実した支援制度が整備されています。とくに地方自治体では、地域ごとの課題に応じて、解体費用を一部補助したり、リフォーム費用の一定割合を助成する独自制度を設けていることがあります。申請には地域要件や築年数の制限がある場合もあるため、お住まいの自治体の公式情報を事前に確認することが重要です。

加えて、住宅ローン減税やリフォーム減税(住宅特定改修特別税額控除など)といった、税制面での優遇制度を併用することで、さらに大幅なコスト削減が期待できます。たとえば、一定の要件を満たす空き家を取得し、適正な改修工事を実施することで、所得税控除が拡充される可能性があります。過去の施工事例の中には、補助金と減税を組み合わせることで、実質的な自己負担額が半分以下になったケースもあります。

これらの制度は随時更新されたり、新たな制度が創設されたりする可能性があるため、こまめな情報収集が重要です。リフォーム会社や行政の相談窓口などに問い合わせることで、最新情報を得られるだけでなく、申請書類の準備や手続きに役立つアドバイスも受けられます。

リフォーム前に気をつけたいポイント

安心・安全なリフォームを実現するために、リフォーム前に確認しておくべき重要なポイントを紹介します。

リフォーム前に確認すべき3つのポイント

1

建物・設備の状態を調査する

構造の欠陥・シロアリ被害・雨漏りがあると工事範囲が広がります。現地調査で予算と計画を固めましょう。

2

耐震性・断熱性を確認する

築年数の古い木造は現行の耐震基準を満たす補強が必要な場合が多め。専門家に診断を相談しましょう。

3

補助金・減税の要件を確認する

着工時期や工事内容が要件を満たすか事前に確認を。事後申請できない制度も多く、早めの情報収集が肝心です。

空き家のリフォームでは、事前に建物の構造や設備の状態を正確に調査することが不可欠です。特に、構造上の欠陥やシロアリ被害、雨漏りなどが発見された場合、当初の予定以上に工事範囲が広がる可能性があります。的確な現地調査に基づいて予算と工事計画を立てることで、リフォーム後のトラブルを予防し、費用の膨張も抑えられます。

また、家の耐震性や断熱性の確認も重要です。築年数が古い木造住宅では、現行の耐震基準(建築基準法)を満たすための補強工事が必要となるケースが多く見られます。これにより、将来の災害リスクを低減させるだけでなく、建物の寿命や快適性を高める効果も期待できます。専門家に耐震診断や断熱改修の可否を相談し、最適な方法を検討することが推奨されます。

加えて、自治体や国の制度の要件を確認することも見落とせないポイントです。リフォームに関する補助金や税制優遇措置を活用するには、必要書類の準備や着工時期、工事内容が制度要件を満たしているかを事前に確認する必要があります。事後申請ができない制度もあるため、リフォーム後に申請できず補助金を逃すリスクを避けるためにも、早期の情報収集が重要です。

築古物件と耐震診断の重要性

築30年以上経過した空き家をリフォームする際は、まず耐震診断の実施によって安全性を確保することが重要です。

倒壊のリスクが高い物件を放置すると、空家等対策特別措置法に基づき「特定空家等」に指定されるおそれがあり、行政からの指導・勧告のほか、固定資産税の優遇措置が解除される可能性もあります。適切な耐震補強を行うことで建物の寿命や資産価値を大きく維持・向上させられるでしょう。

空き家リフォームの成功事例3選:店舗・賃貸・宿泊施設への活用術

シェアハウスで国際色豊かな人々が談笑している様子

実際にリフォームによって空き家を有効活用した事例を紹介し、具体的なイメージと成果を深めます。

活用タイプ費用の目安概要
自宅兼店舗(古民家再生)約200〜300万円昭和築の木造を耐震補強+全面リノベ。柱・梁を残し水回りは最新設備に更新
賃貸物件約100万円設備交換と内装中心の最小限改修。和室→洋室、クロス・床の張り替えで入居付け
ゲストハウス・シェアハウス物件により異なる都市部・観光地で古民家を宿泊施設へ転用。地域交流の活性化にも貢献

築50年以上の昭和築の木造住宅を耐震補強し、全面的にリノベーションして自宅兼店舗として活用した事例があります。外装の塗装や雨漏りの修繕を含む改修工事には、約200万〜300万円の費用がかかりましたが、新築を建てるよりもコストを大幅に抑えつつ、古民家の味わいを活かした空間を実現できました。内装では、既存の柱や梁の風合いを残しながら、キッチンや水回りには最新の設備を導入することで、デザイン性と利便性の両立が図られています。

一方、間取りを大きく変更せず必要最低限の設備交換と内装リフォームで済ませた例では、100万円ほどの費用で賃貸用物件として再生したケースもあります。古い和室を洋室にし、壁紙やフローリングを貼り替えるだけでも、居住性や見た目の印象は大きく変わります。その結果、入居希望者が見つかり、家賃収入によってリフォーム費用の回収が可能となったケースも報告されています。

さらに、都市部にある空き家をゲストハウスやシェアハウスとして再活用するリノベーション事例も増加しています。特に観光地周辺では、古民家の風合いを残しつつ宿泊施設へと改修するケースが多く見られます。定期的なイベント開催などを通じて、地域の魅力向上や交流促進にも貢献し、空き家が観光資源として有効活用されている点も注目されています。

🏠空き家リフォームに関するよくある質問

Q. 空き家のリフォーム費用はどれくらいかかりますか?

部分リフォームなら数十万〜数百万円、フルリフォームは1,000万円以上が目安です。キッチン交換は50〜100万円前後、内装クロスの張り替えは10〜30万円ほど。耐震補強や断熱改修を伴うと費用が上がるため、着工前のインスペクション(5〜10万円)で範囲を見極めるのがおすすめです。

Q. リフォームに使える補助金はありますか?

省エネ改修・耐震補強・バリアフリー化などが国や自治体の補助対象になりやすいです。国の「みらいエコ住宅2026事業」では省エネリフォームで最大100万円/戸が補助されます。住宅ローン減税やリフォーム減税との併用も可能。事後申請できない制度が多いため、着工前に要件を確認しましょう。

Q. 空き家を放置すると税金は上がりますか?

放置して「特定空家等」に指定され勧告を受けると、住宅用地特例(小規模住宅用地は固定資産税の課税標準1/6)が解除され、土地の税負担が大きく増えます。2023年施行の改正で「管理不全空家」も対象に加わったため、早めのリフォームや活用でリスクを避けるのが安心です。

まとめ

空き家リフォームは、建物の安全性と資産価値を高め、賃貸・店舗・宿泊施設への転用など新たな用途を生み出す選択肢です。費用は部分改修で数十万〜数百万円、フルリフォームで1,000万円以上が目安で、省エネや耐震の補助金・減税を組み合わせれば負担を抑えられます。放置すれば「特定空家等」指定による固定資産税の増加リスクもあるため、早めの計画が肝心です。

とはいえ、「どこまで直せばいいのか」「費用を回収できるのか」と一人で判断するのは難しいものです。相続した空き家を持て余している、活用したいけれど費用が不安――そんなときはアキサポにご相談ください。アキサポなら、リノベーション費用を全額負担(自己負担0円)で空き家を活用する仕組みもご提案できます。まだ方向性が決まっていない段階でも、無料相談・無料査定からお気軽にどうぞ。

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この記事の監修者

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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