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2021.06.01

【インタビュー】バッドボーイズ・佐田さんに聞く「DIYと空き家活用」について(後編)

「バッドボーイズ」佐田さん

お笑いコンビ「バッドボーイズ」の佐田さんに、DIYのエピソードや空き家関連の話を詳しくお聞きする今回の企画。前編では、佐田さんがDIYを始めるきっかけやワークショップ「佐田工務店」のエピソードをご紹介しましたが、後半ではDIY関連の話題のみならず、空き家についての考えや将来の夢に至るまで、さらに深く掘り下げていきます。

もの作りの魅力

―佐田さんにとって「もの作り」とは何でしょうか?

やっぱりものを作っている最中は無心になれるし、楽しいし、何と言っても達成感があります。出来上がった完成品に対する達成感だけじゃなく、依頼主が完成品を目にしたときに喜んでくれる姿、感謝してくれる姿を見た時にすべてが報われるんですよね。

でもこれはもの作りだけじゃなくて、自分の中でいろいろな部分に通ずるところがあるんです。芸人としてお客さんを笑わせている瞬間もそう。自分たちを見て笑っている、面白かったと言ってくれる、そんな瞬間がやっぱり一番報われる瞬間なので。テレビでもYoutubeでも、自分の作品に対して「いやぁ、おもしろいです!」と言われる瞬間が一番気持ち良い瞬間なんですよ。

もの作りも要は一緒で、誰かのために何かを作る時には「その人が喜ぶ姿を見たい」という気持ちが根本にあるから頑張れるんだ思います。つまりすべてに通ずるのは「サービス精神」なんですよね。単に僕の場合は対象が「もの作り」と「お笑い」だったという話です。

DIYの失敗談

―DIYでの失敗談を教えていただけますか?

失敗ですか・・・正直なところ、ケガぐらいですかね(笑)。この間もぎっくり腰になりましたし、仲間が作業中に鉄ノコで指を切り落とす寸前になったこともありました。だから職人さんが準備体操するのは本当に理にかなってるなと思いますよ。やっぱり生身の身体で作業しますし、色々な道具を使って作業する中で思いもよらない動きをすることもあるので。

―「もの作りの最中に起こる失敗」というのはどうお考えでしょう?

多くの人は、DIYでのケガ以外の失敗というと「もの作りの失敗」をイメージするでしょうけど、僕の中でもの作りの工程において何かしらの失敗があっても、それは失敗という扱いじゃありません。例えば「寸法を間違えた」ということであれば何かを付け足せば良い話で、大切なのは「そのアイデアをどう考えるか?」だと思うんです。もちろんだからといって失敗したいとは思ってませんけども(笑)。

とはいえ、何らかの失敗があったとしても、うまくカバーできればそれは思い出になるし、愛着も湧きやすくなると思うんです。「ひとつの失敗もエピソードとして依頼主に話すことで、その人の中では特別な思い出になる」というか。
例えばイスが一脚あったとして、「これ買ったんだよね」と「これ作ったんだよね」では第三者の食いつきが全然違う。「自分で作ったもの」「知り合いに作ってもらったもの」って、もし壊れたとしても直そうとするんですよ。買ったものと作ったものでは愛着が違いますから。
なので元から「ものを大事にする人」って「作るのが好きな人」が多いのかもしれませんね。「作っているからこそ分かる、ものの大事さ」というのはやっぱりあると思います。

アキサポの印象

アキサポの資料に目を通す佐田さん

アキサポの提供サービスの特徴】
空き家となった物件を、アキサポがリノベーション費用全額負担で直して活用をサポート。自身でDIYなどを希望するお客様には、リノベーション費用が抑えられる分、賃料を差し引きし、浮いた分で材料を買ってもらうような形も対応可能。

アキサポのサービスに対する率直な感想を教えていただけますか?

DIYをする僕のような立場からしたら、すごい得な話ですよね。逆にそうじゃない人からしても「手間をかけないでリノベーションしてくれる」わけですから、いずれにしろお得だと思います。

むしろ自分が住む家をアキサポでサポートして欲しいぐらいですよ(笑)。何と言ってもDIYは原状回復が大変で、僕自身、今まで住んできた家はすべて原状回復してきたので。原状回復なしでDIY自体もサポートしてくれるなら得でしかありません。

アキサポが手掛けた物件を見て

アキサポ事例 バイクガレージ

特にバイクガレージの活用物件が良いですね。東京はほんとにバイク専用の賃貸ガレージが少ないですし、あっても1台月2万円するようなところもたくさんありますから。それこそバイクガレージ付きの家は探せば出てきますけど、バイクガレージ単体はなかなか見つからないので本当に良いと思います。

使い道のない空き家について思うこと

―放置されている空き家、使い道に困っている空き家が数多く存在していますが、この点についてはどう思われますか?

やっぱり単純にもったいないですよね。建物は年月の経過とともに腐っていくものなんで。かといって壊すのにも結構なお金がかかりますし、ごみを捨てるのにもお金がかかる。僕自身、「これを捨てるのにこんなにお金がかかるの!?」という現実を目の当たりにしてきましたから、なおさら「簡単に壊す」という選択をするのも難しく感じてしまいます。

将来の夢

―佐田さんの「将来の夢」はありますか?

大きな土地を買って、みんなでそこに住めるような町というか空間を作りたいというのはあります。みんなで「こういう家が作れたら面白いよね」みたいに話しながら、もの作りを進めて、大きな土地の中に商店街とかステージとかを作って。町の人全体で交流するような空間を作るのが夢なんです。それこそ親がいない子供を引き取って、その町の中で子供の夢を育てるような環境を作れれば良いですよね。その中で僕は村長をやりたいです(笑)。
でも冗談でも何でもなくて、この「町作りの構想」は本当に僕の将来の夢なんです。

インタビュー後記

今回は「バッドボーイズ」の佐田さんに、DIYに関するエピソードやアキサポに対する印象、空き家への考え方などをお聞きしました。

インタビューを通して強く感じたのは、佐田さんが抱く「自分ではなく、誰かのために」というこだわり。お金のためでもなく、自分の欲求のためでもなく、最も大切なのは「依頼者や周りの人たちが喜ぶ姿である」とのポリシーを感じたのです。むしろこの部分は、DIYに限らず佐田さんの人生観として確立された“根”の部分なのかもしれません。

少なくとも、対峙した私の心には突き刺さるものがありました。

アキサポのテーマは、ただ物件をきれいにして貸し出すのではなく、所有者の希望と地域住民のニーズを最優先に活用方法を検討し、マッチングした利用者に貸し出すことを心がけ、所有者・利用者・地域住民がみな喜んでもらえるような活用方法です。
もちろんDIYとアキサポのサービスはイコールでないとはいえ、今回佐田さんが話していた「周囲の人の喜びや笑顔のために」という根本的な部分は、アキサポが掲げるテーマと共通しているように感じたのです。

インタビューの最後に、佐田さんは「アキサポとはこの1回の取材限りの関係ではなく、今後自分が協力できる部分は協力していきたい」と仰っていただけでなく、インタビュー後にはアキサポが手掛ける物件の内見にも来られるなど、興味を示されていたご様子です。

アキサポと佐田さんが今後どのような形で交わっていくのか、今のうちから楽しみでなりません。

インタビュアー情報

荻野智希(おぎの・ともき)
高専卒業後、アーティストとして活動。海外留学中のシェアハウス暮らしから不動産企画に興味を持ち、不動産ベンチャーを数社経験。2020年4月よりアキサポを手掛ける株式会社ジェクトワンにおいて、空き家活用事業「アキサポ」を担当。遊休不動産の再生企画およびびプロデュース事業を手掛けるほか、自身でDIYも行っている。