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公開日:2025.12.05 更新日:2025.11.19

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不動産売却と税金を徹底解説|費用・計算方法・節税対策まで網羅

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不動産を売却すると、売却価格や所有期間などに応じて複数の税金が課されます。

各種特例や控除を活用すれば、税負担を軽減できる場合もあるため、正確な知識を持つことが重要です。

本記事では、不動産売却時に必要となる税金の種類や計算方法、適用できる特例や節税対策を詳しく解説します。

不動産売却にかかる主要な税金とは?

不動産売却時にはさまざまな税金の支払いが必要です。まずは主な税金の概要から確認していきましょう。

不動産を売却する際には、契約関連の印紙税や名義変更にともなう登録免許税、さらには譲渡所得税や住民税、復興特別所得税などが関係します。売却価格や所有年数、使途などによって計算方法が変わるため、個々の制度をしっかり理解することが大切です。

特に居住用財産を売却する場合には、軽減税率や特別控除の特例が複数存在します。それらを適切に活用することで、税負担を大幅に抑えられるチャンスもあります。

いずれの税金も支払いタイミングや必要書類が異なるため、あらかじめスケジュールを把握して準備を進めると、売却手続きがスムーズに進みます。

印紙税|売買契約書に貼付する税金

印紙税(印紙税法第3条)は、不動産売買契約書の作成時に課される国税です。

契約書に貼付する収入印紙の額は、取引金額に応じて定められています。小規模取引では数千円規模ですが、高額になるほど印紙税も上がります。

正規の印紙を貼らずに提出した場合、契約は無効になりませんが、過怠税が課される可能性があります。契約締結前に金額を確認し、経費計上しておくと良いでしょう。

登録免許税|名義変更手続きにかかる税金

登録免許税は、不動産の名義変更や抵当権抹消を行う際にかかる税金です。所有権移転や抵当権設定などの登記手続きを行うときに課されるため、売主・買主どちらが負担するかは契約によって異なります。

税率には土地や建物などの用途、評価額に応じた基準があり、具体的な金額は法務局での計算によって決まります。一般的には、登記の種類によって定められた税率を課税標準に乗じて求めます。

不動産売却を円滑に進めるためには、登録免許税の計算や支払い時期を理解しておくことが重要です。登記費用の一部としてあらかじめ資金を確保しておきましょう。

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税の仕組みと違い

不動産の売却で手にした利益は「譲渡所得」と呼ばれ、これに対して課される税金が所得税、住民税、復興特別所得税です。これらはまとめて計算されることが多いのですが、正確には所得税と復興特別所得税、そして住民税の3つに分かれます。

譲渡所得の税率は、物件の所有期間によって異なります。短期譲渡(所有期間5年以下)は税率が高く、長期譲渡(5年を超える所有)は税率が低めに設定されています。

住民税や復興特別所得税も、譲渡所得を基準に計算されることから、売却後の確定申告は非常に重要です。適切に申告を行わないと、後から追徴課税やペナルティが発生する可能性があるため注意しましょう。

譲渡所得と課税譲渡所得の計算方法

不動産売却によって得た利益のうち、「譲渡所得」と「課税譲渡所得」の算出方法を解説します。

不動産の売却では、売却価格の全額が課税対象となるわけではありません。売却価格から取得費および売却に要した諸経費を差し引いた後の利益が「譲渡所得」として扱われ、これを基に所得税・住民税・復興特別所得税が計算されます。

課税譲渡所得を求める際は、減価償却費を正確に反映することが重要です。

特に建物部分の減価償却は、保有期間が長いほど累積額が増えるため、購入時の契約書や固定資産税評価証明書などを確認して根拠資料を整えておきましょう。

また、居住用財産の場合には「3,000万円特別控除」や「買換え特例」などの優遇措置が適用できることもあります。これらの特例を適切に活用することが、節税の鍵となります。

譲渡所得の基本計算式と減価償却費の考え方

譲渡所得は、所得税法第33条および所得税法施行令第49条に基づき

譲渡所得 = 譲渡価格 −(取得費+譲渡費用)

で算出します。

取得費には、土地・建物の購入代金や仲介手数料、登記費用などが含まれます。譲渡費用には、不動産会社への仲介手数料、建物の解体費用、測量費など、売却に直接要した経費が該当します。

また、建物の取得費からは減価償却費を控除します。これは、建物が経年とともに価値を減じるという考えに基づくものです。

減価償却費を正確に算出すれば、課税譲渡所得の額を適切に把握でき、結果として確定申告時に過大な納税を防げます。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の区分・税率

所有期間が5年を超えるか否かで、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分類されます。

長期譲渡所得となると、税率が低く抑えられ、居住用財産を売却する場合には「軽減税率の特例」などを活用できるケースもあります。特に10年以上保有したマイホームには、追加の軽減措置が適用される可能性があります。

一方、短期譲渡所得(所有期間5年以下)は税率が高く、売却時期を誤ると想定外の税負担を招くおそれがあります。

売却を検討する段階で登記簿謄本などを確認し、自身の所有期間を正確に把握しておくことが重要です。

不動産売却時の納税スケジュールと支払い方法

税金の納付時期と支払い方法を把握することは、資金計画を立てるうえで不可欠です。スケジュールを理解し、余裕をもって対応しましょう。

不動産売却による譲渡所得に課される税金は、原則として翌年の確定申告期間中に納付します。1月1日から12月31日までの売却分を対象に、翌年2月16日〜3月15日までに確定申告および納付を行うのが基本的な流れです。

所得税に加え、住民税も同じ課税所得を基準に算定されます。住民税は自治体ごとの納期に基づいて課税され、原則として年4回に分けて納付することが可能です。

納付方法は、銀行・郵便局・コンビニ・インターネットバンキング(e-Tax)など多様です。スムーズな資金管理のためにも、売却前に支払い手段を確認しておくと安心です。

不動産売却で活用できる代表的な特例・控除

一定の要件を満たすことで、大幅に税金を軽減できる特例や控除制度が用意されています。

特に居住用財産に関する制度は充実しており、マイホームを売却する際には数百万円規模の節税が可能になる場合もあります。

また、新居への買換えを行う場合には「買換え特例」、10年以上所有していた場合には「軽減税率の特例」といった優遇措置も検討に値します。

相続によって取得した不動産を売却する場合も、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」などの相続特例が適用されるケースがあります。これらを活用すれば、実質的な手取りを大きく確保できるでしょう。

マイホーム売却時の3,000万円特別控除

マイホームを売却する際に最も代表的な制度が「3,000万円特別控除」です。

居住していた家屋や敷地を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。

適用を受けるには、「売却前に1年以上居住していた」「配偶者や親族への譲渡でない」など、一定の要件(同条第2項)を満たす必要があります。この控除を適切に活用すれば、たとえ大きな売却益が出ても課税額を大幅に抑えられるため、売却時期を見据えた計画的な活用が重要です。

買換え特例・10年超所有軽減税率の活用

買換え特例は、マイホーム売却後に一定要件を満たす新居を取得した場合、譲渡所得の課税を将来に繰り延べられる制度です。

また、所有期間10年超の居住用財産に適用される「軽減税率の特例」は、通常よりも低税率で課税されるため、長期所有者に有利な措置といえます。

これらはいずれも適用要件が厳密に定められており、申請手続きや添付書類の不備があると適用が認められない場合もあります。売却前に税務署や専門家に確認しておくことが重要です。

相続不動産の売却で使える特例と注意点

相続により取得した不動産を売却する際、被相続人の居住用財産であれば「空き家特例」によって最大3,000万円の特別控除を受けられる場合があります。

相続税評価額や相続税の支払い時期によって譲渡所得が変動するため、評価方法の確認が不可欠です。

取得費が不明な場合には概算取得費(売却額の5%)を用いることも可能ですが、できるだけ正確な資料を揃えることで不要な税負担を避けられます。

また、相続した不動産を短期間で売却すると短期譲渡所得として高税率が適用されるため、所有期間の計算方法と売却タイミングを慎重に見極めましょう。

シミュレーション事例|売却益が出た場合と出なかった場合

仮の数値例を用いて売却益が生じたケースと損失が出たケースの税負担を比較し、重点ポイントを確認します。

例えば、購入価格2,000万円の不動産を3,000万円で売却した場合を考えてみましょう。取得費と諸経費を差し引いて譲渡所得を算出すると、数百万円程度の利益が出るケースがありますが、3,000万円特別控除や買換え特例などを使えば大幅に税負担を減らせます。

一方、購入価格2,000万円の不動産を1,500万円で売却し、譲渡所得がマイナスになった場合には、譲渡損失を損益通算できるかどうか、条件次第で税金の還付が受けられる可能性があります。

こうしたシミュレーションを事前に行うことで、どの程度の税金が発生するのか、どの特例や控除を使ったときに最大の節税効果を得られるのかが明確になります。

不動産売却時の節税対策とポイント

課税額を正確に把握しつつ、無駄な支出を抑えて節税を行うにはどうすればよいでしょうか。ここでは、具体的な対策と実務上の注意点を整理します。

まず、取得費や譲渡費用に関する領収書・契約書などを確実に保管しておくことが基本です。取得費を正確に算出できれば、その分譲渡所得が小さくなり、結果的に税負担を軽減できます。

また、売却のタイミングを慎重に見極め、短期譲渡所得(5年以下)ではなく長期譲渡所得(5年超)として扱われるよう計画すると、税率差によって節税効果が期待できます。税率だけでなく、需要が高まる時期や築年数を考慮した戦略的な売却も有効です。

さらに、リフォームや修繕に適切な費用をかけることで、物件価値を高めて高値売却につなげられる場合もあります。買主ニーズを意識したポイントリフォームを行うことが重要です。

取得費が不明な場合の対処法と注意点

購入時の契約書や領収書が見つからない場合、概算取得費として売却価格の5%を取得費とみなせます。

ただし、実際の購入額が大きい場合には概算を用いると不利になるため、可能な限り実際の取得費を示す資料を探しましょう。

また、過去に行ったリフォームや増改築の費用も条件を満たせば取得費に含められます。古い書類でも金額の記録があるものは大切に保管することが、長期的な節税につながります。

確定申告に必要な書類と手続きの流れ

譲渡所得の確定申告には、売買契約書・譲渡費用の領収書・取得費を証明する書類などが必要です。

特例を利用する場合、「3,000万円特別控除」では住民票の写し、「買換え特例」では新居の登記事項証明書など追加書類を提出します。

申告書には取得日・売却日・譲渡価格を正確に記載し、計算過程を明示することが求められます。添付書類の不備があると特例が適用されなかったり、追徴課税の対象となる場合があるため注意しましょう。

申告は税務署窓口のほか、電子申告(e-Tax)も利用可能です。繁忙期を避け、早めに準備を進めることが望まれます。

適切な売却時期と高値売却のコツ

不動産の売却時期は、税率面と市場動向の両方を考慮する必要があります。短期・長期の区分(5年基準)を意識しつつ、税率が有利になる時期を選ぶのが賢明です。

高値で売却できれば譲渡所得が増えますが、その分税負担も上がります。したがって、節税特例を組み合わせて実質的な手取りを最大化することが重要です。

また、仲介業者選びも成功の鍵となります。地域相場や実績に精通した不動産会社を選び、複数社で査定・比較を行うことで、より有利な条件で売却できる可能性が高まります。

まとめ|知識を活かして不動産売却を成功させよう

不動産売却に関する税金の理解と対策は、最終的な手取り額を大きく左右します。正しい知識をもとに、計画的な売却を実践しましょう。

不動産売却に関わる税金は、契約時に必要となる印紙税や登録免許税などの初期費用から、譲渡所得税・住民税・復興特別所得税まで幅広く発生します。

また、所有期間・使用目的・相続の有無によって適用できる特例が異なり、「3,000万円特別控除」「買換え特例」「空き家特例」など、ケースごとに最適な制度を選ぶ必要があります。売却時期と所有期間(短期・長期の区分)を意識し、高税率を回避しながら「3,000万円特別控除」や「買換え特例」などの制度を上手に活用すれば、節税効果を最大化できます。

正確な知識と入念な事前準備があれば、不動産売却で得られる手取り額を高めることが可能です。自身の状況に合った制度と最適なタイミングを見極め、計画的に売却を進めることで、より多くの利益を確保しましょう。

この記事の監修者

山下 航平 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。

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