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公開日:2025.12.24 更新日:2025.12.17

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別荘の固定資産税を抑えるには?減税制度やリスクの回避方法など

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軽井沢や熱海に別荘を持つ。多くの人が一度は夢を見ることですが、税金や維持費を考えると気軽に購入できるものではないと思うことでしょう。中でも継続的にかかる固定資産税は心配になりやすいポイントです。

そこでこの記事では、別荘にかかる固定資産税の仕組みから、その他の税金、節税のためのポイント、維持管理費、使わなくなった場合の手放し方まで幅広く整理して紹介します。負担を見通したうえで、別荘を無理なく楽しむための基礎知識として活用してください。

まずは別荘とセカンドハウスの違いを理解しよう

固定資産税の具体的な仕組みを見ていく前に、まずは別荘と似たセカンドハウスとの違いを押さえておきましょう。どちらも「自宅とは別に持つ住まい」という点は同じですが、使われ方や目的には明確な違いがあります。

まず別荘は、日常から離れて過ごすための「非日常の拠点」として利用されることが多い住宅です。休暇や季節ごとの滞在を楽しむことを目的としており、年間を通して常に人が出入りするわけではありません。自然の中でのリフレッシュや観光などの「余暇を過ごす場所」という性格が強いのが特徴です。

一方でセカンドハウスは、自宅とは別の地域で生活を送るための「拠点」として用いられます。家具や生活設備が整えられ、日常の延長として生活を営むための場所と考えるとイメージしやすいでしょう。

固定資産税の基本:税率や納付時期など

次に固定資産税の基本をおさらいしておきましょう。固定資産税は、所有している土地や建物に対して課税標準額を基準に算出される税金です。毎年1月1日時点で所有している土地や建物に対して、次の計算式により税額が決まります。

  • 税額の計算式
    課税標準額(※)× 税率(標準1.4%)

※ 自治体が定める「固定資産税評価基準」に基づき算出される不動産の価値。3年ごとに地価や建物の状態に合わせて見直される「評価替え」が行われる

固定資産税の納期スケジュール

固定資産税は年4期に分けて納付します。一般的なスケジュールは以下のとおりです。

  • 第1期:4月〜5月末頃(納税通知書の到着と同時に納付するケースが多い)
  • 第2期:7月末頃
  • 第3期:9月末頃
  • 第4期:11月末または翌年1月末頃

気を付けたいのが、納税通知書が不在中の別荘に届いてしまうケースです。時期によっては納期まで気づかない恐れがあるため、郵便物の転送設定や口座振替への切り替えなどをしておきましょう。

固定資産税の滞納リスク

固定資産税を滞納すると、延滞金が発生したり、自治体から督促状が送られてきたりします。さらに、長期間にわたって滞納が続くと、差押えによる強制徴収が行われる可能性もあります。

固定資産税を滞納した場合の一般的な流れは以下のとおりです。

  • 1.督促状、催告書の発送
  • 2.財産の差し押さえ(滞納者の不動産も対象となる)
  • 3.換価処分(滞納者の債権の取り立てや公売の実施など)

別荘の固定資産税は自宅より高くなる?

別荘にかかる固定資産税でまず知っておきたいのが、自宅(居住用住宅)と別荘では税の扱いが大きく異なるという点です。

固定資産税には「住宅用地の特例」という、自宅の土地にかかる固定資産税を軽減する制度がありますが、別荘は日常的な居住の実態がないため、原則として地方税法上の特例が適用されません。そのため、自宅より面積が少なくても税額が高くなるケースがあります。

セカンドハウス認定を活用した別荘の固定資産税の減額方法

通常、固定資産税には住宅用地の特例や新築住宅に関する軽減制度、リフォーム時の軽減制度などの減額制度が用意されていますが、原則として別荘にこれらの制度は適用できません。

しかし近年、一部自治体では「セカンドハウスとしての利用を地域貢献とみなす」方針が広がり、一定の条件を満たしたセカンドハウスであれば、固定資産税の軽減制度が利用できるケースが出てきています。

そこでここでは、セカンドハウス認定によって活用できる可能性がある主な軽減制度を2つ紹介します。

1. 住宅用地の特例を活用できるケース

2. 新築住宅に対する軽減制度を利用できるケース

セカンドハウスの認定を受けるには、各自治体の認定基準をクリアする必要があります。特に、実態として「居住の延長」と認められるかどうかが焦点になっています。たとえば、長野県南牧村では以下の条件が設けられています。

  • 居住用の家屋であること
  • 特定の人の利用であること
  • 年間を通じて毎月1泊2日以上の利用があること

なお、セカンドハウスとしての扱いを維持するためには、利用状況を継続して示し続ける必要があります。「一時的に滞在して終わり」の状態では認定が外れてしまう可能性があるため、普段の生活スタイルと照らし合わせながら無理のない形で運用していくことが大切です。

住宅用地の特例

自宅の土地にかかる固定資産税を軽減する「住宅用地の特例」が適用された場合、敷地面積の広さに応じて以下の措置が受けられます。

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税の課税標準を6分の1に減額
  • 一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税の課税標準を3分の1に減額

たとえば、土地の固定資産税評価額が 1,200万円・面積200㎡ のケースでは、以下のような差が生まれます。

特例が適用されない場合

  • 課税標準:評価額がそのまま適用される → 1,200万円
  • 固定資産税(税率1.4%):約168,000円/年

住宅用地の特例が適用された場合

  • 課税標準:6分の1に軽減 → 約200万円
  • 固定資産税(税率1.4%):約28,000円/年

新築住宅に係る税額の減額措置

新築住宅に係る税額の減額措置とは、一定の要件を満たす新築住宅について、固定資産税の負担を軽減する制度です。原則として新築後3年間、建物に対する固定資産税が2分の1に軽減されます。

たとえば、建物の評価額が1,000万円の新築住宅の場合、以下のような差が生まれます。

軽減が適用されない場合

  • 建物評価額:1,000万円
  • 課税標準:1,000万円
  • 固定資産税(1.4%):約140,000円/年

新築住宅の軽減が適用された場合

  • 課税標準:1,000万円
  • 固定資産税(1.4%):
  • 約140,000円 → 約70,000円/年(半額)

別荘の所有にかかるその他の税金

別荘を維持する際には、固定資産税以外にも以下のような税金がかかります。

  • 都市計画税
  • 住民税
  • 別荘等所有税

ちなみに、別荘を取得する際には不動産取得税や登録免許税が必要になります。これらの税金は以下の記事で詳しく解説しているので、あとでチェックしておいてください。

不動産にかかる税金を網羅解説|種類・計算・節税まで徹底ガイド

都市計画税

都市計画税は、都市計画区域内にある土地・建物に対して課される税金です。固定資産税と同様に毎年1月1日時点の所有者が対象となり、自治体が定める税率をもとに算出されます。

税額の計算式は以下のとおりです。

  • 都市計画税額 =課税標準額 × 税率(上限0.3%)

ただし、都市計画税が課税されるのは市街化区域が設定されている自治体のみです。また、市街化区域があっても、都市計画税を徴収していないケースもあります。

ちなみに、都市計画税の納付タイミングは固定資産税と同じで、多くの自治体では年4回の分割納付方式を採用しています。

住民税

別荘を所有している自治体に住民票を置いていない場合でも、住民税の均等割が課されます。これは地方税法に基づく「家屋敷課税」と呼ばれる制度で、該当する自治体に事務所、事業所または家屋敷を所有している場合が対象になります。

均等割には、市区町村税と都道府県税、森林環境税が含まれ、年額5,000円程度が一般的です。

別荘等所有税

熱海市では、インフラ整備や観光施策の財源確保を目的に「別荘等所有税」 という独自の税制を導入しています。

課税の対象は、毎年1月1日時点において、家屋を所有しており熱海市に住民登録または市県民税の申告の無い所有者または、他人に家屋を貸し付けている所有者、旅館業法の許可をうけていない寮や保養所などを所有している人です。

税額は、所有している建物の延べ床面積1平方メートルにつき650円です。アパートやマンションなどの区分所有の建物の場合は、共有部分を按分した面積も対象になります。

使わない別荘をリスク回避のために処分する方法

利用しなくなった別荘をそのまま所有し続けると、維持管理費用がかかるだけでなく、以下のようなリスクも付きまといます。

● 放置による建物の劣化
● 設備故障や漏水
● 害獣・害虫の侵入
● 管理不全による資産価値の大幅な低下

こうしたリスクは、使用頻度が低くなるほど加速度的に大きくなる傾向にあります。そうなると予想以上に劣化が進み、最悪の場合「売りたくても売れない物件」になってしまうこともあります。

そのため、将来手放す可能性がある場合は、状態が悪化する前に選択肢を整理しておくことが重要です。ここでは、使わない別荘を手放す方法を3つ紹介します。

売却(不動産仲介会社を通じて手放す)

もっとも一般的な手放し方が、不動産会社を通じて売却する方法です。建物の状態や立地が良ければ、市場価格で売却できる可能性があります。

ただし、別荘の売却には次のような注意点があります。

  • アクセスが悪い物件は買い手が見つかりにくい
  • 建物の劣化が進んでいると査定額が下がる
  • シーズン需要に左右されやすい

そのため、売却を検討する際は、複数の不動産会社へ査定を依頼し、売却期間や相場を見極めることが重要です。また、売れやすくするために最低限の修繕やリフォームを行うのも一つの手です。

別荘の管理会社に引き取りを依頼する

別荘地によっては、管理会社が「買取」や「引き取り」サービスを提供している場合があります。管理会社はそのエリアの物件情報や維持状況を把握しているため、市場に出しにくい別荘でもスムーズに手放せる可能性があります。

主な特徴は以下のとおりです。

引き取りの特徴

  • 管理会社がエリア事情・建物状況を把握しているため話が早い
  • 傷みが進んだ物件でも相談できるケースがある
  • 仲介より手続きが簡単で、すぐに処分できる場合もある

注意点

  • 市場価格より安く買い取られる傾向が強い
  • 管理組合の承認や、別途手数料が必要な場合がある
  • 無償譲渡または手数料を払っての譲渡になることもある

相続土地国庫帰属制度を利用する(相続した別荘の場合)

相続した別荘の土地を手放す場合には、相続土地国庫帰属制度を利用して国に引き取ってもらう方法があります。ただし、引き取ってもらうための条件が厳しく、多くの費用と労力がかかります。

また、以下の条件に該当する場合は基本的に却下されます。

申請が認められない条件(却下事由)

・建物がある土地
・担保権や使用収益権が設定されている土地
・他人の利用が予定されている土地
・土壌汚染されている土地
・境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
 

 承認を受けられない条件(不承認事由)

・一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
・土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
・土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
・隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地
・その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

引用:法務局

また、審査手数料が1万4,000円必要です。審査の結果不承認となった場合でも返金されませんので、事前に条件に該当するか確認してから進めましょう。

まとめ・総括:固定資産税の負担を最小限に抑えるポイント

別荘の固定資産税は、仕組みを理解しながら計画的に向き合うことで負担を抑えやすくなります。さらに、セカンドハウス認定や自治体の減免措置など、活用できる制度を知っておけば、余計なコストを抱えずに済みますし、維持管理費もあらかじめ計画しておくことで想定外の出費を防ぎやすくなります。

また、利用頻度が減ってきた場合には、売却・寄付・国庫帰属制度など、無理のない形で手放す選択肢も持っておくと安心です。用途や状況に応じて柔軟に検討していくことで、別荘は“負担になる資産”ではなく、自分のペースで管理できる拠点として長く付き合っていけるでしょう。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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