1. TOP
  2. コラム
  3. 空き家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)とは?改正点を含む全体像を徹底解説

share

公開日:2026.03.21 更新日:2026.02.12

NEW

空き家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)とは?改正点を含む全体像を徹底解説

サムネイル

空き家のお悩みはアキサポにまるっとご相談! 空き家のお悩みはアキサポにまるっとご相談!

活用売却など、
最適なプランをご提案

相談無料!さっそく問い合わせる

空き家の相談窓口

まずはサービスについて知りたい

資料請求

空き家の増加により、防犯や衛生、地域コミュニティの衰退といった問題が深刻化している昨今。地方や郊外に限らず都市近郊でも増加しており、社会全体での対応が求められています。

こうした背景から、国は「空き家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)」を制定し、自治体による対策を後押ししてきました。令和5年の改正では、特定空家等に指定される前段階として「管理不全空家等」が新設され、あわせて固定資産税等の住宅用地特例に関する規定も見直されました。

本記事では、そんな空き家特措法の目的や改正ポイントを整理し、自治体や所有者が取るべき対策を解説します。

空き家特措法の目的と背景

空き家特措法は、安全性の低下や生活環境の悪化、地域活力の衰退といった問題に対応するために制定された法律です。

人口減少や高齢化、住宅需要の変化により、管理されない住宅が社会問題として顕在化。自治体主体の取り組みだけでは対応しきれない場面も増え、より実効性の高い制度が求められるようになりました。

こうした流れを受け、国は自治体が対策を進めやすい法的基盤を整備。あわせて民法上の管理義務に加え、本法による行政的な管理責任を明確化し、地域の安全確保や景観保全につなげる狙いがあります。空き家問題に計画的かつ総合的に向き合うための仕組みといえるでしょう。

少子高齢化による空き家の増加と社会的課題

少子高齢化の進行に伴い、空き家は全国的に増加傾向にあります。相続後に活用されない住宅や、住み替えによって放置される家屋も少なくありません。管理が行き届かない建物は、不法侵入や放火など防犯面のリスクを高める要因になる上、害虫・害獣の発生やごみの不法投棄を招けば、周辺の生活環境にも悪影響を及ぼします。

結果として地域の魅力が損なわれ、コミュニティの維持が難しくなる可能性も。こうした背景が、空き家問題が単なる住宅の問題にとどまらず、社会全体の課題と捉えられている理由です。

法制定に至る歴史と経緯

空き家への対応は、もともと自治体ごとの条例や支援制度に委ねられていたものの、危険な建物に対して十分な措置を講じられないなど、制度面の限界が徐々に浮き彫りになっていました。倒壊の恐れがある住宅を前にしても、所有者へ強く働きかける根拠が不足するなどで現場では対応の遅れが課題となり、全国共通のルールを求める声が拡大。そこで制定されたのが、平成26年の空き家特措法です。国が基本方針を示し、自治体が主体となって対策を実行できる体制を構築。空き家問題に対し、より踏み込んだ対応を可能にする転換点となりました。

【2023年12月施行】空き家特措法(空家等対策特措法)令和5年改正の主なポイント

今回の改正では、従来の課題を踏まえながら運用体制が見直され、より機動的な対策を講じやすい環境が整いました。空き家問題の深刻化を防ぐための基盤強化といえるでしょう。

まずは改正後の主なポイントを確認していきましょう。

改正法の施行日と「管理不全空家等」の追加

令和5年改正法の施行日以降、危険性のある老朽住宅や衛生上問題のある家屋が幅広く対象となり、空き家とみなされる範囲が拡大しました。これにより自治体は、放置すれば問題が拡大する可能性のある物件を早期把握し、適切にアプローチできるようになっています。

改正法で新たに追加・変更された条文

市区町村長による指導・勧告などの「行政措置」の手順が明確化されたほか、一部の空き家を利活用する事業者への支援策が見直されました。自治体だけでなく、公共団体や支援事業者も参画しやすくなり、地域や行政が連携して空き家再生に取り組みやすい環境が整備されています。

改正法の説明動画から読み解くポイント

国土交通省などが公開する改正法の説明動画では、新制度の概要や適用例をわかりやすく提示。特に「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定される要件、および「空家等活用促進区域」などの支援策について解説されており、自治体や所有者にとって法改正後の具体的な取り組みがイメージしやすいよう工夫されています。

改正後の法律・省令と関連通知の確認

法改正を適切に運用するには、条文だけでなく省令や関連通知まで含めた全体像の把握が欠かせません。制度は複数のルールによって支えられており、いずれかを見落とすと実務で判断に迷う要因になり得ます。

改正後は運用指針や制度内容が更新されるため、最新情報を継続的に確認しておくことがポイント。正確な理解が、空き家対策を円滑に進める土台となるでしょう。

主な改正条文の概要

改正条文では、特定空家等の定義がより精緻化され、行政が状況に応じた措置を講じやすい枠組みが整備されました。判断基準が明文化されたことで、対応のばらつきを抑え、実務における判断の透明性向上にもつながっています。

また、助言・指導から勧告、命令へと至る手続きの流れも整理され、段階的な対応が可能に。罰則や行政代執行の適用範囲も明確化されており、問題が深刻化する前に介入しやすい制度設計となりました。結果として、自治体が現場で判断に迷いにくくなり、迅速な対応が期待されます。

関連通知・省令で注意すべきポイント

省令や関連通知には、法改正の内容を現場で運用するための具体的な基準や手続きが示されています。とくに税制優遇の適用要件や助成制度の条件は細かく定められる傾向があり、事前確認が欠かせません。

これらの基準は改正や通達によって更新されることもあるため、公式情報を定期的にチェックすることが重要。最新の要件を把握しておけば、予算確保や修繕計画の立案が進めやすくなります。

制度を正しく理解し活用することが、空き家の早期再生や利活用を後押しするポイントといえるでしょう。

自治体に求められる空き家対策と運用

空き家特措法の施行・改正により、自治体には単発ではなく継続的に機能する対策体制の構築が求められています。財源の確保、制度の活用、相談体制の整備、民間との連携まで含めた総合的な運用が欠かせません。強い行政権限の行使は最終手段と位置づけ、平常時は予防と利活用を軸に進めることが重要です。

財政上の措置と補助制度の活用

空き家の除去や改修、利活用を支援する補助制度は国・自治体の双方で拡充しています。交付金を活用すれば事業化のハードルを下げやすく、地域の安全性向上にも直結。まちづくりを前進させる基盤にもなります。

また、補助対象は解体だけでなく、耐震改修や用途転換、防災対策に広がる傾向があります。募集時期や補助率、上限額は自治体ごとに異なるため、制度情報を整理して周知することが円滑な活用につながるでしょう。

税制上の措置とその要件

空き家対策に関する税制上の措置には、譲渡所得の3,000万円特別控除のほか、管理不全空家等や特定空家等に指定され「勧告」を受けた場合に、固定資産税等の住宅用地特例(優遇措置)から除外される規定などが含まれます。ただし、適用には一定の要件が定められているため、制度を使う場合は自治体の窓口や国税庁の情報を確認することが重要です。

活用・利活用に関する参考情報

商店街の空き店舗化を防ぐ事例や、観光拠点にリノベーションする取り組みなど、多角的なアプローチが増えています。自治体は空き家バンクやマッチングサイトの整備をはじめ、民間企業や地域住民との協力体制を強めることで、実効性の高い利活用につなげることができます。

空き家所有者が注意すべき【空き家特措法】のペナルティと対策

空き家特措法は、所有者や管理者に対し、適切な維持管理と周辺環境への配慮を求めるもの。管理不足が続くと行政の指導や勧告の対象となり、状況によっては命令や強制執行に至る可能性もあります。

トラブルを未然に防ぐには、早期から管理体制を整えることが必須です。あわせて活用方法を検討しておくと、資産価値の維持・向上にもつながります。自治体の相談窓口や専門家の助言を活用し、自身に合った管理方針を検討しましょう。

保安上の危険や衛生上の支障への具体的対策

屋根や外壁の劣化確認、雨漏りの点検、害獣・害虫の侵入防止など、安全性を保つための対策はマストです。敷地内の雑草やごみの放置は景観悪化だけでなく、火災や不法投棄の原因になることも。定期巡回を行い、小さな異変の段階で対応するのがポイント。結果として大規模修繕の回避にもつながります。

適正な維持管理の重要性と罰則規定

空き家特措法では、行政命令に違反した場合は50万円以下の過料が科されるほか、行政代執行により建物が強制解体され、その解体費用は所有者から強制徴収されます。費用は所有者負担となるため、経済的なリスクは小さくありません。さらに、周辺住民へ被害を与えた場合には管理責任を問われるケースもあります。

行政対応や想定外の支出を避けるためにも、計画的な維持管理が不可欠です。問題が顕在化してから動くのではなく、予防の視点で管理体制を整えておくようにしましょう。

空き家管理を円滑に進めるための基本ステップ

空き家を適切に維持するには、場当たり的ではなく計画的に管理体制を整えることがポイントです。建物の状態把握から管理方法の選択、将来の活用方針の整理までを段階的に進めることで、リスクを抑えながら資産価値を守りやすくなります。ここでは、管理を始める際に押さえておきたい基本的な流れをまとめました。

建物の現状を正確に把握する

まずは外壁や屋根の損傷、雨漏りの有無、設備の老朽化、敷地の越境などを確認し、優先的に対応すべき課題を明確にしましょう。状態を客観的に把握したい場合は、住宅診断(ホームインスペクション)の活用も有効。早期に問題点を見つけておくことで、将来的な修繕費の増大を防ぎやすくなります。

管理方法を早めに決める

自主管理を行う場合は、定期的な換気や通水、郵便物の整理、庭木の剪定などを継続することが劣化防止のポイントになります。一方、遠方に住んでいるなど訪問が難しい場合は、管理代行サービスの利用も現実的な選択肢。巡回点検や緊急時の対応を任せられるため、管理負担の軽減にもつながります。

将来の活用方針を整理する

売却・賃貸・リノベーションなど、方向性によって必要な準備は大きく異なります。売却を想定するなら境界確定や、「相続登記の申請義務化(不動産登記法改正)」により、相続を知った日から3年以内に登記をしない場合、10万円以下の過料対象となります。空き家特措法に基づく行政調査により、所有者の特定が容易になっている点にも留意が必要です。判断を先送りにすると建物価値の低下を招く恐れがあるため、早めに方針を定めておくようにしましょう。

権利関係と管理責任を明確にする

相続によって取得した空き家では、共有名義のままになっているケースも少なくありません。意思決定に時間を要し、活用の機会を逃す要因になることもあるため注意が必要。名義や管理責任の所在を早期に整理しておくと、その後の手続きが円滑に進みます。

予防の視点で管理体制を整える

空き家対策は問題が起きてから対応するのではなく、未然に防ぐための準備が何よりも重要。初期段階で管理の方向性を定め、無理のない体制を構築しておくことで、想定外の支出やトラブルの回避につながります。結果として資産価値の維持にも寄与するでしょう。

まとめ・総括

空き家特措法の概要と令和5年改正のポイントを中心に、自治体と所有者それぞれが取り組むべき対策の全体像を整理しました。

今回の改正をもとに、今後は空き家をただ解体・除去するだけではなく、地域の活性化につなげる創造的な活用策も求められます。適切な法理解と運用を基盤に、空き家問題がもたらすリスクを最小化しつつ、プラスの活用へと発展させるための取り組みを続けていくことが大切です。

空き家特措法を考慮した空き家活用を検討している方は、ぜひ『アキサポ』へご相談ください。司法書士など各専門家と連携しつつ、多数の空き家活用実績を持つプロがお客様のニーズにあわせて的確にサポートいたします。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

コラム一覧

空き家のことならなんでも、改装・管理・取引まで
ワンストップでご対応します

空き家の相談窓口資料請求

空き家のことならなんでも、改装・管理・取引まで ワンストップでご対応します

空き家の相談窓口資料請求

関連記事

関連記事