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公開日:2025.08.24 更新日:2026.07.22

空き家を放置するとどうなる?税金や罰則リスクと4つの解決策

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空き家を放置すると、行政指導により固定資産税が最大約6倍に増額するほか、老朽化による倒壊や害虫・防犯リスクが発生します。

リスクを回避するには「売却」「解体」「定期管理」「リノベーション活用」の4つの対策が有効です。この記事では、空き家放置のデメリットと最適な解決策を分かりやすく解説します。

増加する空き家問題と社会的背景

家と虫メガネ、グラフのイメージ

空き家の数は年々増加しており、その背景には人口の減少や都市部への一極集中など、さまざまな要因が影響しています。少子高齢化が進む中で、家族の形態が変わり、住宅を持て余すケースが増えています。

特に、若者の都市部への移住が進み、地方では空き家が増加しています。このような空き家がそのまま放置されると、思わぬリスクを引き起こすことにつながります。

また相続した家が遠方にあり、管理が難しい、または費用がかかるといった理由で放置されてしまうケースも少なくありません。実際に空き家放置の問題は単なる個人の問題にとどまらず、周辺の環境や地域社会にも大きな影響を与える深刻な課題として捉えられています。

空き家を放置する主なリスク

リスクの分類主な影響・トラブル発生するデメリット
建物・敷地の劣化屋根・外壁の落下の危険、草木の繁茂事故発生時の高額な損害賠償責任
衛生・環境悪化害虫・害獣(ネズミ・ハクビシン等)の発生悪臭や騒音による近隣住民とのトラブル
治安・防犯悪化不法侵入、ゴミの不法投棄、放火地域治安の悪化と犯罪被害
税金・行政処分固定資産税の住宅用地特例解除、強制撤去負担税額の激増(最大約6倍)と解体費用負担

空き家をそのまま放置しておくと、建物の老朽化だけでなく、周囲の環境やコミュニティにも大きな影響を与えることになります。長期間放置された空き家は、屋根や外壁が劣化し、最悪の場合、破損して周囲に危険を及ぼす可能性もあります。もしその被害が近隣に広がれば、修繕費用だけでは済まず、損害賠償問題に発展することもあるでしょう。

また、空き家が害虫や害獣の巣となることもあり、近隣住民の生活環境に深刻な影響を与えることになります。さらに、放置されていることで不法侵入や放火といった犯罪が発生するリスクも増加。加えて、特定空家等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増加する可能性があります。

そのため、経済的にも大きな負担がかかります。こうしたリスクを避けるためには、空き家を放置せず、定期的な巡回や活用方法を考えることが非常に重要です。

老朽化・倒壊の危険性と損害賠償リスク

空き家を放置して老朽化が進むと、屋根材の飛散や外壁の剥落が起き、周囲へ危害を及ぼす危険性が高まります。特に台風や地震などの自然災害時には、建物が一気に倒壊するリスクを孕んでいます。

万が一、落下物や倒壊によって第三者に怪我をさせたり近隣家屋を損壊させたりした場合、所有者は民法第717条(土地工作物責任)に基づき、巨額の損害賠償責任を負うことになりかねません。こうした重大な事故や近隣トラブルを未然に防ぐには、手遅れになる前の定期的な点検と早期の補修が何より重要です。

害虫・害獣の発生と近隣への迷惑問題

空き家は通気が悪く、清掃が行き届かないことで、ネズミやゴキブリなどの害虫や、ハクビシンやタヌキといった害獣が住みつくことがあります。これらの害虫や害獣は、衛生環境を悪化させるだけでなく、騒音や臭いも発生させるため、近隣住民とのトラブルを引き起こす原因となりかねません。定期的な巡回と清掃を行うことで、こうした問題を未然に防ぎ、周囲との良好な関係を守ることができます。

不法侵入や放火などの治安リスク

無人の空き家は防犯上の死角となりやすく、犯罪の標的にされる危険性があります。ゴミの不法投棄や建物・備品の破損にとどまらず、敷地内への不法侵入や、最悪の場合は放火事件へと発展する恐れも否定できません。

こうしたトラブルは地域全体の治安悪化を招くだけでなく、周辺住民の生命や安全を脅かす重大な事態につながります。空き家を保有し続ける場合は、防犯対策を講じるとともに、定期的な巡回と点検で「管理されている状態」を保つことが不可欠です。

特定空家等指定による税金・罰則面のデメリット

管理が不十分な空き家が「管理不全空家」や「特定空家」に指定され、自治体から改善の「勧告」を受けると、固定資産税の減額措置(住宅用地特例)が解除されます。その結果、土地にかかる税負担が実質約6倍へと激増してしまいます。

さらに行政からの命令に従わず放置を続けた場合、自治体が強制的に建物を解体する「行政代執行」が実施され、それに伴う高額な解体費用はすべて所有者に全額請求されます。こうした手遅れの事態を防ぐためにも、指定を受ける前の段階から適切に管理・処分を進めることがきわめて重要です。

空き家管理と法的な位置づけ:特定空家等・管理不全空家等

「POINT」と書いてあるブロックとノートのイメージ

2015年に施行された空家等対策特別措置法に基づき、空き家は適切に維持管理しなければならないという法的義務があります。管理が不十分であれば、行政からの指導や命令、最終的には行政代執行などの処分を受けることがあります。

⚠️放置空き家がペナルティを受けるまでの流れ
1 放置・管理不全な状態

窓の破損、草木の繁茂、雨漏りなどの放置により近隣環境へ悪影響が発生。

2 「管理不全空家」に指定・指導

行政から改善の指導が入る。対応しない場合、勧告へ移行。

3 行政からの「勧告」:税金約6倍

固定資産税の住宅用地特例(減額措置)が解除され、税金負担が激増。

4 「特定空家」指定・命令・強制撤去

倒壊の危険等により特定空家に指定。命令違反で50万円以下の過料、最終的には行政代執行(費用は全額所有者請求)。

最近の法改正で、「特定空家等」の前段階として「管理不全空家等」という新しい区分が設けられました。これは管理が不十分なものの、特定空家等ほど深刻ではない段階ですが、行政からの再三の指導を無視すると、特定空家等に指定されるリスクがあります。

管理責任を怠ると、固定資産税の住宅用地特例の解除をはじめ、さまざまな経済的リスクを引き起こす可能性があります。適切に管理するためには、所有者自身が定期的に訪問するか、専門業者に巡回を依頼する方法があります。どちらの場合でも、建物内部だけでなく敷地周辺も確認し、必要な修繕や害虫駆除を速やかに行うことが求められます。

特定空家等に指定される基準と流れ

特定空家等の指定は、建物の老朽化の程度や周囲への危険性、適切な管理がされていない状態など、いくつかの基準を総合的に判断して行われます。行政は最初に助言や指導を行い、所有者に改善の機会を与えます。

しかし、それでも改善が見られない場合には、特定空家等として正式に指定されます。指定されると、税負担が増加するだけでなく、行政代執行などの法的措置が取られることになり、早期の対応が重要です。

空家等対策特別措置法における行政処分と罰則

所有者が空き家を適切に管理せず放置し続けると、最悪の場合、行政代執行が行われることになります。この場合、代執行にかかる費用は後日所有者に請求され、行政不服審査法や行政事件訴訟法に基づく手続きで争うことも可能ですが、基本的には所有者が負担することになります。空き家を放置した結果としてかかるコストが予想以上に大きくなることがあります。

空き家の放置によるトラブルを避けるためにも、空家等対策特別措置法の趣旨をしっかり理解し、早めに対策を講じることが肝心です。

空き家を放置しないための4つの対策

家と人、「NOW?」「FUTURE?」と黒板に書いてあるイメージ

空き家の問題を早期に解決するためには、状況に応じた適切な選択と迅速な行動が必要です。まず実践的な対策として、定期的に建物の状態をチェックし、老朽化が進む前に修繕を行うことが挙げられます。

また、空き家を放置するのではなく、早めに売却や買取を検討することで、改修費用や管理費用の負担を減らすことができます。収益化を考える場合は、リフォームや賃貸経営のメリット・デメリットをしっかりと検討し、経済的な効果を最大化することが大切です。

もし建物自体の維持が困難な場合は、解体して更地にするのも選択肢のひとつ。これも空き家放置を避けるための有効な手段です。解体費用は一度の大きな支出となりますが、倒壊リスクや有害生物の発生を防ぎ、長期的に維持管理コストを抑えることにもつながります。所有者の状況や地域の特性を踏まえて、最適な対策を選ぶことが必要です。

1. 定期的な維持管理と巡回点検

建物の外壁や屋根、床下などは定期的に点検し、破損や雨漏りが見つかれば早期に修繕することが基本です。できれば月に一度、最低でも数ヵ月に一度は現地を訪れることで、害虫の発生や不法侵入を防ぐことができます。定期的な点検を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぎ、最終的には維持費の削減にもつながるでしょう。

2. 売却や買取による早期処分

空き家を所有しているものの、活用の見込みがない場合は、不動産会社に売却相談をするか、買取業者に依頼する方法があります。市場に出すまでの手間や、売却後に得られる資金の活用など、さまざまなメリットが期待できます。売却という選択肢は、所有者が長期的な管理負担から解放されるため、非常に有効な手段となるでしょう。

3. リフォームや賃貸活用による収益化

リフォームして賃貸物件として活用すれば、家賃収入を得るとともに、建物の価値を維持することができます。たとえば古民家の場合、内装を改修して宿泊施設やカフェとして新たなビジネスに転換することも可能です。収益化を実現するためには、ターゲット市場や需要を理解したうえで、適切な活用方法を選ぶことが鍵となります。

4. 解体して更地にする

維持管理が困難なほど老朽化が進んでいる場合、解体して更地にするのも合理的な選択肢。更地にすると、固定資産税の優遇措置が外れることがありますが、倒壊や火災のリスクを大幅に減らせるという大きな利点があります。

解体後の土地は、駐車場や資材置き場として活用できるほか、将来的に売却や新たなビジネス展開にも適した土地となる可能性が広がります。長期的な視点での有効活用が期待できるのも魅力です。

相続した空き家への対応ポイント

家を受け渡し相続するイメージ

相続で空き家を取得した際は、「相続登記」「活用・処分の方向性決定」を速やかに進めるのが鉄則です。2024年4月からの相続登記義務化により、取得を知ってから3年以内に申請を行わないと10万円以下の過料対象となります。特に遠方の物件や複数人での共有相続は管理が途絶えやすく、固定資産税の激増や近隣トラブルに直結するため、早めのアクションが欠かせません。

相続放棄や国庫帰属などの選択肢

維持管理や修繕の負担を避けたい場合は、以下の手放し方を検討しましょう。

  • 相続放棄:相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する(すべての遺産を放棄)
  • 相続土地国庫帰属制度:建物を解体して更地にするなどの要件を満たし、審査・負担金を納付して国に引き取ってもらう
  • 早期の売却・買取:不動産会社や買取業者を挟み、管理の手間ごと手放す

老朽化が激しく活用が難しい物件は、所有し続ける将来コストと天秤にかけ、早い段階で処分を決断することが賢明です。

遺言・相続手続きとの兼ね合い

相続人同士のトラブルを防ぐには、遺言書の有無の確認と「遺産分割協議」による合意形成が必須です。誰が管理責任を負い、最終的に売却・活用のどちらを選ぶのかを早急に話し合いましょう。協議が難航して放置されると、名義変更すらできず「管理不全空家」としてペナルティを受けるリスクが高まります。まとまらない場合は家庭裁判所の調停等を活用し、速やかに権利関係を整理しましょう。

管理維持と活用で注意すべき点

相続直後は現地を訪れ、雨漏り・シロアリ・草木の繁茂など、建物の劣化状況を早急に点検します。もしリフォームして賃貸や事業用として活用する場合は、かかる改修費用に対して十分な収益(家賃収入など)が見込めるか、費用対効果を厳密に見極めることが成功の鍵となります。

空き家活用の具体例:地域やビジネスへの展開

放置された空き家は「負の遺産」ではなく、アイデア次第で収益や地域活性化を生み出す「価値ある拠点」へと生まれ変わります。個人の収益化から自治体・NPOと連携した社会貢献まで、空き家活用の代表的な3つのアプローチをご紹介します。

💡空き家活用の3大スタイルと具体例
🏬事業活用(収益化・集客)
・ ゲストハウス・民泊への転用

伝統建築の趣を活かした宿泊体験を提供し、観光客を誘致。(※住宅宿泊事業法等の法規制確認が必要)

・ 店舗・カフェへの改修

地場食材や体験イベントと連携し、地域のにぎわいを生む集客拠点として再生。

🏘️地域転用(交流・居住)
・ 多目的コミュニティ拠点

子育てサロンや高齢者の憩いの場など、住民同士の多世代交流スペースとして活用。

・ シェアハウス

水回りを一新し、単身者や移住者が手軽に入居できるコミュニティ型の住まいを提供。

🤝社会貢献(地域インフラ化)
・ 福祉・子育て支援拠点

子ども食堂や学習支援、デイサービスなど、地域課題を解決する施設として運用。

・ 移住体験住宅

自治体と連携してお試し移住の拠点を整備し、地方創生と人口流入に貢献。

🏠空き家放置に関するよくある質問
Q. 誰も住んでいない空き家を放置すると固定資産税はどうなりますか?
行政から「管理不全空家」または「特定空家」に指定されて勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。その結果、土地にかかる固定資産税が実質的に約6倍に激増します。
Q. 遠方にあって管理できない空き家はどのように処分すべきですか?
不動産の売却・買取を検討するか、空き家活用サービスを利用して賃貸物件として収益化する方法があります。自己負担を抑えてリノベーションし、借り手を募集するサポートサービスを活用するのも有効です。
Q. 相続した空き家を放置しておくとどんな法的な問題がありますか?
2024年4月より相続登記が義務化されており、取得を知ってから3年以内に登記を行わないと10万円以下の過料対象となります。また、倒壊などで近隣に損害を与えた場合は所有者に巨額の損害賠償責任が発生します。

まとめ

空き家を放置すると、建物の老朽化や防犯リスクだけでなく、税金の激増(約6倍)や行政処分といった大きな経済的損失につながります。手遅れになる前に「定期管理」「売却」「解体」「賃貸・事業活用」などの具体的な対策を踏み出すことが重要です。

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この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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