公開日:2026.05.30 更新日:2026.04.27
NEW住宅査定とは?相場の調べ方や評価ポイント、失敗しないコツを解説
住宅査定とは、不動産会社が物件の状態や市場動向に基づき、「おおむね3ヶ月以内に売却できると予想される価格」を算出することです。査定方法には「机上査定」と「訪問査定」があり、依頼のしやすさだけでなく、算出根拠の透明性や価格の精度に大きな違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴とあわせて、スムーズに進めるためのポイントを解説。住宅の査定で評価されるポイントや失敗しない進め方などにも触れていきます。
目次
住宅査定とは?

「この家はいくらで売れるんだろう…」マンションや一戸建ての売却や住み替えを検討する際、そんな疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。なかには、売却価格を見てから売るかどうかを判断したいと考えている方もいるはずです。
住宅査定とは、立地や築年数、面積、周辺の成約事例などをもとに、いまの市場でどの程度の売却価格が見込めるのか、目安となる査定価格を把握することを指します。実際に売り出す際の「売り出し価格」は、この査定価格をベースに、住み替え時期や希望利益を考慮して売主自身が決定します。
この価格は、購入希望者の集まりやすさや成約のしやすさに大きく影響するため、価格設定が相場から乖離すると、売却期間の長期化や機会損失につながるため注意が必要です。
ただし、査定価格はあくまで参考値。仲介か買取かといった方法や相場の動きによって最終的な売却価格は変わることを念頭に置いておきましょう。
住宅査定の種類
不動産会社が行う査定には大きく分けて2つの種類があります。1つは机上査定、もう1つは訪問査定で、どちらも無料で依頼できます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
| 比較項目 | 机上査定 | 訪問査定 |
| 向いている人 | まず相場を知りたい人/売却検討初期の人 | 本格的に売却したい人/価格を正確に知りたい人 |
| 特徴 | データ(成約事例・相場)をもとに概算算出 | 現地確認をもとに詳細に査定 |
| 精度 | やや低め(目安レベル) | 高い(実際の売却価格に近い) |
| スピード | 早い(即日〜数日) | やや時間がかかる(訪問・調査あり) |
| メリット | 手軽に依頼できる/複数社比較しやすい | 売り出し価格の設定に使える/戦略提案が受けられる |
| 注意点 | 実際の売却価格と差が出る可能性あり | 日程調整や立ち会いが必要 |
①机上査定(簡易査定)
机上査定とは「簡易査定」とも呼ばれ、物件の立地や築年数、面積、周辺の成約事例などのデータをもとに、査定価格を概算で算出する方法です。
現地確認を行わないためスピード感があり、早ければ当日〜数日で結果が分かることが一般的です。ただし、室内の状態やリフォーム履歴などは反映されないため、実際の売却価格とは差が出る可能性もあります。
②訪問査定
訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、室内外の状態や日当たり、周辺環境などを確認したうえで査定価格を算出する方法です。
机上査定よりも精度が高く、より現実的な売却価格に近い目安が得られます。査定結果が出るまでには数日から1週間程度かかります。
査定をしてもらう場合、日程調整や立ち会いの手間が発生します。
住宅査定の精度と「査定額=売却額」ではない理由
住宅査定の精度は、周辺の成約事例や現在の市場動向、建物状態によって左右するため、同じエリアなのに査定価格が違うと感じるケースも少なくありません。
特に空き家や築年数が古い物件では、劣化状況や需要の低さが影響し、机上査定と訪問査定で価格差が広がることもあります。また、仲介と買取では前提となる売却価格の考え方が異なるため、結果に差が出やすい点にも注意が必要です。
査定価格はあくまで目安と捉え、複数の結果を比較しながら相場感をつかむことをおすすめします。
住宅の査定で評価されるポイント

住宅の査定では、価格を左右する評価ポイントが複数あります。ここからは、それぞれのポイントについて、どのような評価軸でチェックしているのかを詳しく見ていきましょう。
査定のポイント①建物や設備の状態
住宅査定では、建物の築年数や外観・内装の状態が査定価格に大きく影響します。一般的に築年数が浅いほど評価は高くなり、外壁や屋根の劣化が少ない、定期的な修繕が行われているといった点もプラス要因です。
さらに、間取りの使いやすさや生活動線の良さ、省エネ設備や最新のセキュリティ機能なども、売却価格を押し上げる要素になります。
雨漏りやシロアリ被害、設備の老朽化などはマイナス評価につながりやすく、特に空き家や築古物件では査定価格に差が出やすいポイントです。
なお、清掃の状態がそのまま査定額に反映されることはあまりありませんが、「大切に使われてきたか」という印象には影響するため、適度に整えておくことをおすすめします。
査定のポイント②土地の特性
建物だけでなく土地の特性も査定価格を左右する重要な要素です。たとえば、南向きで日当たりが良い、整形地で使いやすい形状、眺望が良いといった条件は、購入希望者からの人気が高く、売却価格にもプラスに働きやすい傾向があります。また、マンションの場合は角部屋や高層階など、採光や開放感に優れた条件も評価されやすいポイントです。
北向きで日当たりが限られる土地や、不整形地・旗竿地、傾斜地などは、使い勝手や将来的な活用に制約が出やすく、査定価格に影響が出ることもあります。都市計画法や建築基準法(建ぺい率・容積率、再建築不可の有無など)の法的制限は、価格を決定づける極めて重要な要素です。
査定のポイント③立地条件
立地条件も売却価格を大きく左右する評価ポイントです。駅やバスなど公共交通機関へのアクセスが良いエリアや、医療機関・教育施設・商業施設が近いなど生活利便性が高い環境は、買い手の需要が高く、査定価格にもプラスに働きやすい傾向があります。また、閑静な住宅街にある物件も、落ち着いた住環境を求める層から評価されやすいポイントです。
最寄り駅までの距離が長い(徒歩20分以上)、騒音や振動のある幹線道路沿いといった条件は、査定価格にマイナスに影響しやすい要因です。また、物理的瑕疵(雨漏り・シロアリ等)や心理的瑕疵(事故物件など)、環境的瑕疵がある場合は、契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を踏まえ、売主には正直に告知する義務があります。
査定のポイント④法的・管理面
建物や立地だけでなく、法律や管理の状態も重要なチェックポイントです。たとえば、隣地との境界が明確であることや、建物・共用部分の管理状態が良好である場合は、取引の安全性が高く評価され、査定価格の安定要因となります。
越境物の存在や再建築不可といった法的制限、近隣トラブル、相続登記が未了の場合、不動産会社は査定はできますが、売買契約や所有権移転登記を行うことはできません。2024年4月からの相続登記義務化により、放置すると過料の対象となるリスクもあります。
2024年からの相続登記義務化も踏まえ、こうした課題がある場合は早めに専門家へ相談し、事前に整理しておくことが重要です。
住宅査定で失敗しないために。やってはいけないこと7選

住宅査定は最初の一歩ですが、進め方を間違えると売却価格や手取り額に大きな差が出ることもあります。よくある失敗を事前に知り、後悔のない売却につなげましょう。
①下調べをせずに査定依頼をする
相場を知らずに査定を受けると、提示された査定価格が高いのか低いのか判断できません。
売却予定の物件と条件が近い事例をもとに相場を把握しておくことで、提示された査定額が適正かどうか判断しやすくなります。価格に差がある場合は、その理由や根拠を不動産会社に質問できます。
特に築年数やエリアによって売却価格は大きく変わるため、事前に成約事例などをチェックしておくことが大切です。
②1社のみに査定依頼する
1社だけの査定は、その価格が適正かどうか判断できないためおすすめできません。
適正な相場を把握せずに売り出してしまうと、本来よりも低い価格で売却してしまうリスクがあります。反対に、市場価格より高く設定すると買い手がつきにくく、結果的に値下げを余儀なくされるケースもあるでしょう。
こうしたミスマッチを防ぐためにも、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格の妥当性を見極めましょう。
③査定額だけで不動産会社を決める
高い査定価格を提示されたからといって、必ずしも高く売れるとは限りません。なかには契約を取るために高めの査定を出すケースもあります。
査定額だけでなく、販売戦略や担当者の対応も含めて総合的に判断することが重要です。
④スケジュールを立てずに売り出す
売却には一定の期間がかかるため、スケジュールを立てずに進めると、希望通りに売れないリスクがあります。
マンション・戸建てどちらも平均で2カ月以上は売却成立までにかかることを念頭に置き、余裕を持ったスケジュール設計を心がけましょう。
⑤売却にかかる経費を把握せずに売り出す
仲介手数料や税金など、売却にはさまざまな費用が発生します。例えば、下記のようなものがあります。
・仲介手数料
・ローンの繰上げ返済手数料
・抵当権抹消費用
・印紙税
・譲渡所得税
・解体費用
・ハウスクリーニング費用
・残置物処理費用
売却後までの流れをシミュレーションし、資金計画を立てておくことをおすすめします。
⑥独断で家を解体・リフォームする
きれいにした方が高く売れると自己判断し、解体やリフォームを行うのはおすすめしません。お風呂やキッチン、外壁などを全面的にリフォームする場合、数百万円規模の費用がかかるケースも珍しくありません。
費用をかけても売却価格に反映されないケースも多く、結果的に損をする可能性があります。
⑦仲介と買取の違いを理解しないまま不動産会社を決める
仲介と買取では、売却価格やスピード、手取り額が大きく異なります。違いを理解せずに選ぶと「思ったより安かった…」「もっと早く売れたのに…」と後悔してしまうことも。目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
仲介と買取で査定価格は違う
住宅査定では、仲介価格(市場で販売した場合の想定価格)と、買取価格(不動産会社が直接購入する価格)で金額に差が出ます。
| 比較項目 | 仲介(市場販売) | 買取(業者直接購入) |
| 査定価格の水準 | 市場相場に近い価格 | 相場の6〜8割程度が目安 |
| 手取り額 | 仲介手数料がかかるが高くなりやすい | 手数料不要だが価格は低め |
| 売却スピード | 買主を探すため時間がかかる | 短期間で売却・現金化が可能 |
| 売却の確実性 | 市場状況に左右される | ほぼ確実に売却できる |
| 向いているケース | 高く売りたい/時間に余裕がある | 早く売りたい/手間をかけたくない |
一般的に買取価格は仲介より低めになりますが、「早く確実に売りたい」「手間を減らしたい」という方には適した選択肢です。反対に、時間に余裕があり少しでも高く売りたい場合は仲介が向いています。
まずは売却方法別の価格を把握する

前段で触れた通り、住宅査定では、仲介ならいくらか、買取ならいくらかを比較することが重要です。価格差を知らずに判断すると、本来得られた利益を逃す可能性があります。具体的なイメージを持つために、シミュレーションで違いを確認してみましょう。
【シミュレーション】不動産売却では仲介と買取、どっちがおすすめ?
では実際に、どれくらい手取り額に差が出るのかを見ていきましょう。ここでは、5,000万円で成約したケースを前提に比較します。
5,000万円の物件価格(成約価格)から仲介手数料を引いた場合
仲介では、売却価格から仲介手数料が差し引かれます。
▼仲介手数料(上限額)
(物件価格 × 3% + 6万円)+ 消費税
▼今回のケース(5,000万円)
171万6,000円
▼手取り額
5,000万円 - 171万6,000円
= 約4,828万4,000円
費用は発生しますが、市場で買主を探すため、相場に近い価格での売却が期待できるのが特徴です。
5,000万円の物件を買取で売却する場合の相場(目安)
買取では、不動産会社が直接購入するため、市場価格より低い水準での査定価格となるのが一般的です。
▼買取価格の目安
市場価格の6〜8割程度
▼今回のケース(5,000万円)
約3,000万〜4,000万円
▼手取り額
仲介手数料がかからないため、
= 約3,000万〜4,000万円
仲介と比べると手取り額は低くなりますが、短期間で確実に売却できる点が大きな特徴です。
売却方法別価格を確認できる「空き家のコタエ」
「空き家のコタエ」では、個人売買価格・三為取引価格・業者買取価格など、売却方法ごとの価格目安をまとめて確認できます。単一の査定額だけでなく、「どの方法ならいくらになるのか」を比較できるのが特徴です。価格とスピード、どちらを重視するか考えるときのヒントとして役立ちます。
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早期売却・築古対応なら「アキサポ空き家買取サービス」
できるだけ早く手放したい、築年数が古く、仲介での売却に不安がある、 手を入れずそのまま売りたい……そんな場合は、アキサポの空き家買取サービスも選択肢のひとつとしておすすめです。仲介手数料がかからず、現状のままでの買取にも対応。スピード感を重視したいときにも、負担を抑えながら進めることができます。
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まとめ|住宅査定で知っておきたい判断のコツ
住宅査定は、納得のいく売却につなげるための大切な起点となります。査定の種類を理解し、仲介と買取の違いを比較しながら、最終的には手取り額で判断することが重要です。
価格の目安を知りたい場合は「空き家のコタエ」、具体的に売却を進めたい場合は「アキサポ空き家買取サービス」なども参考にしながら、自分に合った進め方を選んでいきましょう。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。