公開日:2026.06.28 更新日:2026.05.29
NEW年収別・買える家の目安と資金計画の立て方!住宅ローンで苦しまない家選びとは?
マイホームの購入を検討する際、多くの方が最初に直面するのは「自身の現在の年収で、一体いくらくらいの家が買えるのか」という疑問です。年収倍率や住宅ローンの借入可能額を見れば大まかな目安は分かりますが、それだけで予算を決めてしまうと、購入後の返済が家計を圧迫する恐れがあります。
家選びで大切なのは、金融機関が貸してくれる金額ではなく、毎月の生活費や将来の支出を踏まえて無理なく返せる金額から予算を考えることです。教育費や車の維持費、修繕費、固定資産税なども含めて見ておけば、住宅ローンに追われるリスクを減らせます。
この記事では、年収別に買える家の目安を整理しながら、返済負担率や頭金、諸費用、住宅ローンの考え方まで解説します。購入後も生活に余裕を残すために、資金計画の立て方を確認していきましょう。
目次
自分の年収で買える家はいくら?適正予算を導く2つの指標

住宅購入の予算は、年収をもとに大まかな上限を出したうえで、毎月の家計に落とし込む手順で考えていきます。そこで覚えておきたいのが、購入価格の大まかな目安をつかむための指標の「年収倍率」と、家計に対する負担具合を知るための「返済負担率」という考え方です。
ここでは、この2点を解説したうえで、最終的に予算を決めるために重要な考え方をまとめていきます。
年収倍率とは?目安は年収の5〜7倍
年収倍率とは、住宅価格や借入額が年収の何倍にあたるかを示す指標です。たとえば年収500万円で3,000万円の家を買う場合、年収倍率は6倍になります。
一般的には年収の5〜7倍がひとつの目安とされますが、これはあくまで候補価格を絞るための大まかな基準です。同じ年収倍率でも、金利や頭金の額、家族構成、車の有無によって返済の負担感は変わります。
そのため、年収倍率だけで予算を決めるのは避けたほうがよいでしょう。まずは購入価格の目安をつかみ、その後に毎月の返済額や維持費まで含めて無理がないか確認する流れが現実的です。
返済負担率とは?目安は年収の25〜30%以内
返済負担率は、年間返済額が年収に対してどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。年収500万円で年間返済額が125万円の場合、返済負担率は25%になります。
一般的に返済負担率は25〜30%以内が安全圏とされていますが、実際の許容度は個々の家計構造やライフステージによって大きく異なります。子育て中で教育費が増えやすい家庭や、車が必須の地域に住む家庭では、20〜25%程度に抑えたほうが余裕を残しやすくなります。
また、返済は額面年収ではなく手取り収入から支払うものです。年収ベースの数字だけで判断せず、手取りに対して住宅費がどれくらい占めるかを確認すると、購入後の生活をより具体的にイメージできます。
借入可能額ではなく「返せる額」で考える
住宅ローンは、借りられる金額ではなく、無理なく返せる金額を基準に考えましょう。金額いっぱいまで借りると、生活費や貯蓄に回せるお金が少なくなるかもしれません。
具体的な額を知るには、まず、毎月の手取り収入から生活費や教育費、保険料、車の維持費、貯蓄に回したい金額を差し引き、住宅ローンに充てられる上限を確認しましょう。その金額から逆算すると、家計に合った借入額が見えてきます。
なお、変動金利を選ぶ場合は、将来の返済額が増える可能性もあります。共働き世帯であれば、片方の収入が減ったときでも一定期間は返済できるかを見ておくと、購入後の不安を減らしやすくなります。
自己資金・頭金と住宅ローンの関係

住宅購入時の頭金とローン返済額はどのように考えたらよいでしょうか?頭金を入れれば借入額を減らせるため、毎月の返済額を抑えやすくなります。金利上昇や収入減があった場合でも、借入額が少ないほど家計への負担は軽くなります。
ただし、借入総額を減らしたいがために頭金を拠出しすぎ、手元の流動性資金(現金キャッシュ)を枯渇させることは極めて危険です。物件の引渡し前後には、転居費用や家具・家電の購入費だけでなく、予期せぬ初期費用が発生するため、生活防衛資金を残したうえで頭金を決めましょう。
頭金は、購入価格の1〜2割を目安に考えられることが多いです。たとえば3,000万円の家なら、300万〜600万円程度を用意するイメージになります。ただし、頭金は多ければよいというものではありません。手元資金をすべて頭金に回してしまうと、入居後の急な出費に対応しにくくなります。
まずは生活費の数か月分を残し、さらに引っ越し費用や家具・家電、修繕費などを見込んだうえで、無理なく出せる金額を頭金に充てるのが現実的です。
購入時に現金が必要な諸費用にも注意

住宅購入時には、物件価格とは別にさまざまな諸費用がかかります。代表的な費用は、以下のとおりです。
| 費用項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社を通じて購入する場合にかかる費用 | 物件価格×3%+6万円+消費税が法定上限(400万円超の場合) |
| 登記費用 | 所有権移転登記や抵当権設定登記にかかる費用 | 20万〜50万円程度(新築・中古や軽減税率の適用有無により変動) |
| 印紙税 | 売買契約書やローン契約書に貼付する印紙代 | 1万〜3万円程度(契約価格によって変わる) |
| ローン関連費用 | 事務手数料、保証料、団体信用生命保険に関する費用など | 借入額の2%前後、または数万〜数十万円程度 |
| 火災保険料・地震保険料 | 火災や地震による損害に備えるための保険料 | 3万〜10万円程度 |
| 不動産取得税 | 不動産を取得したあとに発生する税金 | 数万〜数十万円程度 |
諸費用の金額は物件の種類や契約条件によって変わりますが、物件価格の数%〜1割程度を見込んでおくと考えやすくなります。中古住宅や仲介物件では費用がかさみやすいため、早めに概算を確認しておきましょう。
【年収別シミュレーション】あなたの年収で買える家はいくら?住宅ローンの借入目安額一覧
ここでは年収別に無理なく返済できる目安として、返済負担率を年収の20〜25%程度に抑え、金利1.5%・35年返済・ボーナス返済なしで借りた場合の目安額を紹介します。実際に買える価格は、頭金の有無や金利、年齢、他のローン、家族構成によって変わるため、あくまで検討時のたたき台として見てください。
| 年収 | 月々返済の目安 | 借入額の目安 | 家選びの考え方 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約5.0万〜6.3万円 | 約1,600万〜2,000万円 | 中古・郊外・コンパクトな物件を中心に検討 |
| 400万円 | 約6.7万〜8.3万円 | 約2,200万〜2,700万円 | 頭金と諸費用を確保し、価格を抑えて選ぶ |
| 500万円 | 約8.3万〜10.4万円 | 約2,700万〜3,400万円 | 住宅ローン以外の維持費も含めて比較する |
| 600万円 | 約10.0万〜12.5万円 | 約3,300万〜4,100万円 | 教育費や車の維持費を見込み、余裕を残す |
| 800万円 | 約13.3万〜16.7万円 | 約4,400万〜5,400万円 | 物件価格だけでなく保有コストも確認する |
| 1,000万円 | 約16.7万〜20.8万円 | 約5,400万〜6,800万円 | 高額物件でも返済負担率を上げすぎない |
年収300万円で買える家の目安
年収300万円の場合は、毎月返済を5万〜6万円台に抑えると家計に余裕を残しやすくなります。借入額の目安は1,600万〜2,000万円程度です。
新築一戸建てや新築マンションのみを選択肢とするのではなく、市場に流通している優良な中古住宅、インフラの整った郊外エリアの物件、あるいは専有面積を抑えたコンパクトな間取りまで視野を広げることで、資産価値と居住性のバランスが取れた現実的な選択肢を抽出できます。
年収400万円で買える家の目安
年収400万円の場合は、2,000万円台前半から後半の借入額がひとつの目安です。子育てや車の維持費が重なると家計の余裕が減りやすいため、返済負担率はやや低めに見ておくと安心です。頭金と諸費用を確保したうえで、購入後の固定費まで含めて判断しましょう。
年収500万円で買える家の目安
年収500万円では、2,700万〜3,400万円程度の借入額が検討しやすい範囲です。ただし、マンションなら管理費や修繕積立金、戸建てなら将来の修繕費も必要になります。物件価格だけで比べるのではなく、毎月の住居費全体で無理がないか確認することが大切です。
年収600万円で買える家の目安
年収600万円の場合は、3,000万円台から4,000万円前後の物件も視野に入ります。ただし、教育費や車の買い替え、保険料などの支出が増える時期と重なると、返済に余裕がなくなることがあります。先に貯蓄や予備費を確保し、そのうえで払える返済額から逆算しましょう。
年収800万円で買える家の目安
年収800万円になると、4,000万〜5,000万円台の物件も検討しやすくなります。とはいえ、都市部のマンションでは管理費・修繕積立金・駐車場代が毎月の固定費として重くなることがあります。ローン返済額だけでなく、固定資産税や将来の維持費も含めて判断しましょう。
年収1,000万円以上で買える家の目安
年収1,000万円以上でも、返済負担率を上げすぎると家計が厳しくなることがあります。高額物件を選びやすい一方で、教育費や資産運用、将来の住み替えなども考える必要があります。借入額を増やすより、手元資金と将来の選択肢を残せる価格帯を意識しましょう。
ライフスタイル別|単身(独身)・共働き世帯の家の選び方とリスク

同じ年収でも、単身・共働きでは、収入におけるリスクや負担が異なります。たとえば、単身は収入源が1つに限られるため、病気や転職で収入が下がったときの影響を受けやすく、共働きは出産や育休、時短勤務などで収入が減る可能性があります。
ここでは、それぞれのメリット・デメリット、注意点を見ていきましょう。
単身(独身・シングルマザー)で家を買うポイント
単身で家を買うメリットは、自分の収入や暮らし方に合わせて、物件の場所や広さを決めやすいことです。将来の住み替えや老後の住まいを見据えて、早めに持ち家を確保したい人にとっても選択肢になります。
一方で、収入源が1つに限られるため、病気や転職、休職などで収入が下がると、住宅ローンの返済に影響が出やすい点には注意が必要です。
単身で物件を購入する場合は、万が一の収入減に備えて返済負担率を低水準に抑え、生活防衛資金(現金)を厚めに確保しておくのが鉄則です。また、将来の結婚や転勤、住み替えによる「売却(リセール)」や「第三者への賃貸(資産運用)」の可能性も視野に入れ、駅徒歩分数が短く資産価値が落ちにくい物件(リセールバリューの高い物件)を選定しておくことが重要です。
世帯年収・収入合算の考え方と注意点
共働きで家を買うメリットは、世帯年収をもとに借入額を増やしやすく、選べる物件の幅が広がることです。収入合算やペアローンを活用すれば、単独では届きにくい価格帯の物件も検討しやすくなります。
ただし、2人分の収入を前提に借りすぎると、出産や育休、時短勤務、転職などで世帯収入が下がったときに返済が重くなる恐れがあります。共働きで住宅ローンを組む場合は、片方の収入が減っても一定期間は返済できるかを確認しておきましょう。
また、ペアローン(単独債務×2名)や連帯保証・連帯債務による収入合算を行い、物件を「共有名義(共有持分)」にする場合は細心の注意が必要です。将来の離婚による財産分与や、一方の死亡による相続が発生した際、民法上の共有物の処分(民法第251条)や持分の譲渡に関する法的制限、および住宅ローン契約(金消契約)上の規約違反リスクが絡み、所有権の処理が著しく困難になる民事トラブルが多発しています。
住宅ローン選びのポイント

住宅ローンは、金利タイプと借入期間によって、毎月の返済額や将来の負担が変わります。月々の返済が軽く見えるローンでも、金利上昇や完済時期によっては、後から家計を圧迫する可能性があります。
そのため、住宅ローンを選ぶときは「今いくら払えるか」だけでなく、金利が上がった場合や退職後まで返済が残る場合も想定しておくことが大切です。
ここでは、変動金利・固定金利の違いと、完済時年齢を踏まえた借入期間の考え方を見ていきましょう。
変動金利・固定金利の違い
変動金利と固定金利の違いは、将来の金利変動によって返済額が変わるかどうかです。変動金利は金利情勢に応じて返済額が変わる可能性があり、固定金利は借入時に決めた金利が一定期間または完済まで固定されます。
変動金利は、固定金利よりも当初の金利が低く、月々の返済額を抑えやすいのがメリットです。ただし、将来金利が上がると返済額や利息負担が増える可能性があるため、増額分を家計で吸収できる余裕が必要になります。
固定金利は、返済額が原則として一定になり、長期の見通しを立てやすい点がメリットです。一方で、変動金利より当初の返済額が高くなりやすいため、安心を取る分、毎月の負担は重くなることがあります。
完済時年齢と借入期間の決め方
借入期間を長くすると、毎月の返済額を抑えやすくなります。ただし、返済期間が長いほど利息の総額は増えやすく、完済時期が退職後にずれ込む可能性もあります。
そのため、住宅ローンを組むときは、月々の返済額だけでなく、何歳で完済するかも確認しましょう。退職後まで返済が残ると、年金や貯蓄からローンを支払う必要が出てくるため、老後資金に影響するおそれがあります。
また、子どもの進学時期や車の買い替えなど、支出が増えるタイミングと返済が重なるかも見ておきたいところです。借入期間は長くしすぎず、必要に応じて繰上返済も検討できる余裕を残しておくと安心です。
将来の収入変動を見据えた資金計画

住宅購入の資金計画は、今の年収だけでなく、将来の収入や支出の変化まで見込んで立てることが大切です。特に、以下の2点は考慮しておく必要があります。
- 教育費・車・介護など支出が増える時期を見積もる
- 5年後・10年後の年収と家計で再チェックする
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
教育費・車・介護など支出が増える時期を見積もる
住宅ローンの返済中には、教育費や車の買い替え、住宅の修繕費など、まとまった支出が重なる時期があります。特に子どもの進学や塾代、車検・買い替え費用などは、時期を見込みやすい支出です。
一方で、親の介護や病気、家電の故障などは、いつ発生するか読みにくい支出です。すべてを正確に予測することはできませんが、あらかじめ余裕を残しておけば、急な出費にも対応しやすくなります。
資金計画を立てるときは、支出が少ない時期ではなく、教育費や車の費用などが重なる時期を基準に考えましょう。家計の収支が最も逼迫するライフステージを基準に据え、その「最悪のシナリオ」でも確実に償還できる返済額にコントロールしておくことが、住宅購入後に家計破綻を未然に防ぐための鉄則です。
5年後・10年後の年収と家計で再チェックする
住宅ローンの返済計画は、購入時に作って終わりではなく、金利や収入、家族構成、保険料、税金などの変化を反映して、定期的に見直しましょう。
目安として、5年後・10年後などの節目で家計とローンの状況を確認しましょう。金利が上がっていれば借換えを検討し、貯蓄に余裕が出ていれば繰上返済を考えるなど、その時点の家計に合わせて調整できます。
大切なのは、苦しくなってから慌てるのではなく、早めに選択肢を持っておくことです。定期的に見直す前提で資金計画を立てておけば、住宅ローンに追われすぎず、暮らしに合わせた判断がしやすくなります。
まとめ|家を買う予算は「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えよう
年収別の購入目安は、家選びを始めるうえで便利な判断材料になります。ただし、年収倍率や返済負担率で出した金額はあくまで目安であり、そのまま購入予算にしてよいわけではありません。
住宅購入で大切なのは、物件価格だけでなく、頭金や諸費用、固定資産税、管理費、修繕費などを含めて考えることです。購入時は問題なく見えても、教育費や車の維持費、収入の変化が重なると、返済の負担が大きく感じられる場合があります。
そのため、住宅ローンは金融機関が貸してくれる金額ではなく、毎月の生活に無理なく組み込める金額から逆算しましょう。5年後・10年後の家計も見据えて予算を決めておけば、家を買ったあとも暮らしの余裕を保ちやすくなります。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。