2022.03.04
空き家の買取相場を調べる方法と高く売る方法

空き家を売却したい場合、なるべく高く売りたいと誰もが思うはずです。しかし、空き家の買取相場を調べるにしても、わざわざ不動産会社へ行くのは気が引けますよね。
じつは、空き家のおおよその買取相場なら、不動産屋で個別相談しなくても知ることができるのです。また、インターネットを活用すれば、空き家をより高く売却できる可能性もあります。
そこでこの記事では、不動産屋に行かずに空き家の買取相場を調べる方法と、空き家をより高く売却する方法について解説します。
空き家の買取相場と築年数の関係

皆さんは空き家の買取相場にどのようなイメージを持っているでしょうか?恐らく多くの方が「安い」とイメージすると思います。
実際のところそのとおりで、空き家は築年数が長い物件が多いことや管理状態が悪い物件が多いことから、一般的な住宅より買取相場が安い傾向にあります。
では、一般的な住宅の買取相場はどれくらいなのか。また、築年数と買取価格はどのような関係があるのか、それぞれ見ていきましょう。
一般的な買取相場は市場価格の約7割
まず、一般的な住宅の買取相場ですが、これは業界全体の相場として、市場価格の「7割」だと言われています。
例えば、個別に売りに出すと3,000万円の値が付く住宅であれば、不動産会社に買い取ってもらった場合は2,100万円になる計算です。
買取価格が安くなる主な理由は2つ、1つは不動産会社が利益分を確保するため、もう1つは不動産会社が販売する前にリフォームを行うためです。売る側からすればかなり安く感じるかもしれませんが、不動産会社が買い手を見つけるまでの手間を代行していると考えれば、妥当だと考えられるのではないでしょうか。
一戸建ての築年数と買取相場の関係
住宅の価値は総じて築年数が経つほど下がっていく傾向があります。木造一戸建て住宅ではなおさらで、国土交通省の調査「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、木造一戸建ては築後20年で価値がほぼゼロになるという結果になっています。

▼画像出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状/中古戸建住宅の価格査定の例(11P)
https://www.mlit.go.jp/common/000135252.pdf
空き家は築後数十年経過しているケースも珍しくありませんし、さらに管理状況が悪い場合では、建物自体の価値はほぼ無いと考えた方がいいかもしれません。
空き家の買取相場を調べる4つの方法

空き家の相場を調べる場合、一般的には不動産屋に査定してもらう方法がありますが、個別に相談するとかなり時間がかかりますし、資料を集める手間がかかる場合も有ります。
そこでまずは、インターネットを使って大まかな相場を調べるのがおすすめ。ここでは、簡単に調べられる方法を4つ紹介します。
匿名査定ができるサイトを利用する
不動産サイトの中には、ブラウザ上から匿名で不動産査定ができるサイトがあります。使い方は簡単で、空き家の所在地と築年数、構造などの情報を入力することで、大まかな査定価格を提示するというものです。
また、さらに具体的な査定を希望する場合は、そのまま個別査定に進むこともできます。
ただ、ここで提示される価格はかなり大雑把なため、あくまで参考として考えておきましょう。
レインズ マーケット インフォメーション
REINS Market Information(レインズ マーケット インフォメーション)とは、国土交通省指定の不動産流通機構が運営・管理する不動産取引情報サイトです。
レインズ マーケット インフォメーションには、過去に成約した不動産取引の情報が掲載されており、取引が行われた物件種別や取引価格、建物及び土地面積、築年数といった詳細なデータを得ることができます。
データは都道府県別に掲載されており、都道府県内はさらにいくつかのエリア別に区分されています。
物件を特定する写真や住所といったデータは掲載されていませんが、取引条件の具体的なデータが多数手に入る頼りになるサイトです。
レインズ マーケット インフォメーションについて詳しく知りたい方は、過去の記事「一般人がレインズマーケットインフォメーションで不動産情報を調べる方法」をご覧ください。
土地総合情報システム
土地総合情報システムとは、国土交通省が運営する、「地価公示及び地価調査データ」と「不動産取引価格のアンケート結果」を同時に調べられるサイトです。
サイトは大きく2つに区分されており、トップページから地価公示及び地価調査データか不動産取引価格のアンケート結果のどちらかを選んで閲覧します。
・地価公示及び地価調査データ 都道府県別の標準地の価格と基準地の価格を参照できる。標準地とは近隣地域の一般的用途に適合した土地を、基準地とは全国に定められた約2万地点の基準となる土地のこと。 ・不動産取引価格のアンケート結果 国土交通省が実施した土地取引状況調査に関するアンケート結果を基に、全国の不動産取引結果を掲載している。 |
より参考になるのは具体的なデータが掲載されている、不動産取引価格のアンケート結果です。近隣の条件が近い物件を探して参考にしましょう。
路線価図から調べる
土地だけの価格を調べるなら、路線価図を見る方法もあります。空き家の状況が悪い場合、建物の価値が付かない場合も考えられるため、土地単体の価格を知っておくと便利です。
路線価図とは、路線(道路)ごとに、面している宅地の1平方メートルあたりの価格を記した図です。価格の表記は1000円単位で、例えば「100」と書かれた道路に面している場合、1平方メートルあたりの単価は10万円となります。
ただ、土地が2本以上の道路に接している場合や土地が借地の場合などは算出方法が変わってきます。算出方法は路線価図のWEBサイトに掲載されています。
空き家を高く売るための3つのポイント

インターネット上で空き家の大まかな相場は調べることができますが、実際の取引価格になると、意外と相場と離れていたということもあります。
取引価格はその時々の需要によって変動しますし、買い取る不動産会社の売り方によっても変わってきます。そのため、同じ空き家でも不動産会社によって買取価格に大きな差が出ることもあるのです。
そこでここでは、空き家をできるだけ高く売るための3つのポイントを解説します。
複数の不動産会社に査定依頼をするのが基本
空き家を高く売るために一番重要なポイントが、複数の買い取り業者に査定を依頼することです。
空き家の買取価格は不動産会社によって異なるのが普通です。買取価格に100万円単位の差が出ることもよくある話で、1社だけの見積もりで売却してしまうと、高く売れるかもしれない可能性をつぶしてしまうことになります。
そのため、見積もりは最低でも平均を算出できる3社、可能であれば5社程度依頼するのが望ましいです。また、見積もりを依頼する際には、社員の対応チェックも忘れずに。特に、コミュニケーションが円滑に取れているか、内容に関する行き違いが無いかなどは重要なポイントです。
一括で見積もれる「一括査定サイト」を活用しよう
複数の不動産会社から見積もりを取る際に便利なのが「一括査定サイト」です。
一括査定サイトとは、主にWEB上から一度に複数の会社に査定を依頼できるサービスで、空き家の基本情報を入力することで、近隣の不動産会社にまとめて査定依頼を送ることができます。
空き家を取り扱っている主な一括査定サイトには、イエウール、すまいValue、おうちダイレクトなどがあり、サービスごとに提携している不動産会社は異なります。
一括査定を依頼した後は、各不動産会社から個別に見積もりが送られてきます。なお、ここで行う査定とは、資料や条件から概算を算出する「机上査定」というもの。さらに具体的な査定結果が欲しい場合は、現地調査も合わせて行う「訪問査定」を依頼します。
訪問査定は机上査定よりかなり手間がかかるため、まずは多くの不動産会社から机上査定の見積もりをもらい、不動産会社の目星をつけるのがおすすめです。
需要が伸びる時期に合わせて売る
不動産にも時期や季節による需要の変化があります。例えば、住宅ローンが低金利のときや、住宅取得に関する補助制度が行われているタイミングなどがこれに当たります。
また、季節で見ても住宅需要は変動があり、毎年3月は戸建て住宅の成約件数が多くなる傾向にあります。

▼画像出典:公益財団法人不動産流通推進センター 2020 不動産業統計集(9月期改訂)
https://www.retpc.jp/wp-content/uploads/toukei/202009/202009_3ryutsu.pdf
ほかにも、スポット的な例を挙げると、東京オリンピック前の不動産価格上昇のように、社会的出来事が原因で需要が上がるケースや、空き家周辺に大規模な開発計画が撃ち出されて需要が上るケースもあります。
査定価格に満足できない場合は空き家活用も視野に
ここまで空き家の買取相場を調べる方法や買取価格を高くする方法を紹介してきましたが、それでも満足のいく査定価格が得られないことはあります。
その場合、「安いから」と、また空き家を放置してしまうのは悪手。空き家には管理のために費用や手間がかかりますし、空き家自体が抱える周辺環境へのリスクも無視できません。
そのため、空き家の買取価格が安い場合は、空き家を貸して賃料を得る「空き家活用」も視野に入れましょう。まとまったお金にならなくても、継続的な収入が得られますし、何より管理費や手間がかからなくなります。
弊社・ジェクトワンはそんな悩みを解決するために「アキサポ」という空き家活用サービスを行っています。「アキサポ」は空き家オーナーの負担0円で相談からリノベーション、マッチングまでを行っており、ワンストップで対応可能です。
一見古びた空き家でも、人によっては意外な需要を持っていることもあります。空き家が売れないとあきらめる前に、ぜひ一度「アキサポ」に相談してみてください。