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公開日:2026.01.29 更新日:2026.05.27

印紙税一覧表|いくら貼る?課税・非課税の判断基準と金額

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印紙税は、契約書や領収書など、法律で定められた「課税文書」を作成した際に課される国税です。

本記事では、印紙税の概要から具体的な文書区分ごとの税額、購入方法や貼付の仕方、さらに電子契約における取扱いまで幅広く解説します。正しく理解することで、不要な納税リスクを避けつつ、適正なコスト管理に役立ててください。

印紙税の目的と基本的な仕組み

印紙税は、文書の作成行為に対して課税される税金であり、国家財政の一部を支える役割を担っています。その基本的な仕組みを理解しておきましょう。

印紙税の主な目的は、国の財政基盤を補うことに加え、一定の文書に公的な証明力を付与する点にあります。具体的には、契約書や領収書などの書面に収入印紙を貼付し、消印を行うことで、当該文書の「納税義務が履行されたこと」を形式的に示します。これにより、取引内容の明確化や、将来的な紛争防止に資する証拠資料として機能します。

さらに、印紙税は文書の種類や記載金額に応じて、印紙税法別表第一に基づき税額が定められているのが特徴です。例えば、不動産売買契約書や請負契約書など、金銭の授受を伴う文書では、記載された契約金額に応じて段階的に課税されます。これは、取引規模に応じた公平な課税を行い、課税逃れを防止する目的も含まれています。

一方で、すべての文書が課税対象となるわけではありません。国税庁が定める課税文書に該当しない場合や、記載金額が非課税範囲内である場合には、印紙税は不要です。自社で作成・受領する書類がどの区分に該当するのかを把握しておくことが、過不足のない適正な納税対応につながります。

印紙が必要な文書・不要となる文書

印紙税がかかる文書とかからない文書を正確に区別することで、不要な税負担や追徴課税のリスクを回避できます。

課税文書と非課税文書の判別は、印紙税の仕組みを理解するうえで欠かせません。課税対象の文書に収入印紙を貼らずに提出してしまうと、印紙税法に基づき過怠税が課される可能性があります。逆に、本来は非課税の文書に印紙を貼ってしまった場合、過誤納付となり還付手続きが必要になることもあります。

特にビジネス取引において、契約書や領収書を頻繁に取り交わす企業は注意が必要です。多様な書式がある中で、その文書が印紙税法別表第一に定める「課税文書」に該当するかどうかを判断しなければなりません。担当者ごとの認識の違いや、法令改正・通達の変更によって見落としが発生するケースもあるため、常に最新情報を把握しておくことが重要です。

また、近年は電子契約が普及しており、紙の契約書とは印紙税の取扱いが異なる点にも注目が集まっています。一般的に、電子データのみで締結・保存される契約は「文書の作成」に該当しないため、印紙税の課税対象外とされるケースが多く、書類管理の効率化やコスト削減を目的に電子契約を導入する企業も増えています。

印紙税が必要となる文書の具体例

不動産売買契約書や土地の交換契約書、建設工事の請負契約書などは代表的な課税文書です。これらの文書は取引金額や対価の支払内容が明確に記載されるため、一定の契約金額を超えると収入印紙の貼付が必要となります。

不動産売買契約書(第1号文書)や建設工事請負契約書(第2号文書)のうち、契約金額が10万円を超えるもので、2027年(令和9年)3月31日までに作成される書面には、租税特別措置法による「軽減税率」が適用されます。

例えば、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の不動産売買契約の場合、本来の税額(本則)は2万円ですが、軽減税率により1万円となります。

印紙税が不要となる代表的なケース

契約金額が1万円未満の文書や、単なる社内メモ、金銭の授受を伴わない事実確認や報告を目的とした書面などは、非課税となる場合があります。判断基準は国税庁が公表する課税文書の区分表に基づきますが、該当しないにもかかわらず収入印紙を貼付すると過誤納付となるため注意が必要です。

一方で、形式上は社内文書に見えても、実質的に契約内容を証明する文書と判断される場合には課税対象となることもあります。不明点がある場合は、税務署や税理士などの専門家に確認することが望ましいでしょう。

印紙税額一覧表|文書区分ごとの金額

国税庁が定める印紙税法別表第一に基づき、第1号から第20号文書までの正式名称、具体的な書類例、および税額の仕組みを一覧表で整理しました。

自社の書類がどれに該当するかをチェックする際にお役立てください。

文書区分正式な文書名(国税庁区分)具体的な書類例印紙税額の仕組み・金額
第1号文書不動産譲渡、消費貸借、運送等の契約書不動産売買契約書、金銭消費貸借契約書、運送契約書など契約金額に応じた段階課税
(※軽減税率特例あり)
第2号文書請負に関する契約書建設工事請負契約書、業務委託請負契約書など契約金額に応じた段階課税
(※軽減税率特例あり)
第3号文書約束手形又は為替手形商業手形、約束手形など手形金額に応じた段階課税
(10万円未満は非課税)
第4号文書株券、出資証券、社債券など株券、社債券、投資信託の受益証券など券面金額に応じた段階課税
第5号文書合併契約書又は分割契約書など吸収合併契約書、新設分割計画書など1通につき一律 40,000円
第6号文書定款株式会社などの設立時に作成する原始定款紙での作成は一律 40,000円
(※電子定款は非課税)
第7号文書継続的取引の基本契約書売買基本契約書、特約店契約書など(※期間3ヶ月超・更新あり)1冊・1通につき一律 4,000円
第8号文書預金証書又は貯金証書定期預金証書、定額貯金証書など1通につき一律 200円
第9号文書倉荷証券、船荷証券又は貨物引換証船荷証券(B/L)、倉荷証券など1通につき一律 200円
第10号文書保険証券損害保険証券、生命保険証券など1通につき一律 200円
第11号文書信用状商業信用状(L/C)など1通につき一律 200円
第12号文書信託に関する契約書信託契約書、金銭信託契約書など1通につき一律 200円
第13号文書債務の保証に関する契約書債務保証契約書、身元保証書など保証金額に応じた段階課税
(金額記載なしは一律200円)
第14号文書金銭又は有価証券の寄託に関する契約書保護預り契約書、金銭寄託契約書など1通につき一律 200円
第15号文書債権譲渡又は債務引受けに関する契約書債権譲渡契約書、債務引受契約書など契約金額に応じた段階課税
(金額記載なしは一律200円)
第16号文書配当金領収書又は配当金振込通知書配当金領収書、配当金振込通知書など記載金額に応じた段階課税
(3,000円未満は非課税)
第17号文書金銭又は有価証券の受取書領収書、レシート、代金受取書など記載金額5万円以上で段階課税
(5万円未満は非課税)
第18号文書預金通帳、貯金通帳など銀行の預金通帳、掛金通帳など1冊につき1年ごと一律 200円
第19号文書1号〜18号以外の通帳顧客ごとの取引を記録する特殊な通帳など1冊につき1年ごと一律 400円
第20号文書判取帳金銭の受取人が署名捺印する受領簿など1冊につき1年ごと一律 4,000円

一般的な預金通帳・貯金通帳は非課税ですが、特殊な商品や発行形態によっては課税対象となる可能性があります。例外的ケースとして把握しておくと安心です。

※不動産売買契約書(第1号文書)や建設工事請負契約書(第2号文書)のうち、契約金額が10万円を超えるもので、2027年(令和9年)3月31日までに作成される書面には、租税特別措置法による軽減税率が適用されます。最新の金額区分については必ず国税庁の公式ガイドラインも併せてご確認ください。

収入印紙の購入方法と貼り方

収入印紙の適切な購入方法と貼付ルールを理解しておくことで、過怠税などのリスクを防ぎ、契約実務を円滑に進めることができます。

収入印紙は、郵便局や一部のコンビニエンスストアなどで購入できます。契約金額に応じた税額が複数枚に分かれる場合、複数の印紙を組み合わせて貼付することも可能ですが、購入時に合計額が正しいかを確認しましょう。誤って不足額しか貼付しなかった場合、印紙税法に基づき過怠税が課される可能性があります。

印紙を貼付した後は、印紙税法上の「消印」を行う義務があります。なお、実務上「割印」と呼ぶこともありますが、印紙税法上の正式名称は「消印」です。これは印紙の再使用を防ぐための措置であり、消印がない場合は納付が成立していないと判断されることがあります。割印は、印紙と契約書本文の両方にまたがるように押すことで、文書と印紙が一体であることを示せます。

消印や割印を正しく行うことで、税務署からの指摘を防ぎ、印紙税を適正に納付した証拠となります。逆に、印紙を貼付していても押印を忘れると、納付不備とみなされるリスクがあるため注意が必要です。事務作業の一環として軽視せず、基本ルールを把握しておきましょう。

収入印紙の購入先と組み合わせ例

郵便局ではほぼすべての額面の収入印紙を取り扱っており、金額が合わない場合でも複数の印紙を組み合わせて購入できます。

コンビニエンスストアでも販売されていることがありますが、取り扱い額面が限られている店舗も多いため注意が必要です。高額な印紙税が必要な契約では、事前に在庫を確認しておくと安心です。

正しい消印・割印のやり方

消印は、貼付した印紙と契約書の両方にかかるように押印し、印紙の再利用を防止するためのものです。

社印や担当者印などを用いるのが一般的で、印鑑の種類に厳密な指定はありません。ただし、印影が不鮮明だったり、印紙と文書にまたがっていない場合は無効と判断される可能性があるため、確実に重なるよう処理しましょう。

印紙税を納めなかった場合・誤って納付した場合のリスク

印紙税を正しく納めていない場合、印紙税法に基づく追加徴収や制裁措置を受けるリスクがあるため注意が必要です。

印紙税を貼り忘れた場合、本来納付すべき税額に不足が生じます。この場合、税務署からは不足額の納付に加え、過怠税の支払いを求められる可能性があります。原則として過怠税は「納付すべき印紙税額の3倍(本来の税額+2倍の過怠税)」とされており、契約金額が大きい文書では金銭的負担が大きくなるため、軽視できません。

また、高額な契約書で印紙税を過小に貼付していた場合、想定外の追加徴収につながるケースもあります。一方で、本来は非課税である文書に誤って印紙を貼付した場合は、印紙税の過誤納付となります。過誤納付については還付を受けることが可能ですが、一定の手続きと時間を要する点には注意が必要です。

印紙税の誤納を防ぐためには、国税庁が公表する最新の情報を確認し、文書の内容が課税文書に該当するかを正確に判断する体制を整えることが重要です。担当者任せにせず、社内でルールを共有しチェック体制を設けることが、不要なリスクを抑えるポイントとなります。

追加徴収や過誤納付の還付手続き

印紙税を過少に納付していた場合、本来の印紙税額に加えて過怠税が課されることがあります。

一方、過誤納付については、所定の申請を行うことで還付を受けることが可能です。ただし、契約書原本や申請書類の提出が求められるため、誤りに気付いた時点で速やかに税務署へ相談することが望ましいでしょう。

電子契約は印紙税がかからない?そのメリットと注意点

ペーパーレス化が進む中、電子契約の普及により印紙税負担を軽減できる可能性がありますが、導入にあたっては法的要件を正しく理解することが前提となります。

電子契約は、契約書の作成から締結、保管までをデジタル上で完結させる仕組みです。紙の契約書と異なり、電子データで締結される契約は印紙税法上の「課税文書の作成」に該当しないと解されているため、印紙税は課されません。そのため、収入印紙を貼付する必要がなく、契約件数が多い企業ほどコスト削減効果が期待できます。

一方で、電子契約を有効に成立させるには、電子署名やタイムスタンプなどにより、本人性や改ざん防止を担保する措置が重要となります。これらが不十分な場合、契約自体の有効性や証拠力が問題となる可能性があります。また、システム導入費用や社内教育の負担も発生するため、印紙税削減のみを目的とせず、業務効率やコンプライアンス全体を踏まえて検討することが求められます。

今後もペーパーレス化の流れは続くと考えられますが、業界慣行や取引先の方針によっては紙の契約書が求められる場合もあります。取引を円滑に進めるためには、紙と電子の双方に対応できる体制を整えておくことが、実務上の柔軟性につながります。

よくある質問(FAQ)

印紙税の計算や取扱いについて、実務で特に多い質問に簡潔に回答します。

「領収書に印紙を貼る基準は5万円以上か?」という質問は多く寄せられます。現行法では、5万円以上の金銭の受領事実を証明する領収書は課税対象とされています。ただし、クレジットカード決済など、金銭の直接受領を証明しない領収書は非課税となるため、取引形態に応じた判断が必要です。

また、電子契約と紙の契約書を併用する場合、多くの企業では印紙税が不要な電子契約を主軸としています。しかし、取引先の意向や業界慣行によっては紙の契約書が求められる場面も残ります。その場合は、紙の契約書について個別に印紙税を計算・納付する必要があります。

さらに、印紙税に減免措置や特例があるかどうかについても質問されますが、原則として印紙税は法律で定められた文書に対して課税され、例外は限定的です。判断に迷う場合は、国税庁の公表資料を確認するか、税理士などの専門家に相談することが安心です。

まとめ|印紙税の正しい理解でコスト削減とリスク回避を

印紙税に関する正しい知識を身につけることで、不要な税負担を抑え、法的リスクを回避することができます。

印紙税は文書の種類や記載金額に応じて課税されるため、取引内容が変われば納付すべき税額も変動します。特に高額な契約では、事前に印紙税を想定しておかないと予期せぬコストが発生する可能性があります。

近年は電子契約の普及により、印紙税を削減できるケースが増加していますが、電子契約特有のルールや導入コストも考慮したうえで、紙と電子のメリットを比較することが重要です。

最終的には、課税区分や基準を正しく理解し、不備のない書類作成と管理を行うことが求められます。ミスを防ぎコストを最適化するためにも、最新情報を継続的に確認し、必要に応じて専門家の助言を活用する姿勢が有効といえるでしょう。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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