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公開日:2026.08.07 更新日:2026.08.07

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株式会社ジェクトワン代表・大河幹男の軌跡|なぜ「コストゼロの空き家再生」だったのか?アキサポ誕生の裏側と創業の原点

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増え続ける日本の空き家。誰もが頭を抱えるこの社会課題に、真っ向から挑む男がいる。

本記事では、「空き家」に新しい命を吹き込み続ける株式会社ジェクトワンの代表取締役、大河幹男の軌跡を追う。

① 大河幹男とは?

1965年、三重県に生まれた大河幹男は、大学卒業後に憧れから商社へ入社した。しかしその後、大手マンションデベロッパーへと転身し、不動産の世界へ飛び込むこととなる。

ゼロから建物を作り上げる不動産開発に魅力を感じる一方で、彼は次第に業界のあり方に強い疑問を抱くようになる。

その疑問が、独立への決意を後押しした。2003年、38歳を迎えた大河は、自らの理想を追求すべく専務取締役として不動産事業会社を創業し、独立への一歩を踏み出した。

② ジェクトワンの創業までの道のりー失敗と再起ー

当時の同僚と二人で立ち上げ、大河は専務取締役として参画した前職の会社は、設立からわずか5年で売上200億円、社員数約100名という飛躍的な成長を遂げた。いわゆる不動産流動化バブルの波に乗り、上場も目前に控えていた。 

しかし、好事魔多し。サブプライムローン問題から端を発したリーマンショックの荒波が、彼らを飲み込んだ。会社は民事再生となり、大河は築き上げたものをすべて失うことになった。

どん底に立たされてなお、その闘志は消えていなかった。数名の社員とともに、もう一度ゼロから立ち上がる決意を固める。

そして2009年——株式会社ジェクトワンが産声を上げたのだ。ゼロからの再出発であったが、着実な成長を遂げ、現在では全社売上高282億円(2026年3月期)を叩き出す総合不動産企業へと見事な復活を果たしている。

③ ジェクトワンの事業哲学ー想像を超える『場』をつくり、あたりまえにするー

マンションデベロッパー時代、大河はある強い違和感を抱えていた。本来は商業や工業が適している土地にまで、自社の利益のためにマンションなどの住居系建物を建ててしまう業界の姿勢である。

だからこそ、ジェクトワンが創業以来掲げているのは「土地や場所に合った」モノづくりだ。住居をはじめ、店舗や商業施設、ホテル、老人ホームなど、マルチカテゴリーにこだわり、地域住民のニーズに寄り添う建物を企画開発し続けている。その根底には、「想像を超える『場』をつくり、あたりまえにする」という揺るぎない理念がある。

卓越した企画力は高く評価され、過去には二年連続でグッドデザイン賞を受賞した実績を持つ。近年は新規開発だけでなく、リノベーション事業などの再生分野にも力を注ぎ、こちらも会社の大きな柱へと成長している。

そして現在、東京本社に加え横浜・大阪・福岡へと拠点を拡大し、日本全国の不動産ニーズに応え続けている。

④ なぜ空き家事業に乗り出したのかーーアキサポ誕生の経緯

2015年、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、空き家が社会問題としてクローズアップされた。この時、大河は空き家で新しいビジネスを立ち上げようと決意する。

当時の不動産業界は、管理や仲介こそ手がけていたものの、空き家を本質的に減らすことには誰も踏み込めていなかった。その現実に、大河は苛立ちにも近い疑問を抱いていた。

加えて、業界には法人から情報を得るBtoBのビジネスモデルが常識としてあり、空き家問題の根本、つまり所有者個人と向き合う構造がそこにはなかった。大河は将来を見据え、所有者から直接情報を受け取るBtoCの領域を、自ら切り拓く必要があると感じていた。

「空き家を減らすことと、利益を上げることは両立できるはずだ」——その確信こそが、後のアキサポの原点となる。

そして2016年、自らの発案で新たな空き家解決サービス「アキサポ」をスタートさせる。 当初、社内外からは「なぜ儲からないことをやるのか」と猛反対を受けた。不動産事業は金融機関などからお金を借りて利益を出すのがセオリーだが、アキサポは自己資金を削って事業を行う、業界の常識の逆を行くモデルだったからだ。そのうえ、空き家事業はリスクが見えにくく、業界では敬遠されがちである。

それでも大河は、歩みを止めなかった。「不動産会社だからこそ、空き家問題と向き合わなければならない」——その志のもと、この社会問題を解決するビジネスは必ず将来の会社の強みになると信じ続けた。

⑤ アキサポの仕組みと社会的意義

「アキサポ」は、空き家のお悩みに対してアキサポが寄り添い、活用や買取などのさまざまな選択肢の中から最適なプランを提案し、所有者の手間なくお悩みを解決するサービスである。

特に特徴的なのが「アキサポの活用」だ。空き家をアキサポが借り受け、アキサポの基本費用負担でリノベーション工事を行い、一定期間転借する——そんな画期的な仕組みである。お金も時間も手間もかけたくないという所有者に向け、ハードルを下げて重い腰を上げてもらうことを目的としている。所有者にとっては、コストゼロで空き家の面倒ごとをまるっとまかせられ、所有権は所有者のまま。そして一定期間後には、資産価値が向上した空き家が手元に戻ってくるのだ。

一方で、アキサポが運営管理を行い、リノベーション費用を賃料で補うため、「賃料が相場より安い」「所有者の意向通りのリノベーションができない」、また定期借家のため「一定の間は使うことができない」といったデメリットもある。何より、活用可能なエリアが限られている点は、空き家問題解決に向けた大きな壁だ。

しかしアキサポは、活用できない物件にも解決策を用意している。それが「アキサポの買取」である。老朽化による資産価値の低下、片付かない残置物、立地の悪さ——いざ売ろうとした時、様々な要因で不動産会社に見向きもされない空き家は少なくない。そこで「アキサポの買取」では、アキサポが直接空き家を買い受ける買取サービスを展開し、空き家の立地・状態にかかわらず、全国無料査定を行い、最適な「売りたい」をサポートする。

アキサポが提供するこの社会問題解決型のスキームは高く評価され、第5回日本サービス大賞では「国土交通大臣賞」を受賞するに至った。

※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。

⑥ 空き家市場を変えるアキサポ さらなる挑戦

アキサポの取り組みは、確実に実を結んでいる。全国の所有者から日々多くの相談が寄せられており、これまでに数多くの空き家問題を解決へと導いてきた豊富な実績とノウハウがある。

しかし、数千数万の相談に、人の手だけで向き合い続けるには限界があった。そこで大河は、空き家流通を加速させる新たな挑戦として、AIを活用したプラットフォーム「空き家のコタエ」の開発を決断。アキサポが培ってきた現場基準のリアルなノウハウをAIに組み込み、不透明だった空き家の価値を可視化することで、所有者が売買や活用への第一歩を踏み出しやすい環境を整えている。

⑦ 大河社長が語るアキサポの未来

日本国内の空き家率は、今後も増加の一途をたどると予測されている。

そんな中、大河が目指す本当のゴールは、単なるビジネスの成功ではない。空き家を放置させず、「空き家をなくす」こと——それに尽きる。そのために、空き家に対する日本人のネガティブな概念を変え、空き家を社会の「負動産」から、新たな魅力をもつ「価値動産」へと生まれ変わらせる。

 株式会社ジェクトワンは、これからも空き家問題解決の最前線に立ち、「空き家」を“AKIYA”に変えていく未来創造企業であり続ける。

静かに、だが確実に。空き家に新しい命が吹き込まれる夜明けは、もう始まっている。

【プロフィール】

大河幹男(おおかわ みきお)──代表取締役

1965年生まれ、三重県出身。大学卒業後、商社から大手デベロッパーを経て、2003年に専務取締役として不動産事業会社を創業し飛躍的な成長を遂げたが、リーマンショックの煽りを受ける。その後再起を図り、2009年にジェクトワンを創業。住居系から店舗、商業施設、老人ホームまで、人や地域に寄り添うマルチカテゴリーの不動産事業を展開。16年より自らの発案で社会問題解決型の空き家解決サービス「アキサポ」をスタート。

株式会社ジェクトワン

2009年創業。不動産の開発・売買・仲介・賃貸管理・空き家再生など、幅広い事業展開を行う総合不動産会社。創業以来、常に「土地や場所に合った」モノづくりを行う不動産開発を企業方針とし、住居をはじめ店舗や商業施設、ホテル、老人ホームなどマルチカテゴリーにこだわり、土地やその地域に住む住民のニーズにマッチした建物を企画開発してきた。近年は、開発だけではなく再生にも力を入れ、リノベーション事業や独自の空き家解決サービス「アキサポ」も展開。

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