公開日:2026.09.12 更新日:2026.08.25
NEW不動産売却でよくあるトラブル事例と回避策

不動産売却トラブルとは、契約や代金支払い、物件引き渡しなどを巡り、売主と買主・不動産会社の間で生じる問題のことです。
「大切にしてきた家なのに、売却後に高額な損害賠償を請求されたらどうしよう…」と不安を感じる方も多いでしょう。 不動産売却は数千万円規模の取引となるため、認識のズレや説明不足が重大な損失に直結します。
そこでこの記事では、契約・金銭・物件の瑕疵や境界など、よくあるトラブル事例と回避策を解説します。万一、問題が起きた場合の相談先も紹介するので、売却を進める前に押さえておきましょう。
目次
不動産売却でトラブルが起きやすい理由

不動産売却は取引金額が大きいがゆえに、契約や仲介手数料、物件の状態、境界など、専門知識が必要な場面が多くあります。売主と買主、不動産会社との認識にズレがあると、思わぬトラブルにつながることも。まずは、不動産売却でトラブルが起きやすい主な理由を見ていきましょう。
高額取引で認識ズレが起きやすい
数百万円〜数千万円が動く不動産売却では、わずかな認識のズレが大きな損失につながることがあります。手付金や引き渡し日、エアコンなどの付帯設備の扱いは、売主と買主で認識が異なるケースが多く見られます。
特に口頭で決めた内容は双方の記憶頼りになり、「言った・言わない」の問題になりがちです。こうした認識のズレが、契約解除や金銭をめぐるトラブルに発展する原因となります。
物件・契約・税金など専門知識が多い
契約不適合責任や登記、固定資産税の精算、譲渡所得税など、さまざまな専門知識が求められるのが不動産売却です。普段なじみのない内容も多く、売主と買主・不動産会社の間で「説明したつもり」「理解したつもり」といった行き違いが生まれやすいことも、トラブルの火種になります。
特に契約内容や物件の不具合、税金は売却後の費用や責任にも関わります。内容を十分に理解しないまま手続きを進めると、引き渡し後の請求や想定外の納税など、思わぬ問題につながる可能性があります。
業者都合で進むケースがある
売却を支えるパートナーとも言える不動産会社ですが、会社側の都合と売主の希望が一致しないケースもあります。たとえば、早期成約を優先して値下げを勧められたり、自社で買主を見つけるために物件情報を他社へ十分に共有しない「囲い込み」が行われたりするケースです。
こうした状況では、売主が知らないうちに売却の選択肢が狭まり、本来より低い価格での売却につながる可能性があります。不動産会社との情報量の差が大きいほど、業者側の提案に判断を委ねやすいことも、トラブルが起きる理由といえるでしょう。
【契約】不動産会社・買主とのトラブル事例

不動産売却では、不動産会社と結ぶ「媒介契約」と、買主と結ぶ「売買契約」のどちらでもトラブルが起こる可能性があります。ここでは、不動産会社・買主との間で起こりやすい契約トラブルの事例を紹介します。
囲い込みで売却機会を失う
囲い込みとは、不動産会社が自社で買主を見つけるために、他社へ物件を紹介しないなど、売却情報の流通を制限する行為です。買主と出会う機会が減り、売却までの期間が延びたり、値下げにつながったりする可能性があります。
<注意サイン>
- 内見が極端に少ない
- 問い合わせ状況の説明が曖昧
- 広告掲載先や販売活動の説明が少ない
- 活動報告が定型的で具体性がない
- 販売方法の改善よりも値下げばかり提案される
媒介契約(一般・専任・専属専任)の理解不足
媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、不動産会社へ依頼できる範囲や売却活動のルールが異なります。
| 契約の種類 | 依頼できる社数 | 自己発見取引 | レインズ登録義務 | 業務報告の義務 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介契約 | 複数社 | 可能 | 任意 | 義務なし |
| 専任媒介契約 | 1社のみ | 可能 | 7営業日以内 | 2週間に1回以上 |
| 専属専任媒介契約 | 1社のみ | 不可 | 5営業日以内 | 1週間に1回以上 |
一般媒介は複数の不動産会社へ依頼できますが、専任媒介・専属専任媒介は1社のみです。また、レインズへの登録義務や売主への報告頻度、自己発見取引の可否にも違いがあります。
こうした契約内容を理解しないまま締結すると、「複数社に依頼できると思っていた」「販売活動の状況が分からない」といったトラブルにつながることがあります。
契約解除を求められる(手付解除・違約解除)
・売主都合:手付金の「倍返し」で解除
※相手方が履行に着手するまで適用可能
・ペナルティ:契約で定めた「違約金」の支払い
※売買代金の10〜20%が一般的
売買契約を結んだ後でも、一定の条件に該当すると契約解除になることがあります。代表的なのが「手付解除」と「違約解除」です。
手付解除は、買主が手付金を放棄する、または売主が手付金を倍返しすることで契約を解除する方法です。ただし、契約で定めた期限や相手方が履行に着手しているかなどによって、解除できないケースもあります。
一方、引き渡しの遅れや告知義務違反など、契約内容を守らなかった場合は違約解除となり、違約金や損害賠償を請求される可能性があります。売却そのものが白紙になるだけでなく、金銭的な負担が発生するケースもあるため、売主にとって影響の大きいトラブルのひとつです。
住宅ローン特約で白紙解約になる
住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に、売買契約を白紙解除できる特約です。買主を守るための仕組みですが、売主にとっては、契約まで進んだ物件が融資審査の結果によって振り出しに戻る可能性があります。
また、特約の適用条件や解除期限などの認識が売主・買主の間で異なると、契約解除をめぐってトラブルになるケースもあります。
重要事項説明・管理規約の説明不足(マンション)
マンション売却では、管理規約や使用細則の説明不足が、引き渡し後のトラブルにつながることがあります。
特に、ペットの飼育や楽器の使用、民泊、リフォームの制限、駐車場の利用条件などは、買主の暮らしに直接関わる項目です。「できると思って購入したのに、実際は禁止されていた」と分かれば、買主からクレームを受ける可能性があります。
また、修繕積立金の値上げや大規模修繕の予定など、購入判断に関わる情報の説明が不十分だった場合も、売主や不動産会社とのトラブルに発展するケースがあります。
【金銭】費用・支払いのトラブル事例

仲介手数料や各種費用、売買代金の支払いなど、お金をめぐるトラブルは多く存在します。「聞いていた金額と違う」「想定外の費用を請求された」といった認識のズレは、不動産会社や買主との揉め事につながりやすいポイントです。
仲介手数料の上限超え・内訳不明
不動産会社へ支払う仲介手数料には法律で上限が定められており、上限を超えた請求や、説明のない費用の上乗せがトラブルになることがあります。
売買価格が400万円を超える場合の仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」です。 なお、2024年7月の宅建業法改正により、売買価格が「800万円以下」の低廉な空き家などを売却する場合、不動産会社は現地調査費などを含めて「最大33万円(税込)」まで仲介手数料を受け取れるようになっています。
また、支払うタイミングや金額について十分な説明がなく、売買契約後に認識のズレが発覚することもあります。
広告料など追加費用を請求される
仲介手数料とは別に、広告料やホームステージング費用、写真撮影費などを請求されるケースがあります。「売却に必要」と勧められるまま追加するのは要注意です。
<例 >
- 通常より多く広告を掲載するための費用
- ホームステージングにかかる費用
- 物件の写真・動画撮影費
- 遠方の買主との交渉などにかかる出張費
ただし、売主が依頼した特別な広告などは、別途費用が発生する場合があります。
決済で代金が支払われない・遅れる
不動産売却の決済では、買主から残代金を受け取ると同時に、所有権移転登記や鍵の引き渡しなどを行うのが一般的です。
しかし、次のような理由で予定どおりに代金が支払われないケースがあります。
- 買主の住宅ローンの融資実行が遅れた
- 決済に必要な書類に不備があった
- 買主が必要な資金を用意できなかった
残代金の支払いが遅れると、物件の引き渡しや登記手続きも予定どおり進められません。状況によっては契約違反となり、履行の請求や契約解除、違約金などをめぐるトラブルに発展する可能性もあります。
買取価格が相場より安い
不動産会社が物件を直接買い取る不動産買取は、仲介よりも早く売却しやすいことがメリット。ただし、買取価格は市場相場より低くなる傾向があります。
これは、不動産会社が再販売する際のリフォーム・修繕費や維持費、売れ残りや物件の不具合といったリスクを、あらかじめ買取価格に反映するためです。こうした仕組みを知らずに契約すると、後から「相場より大幅に安く売ってしまった」と不満につながることがあります。
また、「今日契約すればこの価格」などと契約を急かされ、十分に比較できないまま売却してしまうケースにも冷静な判断が必要です。
【物件】瑕疵・土地・残置物のトラブル事例

不動産売却では、雨漏りやシロアリなどの不具合、土地の境界、残置物など、物件そのものをめぐるトラブルも起こります。売主に悪意がなくても、引き渡し後に買主から「説明を受けていない」「契約内容と違う」と指摘され、責任を問われるケースもあります。
契約不適合責任につながる瑕疵の申告漏れ
契約不適合責任とは、引き渡した不動産の品質や種類が「売買契約書に書いてある内容と違う」場合に、売主が負う法律上の責任です(旧:瑕疵担保責任)。 もし契約書に書いていない雨漏りや設備の壊れが後から見つかると、買主から「直してください(追完請求)」「安くしてください(代金減額請求)」「契約を辞めます(解除)」「損害分を払ってください(損害賠償請求)」と迫られるリスクがあります。
この程度なら伝えなくてもよいだろう…と自己判断し、把握している瑕疵や不具合を申告しないまま売却すると、引き渡し後に責任を問われる可能性があります。
契約内容や状況によっては、買主から修補や代金減額、契約解除、損害賠償などを求められるケースも。申告漏れが売却後の金銭トラブルに発展する点が、契約不適合責任の大きなリスクです。
物理的瑕疵(雨漏り・シロアリ・設備故障)
建物や設備そのものにある不具合や欠陥を物理的瑕疵と言います。中古住宅では、次のようなものが該当します。
- 雨漏りや漏水
- シロアリ被害
- 給湯器・換気扇などの設備故障
- 床の傾き
- 基礎や外壁のひび割れ
なかには壁や床の内部など、内見だけでは見つけにくい不具合もあります。そのため、売主も把握していなかった瑕疵が引き渡し後に発覚し、買主とのトラブルにつながるケースがあります。
環境的瑕疵(騒音・近隣施設・臭気)
環境的瑕疵とは、物件そのものではなく、周辺環境によって暮らしに影響が生じる問題のことです。
具体的には、次のようなケースが挙げられます。
- 幹線道路や電車などの騒音・振動
- 飲食店や工場などから発生する臭気
- 学校や商業施設、工場などからの騒音
- 周辺道路の交通量の多さ
- 近隣で予定されている大規模な工事
騒音や臭いの感じ方には個人差があるため、売主にとって気にならなくても、買主が入居後に「事前に聞いていなかった」と判断されるケースがあります。
心理的瑕疵(事故物件等)の告知
心理的瑕疵とは、物件で過去に起きた出来事によって、買主が心理的な抵抗や不安を感じる可能性があるものです。事故や事件などが代表例として挙げられます。
こうした事実を伝えずに売却し「知っていれば購入しなかった」と、契約解除や損害賠償を求められるケースがあります。ただし、すべての死因に告知義務があるわけではありません。 国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によれば、老衰や病死などの「自然死」や日常生活の中で生じた不慮の事故死(転倒事故・誤嚥など)の場合、原則として告知義務はありません。
一方、自殺や殺人、事故死、放置されたことによる特殊清掃が入ったケースなどは告知が必要です。 判断に迷うときは自己判断せず、必ず不動産会社や専門家に事情を伝えましょう。
法的瑕疵(違反建築・再建築不可など)
建物や土地の状態に問題がなくても、法令上の制限によって建て替えや増改築ができない物件があります。代表的なのが、建築基準法の「接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)」を満たしていない再建築不可の土地や、建ぺい率・容積率を超過している違法建築物です。
こうした法的瑕疵があると、買主が希望する建て替えや増改築ができないほか、住宅ローンの審査に影響することもあります。契約後に制限が判明すれば、「購入前に説明されていなかった」と問題になったり、ローン特約による契約解除につながったりする可能性があります。
土地の境界トラブル(未確定・越境)
土地の売却では、隣地との境界が曖昧なことからトラブルに発展するケースがあります。特に注意したいのは、次のような状態です。
- 境界標が見つからない
- 登記上の面積と実際の土地の広さが異なる
- 塀やフェンス、植栽などが隣地へ越境している
- 配管や屋根などが敷地をまたいでいる
境界や越境の問題は、売却価格や契約条件をめぐる買主との交渉だけでなく、隣地所有者との争いにつながることもあります。
地中埋設物(ガラ・廃材)が見つかる
土地の売却後に解体や掘削工事をした際に、古い基礎や浄化槽、コンクリート片、廃材などの地中埋設物が見つかることがあります。特に、過去に建物があった土地や造成された土地では注意が必要です。
地中埋設物は地上から見ただけでは分からないため、売主も把握していないまま売却することがあります。引き渡し後に発覚すると、撤去費用の負担や工事の遅れをめぐり、買主から契約不適合責任を問われるなど、トラブルに発展する可能性があります。
残置物・付帯設備の認識違い(エアコン等)
エアコンや照明、カーテンレール、食洗機、物置、庭石などは、そのまま残すのか、売主が撤去するのかをめぐって認識のズレが生じやすいものです。
残すことで合意していても、引き渡し後に設備の故障が見つかり、修理・交換費用をどちらが負担するかで揉めるケースもあります。
引き渡し遅延で違約になる
引っ越しやリフォーム工事の遅れ、登記・抵当権抹消の手続きが間に合わないなど、売主側の事情で予定日に物件を引き渡せないケースがあります。
引き渡しが遅れると、買主の引っ越しや住宅ローンの手続きにも影響が及びます。契約内容によっては、仮住まいなどにかかった費用の請求や違約金、契約解除に発展する可能性もあります。
不動産売却トラブルを避けるチェックポイント

これまで紹介した不動産売却のトラブル事例は、事前の確認や準備によって防げるものがほとんど。
売買契約や引き渡し後に思わぬトラブルや損失を招かないために、売却前から押さえておきたいチェックポイントを確認していきましょう。
告知は物件状況確認書に具体的に書く
雨漏りやシロアリ被害など、物件の不具合を把握している場合は、物件状況確認書に具体的な内容を記載します。
たとえば雨漏りを告知する場合は、「雨漏りあり」だけで済ませず、発生時期や場所、修理状況などまで具体的に記載します。
×「過去に雨漏りあり」
○「2024年6月頃、2階洋室の天井から雨漏り。屋根を修理し、以降は再発なし」
買主が物件の状態を判断できるよう、いつ・どこで・どのような不具合があり、現在はどうなっているかまで伝えるのがポイントです。
建物状況調査(インスペクション)を検討する
建物状況調査(インスペクション)とは、専門家が建物を調査し、劣化や不具合の有無を調べるものです。雨漏りや構造部分など、売主だけでは気づきにくい問題の発見にも役立ちます。
調査結果は物件状況確認書や買主への説明に活用でき、引き渡し後の不具合をめぐるトラブルを防ぐことができます。
境界確定測量を早めに依頼する
土地の境界が曖昧な場合は、専門職である「土地家屋調査士」へ早めに確定測量を依頼しましょう。 なお、2024年4月から「相続登記の申請」が義務化されており、境界未確定のまま相続した土地を売却しようとして止まるケースが増えています。隣地所有者の立ち会いや署名捺印(確定測量図の作成)には数か月かかることもあるため、売り出す前の早期着手が必須です。
また、隣地所有者の立ち会いや書類の準備が必要となるため、完了までに時間がかかるケースがあります。境界トラブルや引き渡しの遅れを防ぐためにも、売却活動を始める段階で境界の状況を把握しておくとスムーズです。
売買契約書・重要事項説明書・特約を確認する
売買契約を結ぶ前に、売買契約書や重要事項説明書、特約の内容に目を通しましょう。特にチェックしておきたいのは、次の項目です。
- 手付解除・違約解除・ローン特約などの解除条件
- 契約不適合責任を負う期間・範囲
- エアコンなど付帯設備の扱い
- 引き渡しの期日・条件
- 物件の不具合や制限に関する容認事項
分かりにくい条項があれば、「どのような場合に適用されるのか」を不動産会社の担当者に具体的に確認しましょう。内容を理解しないまま署名・押印することを避け、売主と買主で契約内容の認識を揃えておくことがトラブル回避につながります。
やり取りは書面・メールで残す
不動産会社や買主とのやり取りは、口頭だけで話を進めず、できるだけ書面やメールで残しておきます。
特に記録しておきたいのは、次のような内容です。
- 売却価格や仲介手数料などの費用
- 売買契約の条件や特約
- 引き渡し日や決済日
- 物件の不具合や付帯設備の扱い
電話や対面で決めた場合も、後から要点をメールで共有しておくことで、認識のズレを防ぎやすくなります。
不動産会社選びで見るべきポイント

売却をスムーズに進めるには、不動産会社・担当者選びも大切です。 査定価格の高さや会社の知名度だけで判断すると、販売方針や対応の違いから不満やトラブルにつながることもあります。
査定価格の根拠と販売戦略が明確
査定価格は金額だけで判断せず、周辺の取引事例や相場、物件の特徴をもとに、算出根拠を説明してくれるかをチェックしましょう。次のような販売戦略もセットで聞いておくと比較しやすくなります。
- どの媒体に物件情報を掲載するか
- どのくらいの期間での売却を想定しているか
- 問い合わせが少ない場合にどう対応するか
- どのタイミングで価格を見直すか
具体的な根拠や販売方針まで説明してくれる会社であれば、売却開始後も状況を把握しやすく、納得しながら取引を進めやすいでしょう。
囲い込みをしない運用(レインズ登録等)
囲い込みを避けるには、物件情報を適切に公開している不動産会社かどうかを見極めましょう。レインズへの登録状況に加え、他社からの問い合わせにも適切に対応しているかがポイントです。
また、問い合わせ件数や内見状況など、販売活動の内容を具体的に共有してくれるかも判断材料です。売主への情報開示が十分で、透明性のある運用をしている会社を選びましょう。
担当者の説明が具体的で押し売りしない
担当者を選ぶ際は、メリットだけでなく、売却に伴うリスクや注意点まで具体的に説明してくれるかを見ましょう。
「今日中に媒介契約を結べば、この査定価格で売れます」「今すぐ値下げしないと買主が離れます」など、根拠を示さず契約や判断を急かす担当者には注意が必要です。
売却には数か月かかるケースもあるため、連絡の頻度やレスポンスの速さもチェックポイント。疑問や不安を相談しやすく、納得できる説明をしてくれる担当者かどうかを判断しましょう。
トラブルが起きたときの相談先

契約内容の食い違いや仲介手数料、引き渡し後の不具合など、不動産売却でトラブルが起きた場合に控えておきたいのが相談先です。
問題の内容によって適した窓口は異なるため、状況に応じて相談先を選びましょう。
まずは担当者・営業責任者に申し入れる
トラブルが起きたら、まずは不動産会社の担当者へ状況を伝えましょう。その際は、契約書や重要事項説明書、メールなどをもとに、「いつ・何が起きたのか」「どのような対応を求めるのか」を整理して伝えるとスムーズです。
担当者に伝えても対応が変わらない、説明に納得できないといったときは、営業責任者や店舗責任者へ相談先を切り替えます。
担当者とのやり取り自体に問題がある場合は、変更を申し入れてもよいでしょう。
宅建協会・業界団体・行政窓口に相談する
不動産会社へ申し入れても解決しない場合や、仲介手数料などの請求・契約内容に疑問がある場合は、宅建協会などの業界団体や行政の相談窓口を利用できます。
相談する際は、次のような資料を揃えておきましょう。
- 媒介契約書・売買契約書
- 重要事項説明書
- 仲介手数料などの請求書
- 広告・募集資料や活動報告
- 不動産会社とのメールや書面
契約内容やこれまでの経緯がわかる資料を準備しておくと、問題点を伝えやすくなりスムーズです。
消費生活センター・国民生活センターを使う
不動産会社との話し合いで解決が難しいときは、消費生活センターや国民生活センターに相談する方法もあります。中立的な立場から、トラブルの内容に応じた助言や情報提供を受けられる窓口です。
相談前に「何が問題なのか」「どのような解決を希望するのか」「いつ何が起きたのか」を整理しておくと、状況を伝えやすくなります。内容によっては、消費生活センターなどが不動産会社との間に入り、話し合いによる解決をサポートしてくれる場合もあります。
弁護士・司法書士・土地家屋調査士に相談する
契約解除や損害賠償、登記、土地の境界など、専門知識が必要な問題は、それぞれ次の専門家が対応しています。
- 弁護士:契約解除や違約金、損害賠償などの法律トラブル
- 司法書士:所有権移転や抵当権抹消などの登記手続き
- 土地家屋調査士:土地の境界や測量、建物の表示登記など
トラブルの内容に合った専門家へ早めに相談することで、問題がこじれる前に対応しやすくなるでしょう。
まとめ
契約内容の認識違いや費用、物件の瑕疵など、さまざまなトラブルが起こりうる不動産売却。
大きな損失を防ぐためにも、囲い込みや想定外の費用請求、契約不適合責任といったよくあるトラブル事例を知り、売却前から備えておきましょう。
物件の不具合は具体的に告知し、必要に応じてインスペクションや境界確定測量を行うのも方法のひとつです。売買契約書や特約にも目を通し、不動産会社・買主とのやり取りは記録に残しておくと、契約後の認識違いや思わぬ揉め事を防ぎやすくなります。
もしトラブルになってしまったら、自己判断で解決しようとせず、不動産会社や公的な相談窓口、弁護士などを頼りましょう。早い段階で相談先とつながることで、解決の糸口も見つけやすくなります。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。






