公開日:2026.09.19 更新日:2026.09.18
NEW新潟の実家を相続したら要注意|雪害リスクと地域別の空き家事情

「新潟の実家を相続したが、東京に住んでいて年に数回しか帰れない」「そのままにしているが、冬の雪が心配」——そんな悩みを抱えていませんか。
新潟県は空き家率が過去最高を記録しているだけでなく、豪雪地帯特有の倒壊リスクを抱える点で、他の地域とは事情が異なります。この記事では、新潟の実家を相続した方に向けて、なぜ空き家が増えているのか、放置するとどんなリスクがあるのか、そして地域ごとの特徴を踏まえた判断のポイントを解説します。
なぜ新潟県で空き家が増え続けているのか

新潟県の空き家率は15.3%(令和5年時点)で、これは過去最高の水準です。全国平均13.8%を上回っており、平成30年の前回調査から0.6ポイント上昇しました。
住宅総数が5年前と比べて2%増の約101万5,000戸であるのに対し、空き家数は7%増の約15万6,000戸と、住宅の増加ペースを空き家の増加が上回っています。中でも、賃貸・売却用や別荘などを除いた「放置空き家」は5年間で20%増の約7万8,000戸にのぼり、増加のスピードが加速しています。
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」
背景には、実家を相続した子世代の多くが進学・就職を機に県外へ出て、そのまま遠方で生活基盤を築いているという事情があります。日常的な管理が難しいまま放置されるケースが積み重なり、空き家数を押し上げていると考えられます。
放置するとどうなる?新潟特有の2つのリスク
新潟の実家を放置した場合、一般的な空き家と同じ税制上のリスクに加えて、豪雪地帯特有のリスクも重なります。
所有している限り、毎年課税されます。
自治体の勧告を受けると住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍程度になるおそれがあります。
雪下ろしを怠ると、屋根の重みで倒壊するおそれがあります。
隣家や通行人に被害を与えた場合、所有者に数百万〜数千万円の賠償責任が生じるおそれがあります。
積雪による倒壊リスクと損害賠償責任
日本経済新聞の報道によると、豪雪地帯では積雪による空き家の倒壊が過去5年間で840戸に上るとされています。新潟県内でも実際に、上越市で2021年1月に2日連続で空き家が倒壊した事例や、魚沼市で大雪により空き家が倒壊した事例が報じられています。
出典:日本経済新聞
雪下ろしを怠った空き家が倒壊し、隣家や通行人に損害を与えた場合、所有者は民法第717条(工作物責任)に基づき、過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負う可能性があります。遠方に住んでいて「気づいたら大雪で危険な状態になっていた」というケースは珍しくないため、冬季前の点検や雪下ろし業者の手配は早めに検討しておく必要があります。緊急時の依頼は通常料金の1.5〜2倍になることもあるため、なおさらです。
地域別に見る新潟県の実家・空き家事情
新潟県は大きく4つのエリアに分けると、実家の状況や活用しやすさの傾向がつかみやすくなります。
| エリア | 代表的な市 | 実家所有者が押さえておきたい特徴 |
|---|---|---|
| 新潟市エリア | 新潟市 | 空き家率13.1%と県平均より低め。都市部のため売却・賃貸とも動きやすい |
| 中越エリア | 長岡市・小千谷市・加茂市 | UIターン向け補助金が手厚く、移住者への譲渡や活用がしやすい |
| 上越エリア | 上越市・糸魚川市 | 積雪が特に多く、倒壊事例も報告されている。冬季管理の負担が大きい |
| 佐渡エリア | 佐渡市 | 空き家率28.03%と県内突出。離島特有の流通の少なさがある |
新潟市エリアは都市部のため、比較的売却や賃貸の需要が見込めます。一方、上越エリアは積雪量が特に多く、雪害リスクへの対応がより重要になります。佐渡エリアは離島という立地から、売却より活用や解体を含めた検討が必要になるケースが多いでしょう。
新潟の実家、判断のための3つの選択肢

放置のリスクを踏まえたうえで、新潟の実家をどうするか判断する際の主な選択肢は次の3つです。
① 売却する
新潟市など都市部の物件は比較的売却しやすい傾向にあります。老朽化が進んでいる場合でも、不動産買取であれば現状のまま手放せる可能性があります。
② 賃貸・活用する
中越エリアなど移住支援が手厚い地域では、移住希望者への賃貸や譲渡も選択肢になります。ただし冬季の管理体制(雪下ろしの委託先確保など)は事前に整えておく必要があります。
③ 解体して土地として活用・処分する
老朽化が著しく、倒壊リスクが高い場合は解体も検討すべき選択肢です。新潟市や小千谷市など、リフォームだけでなく解体を含めた補助金制度を用意している自治体もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
新潟県は空き家率が過去最高を記録しているうえ、豪雪地帯特有の倒壊・損害賠償リスクを抱えています。遠方に住んでいて冬季の管理が難しい場合、放置している間にもリスクは積み重なっていきます。
エリアごとの特徴(新潟市の売却しやすさ、中越の移住支援、上越の積雪リスク、佐渡の流通の少なさ)を踏まえたうえで、売却・活用・解体のどれが自分の実家に合っているか、早めに検討することが大切です。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






