公開日:2026.10.17
NEW駅から遠い家は売れない?原因と売るための対策

住み替えや相続をきっかけに家の売却を考えたとき、「駅から遠い家は売れないのでは」と不安になる方もいるでしょう。これまで暮らしている間は気にならなかった駅までの距離も、売る側になると急に大きな弱点のように感じられるものです。
ただし、買主が家を選ぶ基準は駅からの距離だけではありません。駅から遠い家を売るときは、距離という変えられない条件だけを見るのではなく、その家をどのような人が選び、どこに価値を感じるのかを整理することが大切です。
この記事では、駅から遠い家の目安や売れにくくなる原因、駅距離が売却に与える影響、アピールしたい強み、具体的な売却対策まで解説します。
目次
駅から遠い家の目安は徒歩何分から?

- ターゲット:電車通勤・通学層
- 価格設定:駅距離以外の条件も合わせて比較
- 売却期間:駅距離だけでは決まらない
- アピールの例:通勤・通学の利便性
- ターゲット:車移動や広さを重視する人
- 価格設定:同じ駅距離・条件の成約事例と比較
- 売却期間:地域の需要や価格、建物の状態で変わる
- 主な強み:広さ、静かな環境、駐車場
「駅から遠い」と感じる距離に明確な基準はなく、地域や普段の移動手段によっても感覚は変わります。ただ、住宅購入を検討している人がどの程度の距離を希望しているのかを見ると、徒歩10分から15分あたりが一つの目安になりそうです。
オープンハウスグループが2026年に関東の共働き子育て世帯を対象に行った調査によると、最寄り駅までの理想的な徒歩時間について70.5%が「10分圏内」と回答し、許容できる徒歩時間では73.7%が「15分圏内」と回答しています。
出典:オープンハウスグループ「憧れの駅・住んでみたい路線ランキング2026~関東版~」
ただし、駅までの距離がどの程度売れやすさに影響するかは、地域によって異なります。自宅の条件をより具体的に知りたい場合は、不動産会社に同じ地域・同じ駅距離の物件がどの程度売れているかを確認するのが確実です。
駅から遠い家が売れない主な原因

駅から遠い家が売れにくくなる背景には、駅からの距離そのものだけでなく、価格や物件の見せ方、建物の状態など複数の要因があります。ここでは、以下の5つの要因を見ていきましょう。
- 生活利便性が低いと思われやすい
- 相場より価格が高い
- ターゲット設定が曖昧
- 物件の魅力が伝わっていない
- 築年数や物件状態がネックになっている
生活利便性が低いと思われやすい
駅から距離があると、それだけで「通勤や通学が大変そう」「買い物や通院に不便そう」と思われやすくなります。実際にはスーパーや病院が近くても、駅までの距離だけを見て候補から外されてしまうこともあります。
特に、日常的に電車を利用する人にとっては、毎日の移動負担が大きな判断材料になります。また、今は車で移動できても、将来的に運転しなくなった場合の生活を気にする人もいるでしょう。
相場より価格が高い
駅から遠い物件に限りませんが、売出価格が相場より高いと不利になりやすいです。価格設定をするときは駅までの距離・築年数・土地や建物の広さなどが近い成約事例と比較して、相場とのズレがないか確認しましょう。
特に注意したいのは、売主が購入時の価格や住宅への思い入れを基準に売り出し価格を決めてしまうケースです。買主は現在売り出されている物件や過去の成約価格と比較して判断するため、相場との差が大きければ問い合わせにつながりにくくなります。
ターゲット設定が曖昧
駅から遠い家のように、一般的には不利とされる条件の物件を売る際に注意したいのが、ターゲット設定の精度です。
駅からの距離は、電車通勤をする人や車を持っていない人にとっては重要なポイントですが、逆に車移動が中心の人や広さを重視する子育て世帯などには、さほど大きな問題にならない場合があります。
こうした違いを踏まえたターゲット設定ができていないと、物件の魅力を誰に向けて伝えるべきかが曖昧になり、広告の内容もぼやけやすくなります。売却するときは、駐車場の台数や間取り、庭の広さ、周辺環境などから、その物件と相性のよい買主像を考えてみましょう。
物件の魅力が伝わっていない
駅から遠い家でも、広い土地や駐車場、静かな住環境、日当たりのよさなど、駅近物件とは異なる強みを持っていることがあります。しかし、こうした特徴は、広告や写真で伝えられなければ加味されません。
物件の魅力を伝えるときは、買主が実際の暮らしをイメージできる情報に置き換えることがポイントです。 例えば「静かな環境」であれば前面道路の交通量や幹線道路からの距離、「暮らしやすい」であればスーパーや病院までの距離、駐車場の台数など、具体的な情報を添えると物件の強みが伝わりやすくなります。
築年数や物件状態がネックになっている
駅までの距離に加えて、建物の古さや劣化が目立つ場合は、さらに購入のハードルが上がります。特に雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の不具合は、売主が負う「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」のリスクを高めるだけでなく、購入後に高額な修繕費がかかるため買い手が敬遠する大きな原因になります。事前にインスペクション(建物状況調査)を実施し、不具合の有無を明らかにすることが早期売却の鍵です。
また、修繕履歴がわからない住宅では、これまでのメンテナンス状況を判断しにくくなります。そのため、見えない部分にも傷みがあるのではないかと買主に警戒されることがあります。
こうした物件では、見た目をきれいにするだけでなく、現在の建物の状態やこれまでの修繕内容を買主が把握できるようにすることが大切です。
駅から遠い家を売る際にアピールすべきポイント
駅から遠い家を売るときは、駅距離以外にどのような価値があるのかを具体的に伝えることが大切です。「住みやすい」「静かな環境」といった抽象的な表現ではなく、買主が実際の暮らしをイメージできる情報に置き換えてみましょう。
主な項目を表にまとめました。
| アピールするポイント | 伝えたい情報 |
|---|---|
| 広さ・間取り・住み心地 | 土地・建物の広さ、部屋数、収納、庭、日当たり、風通しなど |
| 車・交通の利便性 | 駐車可能台数、前面道路の幅、バス停までの距離、駅までのバス時間、幹線道路・ICへのアクセスなど |
| 生活環境 | スーパー、病院、学校、公園などまでの距離や所要時間など |
| 周辺環境 | 交通量、静かさ、街灯や歩道、公園・緑など地域の特徴など |
ただし、すべてをアピールする必要はありません。先ほど設定したターゲットが何を重視するかを考え、その物件で特に強いポイントを優先して伝えると、駅から遠くても選ぶ理由を作りやすくなります。
駅から遠い家を売る具体的な対策

駅から遠い家を売るときは、売り出した後の反響を見ながら、価格や広告、不動産会社の販売方法を調整していくことが大切です。ここでは、実際の売却活動で取り組みたい対策を紹介します。
条件の近い成約事例から売出価格を決める
売出価格を決めるときは、自宅と条件が近い物件が、実際にいくらで売れたのかを参考にしましょう。不動産会社に近隣の成約事例を確認し、駅までの距離や築年数、土地・建物の広さなどを比較すると、価格設定の目安が見えてきます。
駅から遠い家では、バスの利用しやすさや駐車場の有無も比較したいポイントです。同じ駅距離でも、複数台を駐車できる家と駐車場のない家では、車を使う買主にとっての利便性が異なります。条件の近い事例が少ない場合は、自宅との違いを価格にどう反映するか、不動産会社に相談しましょう。
なお、物件サイトの掲載価格は、実際に売れた価格とは限りません。掲載中の物件は競合の価格を知るために、成約事例は実際の取引水準を知るために使い分けます。成約時期も確認し、できるだけ最近の事例をもとに検討することが大切です。
駅から遠い物件の売却に強い不動産会社を選ぶ
駅から遠い家では、駅距離以外の魅力を伝えることが重要になってきます。そのため、単に査定額が高い会社ではなく、駅から離れた物件や戸建ての売却実績があり、具体的な販売方法を提案できる会社を選びましょう。
なお、複数社へ査定を依頼するときは、金額だけでなく、想定している買主や、広告で前面に出すポイントなども比較しましょう。大切なのは「誰に、どの魅力を、どう伝えて売るか」までを具体的に説明できることです。
売り出した後の反響を見て販売方法を調整する
広告を出したあとは、問い合わせや内覧状況をチェックし、価格や販売方法を適宜見直しましょう。
たとえば、物件ページを見られているのに問い合わせが少ない場合は、価格や広告内容が原因になっている可能性が考えられます。反対に、問い合わせはあるものの内覧につながらない、内覧後に見送られるケースが続く場合は、物件の見せ方や周辺情報の伝え方に改善の余地があるかもしれません。
大切なのは、反響が少ないからとすぐに値下げするのではなく、どの段階で買主が離れているのかを確認することです。不動産会社と問い合わせ数や内覧後の反応を共有しながら、価格・写真・広告文・案内方法のどこを見直すべきか整理すると、次の打ち手を決めやすくなります。
売却期限と維持費から販売計画を立てる
販売計画を立てるときは、いつまでに売却したいかと、それまでの維持費を整理しましょう。住み替えなどで引き渡しの期限が決まっている場合は、早めに不動産会社へ伝え、売り出す時期や販売状況を見直すタイミングを相談しておきます。
売却まで時間がかかるほど、草刈りや清掃の依頼費、管理のために現地へ通う交通費なども積み重なります。毎月かかる費用と、季節ごとに必要な費用を書き出しておくと、販売を続ける負担を把握しやすくなるでしょう。希望価格で売れるのを待つか、価格や売却方法を見直すかは、こうした出費も踏まえて考えることが大切です。
買取を検討する場合も、提示額だけで判断せず、引き渡しまでの期間や残置物の撤去費用などを確認してください。仲介で販売を続ける場合と、それぞれの費用を差し引いて手元に残る金額を比べると、自分に合った方法を選びやすくなります。
内覧では交通手段や生活動線まで具体的に伝える
内覧時には、実際にどのように通勤・通学や買い物をするのかまで伝える工夫をしましょう。
たとえば、日常生活を具体的にイメージできるように、最寄りのバス停までの距離や駅までの所要時間、スーパー・病院・学校までの距離などを整理しておくと親切です。駐車場がある場合は、駐車できる台数や車の出し入れのしやすさも見てもらいましょう。
また、これらの情報が伝わりやすいように、周辺施設と交通手段を一枚の地図や資料にまとめておくことも大切です。内覧では駅までの距離を隠すのではなく、その距離でも生活できる根拠を具体的に見せることを意識しましょう。
駅から遠い家の売却に悩んだらアキサポへ相談を

ここまで紹介した対策を試してもなかなか売れない場合や、相続した家を早めに手放したい場合は、空き家の専門家である「アキサポ」へ相談する選択肢も検討してみてください。
アキサポでは、駅から遠い物件をはじめ、築年数が古い、老朽化が進んでいる、残置物が残っているといった空き家についても、買取や活用の相談を受け付けています。売却だけを前提にするのではなく、物件の状態や立地、ご希望を伺いながら、その空き家に合った方法をご提案します。
まだ「仲介で売り続けるべきか」「買取を検討したほうがよいのか」「そもそも売却以外の方法はないのか」と迷っている段階でも問題ありません。空き家を専門に扱ってきたプロフェッショナルの視点から、大切な物件をこれからどうするのが最善なのか、一緒に丁寧に整理していきます。まずはお気軽にご相談ください。
A1. 駅距離以外の強みを伝えることで、物件の価値を評価してもらいやすくなります。広い駐車場や静かな住環境などを求める買主に向けて、具体的な情報を届けましょう。売出価格は、条件の近い成約事例をもとに設定することが大切です。
A2. 駅までの距離だけで売却期間を決めることはできません。地域の需要や価格、建物の状態によって変わるため、条件の近い物件が売れるまでにかかった期間を不動産会社に確認しましょう。住み替えなどの期限がある場合は、あわせて伝えておくと販売計画を立てやすくなります。
A3. 原則として、安易に更地へ解体するのはおすすめしません。建物を壊すと「住宅用地の特例(地方税法第349条の3の2)」の適用から外れ、土地の固定資産税が最大6倍(※税額そのものは負担調整措置等により3〜4倍程度となるケースが一般的)に跳ね上がるリスクがあります。また、解体費用として数百万円単位の出費も先行します。さらに、放置された空き家は法改正(空家等対策の推進に関する特別措置法)により「管理不全空家」に指定された段階でもこの住宅用地特例が解除されるため、売却・活用の判断を先送りにせず、まずは「古家付き土地」として現状のまま売り出すか、専門会社への買取査定を依頼しましょう。
まとめ|駅から遠い家は距離以外の条件も含めて売り方を考えよう
駅から遠い家でも、そのことだけを理由に売却を諦める必要はありません。大切なのは、駅までの距離がどの程度不利になるのかを把握したうえで、その家を選ぶ人は誰なのか、どんな魅力なら購入理由になるのかを整理することです。
まずは、同じ地域・同じような駅距離の成約事例を確認し、自宅の価格や売れやすさを把握してみましょう。そのうえで、駐車場や生活施設へのアクセス、広さ、住環境など、その家ならではの価値を具体的に伝えていけば、売却の進め方も見えやすくなります。
こうした対策を試す時間や手間をかけられない、あるいは早めに手放したいという場合は、駅から遠い物件の実績が豊富なアキサポに相談してみるのもひとつの方法です。
この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。






