公開日:2024.05.17 更新日:2026.06.17
空き家に火災保険は必要か?理由・選び方・注意点を解説
空き家でも、人が住んでいる家と同様に、火災保険に加入することが大切です。人が住んでいないからといって火災保険への加入を怠ると、万一の際に大きなトラブルに発展しかねません。
ここでは、空き家に火災保険をかけるべき理由や、ニーズに合った火災保険の選び方などを解説します。空き家の所有者様は、火災への備えについて確認しておきましょう。
目次
空き家に火災保険をかけるべき理由

空き家は放火・漏電・自然災害といったリスクにさらされやすく、万一の際に近隣へ損害が及ぶ可能性もあるため、人が住んでいない建物でも火災保険への加入が必要です。
空き家は放火犯に狙われやすい
人の目が少ない空き家は、放火犯に狙われやすくなります。ポストなどをそのままにしている場合、チラシが投入されたまま放置されていれば、そこが火をつけやすい状態になってしまいます。人が住んでいないため、不審者が家の近くをうろついていても誰も気づけませんから、事前の抑止も困難です。
また、不審者に窓ガラスを割られて空き家に不法侵入されたり、物を投げ込まれて建物が破損したりといったトラブルが起こることもあるでしょう。火災保険の中には、石などを投げ込まれて窓ガラスが割れた場合などに補償を受けられるものもありますから、加入しておくと安心です。
漏電の可能性がある
空き家で電気を使えるようにしている場合は、漏電のリスクがあります。漏電はコンセントなどへのほこりの付着、電化製品の劣化といった原因によって起こります。掃除や管理をこまめに行えない空き家では、漏電リスクも高くなりがちです。
訪問のたびにブレーカーを操作するようにすれば漏電のリスクは避けられますが、冷蔵庫など24時間稼働させておく電化製品がある場合は困難です。
また、空き家から帰宅する際に、ブレーカーをうっかり切り忘れてしまうといった問題もあるでしょう。そのため、漏電による火災リスクへの備えが必要になってきます。
自然災害のリスクがある
台風や大雪などによって、空き家の瓦が飛んだり、浸水したりすることもあります。火災保険は、火災のほか、水災や風災、落雷などにも備えられるため、自然災害全般への備えとしても活用可能です。
特に古い空き家は、台風などの被害を受けやすくなるので、自然災害に備えられる火災保険に加入しておけば安心でしょう。
火災・倒壊などが起きたときに近隣への影響がある
基本的に、自然災害や過失を伴わない火災などによる近隣被害の賠償責任を、空き家の所有者様が負うことはありません。しかし、空き家を放置して適切な管理を行わなかった結果、建物が倒壊してしまったりした場合は、損害賠償責任を負う可能性があります。
このように、古くなった建物が倒壊して通行人や近隣住宅に損害を及ぼした場合の備えとしても、火災保険が役立ちます。
また、「損害賠償責任がないとはいえ、近隣にお見舞いをしないわけにはいかない」ということもあるでしょう。そのようなケースに備えるためには、火災保険の類焼損害特約などの特約が役立ちます。
入る際は、空き家を対象にした火災保険に入る必要がある
住宅物件 vs 一般物件 火災保険の違い
✅ 地震保険特約の付帯可
✅ 保険料が比較的安め
❌ 空き家には適用不可
✅ 火災・風災・水災等に対応
❌ 地震保険特約は原則不可
❌ 保険料がやや高め
火災保険は、家の用途によって複数の種類に分けられます。このうち、住宅に関連するのは「住宅物件」または「一般物件」です。人が住んでいる家は「住宅物件」に該当します。一方、空き家は事務所などと同様の「一般物件」になり、住宅物件用の火災保険には加入できません。
例えば、「両親が老人ホームに入ったため、空き家になった」「相続していた古い実家を出てマンションを買った」といった理由で空き家となった場合、元々加入していた住宅物件向けの火災保険を継続してしまうことがあります。しかし、人が住んでいない家は一般物件に該当します。
空き家に住宅物件向けの火災保険をかけ続けた場合、万一火災が起こった際に保険金を受け取れない可能性がありますので、そのまま放置せず、必ず保険会社に連絡してください。
なお、一時的に家を空けて空き家になる場合など、住宅物件と一般物件のどちらに該当するか曖昧な場合には、保険会社に相談しましょう。具体的な区分は保険会社ごとに定められているため、自分が加入している火災保険会社に確認することが大切です。
空き家の火災保険の選び方
空き家の火災保険は、『できるだけ安心したい』か『保険料を抑えたい』かによって補償範囲と補償金額の設定が変わり、目的に合わせて選ぶことが大切です。
| 優先したいこと | 補償範囲の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| できるだけ安心したい | 火災・水災・風災・落雷・盗難・外部衝突など幅広く設定 | 家財がある場合は家財補償も追加 |
| 保険料を抑えたい | リスクの低い補償(例:高台なら水災不要)を外して最小限に絞る | 複数社に見積もりを依頼して比較 |
できるだけ安心したい
「今は空き家にしているけど、将来住む可能性がある」「それほど築年数が経っていない」「大切な思い出がある」といった理由から、できるだけ手厚い補償を受けられるようにして安心したい場合は、幅広いリスクに対応できる火災保険に加入しましょう。
火災、水災、風災、落雷、盗難などのほか、外部からの衝突などに備えられる火災保険もあります。また、空き家の中に家具がある場合は、家財道具にも保険をかけておくと安心です。
ただし、補償範囲を広くしたり、補償金額を高くしたりすれば、それだけ保険料も高額になります。保険料と補償内容のバランスを考えて検討することが大切です。
できるだけ保険料を安く済ませたい
できるだけ保険料を抑えたい場合は、補償範囲と補償金額を最小限にしましょう。例えば、空き家近くに水辺がなく高台に位置していれば水害リスクは低くなるので、水災による補償はつけなくてもいいかもしれません。
保険料は、保険会社によって変わりますし、複数年分まとめて契約することで保険料が安くなるケースもあります。いくつかの保険会社に見積もりを依頼し、比較検討してみてください。
地震被害への備えは基本的に火災保険ではできない
空き家(一般物件)は火災保険に地震保険特約を付帯できないため、地震による損壊は原則として自己負担となります。
人が居住している家であれば、火災保険に地震保険特約をつけることで地震への備えが可能ですが、空き家は地震保険特約をつけることができません。ですので、地震によって建物が倒壊した場合は、自己負担で修繕などを行う必要があります。
ただし、人が常に住んでいない状態でも、「別荘として特定の季節のみ利用している」「短期の転勤で一時的に家を空けているが、一定期間経過後に再度居住する予定」という理由で「住宅物件」として火災保険に加入している場合は、地震保険特約をつけられる可能性があります。
火災保険に地震保険特約をつけられるかどうかの基準は、保険会社ごとに定められていますので、別荘などに地震保険をかけたい場合は、保険会社に相談してみましょう。
火災保険に入って空き家を適切に管理しよう
空き家を放置すると、火災・不法侵入・自然災害といったリスクが積み重なり、近隣への損害が発生した場合には賠償責任を負う可能性もあります。適切な管理と火災保険への加入を組み合わせることが、空き家オーナーとしての基本的な備えです。
「保険料を払い続けるより、空き家を活用したい」とお考えの方は、空き家解決サービス「アキサポ」にご相談ください。空き家をリノベーションして賃貸物件として活用するトータルサポートを行っており、費用面のハードルを抑えて空き家活用に踏み出せます。活用によって人の目が入ることで、盗難・放火・不法投棄といったリスクの低減にもつながります。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。