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2021.06.25

空き家維持にかかる年間費用はいくら?費用内訳、維持費の削減方法を解説

空き家を所有していると実は想像以上に維持費がかかるもの。

経済的コストはもちろんのこと、維持にかかる時間的コストもあるのでつい放置してしまいがちになります。ただ、放置すると様々な弊害がありますので注意点として覚えておきましょう。

今回の記事では、

「空き家を維持するのに大体どのくらいの費用がかかるのか知りたい」

「空き家維持にかかる費用の種類が知りたい」

「できるだけお金がかからない方法があるなら知りたい」

という方に向けて解説していきます。

所有物件を手放したくない場合でも維持費用を捻出し続けるのは大変なので、維持以外の空き家活用方法についてもご紹介します。

空き家の維持費用は年間でいくらかかる?費用項目別に相場を確認しよう!

黒い空き家外観

空き家の維持管理にかかる費用は意外と項目が多く、特に税金や光熱水費、保険料といった固定費は負担が大きくなっています。固定費だけで年間10万円以上かかるケースも多く、そこに加えて修繕費用や現地へ行くための交通費などが追加でかかります。

まずはそれぞれの項目について、ざっくりの相場を把握していきましょう。

空き家維持にかかる費用項目

空き家に必要な維持費用の項目と大まかな相場は以下のとおりです。

・固定資産税:土地と建物に課される税金。年額10~15万円程度
・都市計画税:市街化区域にある土地・建物に課される税金。年額3~5万円程度
・管理費用(委託する場合):空き家維持管理サービスの利用料。年額5~10万円程度
・修繕費用:破損部分を修繕する費用。費用は建物の劣化具合によって変わる。
・光熱水費:電気・ガス・水道料金。基本料金のみのケースが多い。年額2~3万円程度。
・火災保険:建物が火災や落雷、雹災、雪災などによって破損した際に保険金が受け取れる保険。年額1~3万円程度。
・交通費:空き家へ行くための費用。空き家までの距離や通う回数によって費用が異なる

空き家維持にかかる費用項目の説明と費用概算

保有している空き家の維持費用を具体的に導き出すには、それぞれの算出方法を知る必要があります。ここからは、維持費用の各種項目について、具体的な算出方法を紹介します。

固定資産税

固定資産税とは、土地や建物を保有することによって課される税金です。税金の支払い義務が発生するのは、それぞれの所有者で、毎年1月1日に保有している人が納税の義務を負います。ちなみに、建物に住んでいない場合でも税金の支払い義務は発生します。

建物・土地共に固定資産税を算出する計算式は下記のとおりです。

・固定資産税額=課税標準×1.4%(標準税率)

このとき、課税標準とは固定資産税の評価額とイコールになります。

建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」で算出され、土地の評価額は「路線価×土地面積」で求められる「路線価方式」か、周辺地域の売買実例価額や公示価格などに特定の倍率を乗じて算出される「倍率方式」によって求められます。

例)土地の評価額1,500万円、建物の評価額800万円の場合

・土地の固定資産税:1,500万×1.4=21万円
・建物の固定資産税:800万×1.4=11.2万円

なお、土地の固定資産税には以下の減税制度があります。

・小規模住宅用地:200平方メートル以下の住宅用地は土地の固定資産税が1/6に減額される
・一般住宅用地:200平方メートルを超える住宅用地は土地の固定資産税が1/3に減額される

都市計画税

都市計画税とは、所有する土地や建物が「市街化区域」に存する場合に課される税金です。

市街化区域というのは、都市計画法によって定められた、すでに市街地を形成している区域及び、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことです。

市街化区域では、良好な住環境を保つために上下水道や道路などのインフラ整備が必要であり、都市計画税はそれらの整備費用のために徴収されます。

都市計画税の計算式

・都市計画税 = 課税標準×0.3%(※)

※都市計画税率は上限が0.3%であり、0.3%未満の自治体もあります

例)土地の評価額1,500万円、建物の評価額800万円の場合

・土地の都市計画税:1,500万×0.3=4.5万円
・建物の都市計画税:800万×0.3=2.4万円

管理費用

管理費用とは、空き家を定期的に見回ったり管理してくれたりする「空き家管理サービス」を利用した場合の費用です。

空き家管理サービスのサービス内容は、状況確認や通電・通水などがメインで、点検結果は主に報告書で報告されます。

サービス費用はピンキリですが、月あたり5,000~10,000円程度が多いです。月あたり7,500円かかったとすると、年額で90,000円かかる計算になります。

修繕費用

空き家が劣化している場合、適宜修繕が必要になってきます。修繕を行わないと建物の基礎や柱、屋根といった重要な部分も傷んでくる可能性がありますし、劣化が進行した場合、建物の破損や倒壊などに繋がる恐れがあります。

特に、定期的な通気を行わないと湿気により木部の不朽が進行し、シロアリの発生しやすい条件も整ってしまうため注意が必要です。

修繕費用の相場は建物次第です。なるべく修繕費用がかからないように、定期的な維持管理を行いましょう。

光熱水費

空き家の状態でも、維持管理に電気や水道は必要です。ガスは止めても差し支えないケースもありますが、電気と水道を止めるのは実質的に難しいです。

それぞれ滅多に使わないとしても、基本料はかかってきます。

例えば、電気の基本料が40Aなら1,200円程度、50Aなら1,500円程度。水道の基本料は水道管の口径が13mmなら1,000円程度です。

それぞれ12カ月支払ったとすると、両方を合算して3万円弱になります。

火災保険

空き家は、人が住んでいなくても放火や自然発火などによる火災のリスクがあります。そのため、火災保険への加入も必要になってきます。

ただ、火災保険によっては、空き家は保険対象外となっているケースもあります。空き家を保有することになったら、まずは加入保険の見直しをしておきましょう。

火災保険の保険料は、保険会社によって異なりますが、年間1万~5万円程度かかります。空き家の築年数が長いほど保険料は高くなる傾向にあります。

不法投棄された場合のゴミ処分費用

空き家を長期間放置してしまうと、雑草の繁茂や建物の劣化などが起こって外見が悪くなり、不法投棄されやすい状況に繋がるケースがあります。

不法投棄されるゴミはさまざまで、ちょっとしたゴミから雑誌、テレビやパソコンなどの家電、ひどい場合はタイヤや産業廃棄物などが廃棄される場合もあります。

不法投棄をされた場合、自治体に処理をお願いしたくなると思いますが、してくれるかは自治体によってまちまちです。自分で処理をしないといけないケースも多いため、不法投棄を呼ばない環境づくりが大切です。

定期的な庭のメンテナンス費用

空き家に庭がある場合、定期的な除草や剪定は不可欠です。

雑草や木が繁茂しすぎると近隣に飛び出してしまったり、害虫が発生して近隣に迷惑をかけたりする場合もあります。特にスズメバチが巣を作ってしまうと大変危険なため、春から秋にかけては定期的な手入れを行いましょう。

除草・剪定費用は、造園屋に依頼すると10万円以上かかることもあります。安く済ませたい場合は、空き家管理サービスや地域のシルバー人材センターなどを活用しましょう。

空家等対策特別措置法

空き家の状態が特に悪くなってしまうと、空き家に関する法律である「空家等対策特別措置法」に基づいて「特定空家」に指定される場合があります。

特定空家とは、空き家の中でも特に「危険・有害で管理不十分」と判断された物件のことで、指定されると、自治体から適切な管理を行うように連絡がきたり、文書が送付されてきたりします。

さらに、いつまでも管理を行わないでいると、特定空家に対して「勧告」という対応をなされる場合があります。勧告がなされた場合、建物の固定資産税減税が解除されてしまい、建物の固定資産税が6倍になってしまう可能性があります。

交通費

空き家へ通うための交通費も意外とかさむ費用項目です。近隣でも車を出せばガソリン代がかかりますし、遠方の場合は高速代や電車代などがかかる場合もあります。

また、交通費と同時に時間も取られるため、交通費は時間が経てば経つほど負担が大きくなってしまいます。

空き家維持にかかる年間の費用総額はいくらか?

空き家の維持管理には多くの費用がかかることが分かりました。

かなり費用項目が多いため、これらの総額を算出する場合は一覧表を作って試算すると良いでしょう。

空き家の維持管理に必要な費用総額表の例

費用項目内訳年額
固定資産税(建物)1,000万×1.4%11.2万円
固定資産税(土地)1,500万×1.4%×1/6(小規模住宅用地適用)3.5万円
都市計画税(建物)1,000万×0.3%2.4万円
都市計画税(土地)1,500万×0.3%4.5万円
管理費用7,500×12カ月9万円
修繕費用概算10万円
光熱水費2,500×12カ月3万円
火災保険年額3万円
不法投棄された場合のごみ処分費用概算5万円
定期的な庭のメンテナンス費用除草+剪定の概算10万円
交通費3,000×12カ月3.6万円
合計65.2万円

空き家を維持する際の注意点とは?知らないと費用が更にかかることも・・・

黄色の花手前、空き家外観

空き家を「維持」し続けるのは大変ですが、放置してしまうと大変なことになってしまいます。

具体的にどんな注意点があるのかを見ていきましょう。

・放置して老朽化が進むと税金が6倍になる可能性も
・修繕費用がかかることも
・空き家改修の補助金もあるので自治体のHPを確認しておく

それぞれ確認していきましょう。

放置して老朽化が進むと税金が6倍になる可能性も

空き家を放置することによってどんどん老朽化が進んでしまい、倒壊の危険が高まります。

空き家の管理をすることは大変なので放置しがちになってしまう空き家が増えたことが要因で、2015年5月に空き家対策特別措置法が全面施行されました。

これによって、「特定空き家」と呼ばれる空き家の所有者は、固定資産税額の軽減措置対象から除外されるようになってしまいました。

軽減措置対象であれば固定資産税が1/6なのに対し、その対象から外れるので6倍になってしまいます。

修繕費用がかかることも

しばらく放置をしておくと想像以上のスピードで老朽化が進むのが空き家。

そうなるとあちこち傷んだ建物の修繕費用が嵩みます。

空き家改修の補助金もあるので自治体のHPを確認しておく

空き家を古いまま維持するのではなく、リフォームをして維持するのをおすすめします。

その際に自治体で補助金を出してくれる場合があるので、空き家が所在する地域の自治体のホームページを確認しましょう。

空き家の維持費を節約・解消する方法!「維持」以外の選択肢も視野に!

古風の空き家、外観

空き家を維持するとなると毎月、毎年のように維持費が出ていきます。

維持している限りそれはずっと払い続けなければならない出費です。

思い入れのある家なので、手放さずに維持したいという方もいらっしゃるかと思いますが、他の選択肢も知っておいたほうが視野が広がります。

他の選択肢とは、以下の3つです。

・売却する
・賃貸に出す
・リノベーションして貸し出す

それぞれ見ていきましょう。

売却する

維持すると決めたのはやはり手放したくないからというところが大きいことでしょう。

しかし、売却するというのは一つの手です。

その際、不動産仲介や業者買取、空き家バンクへの登録などさまざまな方法があります。

賃貸に出す

空き家になった状態でも、家の中の整理をして貸し出すことができます。

立地が良かったり、建物の状態が良かったりすると比較的貸し出すことが容易になります。

貸し出すことで、維持する際にはお金が出ていくだけだったものが逆に継続的な収入に繋がります。

リノベーションして貸し出す

3つ目が、リノベーションを施してから貸し出す方法です。

今までの姿とは様変わりしてしまいますが、それでも手放さずにリノベーションをして貸し出すのも一つの手です。

リノベーションするための費用がかなりネックになると思いますが、アキサポではリノベーション費用を負担し、賃借人の募集をかける部分まで担当させていただきます。

もしも、リノベーションして他者へ貸し出すことも検討しているのであればぜひ一度お問い合わせください。

空き家を維持するためには費用だけではなく時間や人的労力もかかります!

見落としがちなポイントですが、空き家の維持管理には多くの労力も必要です。

定期的な通風・通水や簡単な清掃だけでも手間がかかりますし、ここに草取りや木の剪定が加わると、この時点ですでに面倒くさくなってくるはずです。

また、空き家が離れた場所にある場合、片道30分の場所だとしても足が遠のくと思います。さらに、うっかり雑草が伸びてしまったとすれば、現状を見るだけでも気が重くなるでしょう。

そのような悩みを解決するために空き家管理サービスがあるわけですが、根本的な解決にはなりませんし、そのほかの維持管理費もかかり続けます。

空き家の管理とは、マンパワーをかけ続けるか、マンパワーがかかる部分をお金で解決するかの2択になります。どちらも継続するには負担が大きいため、早めに根本的な解決策を考えるのが得策と言えます。

まとめ

見晴らしの良い空き家、外観

今回は空き家を維持するのにかかる費用や注意点などを見てきました。

維持費用はすべて合わせて年間おおむね10万~30万円ほどが多いでしょう。

生涯維持し続けるとなるとなかなか大きな金額になります。

維持するのは大変ですが、放置するとさらにさまざまなリスクが上がります。

そして、維持費は手放すまで継続的にかかるので、維持以外の選択肢も考えてみてはどうでしょうか。

もしも、少しでも気になった方がおられましたらアキサポに気軽にお問い合わせください。