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公開日:2021.06.25 更新日:2026.06.05

空き家の維持費は年間いくら?費用内訳と安く抑える対策を解説

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空き家の維持費は所有者にとって頭が痛い問題です。

空き家を相続したばかりで、維持費がどれくらいかかるのか不安に思っている方もいるのではないでしょうか?そこでこの記事では、空き家維持にかかる年間費用を項目ごとに具体的に解説いたします。対策も紹介いたしますので、よろしければ参考にしてください。

空き家の維持費用は年間でいくらかかる?費用項目別相場

空き家の維持管理にかかる費用は項目が多く、固定資産税・都市計画税・光熱水費の基本料金・火災保険料といった固定費だけでも年間数十万円規模になるケースが少なくありません。諸費用をトータルすると年間30万円以上かかることも珍しくなく、そこに修繕費や現地への交通費が加わると、さらに負担は膨らみます。

まずは各項目の相場を把握しておきましょう。

空き家維持にかかる9つの費用項目

空き家に必要な維持費用の項目は以下のとおりです。

費用項目概要・具体的な内容
① 固定資産税毎年1月1日時点の所有者に課される地方税。住んでいなくても発生する。
② 都市計画税物件が市街化区域にある場合に課される税金。インフラ整備等に充てられる。
③ 光熱水費通水・通電や清掃のために維持する電気・水道の基本料金。
④ 保険料火災や自然災害のリスクに備えるための火災保険料。
⑤ メンテナンス費庭の除草(草刈り)や樹木の剪定を業者に依頼する際の手間賃。
⑥ 修繕費用建物の老朽化による雨漏りや木部の腐朽、シロアリ被害を防ぐ補修費。
⑦ 管理費用遠方の所有者に代わって業者が定期巡回を行うサービス利用料。
⑧ 交通費所有者自身が現地を訪問・管理するためにかかる移動費用。
⑨ ゴミ処分費用万が一、敷地内に不用品を不法投棄された場合の撤去・処分コスト。

一覧を見ると費用項目が多いことが分かります。なかには、固定資産税や都市計画税、修繕費用など、1項目で年間10万円を超える可能性があるものもあり、これを毎年支払うとなると、負担の大きさが予想できるのではないでしょうか。

それでは、各項目について具体的に見ていきましょう。

各費用項目の説明と費用概算の計算方法

空き家の維持費用を具体的に把握するには、各項目の算出方法を理解しておくことが重要です。

①固定資産税

土地や建物を所有している人に毎年課される税金です。毎年1月1日時点の所有者が対象で、建物に居住していない場合でも課税されます。

計算式:固定資産税額=課税標準×1.4%(標準税率)

課税標準は固定資産税の評価額です。建物の評価額は「再建築価格×経年減点補正率」、土地の評価額は「路線価×土地面積」または「公示価格に特定の倍率を乗じた値」で算出されます。

例:土地の評価額1,500万円、建物の評価額800万円の場合
・土地の固定資産税:1,500万円×1.4%=21万円
・建物の固定資産税:800万円×1.4%=11.2万円

なお、住宅用地には減税制度が適用されます。200㎡以下の小規模住宅用地は固定資産税が1/6に、200㎡超の部分は1/3に減額されます。

②都市計画税

市街化区域内に土地や建物を所有している場合に課される税金です。インフラ整備の財源として徴収されます。

計算式:都市計画税=課税標準×0.3%(上限税率。自治体により異なる)

例:土地の評価額1,500万円、建物の評価額800万円の場合
・土地の都市計画税:1,500万円×0.3%=4.5万円
・建物の都市計画税:800万円×0.3%=2.4万円

③光熱水費

空き家でも電気・水道の基本料金は発生します。電気の基本料金は契約アンペア数によって異なり、東京電力「従量電灯B」の場合、40Aで約1,247円/月、50Aで約1,559円/月が目安です(2024年4月改定後の料金)。水道の基本料金は口径13mmで約1,000円/月程度が一般的です。これらを合計すると年間3万円前後になります。なお、料金は電力会社・地域・契約内容によって異なります。

④保険料

空き家でも火災リスクがあるため、火災保険への加入が必要です。保険料は保険会社や補償内容によりますが、年間1〜5万円程度が一般的です。ただし、空き家を保険対象外としている保険商品もあるため、空き家を所有することになったら加入している保険の内容を早めに確認しておきましょう。

⑤草刈り等のメンテナンス費

庭がある場合、定期的な除草や剪定が必要です。専門業者に依頼すると年間10万円以上かかることもあります。費用を抑えるには、空き家管理サービスや地域のシルバー人材センターの活用が有効です。

⑥修繕費用

放置による劣化が進むと、基礎・柱・屋根などの重要部分にも影響が出ます。特に通気が不十分な状態では湿気による木部の腐朽やシロアリの発生リスクが高まるため、定期的な維持管理で修繕費を抑えることが重要です。修繕費の相場は建物の状態によって大きく異なります。

⑦管理費用

空き家管理サービスの費用は、月5,000〜10,000円程度が一般的です。仮に月7,500円とすると年間約9万円になります。サービス内容は状況確認・通電・通水などが中心で、点検結果は書面で報告されます。

⑧交通費

空き家の訪問にかかるガソリン代や交通費も負担になります。距離や訪問頻度によって異なりますが、回数が増えるほど時間的・金銭的な負担も大きくなります。

⑨不法投棄された場合のゴミ処分費用

管理が行き届いていない空き家は不法投棄の標的になりやすく、可燃ごみから家電・産業廃棄物まで多様なゴミが捨てられるケースがあります。不法投棄物の処分対応は自治体によって異なり、自己処理が必要になる場合も多いため、不法投棄を招かない環境づくりが大切です。

空き家維持にかかる年間の費用総額はいくらか?

ここで、上記で紹介した費用項目を一覧表でまとめてみましょう。今回は、標準的な庭付きの一軒家を想定して、一般的な額を例示しています。

費用項目具体的な内訳の例年間の費用概算
① 固定資産税(建物)評価額1,000万円 × 1.4%112,000円
① 固定資産税(土地)評価額1,500万円 × 1.4% × 1/6(小規模住宅用地特例)35,000円
② 都市計画税(建物)評価額1,000万円 × 0.3%24,000円
② 都市計画税(土地)評価額1,500万円 × 0.3% × 1/3(小規模住宅用地特例)15,000円
③ 光熱水費電気・水道の基本料金:月額約2,500円 × 12ヶ月30,000円
④ 保険料空き家向け火災保険料の平均的な年額30,000円
⑤ 庭のメンテナンス費年2回程度の業者による除草・剪定費用の概算100,000円
⑥ 修繕費用建物のコンディションを維持するための突発的な補修費100,000円
⑦ 管理費用空き家管理サービスの委託料:月額7,500円 × 12ヶ月90,000円
⑧ 交通費現地への定期訪問にかかるガソリン代・特急料金(月1回)36,000円
⑨ ゴミ処分費用不法投棄対策や軽微な廃棄物処分の年間予備費50,000円
合計金額庭付き一戸建てを外部委託を交えて維持する場合の総額622,000円

空き家を維持する際の注意点|知らないと費用が更にかかることも

空き家を維持し続けるのは大変ですが、放置するとさらに深刻な問題につながります。主な注意点を確認しておきましょう。

  • 「特定空家」または「管理不全空家」に指定されると、固定資産税が最大6倍になる可能性がある
  • 放置による老朽化が進むと、修繕費用が膨らむ
  • 自治体によっては空き家改修の補助金制度があるため、各自治体のホームページを確認しておく

それぞれ詳しく見ていきましょう。

放置して老朽化が進むと税金が6倍になる可能性も

【改正空家法基準】空き家放置によるペナルティの4段階

※自治体からの「勧告」を受けた時点で、固定資産税の優遇が解除されます

第1段階
助言・指導

窓口や書面を通じて、物件の適切な管理や雑草の除去、修繕を行うよう促される初期の段階です。

第2段階(注意!)
管理不全空家

放置すれば特定空家になる恐れがある状態。改善を求める「勧告」を受けると、固定資産税が最大6倍になります。

第3段階(深刻)
特定空家等

倒壊の危険や衛生上有害な状態。助言・指導を経て「勧告」や、法的拘束力のある「命令」が出されます。

最終段階
行政代執行

命令に従わない場合、自治体が強制的に建物を解体。かかった高額な費用はすべて所有者に請求されます。

空き家を放置すると老朽化が進み、倒壊リスクが高まります。この問題への対策として2015年5月に「空き家対策特別措置法」が全面施行され、老朽化が著しい「特定空家」の所有者は固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)の対象から除外されることになりました。

通常、住宅用地の固定資産税は軽減措置により最大1/6に抑えられますが、特定空家に指定されると特例が解除され、税額が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。

さらに2023年12月施行の「改正空家法」により、特定空家になる前段階の空き家を「管理不全空家」として指定できる制度が導入されました。管理不全空家も、自治体から勧告を受けると住宅用地特例が解除され、同様に固定資産税が最大6倍になるリスクがあります。

なお、住宅用地特例が解除されるのは「勧告」を受けた場合です。措置は助言→指導→勧告→命令の4段階で行われるため、助言・指導の段階で改善すれば勧告を受けずに済みます。

詳細や具体的な対策については、以下の記事をご参照ください。

修繕費用がかかることも

空き家は放置しておくと想像以上のスピードで老朽化が進みます。湿気・シロアリ・雨漏りなどによる劣化は気づかないうちに広がり、修繕費用が大きく膨らむ原因になります。早めの対処が費用を抑えるコツです。

空き家改修の補助金もあるので自治体のHPを確認しておく

空き家をそのまま維持するより、リフォームして活用できる状態に整えておく方が長期的なコスト削減につながります。自治体によっては改修費用の補助金制度を設けているケースがあるため、空き家が所在する地域の自治体ホームページを確認しておきましょう。

空き家の維持費を節約・解消する方法

空き家の維持費は、空き家を持ち続ける限り発生し続けます。愛着のある家を手放すことなく維持したいという意向は理解できますが、ほかの選択肢も視野に入れてみると、新たな解決策が見つかるかもしれません。具体的には、主に以下3つの選択肢があります。

  • 売却する
  • 賃貸に出す
  • リノベーションして貸し出す
選択肢メリットデメリット・注意点適したケース
1. 売却する・管理の手間や維持費から完全に解放される
・まとまった現金が手に入る
・愛着のある実家が手元に残らない
・需要が低いエリアは買い手がつかない
・今後の利用予定が全くない場合
・早期に資産を現金化して整理したい場合
2. 賃貸に出す・所有権を維持したまま毎月家賃収入を得られる
・維持費を家賃で相殺できる
・現状のまま借り手がつく物件は限られる
・入居者管理の手間や初期投資が必要
・築年数が浅く、水回りが綺麗な状態の場合
・駅近など立地条件が良い場合
3. リノベーションして貸し出す・築古物件でも高い賃料で運用できる
・建物の寿命を延ばし、資産価値を高められる
・通常は数百万円規模の初期費用がかかる
・リフォーム業者の選定が難しい
・建物が古く、そのままでは貸せない場合
・アキサポを活用して初期費用を抑えたい場合

空き家をどうする?維持以外の3つの選択肢

物件の状態や将来のライフプランに合わせて最適な選択を

1. 売却する
手放して現金化

実家の所有権を売却して手放す方法。毎年の固定資産税や草刈り・見回りの手間から完全に解放され、資産をすっきり整理できます。

2. 賃貸に出す
現状のまま運用

建物の状態が良い場合、そのままの状態で入居者を募集する方法。実家を残したまま、毎月の維持費を家賃収入でカバーできます。

3. 改修して貸す
リノベで価値向上

築古物件を再生させてから賃貸。アキサポならリノベーション費用を当社が負担するため、初期費用を大幅に抑えて安定収入を作れます。

アキサポに相談してみる

空き家維持には費用だけでなく、時間と労力もかかる

空き家の維持管理には、費用だけでなく時間と体力も必要です。定期的な通風・通水・清掃に加え、草刈りや庭木の剪定まで行うとなると、相当な手間がかかります。

空き家が遠方にある場合はさらに負担が増します。片道30分の距離でも足が遠のきがちで、気づけば雑草が繁茂し、現状を確認するだけで気が重くなる、といったケースも珍しくありません。

空き家管理サービスを利用すれば手間は減らせますが、維持管理費は引き続き発生するため根本的な解決にはなりません。結局のところ、自分で手を動かし続けるか、費用を払って委託するかの二択になり、どちらも長期的には大きな負担です。早めに根本的な解決策を検討することをおすすめします。

空き家の維持費用に関するよくある質問

Q.

誰も住んでいない空き家でも維持費は年間どれくらいかかりますか?

A.

物件の規模や立地、管理状態によって異なりますが、庭付きの一戸建てを適切に維持する場合、年間でおおむね30万〜60万円程度かかるケースが多く見られます。内訳としては固定資産税や都市計画税などの税金、火災保険料、水道光熱費の基本料金といった固定費のほか、定期的な庭の草刈りや建物の修繕費、遠方であれば現地へ行くための交通費などが毎年積み重なっていきます。

Q.

空き家を放置すると税金が6倍になると聞いたのですが本当ですか?

A.

事実です。改正空家法により、管理が行き届かず老朽化した物件は「管理不全空家」や「特定空家等」に指定されるリスクがあります。指定後に自治体からの是正勧告を受けると、これまで土地に適用されていた住宅用地特例(固定資産税を最大1/6に減額する仕組み)が解除されてしまうため、結果として土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がってしまいます。

Q.

毎年の重い維持費負担を根本的に解消する方法はありますか?

A.

「維持」し続ける以外の選択肢(売却・賃貸・リノベーション活用)へ早期に切り替えることが根本的な解決策です。家を手放して管理の手間から解放されたい場合は売却が有効ですが、愛着があり建物を残したい場合はリノベーションして貸し出す方法がおすすめです。アキサポの仕組みを活用すれば、初期のリフォーム費用を大幅に抑えながら建物を再生し、毎月の賃料収入を得ることで、マイナスの維持費をプラスの利益に変えることができます。

まとめ

空き家をそのまま維持・放置し続けると、毎年の重い費用負担だけでなく、改正空家法による増税や資産価値低下といった深刻なリスクが年々高まります。

「愛着のある実家を残したいけれど、毎年の維持費が苦しい」とお悩みなら、維持以外の選択肢としてアキサポへの相談がおすすめです。

建物の再生から賃貸運用・管理まで一括サポートし、マイナスの負担をプラスの利益へと変えるお手伝いをいたします。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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