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2021.06.18

空き家の法律|空き家対策特別措置法と空き家の関係をわかりやすく解説

空き家の法律(空き家対策特別措置法)について知りたい方の中には、ご自宅から遠方にある空き家の管理が気になっている方が多いのではないでしょうか。忙しい中、空き家の管理をするのは大変ですよね。

しかし、気になるのが空き家を放置した場合の行政の対応です。罰則や罰金が無いかは気がかりなポイントです。

じつは、空き家の法律である空き家対策特別措置法は、所有している空き家に対し具体的に働きかけてくる法律。「危険・有害で管理不十分」と判断されれば、固定資産税の減税が解除されますし、行政により解体された事例もあるのです。

そうなる前に、法律の具体的な内容を知っておきましょう。

この記事では、空き家の法律(空き家対策特別措置法)を、ご自身の空き家に関係する切り口から解説していきます。 

空き家対策特別措置法は自分の空き家にどう関係する?

一番気になるのが、空き家の法律である空き家対策特別措置法が、自分の空き家にどう関係するかということだと思います。

まず覚えておいて欲しいのは、空き家対策特別措置法は、ご自身の空き家に直接関わってくる可能性があるということです。

空き家全体を対象にルールを決めるのではなく、個別に具体的に働きかける効力を持っているのです。

そのため、自分の資産に直接影響のある法律であると理解してください。唐突に空き家が取り壊されたりはしませんが、最悪の場合取り壊される可能性もあります。

まずは、空き家対策特別措置法の具体的な法的効力について見ていきましょう。

空き家を放置すると特定空家に指定される可能性がある

空き家対策特別措置法が直接自分の空き家に影響を与える条件として、「特定空家」の指定があります。

特定空家とは、「危険・有害で管理不十分」と判断された空き家のことで、空き家対策特別措置法に定められた基準に適合する場合に指定される可能性があります。

つまり、空き家の中でも特別危険・有害なため、個別に対応する必要がある空き家と認められてしまうということです。

国交省に掲載されている事例を見てみましょう。

葛飾区行政代執行の事例

引用:国土交通省

この空き家は、倒壊する危険性があったにもかかわらず対策が講じられなかったため、特定空家に指定されました。そして、特定空家指定後も対策が講じられなかったため、「行政代執行(行政が所有者や管理者の代わりに対策を行うこと)」が行われました。解体等の費用・約185万円は、建物所有者や管理者に請求されます。

ここまで進む例はまれですが、特定空家は毎年数多く指定されています。また、代執行の前段階である「勧告」を受けると、建物の固定資産税減税が解除されてしまいます。

特定空家に指定されないためにも早急な対応が必要で、空き家管理は悪化させないことが大切なのです。

早急な空き家の利活用で対策を

空き家の早急な対応には、空き家の利活用(貸出)がおすすめです。その理由には、空き家の管理コストが深く関わっています。

空き家管理は、空き家の状態を悪化させないことが大切です。そのためには、定期的な換気や清掃が不可欠。しかし、空き家が遠方にあるとなかなか難しいところです。

空き家管理サービスもありますが、年単位で考えると結構なコストです。ここに固定資産税も加わるため、立地が都市部だと年間で数十万円の出費になることも。

しかし、空き家を利活用すれば、借り手が管理してくれる上に賃料も入ってきます。賃料で固定資産税をペイできれば、空き家に関する問題が一気に解決するのです。

アキサポでは、この悩みを解決するために、空き家所有者の持ち出し0円で借り手とマッチングするサービスを提供しています。

空き家は時間が経つほどに対応が難しくなります。空き家が少しでも気になったら、お気軽にアキサポにご相談ください。

先にアキサポのサービスを知りたい方はこちらへどうぞ。

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空き家対策特別措置法の概要と目的

本を持つ男性

ここからは、空き家対策特別措置法の内容を具体的に解説していきます。緊急性は無くても内容は知っておきたい方や、将来的に空き家が発生する可能性がある方などは、覚えておくと安心だと思います。

まずは、空き家対策特別措置法の概要と目的を見ていきましょう。

空き家が生活環境に与える影響から住民を守る法律

適切な管理が行われていない空き家は、防災・衛生・景観などの観点から、住民の生活環境に悪影響を与えています。空き家対策特別措置法は、原因となる空き家の活用を促進することで、住民の生命・身体・財産を保護することを目的としています。

(目的)

この法律は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村(特別区を含む。第十条第二項を除き、以下同じ。)による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。

空き家対策特別措置法 第一条

かみ砕いて説明すると「周辺に悪影響を与えている危険な空き家に対して活用を促し、周辺住民を守ろう」ということ。かなり具体的な実効力を前提とした法律です。

具体的な内容は指針とガイドラインで補完している

空き家対策特別措置法に基づく具体的な対策法などは、国交省が作成した「ガイドライン」で確認することができます。

ガイドラインとは、法律の具体的な運用方法を記した「手引き」のようなもの。法律で具体的に書かないのは、変更したい場合に手続きが大変なため。法律では大枠のみを決定し、具体的な内容はガイドラインにゆだねているのです。

ガイドラインには、空き家に対する対応方法や特定空家に対して措置を行う場合の対応方法とその判断基準などが記載されています。

主に行政向けの資料として作られていますが、具体的な判断基準を知りたい場合は参照してみることをおすすめします。

「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 (ガイドライン) (国土交通省)

空き家対策特別措置法の効果

瓦礫とショベルカー

空き家対策特別措置法の効果は、大きく分けて3つあります。

  1. 市町村の空き家に対する調査・情報収集が可能になる
  2. 市町村による空家等対策計画の策定・協議会の設置が可能になる
  3. 特定空家の指定及び助言・指導などが可能になる

具体的な空き家対策は、空き家が所在する市町村が行うため、市町村に対する権限付与・計画や体制整備・法的効力を伴った措置の許可を規定しているのです。

それぞれ具体的に見ていきましょう。

市町村の空き家に対する調査・情報収集が可能になる

空き家の所有者や管理者に適切な管理を呼びかけるためには、文書を送付したり電話をかけたりする必要があります。そのために、市町村は固定資産税の課税やその他の個人情報を必要限度において内部利用することができます。

また、別の市町村が保有する情報であっても、必要な情報の提供を求めることができます。

もちろん、空き家管理に関する連絡以外の目的に使われることはありません。

市町村による空家等対策計画の策定・協議会の設置が可能になる

市町村は、空き家対策を行う際の指針となる「空家等対策計画」を策定することができ、また、学識経験者等の意見を聞くための「協議会」を設置することができます。

これらは、市町村側の業務管理的な要素が強いため、空き家所有者に直接関わってくることはほぼありません。

特定空家の指定及び助言・指導などが可能になる

空き家所有者に一番関わってくる部分です。

市町村は、「危険・有害で管理不十分」と認められた空き家を「特定空家」に指定することができます。

とはいえ、突然指定されるわけではなく、まずは適正な管理を求める通知文が送られてくるのが一般的です。それでも管理をしなかったり、問題が解決しなかったりした場合、特定空家指定の可能性が発生するわけです。

特定空家に指定されると、市町村は「助言・指導」「勧告」「命令」「代執行」の措置が実施できるようになります。指定条件や措置の詳細は後ほど詳しく解説しますが、助言がもっとも軽い措置で、代執行がもっとも重い措置だと覚えておいてください。

空き家等対策特別措置法により指定される特定空家とは

空き家には大きく2種類あり、一般的な言葉として使われる「空き家」と、法律に基づいて定義づけられている「特定空家」があります。

特定空家の指定条件は「危険・有害で管理不十分」と認められること。指定条件をさらに詳しく見ていきましょう。

特定空家とは「危険・有害で管理不十分」な空き家

「危険・有害で管理不十分」の状態とは、空き家等対策特別措置法に定められた下記のような状態を指します。

ー引用

  • (イ)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • (ロ)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • (ハ)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • (ニ)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 

ー引用 (空き家な等対策特別措置法 第二条第2項)

例えば、柱や壁が崩れかかっている場合や、いわゆるゴミ屋敷化して放火・犯罪の温床化の可能性がある場合、庭の草木が繁茂して害虫が発生している場合などが考えられます。

  • (イ)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • (ロ)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • (ハ)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • (ニ)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 

考えうるケースはいろいろありますが、周辺環境に対して「危険・有害」であるかが一番の判断基準となります。

特定空家に指定されるとどうなる?

空き家を処理するショベルカー

特定空家に指定されると、市町村から「助言・指導」「勧告」「命令」「代執行」の措置が行われます。

特定空家の指定とは、これらの措置を行うための市町村に対する許可のようなものと考えてもいいでしょう。

ここでは、特定空家に対する4種類の措置を具体的に解説します。

特定空家には助言・指導、勧告、命令、代執行が可能

「助言・指導」「勧告」「命令」「代執行」は、助言・指導から始まり、代執行に向けて法的効力が強くなっていきます。いきなり勧告や命令が発せられることはなく、必ず助言・指導から段階を踏んで行われます。

  • 助言・指導:所有者などに働きかけ、自らの意思による改善を促す
  • 勧告:所有者などに対し、相当の猶予期間を付けて必要な措置をとることを勧告する(住宅用地特例の解除)。
  • 命令:正当な理由無しに勧告に係る措置をとらない場合、相当の猶予期間を付けて勧告した措置をとることを命令する(50万円以下の罰金規定あり)。
  • 代執行:命令に係る措置を実行しない場合や対応が不十分な場合、期限までに対応が完了しない場合に、行政が代わりに措置を実施する「代執行」を行う。

「助言・指導」は書面や電話での通知にとどまりますが、「勧告」を受けると建物の固定資産税減税解除というペナルティが発生します。それでも対応しない場合は、罰金規定のある「命令」が発せられます。

命令を発せられても問題が解決しない場合は、行政が所有者や管理者の代わりに建物除去などを行う「代執行」へと移行します。かかった除去費は所有者や管理者に請求されます。

ほとんどの場合「助言・指導」で対応終了しますが、緊急性がある場合は勧告以上の措置に進む可能性も十分あります。特定空家は緊急を要する危険な状態のケースが多いため、周辺住民の安全が最優先されるのです。

特定空家に指定されたら「緊急性が高い状態」と覚えておきましょう。

勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が解除される

勧告のペナルティとして解除される「住宅用地特例」とは、住宅の固定資産税を6分の1または3分の1に減税する制度です。

住宅用地特例の概要

  • 小規模住宅用地
    • 対象:住宅やアパートなど敷地200平方メートル以下の部分
    • 減額率:固定資産税の価格が6分の1になる
  • 一般住宅用地
    • 対象:住宅やアパートなどの敷地200平方メートルを超える部分
    • 減額率:固定資産税の価格が3分の1になる

住宅やアパートなどが建っている敷地は、基本的に特例を受けています。期限は無いため、空き家が古い場合でも同様です。

住宅用地特例など空き家の固定資産税について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

空き家の固定資産税Q&A|税額・払う人・減免条件・活用方法など(内部リンク)

代執行の対象になると取り壊される場合も

特定空家に対する措置の最終手段が「代執行」です。行政が所有者や管理者の代わりに必要な措置を行います。場合によっては部分的・全体的に取り壊しを行う場合もあります。

代執行は次の手順を踏んで行われます。

  • 文書による戒告:相当の履行期限を定め、期限までに措置が実施されない場合は代執行をすべき旨を文書で伝える。
  • 再戒告:戒告をしても措置が実施されない場合に、期限を延長して再度文書で伝える。再戒告が無い場合もある。
  • 代執行令:所有者などに対して「 代執行をなすべき時期」「代執行のために派遣する執行責任者の氏名」「代執行に要する費用の概算による見積額」を通知する。
  • 代執行の実施

ただし、「非常の場合又は危険切迫の場合(行政代執行法第三条第3項)」であると認められる場合は上記の手続きを省略して代執行を実施する場合もあります。

代執行は、市町村にとって「本当はやりたくない最終手段」です。なぜなら、代執行の費用を回収できないケースがあるため。その場合、税金を使って個人のかかえる問題を解決することとなってしまうのです。

市町村独自の空き家条例を持つ自治体も

市町村によっては、空き家等対策特別措置法以外に独自条例を持っている自治体もあります。

条例の内容は市町村によって異なりますが、法律だけでは解決できない具体的な内容を定めたケースが多いです。空き家を所有することになったら、まずは市町村の空家担当に条例の有無を確認してみましょう。

また、独自に空き家をマッチングさせる仕組みを作っている自治体もあります。

例えば、東京都大田区では、区が窓口になって所有者と利用希望者のマッチングをサポートするサービスを行っています。

成功事例は、ゲストハウスやギャラリー、グループホームなど。積極的な利活用で、所有者・利用希望者双方にメリットを生み出しています。

空き家に管理指導が入る前に「アキサポ」で活用を!

空き家の活用サイクル

空き家の法律である空き家等対策特別措置法は、空き家の流通を促し、住民の生活環境に悪影響が及ぶことを防止するための法律です。

そもそも空き家は個人所有物のため、以前は行政も積極的な介入を避けていました。しかし、空き家の増加に伴い法的に介入せざるを得なくなったため、この法律が定められることとなりました。

とはいえ、個人からしたら空き家管理は簡単な問題ではありません。手間・時間・費用など、多くのリソースを必要とします。

私どもは、そんな方のために助力すべく「アキサポ」を創設しました。行政が不動産マッチングに介入できる部分は限度がありますが、アキサポならフルサポートが可能です。

所有者の持ち出しは一切かかりません。空き家問題がありましたら、ぜひお気軽にアキサポへご相談ください。

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