公開日:2024.06.20 更新日:2024.06.20
空き家活用(改修・解体・撤去)に役立つ補助金制度とは?調べ方も解説
空き家を賃貸物件などとして活用するためには、リフォームやリノベーションなどが必要になる場合が多いです。しかし、空き家活用のためのコストは、所有者にとってかなりの負担となります。そこで役立つのが、国や自治体からの補助金です。
ここでは、空き家活用に役立つ補助金にはどのような種類があるかをご紹介します。また、補助金の調べ方についても解説します。
空き家活用に役立つ補助金の種類
補助金といっても、補助対象の内容や条件によってさまざまな種類があります。まずは、空き家活用に役立つ補助金には、どのような種類があるのか見ていきましょう。
空き家の改修に対する補助金
空き家活用に役立つ補助金のひとつに、空き家の改修に対する補助金が挙げられます。国や地方公共団体がさまざまな制度を設けていますので、具体例をいくつかご紹介します。
・セーフティネット登録住宅の改修費支援
セーフティネット登録住宅の改修費支援とは、「セーフティ登録住宅」の所有者に対し、国や地方自治体が改修にかかる費用の補助を行うものです。セーフティネット登録住宅とは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯といった住宅確保要配慮者が入居できる賃貸住宅のことです。空き家をセーフティネット登録住宅にして活用しようと考えている場合に利用することができます。
バリアフリー改修、耐震改修、防火・消火対策工事といった工事内容によって補助金の額が変わったり、支援を受けるためにさまざまな要件があったりするため、実際に支援を利用する際には詳細を確認するようにしましょう。
・空家利活用改修補助制度
大阪府大阪市の空家利活用改修補助制度は、3ヵ月以上空き家になっている物件の耐震改修工事や、工事前のインスペクション(建物状況調査)などにかかる費用が補助される制度です。耐震改修工事は最大100万円(補助率2分の1)、インスペクションは最大3万円(補助率2分の1)など、まとまった金額の補助を受けられます。
ただし、利用するためには、大阪市内にある2000年5月31日以前に建築された住宅であることといった要件を満たす必要があります。
・空き家バンク賃貸登録物件リフォーム補助
千葉県佐倉市の空き家バンク賃貸登録物件リフォーム補助は、佐倉市が運営する空き家マッチングサイト「空き家バンク」に登録している空き家の所有者や、空き家物件を借りた入居者を対象にした制度です。
空き家のリフォームを行う場合、工事費用や家財道具の処分費用について、最大30万円(補助率2分の1)の補助金を受け取れます。
・空家等適正管理支援事業(リフォーム)
岡山県岡山市の空家等適正管理支援事業(リフォーム)は、空き家の所有者や空き家物件を借りた入居者のうち、住民税を滞納していないなどの条件に合致する方が利用できる制度です。「耐震改修」「バリアフリー改修」「省エネルギー改修」のどれかを含む50万円以上のリフォーム工事と付帯工事に対して、最大50万円(補助率3分の1)が補助されます。
なお、支援の対象の空き家については、岡山市の空き家バンクに登録していたり、空家法第2条第1項に規定する空き家であったりするといった条件があります。
・空き家利活用流通促進事業
鳥取県の空き家利活用流通促進事業は、1年以上利用されていない空き家を改修する際に、最大200万円の補助が受けられる制度です。補助率や上限額は、用途や空き家の種類などによって変わります。
給排水や電気設備の工事費用、家財道具の撤去処分費用、設計費用、外構整備費用など、かなり幅広い工事が補助の対象になります。
空き家の解体・撤去に対する補助金
空き家の老朽化が著しく、リフォームやリノベーションをしても活用が難しい場合は、解体や撤去を検討することになるでしょう。自治体の中には、これからご紹介する制度のように、空き家の解体・撤去に対する補助金を出している自治体も多くあります。
・老朽危険家屋除却費等助成制度
東京都墨田区の老朽危険家屋除却費等助成制度は、住宅地区改良法が規定する「不良住宅」に該当する建物を除却して更地にする際、最大50万円(助成率2分の1)が助成されるという制度です。また、再建築不可の土地の場合の助成額は、最大100万円です。
なお、更地にした後、10年間墨田区に土地を無償貸与する場合は、200万円までを上限に除却費用が助成されます。利用する予定のない土地を地域のために活用してもいいという場合には便利な制度です。
・空家除却補助制度
大阪府泉大津市の空家除却補助制度は、空き家の除却工事に必要な金額に対し、最大30万円(補助率2分の1)の補助金が出る制度です。1981年5月31日以前に建てられ、1年以上利用されていない木造住宅が対象になります。
・坂戸市空き家等除却費補助金制度
埼玉県坂戸市の坂戸市空き家等除却費補助金制度は、おおよそ年間を通して利用されていない空き家に対して補助金が出る制度です。市内の業者を利用して空き家を除却した場合は最大30万円、市外の業者を利用した場合は最大10万円(いずれも補助率は2分の1)の補助金を受け取れます。建築年などの制限はありません。
家賃低廉化支援制度
国や地方自治体による家賃低廉化支援制度は、前述したセーフティネット登録住宅の入居者に対する、最大4万円の家賃補助制度です。入居者向けの支援制度に見えますが、空き家をセーフティネット登録住宅にして活用しようとお考えの所有者にとっても、家賃補助によって入居者が見つかりやすくなるというメリットがあります。
例えば、家賃6万円の物件の入居者が、4万円の補助金を受け取れた場合、実質2万円の家賃で入居できます。6万円で入居者を募集する場合に比べて、空室が出にくくなるでしょう。なお、物件の所有者は「入居者から2万円、補助金から4万円」の合計6万円を受け取れますから、所有者の損失はありません。実際にこの制度を利用する際は、住宅の広さや耐震性などについての要件が定められているため、要件に合致するかどうか確認する必要があります。
空き家活用に役立つ補助金の調べ方
空き家の活用に役立つ補助金の多くは、地方自治体が主体となって行われています。これまでご紹介した補助金以外にも、さまざまな補助金が用意されています。
空き家のある自治体で、空き家活用に役立つ補助金を調べる際は、まず空き家が位置する地方自治体のウェブサイトなどを確認してみましょう。「◯◯市 空き家 補助金」といったキーワードで検索をしてみるのもおすすめです。
また、空き家のある自治体が近ければ、役所の空き家相談窓口などを直接訪問して、補助金の有無を確認することもできます。空き家相談窓口が設置されているかどうかは自治体によって異なりますが、都市整備課といった部署でも相談できる場合がありますので、役所の総合案内などで確認してみてください。
コストを抑えて空き家を活用する方法を検討しよう
空き家は放置していると劣化が進み、さまざまな問題を引き起こすおそれがあります。リフォームして賃貸物件などとして活用する、更地にするなど、活用法を検討しましょう。できるだけコストを抑えるためには、この記事で紹介した補助金の活用が効果的です。
とはいえ、補助金を利用するためには、申請などの手間がかかるため、面倒に感じる方もいるかもしれません。手間をかけずにコストを抑えて空き家を活用したい場合は、株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」をご検討ください。
アキサポでは、空き家のお悩みに対して親身に寄り添い、活用や売却などのさまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案します。空き家を所有していて、その活用方法についてお困り事のある方は、まずはお気軽にお電話やお問い合わせフォームからアキサポにご連絡ください。