公開日:2024.05.17 更新日:2026.08.10
空き家バンクの仲介手数料は?かからない仕組みと注意点を解説

空き家バンクの利用自体に、仲介手数料はかかりません。自治体が運営する非営利のマッチング制度で、契約は個人間で行うためです。空き家バンクを聞いたことはあっても、「買い手が現れたら手数料がかかるのでは?」と気になる所有者は少なくないでしょう。
この記事では、空き家バンクの仲介手数料の仕組みを中心に、制度の概要やメリット・デメリット、2024年に改正された低廉な空き家の手数料特例までわかりやすく解説します。
目次
空き家バンクとは?

空き家バンクとは、市区町村などの自治体が運営する、空き家のマッチングシステムです。所有者が登録した「売りたい・貸したい」物件を、「買いたい・借りたい」人が閲覧してコンタクトを取れる仕組みで、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行されたことを受け、各自治体で運営が始まりました。
空き家バンクへの登録申請から契約手続きまでの流れ
空き家バンクへの登録の申請から契約手続きまでの流れは、下記のようになっています。空き家バンクを利用して空き家の購入・賃貸希望者を探そうとされている方は、参考にしてください。
🏘️空き家バンク 登録〜契約の流れ
登録の申請
所有者が空き家のある自治体へ、空き家バンクへの登録を申請します。
空き家情報の公開
申請が通ると、自治体の空き家バンクのサイトに物件情報が掲載されます。
内見と交渉
購入・賃貸希望者が現れると、自治体が連絡を調整し、内見・条件交渉を行います。
契約手続き
双方が合意すれば、売買または賃貸の契約手続きを行います。
個人間取引のため仲介手数料はかかりません。不動産会社に仲介を依頼する場合は手数料が必要です。
空き家バンクの仲介手数料
| 取引の形態 | 仲介手数料 |
|---|---|
| 個人間取引(自治体のマッチングのみ利用) | かからない |
| 不動産会社に仲介を依頼する場合 | 物件価格に応じた仲介手数料が必要 |
| 不動産会社に依頼+低廉な空き家(800万円以下) | 最大30万円+消費税(最大33万円) |
💰低廉な空き家の仲介手数料 特例(2024年7月〜)
対象
売買価格が800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)。2024年6月までの「400万円以下」から拡大されました。
上限額
不動産会社が売主・買主それぞれから最大30万円+消費税(最大33万円)まで受け取れます。
注意点
適用には契約前の説明と合意が必要です。低価格帯の空き家では、通常の計算式より手数料が高くなる場合があります。
出典:昭和45年建設省告示第1552号 改正/国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラム」
空き家バンクの利用そのものに、仲介手数料はかかりません。自治体が担うのは所有者と購入・賃貸希望者のマッチングまでで、媒介(仲介)や物件の宣伝は行わないためです。契約は当事者同士の個人間取引となるため、仲介会社を介さないぶん手数料が発生しません。
ただし、「個人間取引では不安」という場合は、不動産会社に仲介を依頼することもできます。その場合は、物件価格に応じた仲介手数料が必要です。
なお、2024年7月の改正により、売買価格800万円以下の「低廉な空き家」では、不動産会社が売主・買主それぞれから最大30万円+消費税(最大33万円)まで受け取れるようになりました(適用には契約前の説明と合意が必要です)。低価格帯の空き家では、通常の計算式より手数料が高くなる場合がある点に注意しましょう。
このように、すべてのケースで仲介手数料が不要というわけではありません。個人間取引なら無料、不動産会社に依頼する場合は有料、と整理して押さえておきましょう。
出典:宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)改正/国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラム」
空き家バンクを利用するメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 物件情報を無料で公開でき、全国に届けられる | トラブルが起きても自治体は責任を負わない |
| 補助金制度があると購入希望者を見つけやすい | 購入・賃貸希望者が現れるまで時間がかかることがある |
| 資産価値が低い物件でも条件を満たせば掲載できる | 個人間取引は内見調整や契約交渉の手間・リスクがある |
空き家バンクを利用するメリット
空き家バンクの主なメリットは、無料で情報を公開でき、資産価値が低い物件でも掲載できることです。ここでは3つのメリットを紹介します。
無料で情報を発信できる
空き家バンクは、物件情報の登録・公開をすべて無料で行えます。営利目的のサービスではないため費用がかからず、地域の人はもちろん、全国の遠方に住む人にも情報を届けられるのが大きな魅力です。
補助金制度があると購入希望者を見つけやすい
自治体によっては、改修や耐震改修などの補助金を利用できる場合があります。
所有者が補助金で物件価値を上げてから売り出したり、購入・賃貸希望者が初期費用を抑えられたりするため、結果的に物件が売れやすくなります。空き家バンクと連携した補助金もあり、例えば大分県臼杵市では、仲介手数料の補助(上限5万円・利用者対象)、家財処分費の補助(上限10万円・所有者または利用者対象)、改修費の補助などが用意されています。
資産価値が低い物件でも掲載できる
空き家バンクは、資産価値が低い物件でも自治体の条件を満たせば掲載できます。
一般の不動産市場では断られがちな物件でも、買い手が見つかる可能性が広がります。登録条件は自治体ごとに異なりますが、一般的には所有権が明確で、改修すれば使用できる状態であること、地方税の滞納がないこと、建築基準法・都市計画法に違反していないことなどが挙げられます。詳しくは各自治体の窓口でご確認ください。
空き家バンクを利用するデメリット
一方で、空き家バンクにはトラブル時に自治体が責任を負わない、時間がかかるといったデメリットもあります。ここでは3つの注意点を紹介します。
何かあっても自治体は責任を負わない
空き家バンクで自治体が担うのは、情報の登録・公開と当事者の連絡調整までです。取引で何らかのトラブルが発生しても、自治体は責任を負いません。通常の不動産サイトのように運営会社の対応を求めることは基本的にできないため、注意が必要です。
売却まで時間がかかる可能性がある
空き家バンクは掲載しても、購入・賃貸希望者が現れるまで数か月かかることも珍しくありません。不動産会社のような積極的な宣伝・営業活動は行われないため、すぐに結果を求めず、時間がかかることを前提にじっくり構えることが大切です。
個人間取引の手間とトラブル
個人間だけで取引する場合は、内見の日程調整や契約条件の説明などをすべて所有者自身で行う必要があります。専門知識が不足したまま素人同士で進めると、話がスムーズに進まず、時間がかかったりトラブルにつながったりするおそれもあります。
🏠空き家バンクの仲介手数料に関するよくある質問
Q. 空き家バンクに仲介手数料はかかりますか?
空き家バンクの利用自体に仲介手数料はかかりません。自治体はマッチングまでを担い、契約は個人間で行うためです。ただし不動産会社に仲介を依頼する場合は、物件価格に応じた仲介手数料が必要です。
Q. 低廉な空き家の仲介手数料の特例とは何ですか?
2024年7月1日の改正で、売買価格800万円以下の空き家は、不動産会社が売主・買主それぞれから最大30万円+消費税(最大33万円)まで受け取れるようになりました。適用には契約前の説明と合意が必要です。
Q. 空き家バンクのデメリットはありますか?
トラブルが起きても自治体は責任を負わないこと、買い手・借り手が現れるまで時間がかかること、個人間取引では内見調整や契約交渉の手間・リスクがあることが主なデメリットです。
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空き家バンクの利用自体に仲介手数料はかかりません。自治体はマッチングまでを担い、契約は個人間で行うためです。ただし不動産会社に仲介を依頼する場合は手数料が必要で、2024年7月からは800万円以下の空き家で最大33万円(税込)まで請求できる特例も設けられています。空き家バンクは無料で情報を発信できる一方、トラブル時に自治体が責任を負わない、売却まで時間がかかるといった注意点もあります。
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この記事の監修者
山下 航平 アキサポ 空き家プランナー
宅建士/二級建築士
ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。






