公開日:2024.06.20 更新日:2026.05.29
空き家購入の注意点7選|失敗しない物件選びと税金の基礎知識
マイホームや運用するための物件を手に入れる方法には、空き家の購入という選択肢があります。
空き家を購入するメリットは、一般的な新築や中古住宅よりもお得な価格で購入できる可能性があり、時には破格の価格で物件が売りに出されていることもある点でしょう。しかし、空き家購入の際には、注意すべき点もいくつかあります。
ここでは、空き家購入に失敗しないための、7つの注意点をご紹介します。
目次
注意点1:建物の状態を確認する必要がある
空き家を購入する際にまず必要なのは、建物の状態を徹底的にチェックすることです。
特に築年数が古い空き家は、経年劣化によって多くの問題が発生している可能性があります。たとえ魅力的な売買価格であっても、建物に問題があると修繕に多くの費用がかかってしまいます取引価格が安い分、売主が「契約不適合責任」を負わない(免責とする)条件で売り出されているケースが多々あります。買主は引き渡し後に予期せぬ修繕費用で損をしないためにも、契約前に建物の状況を厳密に確認しておく必要があります。
建物の状態を確認する際に、特に気をつけて見ておきたい項目は、下記のとおりです。
| 確認すべき部位 | 具体的なチェック内容・リスク |
|---|---|
| 床と柱 | 建物の基本構造を支える最重要部。傾きやひび割れ、土台の腐食がないかを確認する。 |
| 屋根 | 雨漏りの形跡(天井のシミなど)のほか、屋根材自体の損傷やズレ、劣化度をチェックする。 |
| 給排水管 | 築古物件では内部のサビや詰まり、水漏れのリスクが高い。通水時の異音や流れのスムーズさを確認する。 |
| シロアリ被害 | 木造住宅において致命傷となる。床下や外壁の隅、通風口付近に食害の痕跡がないか調査する。 |
注意点2:空き家になった理由を確認する必要がある
購入しようとしている物件がなぜ空き家となったのかを知っておくことも重要です。空き家になる一般的な理由としては、空き家の所有者が高齢になり、介護施設や老人ホームに移り住んだケース、家族が実家を相続したものの遠方に住んでいるために空き家となるケースなどが考えられるでしょう。
また、問題のある理由としては、以前の所有者が近隣の住民などとトラブルを起こして空き家となったケース、過去に建物の中で事件や事故が発生して空き家となったケースなどが挙げられます。特に後者の場合は、売買価格も安くなる傾向があります。
空き家になった理由を確認するには、元々の空き家の所有者や仲介に入る不動産仲介会社に直接尋ねてみるのがおすすめです。地域の住民や役所などから情報を得られることもあります。
注意点3:空き家購入には税金がかかる
空き家の購入時には、さまざまな税金がかかります。どのような種類の税金を支払うのかをあらかじめ把握し、資金計画に組み込んでおく必要があるでしょう。
自治体によっては、空き家の活用を促進するために税金が安くなる制度を設けています。こうした制度を利用することで、金銭的な負担が軽減できます。
空き家の購入によって課税される主な税金は、下記のとおりです。
| 税金の種類 | 課税の対象と概要 | 特例・注意点 |
|---|---|---|
| 消費税 | 不動産取引のうち「建物」が課税対象となる。 | 売主が個人の場合は非課税(土地は一律非課税)。 |
| 印紙税 | 不動産売買契約書に貼付する領収印紙代。 | 契約書に記載された売買金額に応じて税額が変動。 |
| 不動産取得税 | 土地や建物を取得した際に一度だけ課される地方税。 | 固定資産税評価額を基に算出(軽減措置あり)。 |
| 登録免許税 | 所有権移転登記や、住宅ローンの抵当権設定登記時の税。 | 法務局での登記申請時に国税として納付する。 |
| 固定資産税 | 不動産を所有している限り、毎年課される地方税。 | 毎年1月1日時点の所有者に対して自治体が課税。 |
注意点4:空き家を活用する場合は修繕やリフォームの費用がかかる
空き家を購入して活用する場合は、修繕やリフォームも必要になります。空き家を安く購入したものの、修繕やリフォームに多大なコストを割くとなると、結果的に割高だったということになりかねません。そのため、事前に修繕やリフォームの費用についてしっかり把握しておくことも大切です。
どのくらいの費用がかかるのかを知るためには、空き家の購入前に、専門家に建物の状態を評価してもらい、必要な作業のリストアップと、作業に対する見積もりを依頼するのが確実です。
修繕やリフォームの費用が高額になる場合は、空き家購入の費用対効果が妥当であるかについて慎重に検討する必要があります。
また、国や自治体が設けている、空き家の再利用を促進することを目的とした補助金制度についても調べておくことが大切です。補助金が出れば、修繕やリフォームにかかる費用負担を軽減できます。購入予定の空き家がある自治体の補助金制度の有無を確認するようにしましょう。
注意点5:空き家に残置物があると勝手に廃棄できない可能性がある

空き家を購入する際は、元々の空き家の所有者が残した物品、いわゆる「残置物」の扱いにも注意しなくてはなりません。
残置物とは、家具、家電、個人の私物など、以前の所有者が処分せずに残していった物を指します。これらは本来、以前の所有者が処分しなければならず、法的には購入者が勝手に処分することはできません。
このため、空き家を購入する際は、売主と残置物の処理について事前に交渉し、必要であれば売主に適切な処分を依頼するようにしましょう。
注意点6:新耐震基準を満たしていない空き家は、住宅ローン控除が受けられない
住宅ローンを借りた場合、所得税や住民税が一定期間控除される住宅ローン控除。空き家を住宅として購入する場合は、この住宅ローン控除を受けられるかどうかも、購入時に確認しておきたいポイントとなります。
現在住宅ローン控除が受けられる建物は、新耐震基準を満たしている建物、つまり1982年1月1日以後に建築されたものという条件があります。ただし、これより前に建てられた古い空き家でも、新耐震基準を満たしていれば、住宅ローン控除を受けることは可能です。
新耐震基準を満たしていることを証明するための書類には「耐震基準適合証明書」「既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書」があります。
注意点7:空き家バンクを利用すると、契約交渉を当事者同士のみで行う必要がある
空き家に関するサービスに、空き家バンクがあります。自治体が空き家情報をデータベース化してウェブサイトに掲載し、空き家の所有者と、空き家の購入希望者または入居希望者のマッチングを行っています。
空き家の購入を考えている方にとって非常に便利なサービスですが、空き家バンクで空き家の所有者とマッチングした後、契約交渉は基本的に当事者同士で行わなければなりません。また、契約の手続きも自分で行う必要があるため、契約内容の確認が適切に行われなかったりした場合は、トラブルに発展するリスクもあるので注意しましょう。
よくある質問(FAQ)

Q:築年数が古い空き家を購入する際、建物のどこを一番確認すべきですか?
A: 特に木造の古い空き家では、「床・柱の傾きや腐食」「屋根の雨漏り」「給排水管のサビや詰まり」「シロアリによる食害の有無」の4点を重点的に確認する必要があります。引き渡し後に重大な欠陥が見つかっても、売主が『契約不適合責任』を免責している場合は修繕費がすべて買主負担になるため、事前の徹底的な住宅診断(インスペクション)を推奨します。
Q:1982年より前に建てられた古い空き家でも住宅ローン控除は受けられますか?
A: 原則として、住宅ローン控除が受けられる中古住宅は1982年1月1日以降に建築された「新耐震基準」を満たす建物ですが、それ以前に建てられた古い空き家であっても諦める必要はありません。「耐震基準適合証明書」や「既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書」を取得し、現行の新耐震基準に適合していることを証明できれば、特例として住宅ローン控除の適用を受けることが可能です。
Q:自治体の「空き家バンク」を利用して購入する場合の注意点は何ですか?
A: 空き家バンクは自治体が情報マッチングの場を提供するサービスであり、行政が売買契約の仲介(契約書の作成や条件交渉)をしてくれるわけではありません。基本的には当事者同士で売買交渉や手続きを行う必要があるため、契約内容の法的な確認が甘いとトラブルに発展するリスクがあります。不安な場合は、地域の不動産会社など、プロの専門家を間に挟んで手続きを進めるのが安全です。
空き家の購入は「アキサポ」の活用がおすすめ!
空き家を購入するときは、いくつか気をつけなくてはならない点があります。きちんと注意点を把握する必要はありますが、専門家のアドバイスやサポートを受ければ、より安心・安全に空き家の購入を行うことが可能です。
株式会社ジェクトワンが運営する「アキサポ」は、空き家に関するさまざまな問題に取り組んでいる空き家解決サービスです。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。