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公開日:2025.07.04 更新日:2025.08.12

【心理的瑕疵物件とは】空き家売却時の注意点とリスク・売却対策をわかりやすく解説

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自分の所有している物件は心理的瑕疵物件にあたる?告知義務や法的リスクはある?そんな不安を感じている方に向けて、心理的瑕疵物件の定義から、自殺や事件などの過去がある物件の影響、契約リスクまで、宅地建物取引業法や国土交通省ガイドラインをもとにわかりやすく解説します。心理的瑕疵物件に関する正しい知識と対策を知って、透明性の高い取引を目指しましょう。

心理的瑕疵物件の定義と該当するケース

過去の出来事が心理的瑕疵物件に該当するのかを判断するために、まずは心理的瑕疵の定義について解説。事故物件との違いにもふれながら説明していきます。

法律における心理的瑕疵とは?事故物件との違い

「心理的瑕疵物件」と「事故物件」という言葉。これらは似ているようで、じつは法的な観点から見ると少し意味が異なります。

心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、不動産自体に問題や欠陥はないものの、過去にその物件で起きた出来事などにより、購入や賃貸を希望する人に対して、心理的な抵抗を与える恐れがある状態のことを指します。一方で事故物件とは、自然死や不慮の事故死以外の死や、特殊清掃が必要になる死が発生した物件のことを指します。

つまり、心理的瑕疵物件に該当するかどうかの基準は、買主や借主がどの程度の瑕疵を許容するかによって判断されることになります。そのため事故物件に当てはまらないネガティブな事象があった場合でも、心理的瑕疵物件となるケースがあることを理解しておきましょう。

主な例(自殺・他殺・孤独死・火災跡・事件現場など)

国土交通省の「人の死に関する告知ガイドライン」では、不動産取引における心理的瑕疵に該当するかどうかの判断基準として、自殺・他殺・火災による死亡事故などがあった場合と定めています。

出典:不動産取引における 心理的瑕疵に関するガイドライン

心理的瑕疵物件の典型例として、以下のような物件があります。

<例1>
自殺や他殺などの死亡事故があった物件
過去に住人が室内で自殺した場合や、殺人事件により亡くなった場合などは、もっとも代表的な心理的瑕疵の例です。

<例2>
長期間発見されない孤独死があった物件
一人暮らしをしていた高齢者が亡くなり、数日から数週間経ってから発見された場合や、特殊清掃が必要だった場合に心理的瑕疵物件になる可能性があります。時間経過や遺体の状況、報道の有無などが判断材料になります。

<例3>
火災による死傷者が出た物件
建物の火災によって住人が死亡した場合や、火事の原因が放火だった場合、心理的な抵抗につながることがあります。

<例4>
反社会的勢力と関係があった物件
過去に暴力団関係者や反社会的組織の構成員が住んでいた場合、多くの人が敬遠する傾向があるため、心理的瑕疵に該当する場合があります。

<例5>
近隣トラブル・騒音問題が頻発していた物件
隣人との深刻なトラブルが続いていた、騒音などの執拗な嫌がらせがあったなどの物件も、人によっては心理的瑕疵と感じる場合があります。

物理的・法的・環境的瑕疵との違いと混同リスク

不動産における瑕疵には、心理的瑕疵のほかに、物理的・法的・環境的瑕疵が存在します。とくに環境的瑕疵は、住むうえで快適かどうかの“感じ方”が関係するため、心理的瑕疵と混同しやすいといえるでしょう。

<物理的瑕疵物件>
建物や土地に目に見える実際の損傷や不具合がある物件
例:雨漏り、シロアリ被害、地盤沈下、水道・ガスの不具合、壁のひび割れや老朽化など

<法的瑕疵物件>
法律上の制限や義務により、想定していた使い方や再建築が困難な物件
例:建築基準法に違反している建物、再建築不可の土地、都市計画で用途が制限されている地域など

<環境的瑕疵物件>
周辺環境に問題があり、住みづらい・使いづらい物件
例:近くにゴミ処理施設がある、暴力団事務所がある、騒音・悪臭・振動がひどい、洪水や浸水のリスクが高い地域など

心理的瑕疵物件の告知義務と法的ルール

心理的瑕疵に関する判断は非常にデリケートであり、不動産取引において重要な要素です。買主・借主の安心感に直結する要素であるため、法令とガイドラインに基づいた告知義務についてもしっかりと理解しておきましょう。

宅建業法と国交省ガイドラインに基づく説明義務とは

不動産業者(宅建業者)は、買主・借主に対して、物件に心理的瑕疵があることを知らせなければなりません。この説明義務は、宅地建物取引業法、通称「宅建業法」で定められており、売買・賃貸契約を結ぶ前に心理的瑕疵物件であることを書面で伝える必要があります。

2021年10月に策定された国土交通省の「宅建業者による人の死に関する情報の取扱いに関するガイドライン」では、心理的瑕疵物件の告知義務の範囲について、より具体的な基準が示されています。このガイドラインは法律ではないものの、宅建業者が告知義務を適切に果たすための実務指針として、重要な位置づけがあります。 

出典:宅地建物取引業者による人の死の告知に関する ガイドライン

告知はどこまで必要?告知義務の要否や期間・注意点など

心理的瑕疵の告知義務については、どの範囲まで伝えるべきか、どの程度過去の出来事まで告知すべきかが問題になるでしょう。国土交通省のガイドラインでは、「取引の対象となる建物またはその敷地内で人の死が発生した場合」について、告知の要否を次のように示しています。

原則として告知が必要なケース

・自殺、他殺
・事故死(日常生活のおける不慮の事故とはいえないもの)
・自然死、孤独死(腐敗や異臭があり特殊清掃などが必要だったケース)

これらは、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられるため、原則として告知が必要です。

原則として告知が不要なケース

・病死、自然死
・偶発的な事故死

階段からの転落死や食事中の誤嚥による窒息死、入浴中の溺死など、日常生活における偶発的な事故死は、原則として告知の義務はないとされています。

告知義務の期間

住居用物件では、告知義務の期間は原則3年間とされています。ただし、報道などで広く知られているなど、事件が重大で社会的影響が大きい場合は、3年を超えても心理的影響が残ると判断される場合もあります。

その他の注意点

不動産業者が、買主・借主に対して正確な情報を伝えるためには、一定の調査をおこなう必要があります。とはいえ、不動産業者が独自に過去の入居履歴を確認したり、近隣住民へ聞き込みをしたりしても、すべてを把握することは困難です。そのため、ガイドラインでは一般的な調査をしても分からなかった場合は、原則として告知義務はないとしています。一方で、調査義務を怠った場合や故意の隠蔽があるといった場合は、法的責任を問われるリスクが高まります。

また、自殺や事件などの事実があった場合、すべての詳細を開示する必要はありません。亡くなった方の実名や死因を細かく説明することは、プライバシーの侵害につながる可能性もあります。基本的には、いつ・どこで・どのような出来事があったのか、特殊清掃の有無など、必要最小限の情報を簡潔に伝えることが求められます。

違反した場合のリスク(契約解除・損害賠償など)

心理的瑕疵の告知をしないまま取引を成立させた場合、瑕疵を知っていたら契約しなかったのに!と、買主・借主から責任を問われる恐れもあります。たとえば以下のようなトラブルに発展する可能性が考えられます。

損害賠償請求

未告知により損害が発生した場合、不動産業者や売主に対して損害賠償を請求されることがあります。具体的には、引っ越し費用、精神的苦痛への慰謝料、賃料・売買代金の減額分などがあります。

契約の解除

心理的瑕疵の事実を隠して売買や賃貸契約を結んだ場合、借主や買主により、契約を解除される可能性があります。売買契約では、民法570条の契約不適合責任(民法第562条等)に該当し、買主が契約を取り消したり、代金の減額を求めたりすることができます。

行政処分のリスク

故意に事実を隠して契約を進めた場合、不動産業者は指導・勧告、業務停止処分、宅建業免許の取消しといった行政処分を受けるリスクがあります。

とくに昨今は、事故物件情報を扱うサイトやSNSにより、過去の出来事が広まりやすくなっています。こうしたトラブルが悪質と判断されて消費者のクレームや口コミ、ネット上の評判などに発展すれば、不動産業者としての信用を大きく失うことにもつながります。

心理的瑕疵物件の売却・活用時に気をつけること

心理的瑕疵物件は不動産取引において、敬遠されやすい、価格が下がる、法的な責任を問われやすいといったリスクを抱えています。そのため、通常の不動産取引とは異なるチェックポイントを確認しておく必要があるでしょう。

価格が下がる理由と市場での評価

心理的瑕疵物件は、一般的に市場価値が低くなる傾向があります。たとえ物理的には問題のない住宅でも、自殺や殺人事件があったという情報があるだけで、多くの購入希望者は心理的な抵抗感から敬遠する傾向にあります。そのため、一般の物件よりも売れるまでに時間を要することもあるでしょう。該当する瑕疵内容にもよりますが、周辺相場より2〜3割、場合によっては半額以下の価格で取引されることもあります。 

瑕疵担保免責とは?契約書チェックポイント

さまざまなリスクがある心理的瑕疵物件ですが、契約書によるリスク管理によってその影響を最小限にとどめることも可能です。とくに以下の2点をチェックしておきましょう。

<契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の免責>
契約不適合責任とは、売主が買主に対して負う責任であり、売買した不動産が契約内容(種類・品質・数量)に適合していない場合に、修補・代替物の提供・代金減額・契約解除などの請求を受ける可能性があります。

ただし個人間の不動産売買では、契約不適合責任を免責する特約を設けることができます。これを瑕疵担保免責(契約不適合責任の免責)といい、不動産取引先後に欠陥が見つかった場合でも、売主は賠償責任や補修費用などを負わないと定めることができます。

<重要事項説明書での明確な告知>

契約不適合責任を免責する特約は、売主と買主がその内容について明確に合意し、かつ売買契約書などの書面に明示されていることが有効要件となります。不動産取引の際に重要事項説明書にて必ず心理的瑕疵の事実を明記しましょう。あいまいな説明や過小評価は、トラブルの発端になる可能性もあります。正確かつ簡潔に記載することが重要です。

仲介よりも買取や再活用の検討が有効なケースも

心理的瑕疵物件を仲介を通じて売却する場合、スムーズに進まないケースがあります。内見者が来ない、直前で契約を躊躇するなど、心理的な抵抗感や嫌悪感が原因で成約に至らない場合が多いためです。また、仲介で売却する際には手数料がかかるため、買取に比べると費用が高額になる可能性も。

こうした事情がある物件では、不動産買取業者に直接買い取ってもらうという選択肢も有効です。仲介で売却するのであれば、ある程度物件の原状回復をおこなわないと売却しにくいですが、買取であれば現況のまま売却も可能。物件を早く手放すことができるうえに、現金化までのスピードが早く、仲介手数料がかからないこともメリットです。早く、確実に売りたい場合に適している方法といえるでしょう。

そのほか、賃貸物件として再活用する方法も選択肢のひとつにあります。一定期間のフリーレント(家賃無料)や、初期費用を抑えるといった工夫をすることで、入居希望者が早くみつかることもあります。とくに、外国籍の単身者や短期入居者の需要があるエリアでは、心理的瑕疵の影響が比較的少ない場合もあります。 

心理的瑕疵物件を売る・活用する方法【アキサポ対応可能】

心理的瑕疵がある空き家をどうしたらいいか分からない…そんなお悩みを抱えていませんか?空き家解決サービス「アキサポ」なら、さまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案いたします。

アキサポが買取・相談を受け付けているケース

アキサポの買取では、空き家の立地や状態に関わらず、全国どこでも対応可能&無料査定できます。相続した実家や、使っていない家を放置したままになっているけれど、相談先がわからない。そんな方を「アキサポ」がお手伝い。売却成功へみちびきます。

買取・再販・リノベーションで不動産価値を高めるという選択も

空き家は“負動産”ではありません。じつは心理的瑕疵がある空き家でも、適切なリノベーションで十分な価値を生み出すことが可能です。さらに再生後の物件は、賃貸化やリース活用も視野に入れた長期的な運用も選択できるでしょう。

無料相談の流れと実際の利用者事例紹介

お問い合わせ・ご相談に面倒な手続きは一切不要です。専用のお問い合わせフォームやお電話で、物件の状況やご希望をお伝えいただければ、専門スタッフが地域の特性を考慮した最適な提案をおこないます。実際の買取事例はこちら。

・所在地:埼玉県上尾市上/買取価格650万円
ご結婚時に購入されたマイホームで、一年以上空き家状態が続いたため売却を決意されました。残置物が多く建物のコンディションも良くなかったものの現況のまま買い受けました。

・所在地:千葉県印旛郡/買取価格400万円
相続で承継されたご実家で、現在のお住まいが遠方のため管理が大変とのことで売却したいとのご相談でした。

まとめ|心理的瑕疵物件の理解と早期対応がトラブル回避のカギ

たとえ物理的な問題がなくても、事故があった、過去に事件が起きたといった履歴があることで、買主・借主に敬遠されやすく、結果として物件の価値が下がったり取引が長引いたりするケースも少なくありません。だからこそ、心理的瑕疵について正しく理解し、専門家に相談することが大切です。

法的リスクを知り、早めに動くことが重要

心理的瑕疵物件だからといって放置せず、法的リスクを知ったうえで売却・活用手段を選ぶことが重要です。早めに動くことで、不動産取引でよくあるトラブルを回避できたり、物件の評価下落を防ぐことができます。

アキサポで相談・売却・買取のすべてが完結します(CTA)

アキサポでは心理的瑕疵物件の対応実績も豊富です。専門スタッフが法的リスクを見越した適切な対策をご提案します。手遅れになる前に、まずはアキサポにご相談ください。

この記事の監修者

山下 航平 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

ハウスメーカーにて戸建住宅の新築やリフォームの営業・施工管理を経験後、アキサポでは不動産の売買や空き家再生事業を担当してきました。
現在は、地方の空き家問題という社会課題の解決に向けて、日々尽力しております。

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