公開日:2025.08.15 更新日:2026.09.07
更地の固定資産税はいくら?計算方法と安くする5つの対策

「空き家を壊したら固定資産税が上がるって本当?安くする方法はないの?」とお悩みではありませんか。更地にすると住宅用地の特例が外れ税金が高くなりますが、適切な対策で負担を軽減できます。
この記事では、更地の固定資産税が高くなる理由や計算方法、税額のシミュレーションに加え、負担を抑える5つの方法を解説します。空き家を解体すべきか迷っている方は、その後の土地活用や売却も含めて判断するための参考にしてください。
目次
更地の固定資産税が高いと言われる理由

更地の固定資産税が高いといわれるのは、建物を解体すると、住宅が建っている土地の固定資産税が軽減される「住宅用地の特例」が原則として適用されなくなるためです。
住宅用地の特例の概要は以下のとおりです。
| 土地の状態 | 課税標準額の扱い | 固定資産税の軽減率 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(1戸につき200㎡まで) | 評価額の 1/6 | 6分の1に減額(最大約83%オフ) |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額の 1/3 | 3分の1に減額 |
| 更地 | 評価額をそのまま適用 | 軽減なし(原則特例対象外) |
また、固定資産税は、原則として以下の式で計算します。
- 固定資産税=課税標準額×税率(標準税率1.4%)
たとえば評価額1,800万円(200㎡以下)の住宅用地なら土地の固定資産税は4万2,000円です。しかし解体して特例が外れると、税額は25万2,000円に跳ね上がります。
このように、住宅用地の特例が外れると、土地の評価額が変わらなくても固定資産税は高くなります。
なお、上記は住宅用地の特例による違いを示すための単純な計算例です。実際の税額には負担調整措置が反映され、解体後は建物分の固定資産税もなくなるため、土地と建物を合わせた納税額が必ず6倍になるわけではありません。
管理不全空家・特定空家に指定されても固定資産税が高くなる?

適切に管理されず、放置すると状態がさらに悪化するおそれのある空き家は「管理不全空家等」、倒壊の危険や衛生上の問題などが深刻な空き家は「特定空家等」と判断されることがあります。
空き家対策特別措置法に基づき「特定空家」または「管理不全空家」に指定され、自治体からの行政指導に従わず「勧告」を受けると、ペナルティとして翌年1月1日時点で住宅用地の特例から除外されます。
その結果、建物を解体していなくても、小規模住宅用地では土地の課税標準額が最大6倍となり、固定資産税の負担が増える可能性があります。自治体から指導を受けた場合は放置せず、修繕や解体などの対応について早めに相談しましょう。
空き家を更地にするか迷った場合の判断ポイント
空き家を残すか、更地にするか迷ったときは、税額だけで決めず、建物の状態や修繕・管理費、解体費、その後の土地の使い道まで含めて考えてみましょう。
建物の状態がよく、修繕にそれほど費用がかからないのであれば、住宅として使い続けたり、賃貸に出したりする選択肢も考えられます。一方、老朽化が進んでいる場合は、建物を残すことで修繕や管理の負担がかえって大きくなる可能性もあります。
固定資産税が上がることだけを理由に空き家を残すのではなく、今後その不動産をどうしたいのかを考えたうえで、残す場合と解体する場合の負担を比べて判断しましょう。
更地にすると都市計画税も高くなる?

都市計画税は、原則として市街化区域内にある土地や建物に課される税金です。道路や公園、下水道などの都市計画事業に使われ、税率は自治体によって異なりますが、上限は0.3%と定められています。
基本的な計算式は、次のとおりです。
- 都市計画税=課税標準額×税率(上限0.3%)
住宅が建っている土地には、都市計画税にも住宅用地の特例があります。
| 土地の状態 | 都市計画税の課税標準額 | 都市計画税の軽減率 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(1戸につき200㎡まで) | 評価額の 1/3 | 3分の1に減額 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額の 2/3 | 3分の2に減額 |
| 更地 | 評価額をそのまま適用 | 軽減なし(原則特例対象外) |
たとえば、評価額1,800万円の200㎡以下の住宅用地で、都市計画税率が0.3%の場合、特例を単純に当てはめると次のようになります。
- 1,800万円×1/3=600万円
- 600万円×0.3%=1万8,000円
一方、建物を解体して更地になると、住宅用地の特例が原則として使えなくなるため、都市計画税の課税標準も上がりやすくなります。
ただし、都市計画税はすべての土地に課されるわけではありません。まずは固定資産税の納税通知書や課税明細書を確認し、現在都市計画税が課されているかを確認しておきましょう。更地にする場合は、固定資産税とあわせてどの程度負担が変わるのか見ておくと安心です。
更地の固定資産税を安くする5つの方法
1月2日以降に解体することでその年の特例を維持。建て替え時は「建替え中特例」を申請。
更地に住宅を建てることで住宅用地特例(1/6減額)を再適用させ、家賃収入で税金をカバー。
自己負担0円でリノベーションし、住宅として賃貸運用を続けることで住宅用地特例を維持。
老朽空き家解体後の土地に対し、数年間税額差額を減免する制度がある自治体で事前申請。
土地を早めに売却(または古家付きで売却)して所有権を手放し、将来の税金・維持費をゼロにする。
更地になると住宅用地の特例が原則として使えなくなるため、土地の固定資産税は上がりやすくなります。税負担が気になる場合は、解体する時期を調整するほか、建て替えや賃貸住宅への活用、現在の空き家を生かす方法を検討してみましょう。
解体・建て替えの時期を調整する
固定資産税は、毎年1月1日時点の状態で課税されます。そのため、1月2日以降に住宅を解体した場合、その年の土地には原則として住宅用地の特例が適用されます。 ただし、1月1日時点では建物も存在しているため、その年は建物分の固定資産税もかかります。
一方、前年中に解体して1月1日時点で更地の場合、原則特例は外れます。ただし地方税法上の通達に基づき、既存住宅を解体して同一敷地で再建築(建て替え)する場合、1月1日時点で「基礎工事に着手している」等の一定要件を満たせば「建替え中の住宅用地の特例」が継続して適用されます。事前に自治体の税務課へ申請手続きを行いましょう。
賃貸住宅を建てて住宅用地として活用する
更地にアパートなどの賃貸住宅を建て、住宅用地として活用する方法もあります。共同住宅では、住戸1戸につき200㎡までが小規模住宅用地の対象となるため、戸数に応じて特例を受けられる範囲も広がります。
賃料収入を得ながら土地を活用できる一方、建築費や建物の固定資産税、修繕費など新たな負担も発生します。周辺に賃貸需要があるかを確認し、収支を試算したうえで検討しましょう。
空き家を活用し、住宅用地としての利用を続ける
建物の状態が比較的よい場合は、解体せずに修繕・リフォームし、住宅や賃貸物件として活用する方法もあります。ただし、税負担を抑えるためだけに老朽化した建物を残すと、修繕費や管理費がかえって負担になることもあります。
しかし「活用したいけれど、改修費まではかけられない」という方も多いと思います。そんなとき、空き家活用のプロであるアキサポに相談してみてください。
アキサポでは、原則としてオーナーの費用負担なくリノベーションを行い、物件に合った活用方法の提案から利用者募集までまとめてサポートしています。 解体してしまう前に、費用をかけずに建物を生かせる可能性がないか、一度相談してみてください。
自治体独自の減免制度を確認する
自治体によっては、一定の要件を満たす空き家を解体した場合に、更地となった土地の固定資産税を一定期間減免する制度を設けています。例えば石川県小松市では、老朽危険空家を解体した土地について、住宅用地の特例が適用された場合との差額を最大3年度分減免しています。
対象となる空き家や減免期間、申請期限は自治体によって異なります。解体前の事前相談や現地調査が必要な制度もあるため、工事を始める前に自治体の空き家担当窓口や税務担当窓口へ確認しましょう。
売却して将来の負担をなくす
更地を今後活用する予定がない場合は、売却して所有権を手放す方法もあります。売却後は将来の固定資産税だけでなく、草刈りや不法投棄対策などの維持管理費もかからなくなります。
まだ建物を解体していない場合は、更地にしてから売る方法だけでなく、解体費をかけずに古家付き土地として売却する方法も比較してみましょう。
更地の固定資産税はいくら?計算方法とシミュレーション

ここでは、住宅用地の特例がある場合と、更地にして特例が外れた場合を比べて、税額がどのように変わるのか見てみましょう。
なお、以下は住宅用地特例の有無による違いを分かりやすくするため、更地の課税標準額を便宜上評価額と同額として計算しています。実際には負担調整措置などが適用されるため、実際の税額とは異なります。
200㎡以下の土地のシミュレーション
まずは、評価額2,000万円・200㎡の土地を例に計算してみましょう。住宅が建っている場合は土地全体が小規模住宅用地となり、課税標準は評価額の6分の1になります。
| 土地の状態 | 課税標準額の計算 | 固定資産税の目安 |
|---|---|---|
| 住宅あり | 2,000万円×1/6=約333万円 | 約4万7,000円 |
| 更地 | 2,000万円 | 28万円 |
この場合、住宅用地の特例だけを比較すると、土地部分の固定資産税は約4万7,000円から28万円へ、23万3,000円高くなります。
200㎡を超える土地のシミュレーション
次に、評価額3,000万円・300㎡の土地を例に見てみましょう。ここでは、1㎡あたりの評価額を10万円として計算します。住宅が建っている場合は、200㎡までが小規模住宅用地として6分の1、残り100㎡が一般住宅用地として3分の1になります。
| 土地の状態 | 課税標準額の計算 | 固定資産税の目安 |
|---|---|---|
| 住宅あり | 2,000万円×1/6+1,000万円×1/3=約667万円 | 約9万3,000円 |
| 更地 | 3,000万円 | 42万円 |
この例では、住宅用地の特例だけを比較すると、土地部分の固定資産税は約9万3,000円から42万円へ増える計算です。
更地の固定資産税を滞納するとどうなる?リスクとペナルティ

固定資産税を納期限までに支払わないと延滞金が発生します。2026年中の延滞金は、原則として納期限の翌日から1か月を経過する日までは年2.8%、それ以降は年9.1%です。
滞納した場合のおおまかな流れは、次のとおりです。
税金滞納から差し押さえまでの流れ
さらに督促状の発行から10日を過ぎると差押えなどの処分に進むことがあります。納税者の同意がなくても進み、預貯金や給与、不動産が対象になります。
納付が難しい事情がある場合は、督促を放置せず、早めに自治体の納税相談窓口へ相談してください。更地を所有し続けること自体が負担になっているのであれば、売却や活用も含めて今後の方針を見直すことも選択肢になります。
ただし、不動産売買では引き渡し日を基準に固定資産税相当額を日割りし、買主と精算することがあります。これは法律上の納税義務が移るわけではなく、売買契約上の取り決めなので、契約時に精算方法を確認しておきましょう。
ただし、駐車場として収益を得られれば、固定資産税や土地の維持費を賄える可能性はあります。駐車場経営を検討する場合は、税額だけでなく、周辺需要や整備費、管理費なども含めて収支を確認しましょう。
ただし、建て替え中なら必ず適用されるわけではなく、前年の土地の利用状況や新しい住宅の建築状況などが確認されます。建て替えを予定している場合は、解体前に自治体の税務担当窓口へ相談し、適用条件や必要な手続きを確認しておくと安心です。
まとめ|更地の固定資産税は方法ごとの費用対効果で判断しよう
空き家を解体して更地にすると、住宅用地の特例が原則として使えなくなり、土地の固定資産税や都市計画税が高くなる可能性があります。一方で、建物を残せば修繕費や管理費がかかるため、税額だけを見てどちらが有利とは判断できません。
更地にするか迷ったときは、現在の税額と解体後の見込み額に加えて、建物の状態や解体費、その後の売却・建て替え・活用まで含めて比べてみましょう。今後その不動産をどう使いたいのかが決まれば、空き家を残すべきか、解体するべきかも判断しやすくなります。
空き家を残すか解体するか迷っている方は、ぜひアキサポへご相談ください。アキサポでは、空き家の状態や立地、ご希望を伺いながら、活用・売却など幅広い選択肢からご提案しています。更地にしてしまう前に、今ある建物を生かせる方法がないか一緒に考えてみましょう。
解体・売却・買取から、アキサポの費用負担でリノベーションして貸し出す活用プランまで。固定資産税が上がる前に、あなたの空き家に最適な解決策をご提案します。
空き家の悩みを無料で相談してみるこの記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






