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公開日:2025.09.16 更新日:2026.08.18

空き家の3,000万円控除とは?計算例・令和6年改正・必要書類を解説

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空き家特例(3,000万円特別控除)とは、相続した空き家を売却したときの譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

売却益が3,000万円以下なら譲渡所得税が実質ゼロになることもあります。この記事では控除額の計算例、令和6年改正のポイント、必要書類と手続きを詳しく解説します。

自分が使えるかを要件で確認したい方は、チェックシート記事もご利用ください。

空き家特例とは?空き家を売却する際に受けられるメリットは?

ミニチュアの街並み

空き家特例(3,000万円特別控除)とは、相続した一戸建て住宅を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる税制上の優遇措置です。最大のメリットは、売却益にかかる所得税や住民税を大幅に軽減できる点にあり、売却益が3,000万円以下であれば譲渡所得税が実質ゼロになります。

この特例の大きなメリットは、売却益に対する税金を大きく減らせることです。たとえば、売却益が3,000万円以下であれば、特例を適用すれば所得税や住民税がかからなくなる可能性もあります。

この制度が登場した背景には空き家の増加という社会課題が大きくかかわっています。空き家が放置されてしまうと周辺環境の悪化を招くだけでなく、住宅の流通も滞ってしまうため、特例の活用は社会的意義のある制度でもあるといえるでしょう。

空き家特例が適用される要件

空き家特例の適用要件は、大きく「特例の対象となる家屋・敷地の条件」と「相続人に関する個別の売却条件」の2つに大別されます。主に昭和56年5月31日以前に建築された一戸建てであること、売却代金が1億円以下であること、相続から3年目の年末までに売却することなどが必須条件となります。

11個すべての要件を1つずつチェックしたい方は、『空き家3,000万円控除の要件チェックシート』で確認できます。

譲渡所得の計算方法と3,000万円特例の仕組み

TAXと書かれたブロックと家のミニチュア

次に、具体的な計算例を見ながら、空き家特例を適用する場合の計算方法を見ていきましょう。まず、譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

  • 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 各種控除

空き家特例による3,000万円控除は「各種控除」の部分で取り扱います。この式を踏まえて、以下のようなケースを考えてみましょう。

譲渡所得の計算例

相続した空き家を更地にして4,000万円で売却したケース(取得費は不明なため概算取得費5%を適用)

計算項目控除なしのケース空き家特例ありのケース
売却価格4,000万円4,000万円
概算取得費(5%)▲200万円▲200万円
譲渡費用(仲介手数料等)▲100万円▲100万円
空き家特例の控除額0円▲3,000万円
譲渡所得(課税対象額)3,700万円700万円

※相続した空き家を更地にして4,000万円で売却したケース(取得費不明のため概算取得費5%を適用)。相続人が2人以下で3,000万円控除が適用される前提です。

ケース譲渡所得税額(長期20.315%)
控除なし3,700万円約751万円
空き家特例あり700万円約142万円

※所有期間5年超(長期譲渡所得)の税率20.315%で計算した目安。特例適用で税額が約609万円軽くなります。

このように、空き家特例が適用されることで、最終的な課税対象額が大きく減少することが分かります。とくに取得費が不明な場合は「概算取得費(売却価格の5%)」で計算されることが多いため、控除の効果はより大きくなります。

2024年の空き家特例に関する法改正のポイント

空き家特例は2024年から法改正に基づく新たな制度が運用されています。これに伴い、制度の期限が2027年12月31日まで延長され、さらに以下の点が大きく変更されました。

📌令和6年(2024年)改正の2つのポイント

① 買主による除却・耐震改修もOKに

従来は売主が引渡し前に耐震改修・取り壊しを行う必要がありましたが、改正後は買主が譲渡の翌年2月15日までに実施した場合も対象に。空き家を売却しやすくなりました。

② 相続人3人以上は控除2,000万円まで

2024年1月1日以降の譲渡では、相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除上限が3,000万円から2,000万円に縮小されました。相続人が2人以下なら従来どおり3,000万円です。

※本特例の適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡に延長されています。

空き家特例の提出先・提出期限・必要書類

チェックリスト

確認書の申請先は、対象不動産の所在地を所管する市区町村役場です。窓口または郵送での申請が可能ですが、必要書類や処理期間は自治体ごとに異なるため、事前に問い合わせておくのが確実です。

また、書類の提出期限は確定申告期限となる、譲渡した翌年の3月15日までです。期限を過ぎると、たとえ全条件を満たしていても特例は適用されません。

初めて申請する方は、申告時に求められる添付書類の多さや記載ミスで想定以上に時間を取られることが多いため、早めにチェックリストを作って書類を整理しておきましょう。手続きが不安な場合は、税務署の事前相談窓口や税理士に相談しながら進めるとよいでしょう。

また、空き家特例を申請するためには以下のような書類が必要になります。添付資料は自治体や物件の状況によって変わることがあるため、先に申請先に確認しておきましょう。

主な必要書類

税務署へ提出する主な書類何を証明するか
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)譲渡益や経費の計算内容
売った資産の登記事項証明書等相続・遺贈の事実、区分所有でないこと
被相続人居住用家屋等確認書市区町村から交付を受けた確認書
耐震基準適合証明書等の写し現行の耐震基準に適合していること
売買契約書の写し売却代金が1億円以下であること

なお、この確認書を市区町村で受け取るには、被相続人の住民票の除票、電気・ガス・水道の閉栓証明など、別途いくつかの書類が必要です。市区町村への申請に必要な書類の詳しい一覧は、「空き家3,000万円控除の要件チェックシート」の必要書類セクションで確認できます。

空き家特例を受ける手続きの流れ

空き家特例を利用するためには、必要な書類を揃えて確定申告をする必要があります。一般的な流れは以下のとおりです。

空き家特例を受ける手続きの4ステップ
STEP 1 確認書の申請・取得

対象不動産の所在地を所管する市区町村役場で「被相続人居住用家屋等確認書」を申請し、交付を受けます。

STEP 2 添付必要書類の準備

登記事項証明書、耐震基準適合証明書、売買契約書の写しなど、申告時に求められる各種添付書類を整理・取得します。

STEP 3 譲渡所得の明細整理

売却価格から取得費や仲介手数料(譲渡費用)などの明細を差し引き、正確な譲渡所得の計算と内訳書作成を行います。

STEP 4 確定申告の実行

売却した翌年の3月15日までに、作成した確定申告書と取得した確認書などの必要書類を一式揃えて税務署へ提出します。

制度を適用するうえで特に重要なのがスケジュール管理です。相続人が複数いるケースでは名義や持ち分の整理が必要になり、想定より時間がかかる恐れがあるため、早めに準備を始めましょう。

また、財産が複雑だと税理士や司法書士などの専門家に依頼する必要も出てきます。専門家を探すにも時間がかかるので、より早めに動き出しましょう。

🏠空き家の3,000万円控除に関するよくある質問

Q. 土地と建物を別々に売却した場合も適用されますか?

原則として建物と土地は同時に売却することが要件です。別々の時期に売却した場合は、原則として本特例の適用対象外となるため注意が必要です。

Q. 取り壊して更地で売却した場合はどうなりますか?

建物を取り壊し更地で売却した場合も、要件を満たせば適用できます。相続時から取り壊しまで事業・貸付・居住に使っていないこと、更地であることを、売買契約書や電気・水道・ガスの使用中止日がわかる書類、取り壊し後の閉鎖事項証明書などで証明する必要があります。

Q. 相続人が3人以上だと控除額はいくらになりますか?

2024年1月1日以降の譲渡では、相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除上限が3,000万円から2,000万円に縮小されます。相続人が2人以下の場合は従来どおり1人あたり最大3,000万円です。

まとめ|空き家特例を賢く活用して譲渡所得の負担を軽減しよう

空き家特例(3,000万円特別控除)は、相続した空き家の売却益から最大3,000万円を控除でき、要件を満たせば譲渡所得税を大きく減らせる制度です。控除額の計算、令和6年改正(買主の除却・耐震改修も対象、相続人3人以上は2,000万円上限)、必要書類と手続きの流れを押さえておけば、相続後の税負担への不安を減らせます。適用期限は2027年12月31日までなので、売却を検討している方は早めの準備が大切です。

なお、売却して控除を使うだけでなく、資産を保有したまま家賃収入を得る「活用」という選択肢もあります。売却と活用のどちらが自分の状況に合うか迷ったら、アキサポにご相談ください。費用面のハードルを抑えて活用プランをご提案します。税金や進め方で迷っている段階でも、まずはお気軽に無料でご相談ください。

売却して控除を使うか、保有して活用するか。

相続した空き家の最適な選択肢を、アキサポが無料でご提案します。

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この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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