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公開日:2025.09.21 更新日:2026.07.21

空き家解体補助金の種類と申請の流れ|費用を抑えるコツも解説

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老朽化した空き家の解体費用は、木造住宅でも100万円以上かかるのが一般的です。「解体したいけれど費用が出せない」と悩む方も少なくありません。

そこで活用したいのが、各自治体が設ける「空き家解体補助金制度」です。条件を満たせば数十万〜100万円程度の支援を受けられ、費用負担を大幅に軽減できます。

この記事では、解体補助金の種類・申請条件・利用の流れをわかりやすく解説します。補助金を賢く活用して、空き家のリスクから解放されましょう。

空き家解体補助金とは?目的とメリットを解説

空き家の解体補助金とは、放置された空き家や活用が進まない空き家などの解体費用を補助する制度です。この制度は、空き家対策の推進に関する特別措置法に基づいて自治体が独自に設けている場合が多く、地域の安全確保と不動産の有効活用を促進することを目的としています。

解体補助金を利用する大きなメリットは、空き家を解体するハードルを下げることで、建て替えや売却、活用がしやすくなることです。特に土地の価値が高い場合、敷地の使い勝手が向上することで買い手や借り手が付きやすくなる可能性があります。

また、放置された空き家が抱える倒壊や火災などのリスクをなくせるのもメリットの一つです。空き家を原因としたトラブルは周囲に実害が及ぶ恐れもあるので、地域の安全を守るためにも有用な制度だといえるでしょう。

空き家解体補助金の主な種類と対象

空き家の解体補助金は、大きく分けると、主に以下の3種類に分類されます。それぞれ、一般的な補助対象や補助額などを見てみましょう。

  • 老朽化して危険な空き家の解体を目的とするもの
  • 空き家の活用や流通を目的とするもの
  • アスベスト除去やブロック塀撤去に関するもの

老朽危険家屋解体撤去補助金

老朽危険家屋解体撤去補助金は、老朽化によって倒壊や火災の危険性が高まっている空き家の解体費用を補助する制度です。

補助対象となるのは、住宅地区改良法における「不良住宅」に該当する場合や、自治体の判定基準に該当する場合です。補助限度額は30万~100万円程度で、補助助成率は2分の1~10分の8程度が一般的です。具体的な条件は自治体ごとに異なるため、必ず該当する自治体の制度をチェックしましょう。

例えば、東京都墨田区では、不良住宅に該当する場合に上限額50万円、補助率2分の1までを補助していますし、長野県長野市では、市が定めた「補助事業対象要件確認表」の要件に該当する場合に、上限額100万円、助成率10分の8までを補助しています。

木造住宅解体工事費補助事業

木造住宅解体工事費補助事業は、現行の耐震基準に適合しない、築年数の古い木造住宅の解体を補助する制度です。主に、1981年5月31日以前に建築確認を取得した「旧耐震基準」の住宅が対象になります。

一般的な補助上限額は30万~80万円程度で、一般的な補助率は解体費用の2分の1前後です。例えば横浜市の例を挙げると、補助上限額は50万円、補助率は最大で3分の1となっています。

なお、制度を利用するためには、耐震診断や自治体が定めるチェック方法で、耐震基準に満たないことを証明する必要があります。具体的な方法は自治体によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

アスベスト除去・ブロック塀撤去に関する補助金

アスベスト除去補助金は、アスベストを含む吹き付け材や保温材を使用している場合、または使用の可能性がある場合が対象となり、ブロック塀撤去補助金は、高さが一定以上であり、危険と認められるブロック塀で公共の道路に面しているものが補助対象となります。どちらも周囲に危険を及ぼすリスクが高いため、早急な撤去を促すために定められました。

補助対象や補助率は以下のとおりです。

補助金の種類主な補助対象補助率の目安補助限度額の目安
アスベスト除去補助金アスベストを含む吹き付け材や保温材を使用している(またはその可能性がある)建物。2分の1~3分の2程度30万~200万円程度
ブロック塀撤去補助金公共の道路に面しており、高さが一定以上で危険と認められるブロック塀。2分の1~3分の2程度10万~50万円程度

自治体独自の空き家解体補助金

自治体の中には、独自の空き家解体補助金を扱っているところもあります。特に多いのが定住促進を目的とした解体補助金で、30万~100万円程度と高額な補助金を受け取れる可能性があります。

自治体名対象となる事業・目的補助内容(補助率・上限額)備考
埼玉県東秩父村空き家の有効活用による定住促進補助率:2分の1
上限:30万円
空き家バンク登録物件はさらに10万円が加算される。
千葉県佐倉市中古住宅解体新築支援事業補助率:5分の1
上限:50万円
空き家の利活用および新築を促進するための事業。
長野県松川村空き家を解体して住宅建築用地にする場合補助率:2分の1
上限:100万円
おおむね1年以上空き家になっている住宅が対象。

このように、定住促進を目的とした解体補助金は、人口減少や空き家問題が深刻な地方部ほど手厚くなる傾向にあります。その他の定住促進事業との併用をできる場合も多いので、地方への移住を検討している場合は、積極的に活用しましょう。

解体補助金を受け取るまでの流れとスケジュール

解体補助金の利用の流れを5ステップで解説します。手順を誤ると補助金が受けられないケースもあるため、事前にポイントを確認しておきましょう。

なお、以下は各補助金に共通する流れです。詳細は制度ごとに異なるため、お住まいの自治体に直接ご確認ください。

ステップ1:事前確認とスケジュール調整

最初にやるべきことは、自分の物件が補助対象かどうかを確認することです。

まず、自分の物件が補助対象かどうかを確認します。対象地域・建物の条件・補助額・申請期限は自治体ごとに異なるため、ウェブサイトや窓口で調べておきましょう。条件の解釈に迷ったら、直接問い合わせるのが確実です。

あわせて、申請から補助金振り込みまでのスケジュールも見積もっておきましょう。年度内の工事完了を条件とする制度も多く、年度後半からの申請は特に注意が必要です。また、年度末に近づくと予算が枯渇するケースもあるため、予算の残状況も事前に確認しておくと安心です。

ステップ2:交付申請と審査

対象条件を満たすことを確認できたら、次は必要書類の準備と交付申請をします。間違いなく審査が通るように、あらかじめ窓口で相談・調整をしてから申請するのが一般的です。

必要書類は、自治体で用意している申請書と、建物の情報が分かる書類や工事内容が分かる書類、工事業者が分かる書類などの添付書類などを用意します。よく求められる書類には以下のようなものがあります。

必要書類の名称提出を求められる主な目的・理由
建物の登記簿謄本(全部事項証明書)物件の正しい所有者情報および権利関係を確認するため。
固定資産税の納税証明書申請者に地方税(市町村税など)の滞納がないことを証明するため。
解体工事の見積書工事内容や費用の内訳が、補助金の算出基準や要件を満たしているか審査するため。
建物の外観・内部写真老朽化の進行具合や、補助対象となる状態であるかを視覚的に確認するため。
耐震診断書旧耐震基準の物件など、制度によって提出が必須または任意となる。
解体業者との契約書(写し)等着工前の適切な段階で契約内容を確認するため(※交付決定前の着工は原則NG)。

ちなみに、工事の内容によっては、審査期間中に自治体職員による現地確認や立ち会いが必要になることもあります。

ステップ3:交付決定と契約内容の再確認

申請書類の審査が終わり、補助金の交付が決まると、自治体から補助金交付が決定したことを伝える「交付決定通知書」が渡されます。この通知をもって初めて補助金の支給対象になりますので、交付決定前の着工は避けてください。

また、この段階で、解体費用の見積金額が補助対象に適合しているか、工事内容やスケジュールが自治体の条件に沿っているかなど工事業者に依頼する契約内容の再確認もしておきましょう。

ちなみに、補助対象が「建物の除却費のみ」の場合は、解体工事時の足場設置費や庭木の撤去費、整地費などが補助対象外になる可能性もあります。契約書の内訳を細かく確認し、補助対象になる工事項目を明確にしておきましょう。

ステップ4:解体工事と完了報告

契約内容に問題がないことが確認できたら、解体工事に着工します。

このとき、工事前と工事中、そして完了時の写真は必ず残しておいてください。工事完了後に自治体による完了検査があるので、問題無く工事が進行・完了したことを書面で確認できるようにしておく必要があります。なお、自治体によっては、職員が工事中や工事完了後に直接現地を確認することもあります。

また、解体で出た廃材が適切に処理されたことを証明するために廃棄物処理業者から「産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)」を受け取っておくことも忘れてはいけません。

以下に工事完了後に提出する一般的な書類をまとめました。

提出書類の名称報告・証明する内容
完了報告書工事の概要や実施内容を自治体へ正式に報告する書類。
解体後の現場写真建物が適切に解体撤去され、更地(整地)になった状態を確認するため。
解体業者からの請求書・領収書実際に工事費用を支払い、決済が完了したことを証明するため。
工事内容が分かる明細付き契約書当初申請した見積もり通りの内容で工事が行われたかを確認するため。
廃材処分証明書(マニフェスト伝票等)解体で生じた産業廃棄物が、法令に則り適正に処理されたことを証明するため。

ステップ5:補助金の受領と書類の保管

工事の完了報告をしたのち提出書類に問題がなければ、最終審査が完了し、補助金の支払いが確定した旨の通知が届きます。その後、請求書類を提出し、それから数週間~1カ月程度あとに指定した口座に補助金が振り込まれます。

空き家の解体補助金を使えなかった場合の対処法

最後に、補助金を利用できなかった場合にできる、解体費の節約方法を紹介します。

補助金は建物が基準に満たないことで不支給になる以外にも、申請者の税金滞納が原因で不支給になったり、そもそも事業が終了していて利用できなかったりすることもあります。そこでここでは、代表的なケースを3つ挙げ、それぞれの対処法を解説していきます。

準備不足の場合は自治体に相談して再申請を

申請が不受理となった場合でも、翌年度以降に再挑戦できるケースは多くあります。
たとえば、固定資産税の滞納が理由で却下された場合は、完納することで翌年の申請条件を満たせる可能性がありますし、書面上では建物の耐震性があると判断された場合でも、実際に耐震診断を受けたら耐震性不足と判断されることもあります。

いずれの場合も、自治体の担当窓口に理由を確認して改善点を明確にすることが大切です。再申請が可能であれば、今度は間違いなく審査が通るように、職員に相談しながら準備を進めていきましょう。

補助金の要件に該当しない場合は見積もり合わせで工事費を下げる

補助金が出ない場合は、工事費そのものを下げる工夫をしましょう。特に有効なのが、複数の解体業者から見積もりを取って、内容と価格を比較検討する「見積もり合わせ」という方法です。

なお、見積もりを比較する際には以下のポイントに注意しましょう。

  • 工事項目の内訳が明記されているか(曖昧な項目に注意)
  • 廃材処分費や整地費などが個別に計上されているか
  • アスベスト処理などの追加費用が含まれているかどうか

なお、このときに説明の丁寧さや対応の早さ、補助金手続きへの理解などのサービス面もチェックしておきましょう。

解体費用の捻出自体が難しければ空き家活用サービスも検討しよう

解体補助金を受け取ることができず、解体費用の捻出が難しい場合は、別の選択肢として、空き家を貸し出す「空き家活用」も考えてみましょう。借り手がつけば毎月賃料が受け取れますし、借り手が日常管理をしてくれるため、管理の手間もなくなります。

特におすすめなのが、初期費用を抑えて空き家活用が始められる「アキサポ」です。「アキサポ」では、空き家の周辺調査から活用方法の提案、リノベーションまでをワンストップで対応可能です(※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます)。自分の空き家にどのような使い道が見込めるか知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

Q:空き家の解体補助金を申請する際、一番注意すべきポイントは何ですか?

A: 最も注意すべきは「必ず解体工事の着工(契約)前に申請し、自治体から交付決定通知を受けること」です。ほとんどの自治体において、交付決定前に着工した工事は一律で補助対象外となります。また、補助金事業は自治体の予算上限に達し次第、年度の途中でも受付を終了することがあるため、着工時期のスケジュール調整や事前の予算確認が不可欠です。

Q:旧耐震基準の木造住宅の解体補助金を受けるには、どのような条件がありますか?

A: 一般的には、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を得て建てられた木造住宅であることが基本条件です。さらに、自治体が指定する方法での耐震診断や専門家による確認を受け、現行の耐震基準を満たしていない(危険性がある)ことを書面で証明する必要があります。対象物件の条件や耐震性の判定基準は自治体ごとに異なるため、事前の窓口相談が必要です。

Q:もし解体補助金の審査に落ちてしまったり、予算不足で使えなかったりした場合はどうすればよいですか?

A: 補助金が出ない場合は、まず複数の解体業者から相見積もりを取る「見積もり合わせ」を行い、工事費そのものを下げる交渉をしましょう。また、解体費用の捻出自体が困難な場合は、解体して更地にするのではなく、建物を活かして第三者に貸し出す「空き家活用」に切り替えるのも有効です。アキサポのような民間サービスを利用すれば、初期費用を抑えてリノベーションし、資産運用を始めることができます。

まとめ・総括

解体補助金は、空き家を解体するハードルを大きく下げてくれる頼もしい制度です。土地のポテンシャルが高い場合には、買い手や借り手を見つけやすくしてくれますし、空き家の劣化が激しい場合は、内包されるリスクをなくすことができます。

もし補助金が使えなかった場合でも、複数社の見積もりを比較したり、空き家活用サービスを検討したりすることで、費用負担を抑えることが可能です。中には「アキサポ」のように初期費用を抑えて始められるサービスもありますので、新たな選択肢として活用を検討してみてください。

この記事の監修者

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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