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公開日:2025.11.08 更新日:2026.10.06

法務局に提出する相続登記の必要書類|ケース別一覧・取得先・有効期限

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相続登記に必要な書類は、被相続人や相続人を証明する戸籍関係の書類から、不動産の固定資産課税明細書まで多岐にわたります。しかも、ケースごとに必要な戸籍や添付書類が変わるため、必要書類を把握する段階から結構な労力がかかります。

また、2024年4月1日から相続登記が義務化されたことで、より早めの準備が求められるようになりました。

そこでこの記事では、法務局へ提出する相続登記の必要書類をケース別に整理し、取得先、申請書のダウンロード方法、有効期限、原本を返してもらう手続きまで解説します。まずは自分のケースを確認し、必要なものから順に準備していきましょう。

相続登記の主な3つの方法

遺産分割協議書と登記申請書、黒いペン

相続登記の方法は、遺言書の有無や、相続人同士の話し合いの内容によって異なります。必要書類を集める前に、不動産を誰がどのように引き継ぐのかを確認しておきましょう。

法定相続分で登記する

法定相続分とは、法律で定められた相続人ごとの相続割合です。この割合に従って登記する場合、相続人が複数いれば、不動産はそれぞれの持分に応じた共有名義になります。遺産分割協議書を作成せずに進められるため、遺産の分け方が決まる前に登記することも可能です。

ただし、後から遺産分割協議で取得者や持分を変更した場合は、その内容を反映する登記が別途必要です。法定相続分で登記する際は、共有名義のまま引き継ぐか、今後の話し合いで取得者を決めるかも考えておきましょう。

遺産分割協議で取得者を決める

遺産分割協議は、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、不動産の取得者や持分を決める方法です。全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で分けることもできます。例えば、一人が実家を取得し、ほかの相続人が預貯金を取得するなど、財産全体を見ながら調整できます。国税庁:相続人の範囲と法定相続分

話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書に記載し、合意した分け方に沿って登記します。実家に住み続ける人がいる場合や、管理を担う人が決まっている場合などは、今後の使い方も踏まえて取得者を検討するとよいでしょう。

遺言書に基づいて相続人が取得する

有効な遺言書で不動産を取得する相続人が指定されている場合は、原則としてその内容に沿って登記します。対象の不動産について、改めて相続人全員で取得者を決める協議は通常必要ありません。

遺言書が見つかったら、誰に、どの不動産を引き継がせる内容なのかを確認しましょう。「相続させる」と「遺贈する」では申請方法が異なる場合があり、遺言書の形式によっては家庭裁判所の検認も必要です。具体的な必要書類は、遺言の内容と形式を確認したうえで準備します。

法務局に提出する相続登記の必要書類一覧

登記事項証明書・登記簿謄本・抄本の交付請求書と印鑑

相続登記に必要な書類は、法定相続分で登記するか、遺産分割協議で取得者を決めるか、遺言書に基づいて取得するかによって異なります。まずは自分のケースに必要な書類と、その取得先を確認しましょう。

以下は、相続人が不動産を取得する一般的なケースの一覧です。代襲相続や、登記をしないまま次の相続が発生している場合などは、相続関係に応じて追加の戸籍等が必要になります。

書類法定相続分遺産分割協議遺言で相続人が取得
①登記申請書必要必要必要
②被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍出生から死亡まで出生から死亡まで死亡の事実が分かるもの。相続関係により追加
③被相続人の住民票の除票または戸籍の附票必要に応じて必要に応じて必要に応じて
④相続人の戸籍謄本相続人全員分相続人全員分取得する相続人の分。関係により追加
⑤新名義人の住民票名義人全員分取得する人の分取得する人の分
⑥固定資産課税明細書等申請年度のもの同左同左
⑦遺産分割協議書不要必要不要
⑧印鑑証明書不要必要不要
⑨遺言書等不要不要必要
⑩委任状代理申請の場合代理申請の場合代理申請の場合
⑪相続関係説明図原本還付を受ける場合など同左同左

① 登記申請書

登記申請書は、相続した不動産の名義を変更するために法務局へ提出する書類です。法定相続分、遺産分割協議、遺言書のいずれに基づいて登記する場合も作成します。

申請書には、登記の目的や原因、不動産を取得する相続人の住所・氏名、対象となる土地や建物、登録免許税などを記載します。法務局の「不動産登記の申請書様式について」では、相続方法ごとの様式や記載例をダウンロードできるため、自分のケースに合ったものを確認しながら作成しましょう。

② 被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍

被相続人(亡くなった方)の戸籍は、死亡の事実や法定相続人を確認するために使います。法定相続分や遺産分割協議による登記では、相続人を漏れなく確認するため、出生から死亡までに在籍していた戸籍・除籍謄本・改製原戸籍をそろえます。

一方、遺言書に基づいて相続人が不動産を取得する場合は、原則として死亡の事実が確認できる戸籍・除籍謄本を用意します。法定相続分や遺産分割協議の場合とは、必要となる戸籍の範囲が異なる点に注意しましょう。

③ 被相続人の住民票の除票・戸籍の附票

被相続人の住民票の除票や戸籍の附票は、登記簿上の所有者と亡くなった方が同一人物であることを確認するために使います。

法務局の案内では、被相続人の登記上の住所が戸籍等に記載された本籍と異なる場合に必要とされています。住民票の除票は最後の住所地の市区町村、戸籍の附票は本籍地の市区町村で取得します。

④ 相続人の戸籍謄本

法定相続分や遺産分割協議による登記では、法定相続人の現在の戸籍謄本または戸籍抄本を用意します。法務局の案内では、被相続人の死亡日以降に発行されたものが必要とされています。

遺言書に基づいて相続人が取得する場合は、新しく所有者になる相続人の戸籍を用意します。取得者が配偶者や子以外の兄弟姉妹・孫などの場合は、その人が法定相続人であることを確認できる戸籍・除籍謄本等も必要です。

⑤ 新名義人の住民票

相続によって新たに不動産の所有者となる人は、住所を証明するために住民票を提出します。

法定相続分で複数の相続人が所有者になる場合は、それぞれの住民票を用意します。遺産分割協議や遺言書によって取得者が決まっている場合は、その人の住民票が必要です。取得先は住所地の市区町村です。

⑥ 固定資産課税明細書

固定資産課税明細書は、不動産の固定資産評価額を確認し、相続登記にかかる登録免許税を計算するために使います。

法務局の案内では、登記申請をする日の属する年度の固定資産課税明細書が必要とされています。相続が発生した年度ではなく、実際に登記を申請する年度のものを確認しましょう。固定資産課税明細書は、通常、固定資産税の納税通知書とともに市区町村から送付されます。

⑦ 遺産分割協議書

遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた遺産の分け方を記録する書類です。遺産分割協議によって不動産の取得者を決めた場合は、その内容を証明するために相続登記へ添付します。

法定相続分に従って登記する場合や、遺言書の内容に基づいて相続人が取得する場合は、通常、遺産分割協議書は必要ありません。

⑧ 遺産分割協議書に係る印鑑証明書

遺産分割協議による相続登記では、遺産分割協議書に押印された印鑑を確認するため、その印鑑に関する印鑑証明書を提出します。法務局の案内でも、遺産分割協議の場合の必要書類として挙げられています。

印鑑証明書は住所地の市区町村で取得します。相続登記に提出するものについて、法務局の必要書類一覧では有効期限は設けられていません。

⑨ 遺言書等

遺言書に基づいて相続人が不動産を取得する場合は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など、遺言書の種類に応じた書類を提出します。

法務局で保管されている自筆証書遺言の場合は「遺言書情報証明書」が必要です。それ以外の自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所で検認を受けます。公正証書遺言は検認が不要です。

⑩ 委任状

司法書士などの代理人に相続登記を依頼する場合は、登記申請の代理権を証明するために委任状を作成します。

法務局の一覧では、代理人によって申請する場合に必要な書類とされており、新しい所有者が自分で申請する場合は必要ありません。

⑪ 相続関係説明図

相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を図にまとめた書類です。戸籍・除籍謄本等の原本を相続登記の手続き後に返してもらう場合に利用できます。

法務局の案内では、戸籍・除籍謄本等の原本還付を希望しない場合は、相続関係説明図は不要とされています。なお、「相続関係説明図」と、法務局が認証して交付する「法定相続情報一覧図の写し」は別の書類です。

相続登記に使う戸籍は「広域交付」でまとめて取得できる場合がある

戸籍の広域交付とは、本籍地以外の市区町村窓口でも、対象となる戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本を請求できる制度です。2024年3月1日に始まり、本籍地が複数の自治体に分かれている場合でも、1か所の窓口でまとめて請求できるようになりました。相続登記に必要な出生から死亡までの戸籍を集める際にも役立ちます。

請求できるのは、自分自身や配偶者、父母・祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属の戸籍です。兄弟姉妹の戸籍は、その関係だけでは広域交付を利用できません。また、戸籍の附票や、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍などは対象外となるため、本籍地の市区町村へ請求するなど、書類に応じて取得方法を分けます。

相続登記の書類がそろわないときは、法務局や司法書士へ相談を

資料を持つ相談相手の説明を、顎に手を当てて聞く女性

相続登記は、原則として相続による不動産の取得を知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。

なお、2024年4月1日の義務化より前から取得を知っていた未登記の不動産は、原則2027年3月31日が期限です。

古い戸籍を取得できない、相続が何代も続いていて必要書類が分からないといった場合は、準備に時間がかかることがあります。法務局では必要書類や申請方法の案内を受けられ、司法書士には書類収集から登記申請まで依頼できるため、集まっている書類をもとに早めに相談しましょう。

遺産分割協議がまとまらず期限内の登記が難しい場合は「相続人申告登記」で基本的な申請義務に対応する方法もあります。その後、協議が成立したら、不動産を取得した人は成立日から3年以内に、その内容に沿った相続登記を申請します。

必要書類の有効期限と原本還付の注意点

赤い屋根の家の模型とチェックリスト、赤い鉛筆

相続登記の書類を準備する際は、発行時期や記載内容に加え、ほかの相続手続きでも使う予定があるかを確認しておきましょう。ここでは、書類の有効期限と原本を返してもらう方法、複数の手続きで戸籍を使う際に役立つ制度を解説します。

書類ごとに発行時期と記載内容を確認する

相続登記に使う戸籍や住民票、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には、一律に「発行から3か月以内」といった有効期限はありません。

ただし、相続人の戸籍は、相続が始まった時点で、その相続人が生存していたことを確認するために、死亡後に発行されたものを用意する必要があります。

また、住民票などは登記する住所と記載が合っているか、固定資産課税明細書は、登記を申請する日の属する年度のものかを確認しましょう。

原本を返してもらうには「原本還付」を申し込む

添付書類をほかの相続手続きにも使いたい場合は、法務局に提出した書類の原本を、確認後に返してもらうための手続きである「原本還付」を申し込む必要があります。

原本還付を受ける場合は、申請時に原本と、その写しに「原本に相違ありません」と記載し、申請人が記名押印したものを提出します。なお、戸籍・除籍謄本等については、相続関係説明図を提出することで、コピーを作成・提出せずに原本還付を受けることもできます。

ただし、登記申請のためだけに作成した委任状のように、返却されない書類もあります。こういった書類は、提出前に一式の控えを残しておくとよいでしょう。

「法定相続情報一覧図の写し」を活用しよう

不動産の登記や預貯金の払い戻しなど、複数の相続手続きを進めるときに役立つのが「法定相続情報一覧図の写し」です。亡くなった方と相続人の関係を法務局が確認した書類で、手続きのたびに何通もの戸籍を提出する手間を減らせます。

利用するには、まず戸籍類を集め、相続関係をまとめた一覧図とともに法務局へ提出します。確認を受けると、登記官の認証文が付いた一覧図の写しを無料で交付してもらえます。

法定相続情報一覧図の写しは、戸籍・除籍謄本等の束に代えて利用するものです。遺産分割協議書や遺言書など、その相続方法に応じて必要となる書類まで省略できるわけではありません。

相続登記でよくあるQ&A

最後に、相続登記の準備や進め方で多くの方が気になるポイントを、Q&A形式で確認しておきましょう。

Q. 遺産分割協議書は省略できる?

法定相続分で登記する場合や、遺言の内容に従って相続人が取得する通常の登記では、遺産分割協議書は不要です。法定相続分で登記すると、相続人が複数いる場合は共有名義になります。不動産全体を売却する際には原則として全員の同意が必要になるため、今後の使い方も踏まえて取得方法を検討しましょう。

Q. 相続登記を専門家に依頼した場合の費用相場は?

相続登記を司法書士に依頼する場合、報酬は5〜10万円程度がひとつの目安です。ただし、登録免許税や戸籍などの取得費用は別途必要になるため、依頼前に報酬だけでなく、実費を含めた総額を確認しておきましょう。

実際の費用は、不動産の数や相続人の人数、必要な書類の収集範囲などによって変わります。費用を抑えたい場合は、自分で戸籍などを集め、登記申請のみを司法書士に依頼できるか相談する方法もあります。

Q. 自分で相続登記する際の難易度は?

相続登記は自分でも申請できますが、戸籍の収集や申請書の作成など、慣れない作業に時間がかかることがあります。法務局の手続案内や公式サイトを活用し、不明点は早めに確認しましょう。相続人が多い場合や、何代も登記がされていない場合などは、司法書士への依頼も検討するとよいでしょう。

相続登記の必要書類をそろえ、取得後の使い方も考えよう

相続登記の準備は、自分の相続方法を確認することから始まります。必要な戸籍の範囲、書類の取得先、申請年度の評価額を整理しておけば、取り寄せの重複や不足を減らせます。判断に迷う書類は、管轄法務局や司法書士に確認しながら進めましょう。

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この記事の監修者

一級建築士 白崎 達也

白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー

一級建築士

中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。

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