公開日:2025.08.01 更新日:2026.07.17
【2026最新】登録免許税とは?100万円以下の免税や軽減措置を解説
登録免許税は、不動産の売買や相続などで登記を行う際に課される税金です。
住宅の取得や相続登記などを行う際には必ず発生するので、できる限り負担を抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、登録免許税の基本的な仕組みから、計算方法や免税、軽減措置の具体例、手続きの流れや注意点までをわかりやすく紹介します。制度の内容をしっかり把握し、必要な書類やスケジュールを整えることで、余計な出費を防ぎつつスムーズに登記を進められるはずです。
目次
登録免許税とは?基本概念と課税対象

登録免許税とは、不動産の登記や会社の登記などを行う際に国へ納める税金です。土地・建物の登記では「固定資産税評価額×税率」で計算され、税率は売買・相続・贈与といった登記の原因によって異なります。
空き家や土地に関しては、所有権を登記するときや、ローンが残っている場合に抵当権を抹消するとき、すでに登記されている情報を修正するときなどにかかります。
税金を納める人は原則として登記を申請する人となっています。たとえば不動産を購入または相続した人が自ら登記を行う場合は、本人が納めることになりますし、司法書士に依頼した場合は、本人に代わって司法書士が納付手続きを行うのが一般的です。ただし、納税義務そのものはあくまで依頼者本人にあります。
税額は登記の種類や対象となる不動産の評価額に応じて異なり、数千円程度のものから、内容によっては十万円を超えることもあります。
登録免許税の計算方法と税率

【2026年版】登録免許税の税率早見表
| 登記の種類 | 原因 | 本則税率 | 軽減・特例税率(主な適用期限) |
|---|---|---|---|
| 土地の所有権移転 | 売買 | 2.0% | 1.5% (2029年3月31日まで) |
| 土地の所有権移転 | 相続 | 0.4% | 免税 (不動産価額100万円以下等、2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権保存 | 新築 | 0.4% | 0.15% (住宅用家屋、2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権保存 | 特定認定長期優良住宅 | 0.4% | 0.1% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権保存 | 認定低炭素住宅 | 0.4% | 0.1% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転 | 売買(中古・住宅用家屋) | 2.0% | 0.3% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転 | 特定認定長期優良住宅(中古) | 2.0% | 0.2% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転 | 認定低炭素住宅(中古) | 2.0% | 0.1% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転 | 買取再販での特定の増改築 | 2.0% | 0.1% (2027年3月31日まで) |
| 建物の所有権移転 | 相続 | 0.4% | 軽減なし |
| 抵当権設定 | 住宅ローン等 | 0.4% | 0.1% (2027年3月31日まで) |
登録免許税は、「固定資産税評価額 × 税率」で計算されます。不動産登記では、土地と建物それぞれの評価額に応じて課税されるのが一般的です。
なお、課税標準となる「不動産の価額」は、市町村役場で管理している固定資産課税台帳に登録された価格がある場合は原則その価格となります。固定資産課税台帳に登録された価格がない場合は、登記官が認定した価額となるため、その不動産を管轄する登記所に確認しましょう。
税率は登記の種類によって異なり、以下のように定められています。
土地に関する主な登記の税率(所有権移転登記)
- 売買による場合:2.0%(2029年3月31日までに登記を受ける場合は1.5%)
- 相続による場合:0.4%
- その他(贈与・交換・収用・競売など)による場合:2.0%
建物に関する主な登記の税率
- 新築時の所有権の保存:0.4%
- 売買または競売による所有権の移転:2.0%
- 相続による所有権の移転:0.4%
- その他(贈与・交換・収用・競売など)による所有権の移転:2.0%
※ここで紹介している税率のほか、配偶者居住権の設定登記など、登記の種類によっては別の税率が定められているものもあります。
土地の評価額による計算例
たとえば、評価額が1,000万円の土地を取得して所有権移転登記を行う場合、登録免許税は以下のように計算されます。
- 売買による場合(2.0%)
1,000万円 × 2.0% = 20万円 - 相続による場合(0.4%)
1,000万円 × 0.4% = 4万円
建物の評価額による計算例
たとえば、評価額が1,500万円の新築住宅について、所有権の移転登記を行う場合の税額は次の通りです。
- 売買による場合(2.0%)
1,500万円 × 2.0% = 30万円 - 相続による場合(0.4%)
1,500万円 × 0.4% = 6万円
登録免許税は不動産の取得や売却時にかかる費用の一部にすぎません。実際の不動産取引や空き家対策の判断では、税金だけでなく「いくらで売れそうか」という市場の相場感をあわせて把握しておくことが重要です。
相続登記の登録免許税が免税されるケース

相続によって不動産を取得した場合でも登録免許税はかかりますが、以下の2つのケースでは免税される可能性があります。
- 相続登記が完了する前に相続人が死亡した場合
- 土地の評価額が100万円以下の場合
いずれも2027年3月31日までの期限付き制度です。
相続登記を行わずに死亡した場合
土地を相続した人が、その相続登記をしないまま亡くなり、次の世代へさらに相続が発生した場合(数次相続)、最初の相続(1次相続)にかかる登録免許税が免除されます(租税特別措置法第84条の2の2第1項)。
例えば、祖父Aから父Bへ土地の相続が発生したものの、登記をしないうちに父Bも亡くなり、子Cへ相続が発生したケースを考えます。この場合、AからBへの相続登記にかかる登録免許税が免除され、BからCへの相続登記分のみを納めればよいことになります。免除されるのはあくまで「亡くなった中間の人(B)を名義人とするための登記」に限られる点に注意しましょう。
土地の評価額が100万円以下の場合
相続により取得した土地の価額が100万円以下の場合、所有権の移転登記および保存登記にかかる登録免許税が免除されます(租税特別措置法第84条の2の2第2項)。適用される価額は固定資産税課税台帳に記載された評価額が基準となります。記載がない場合は、土地を管轄する登記所に問い合わせて登記官が認定した価額を確認してください。
なお、どちらの免税措置も、登記申請書に根拠となる法令の条項を記載しないと適用されないため注意が必要です。
住宅用家屋に関する軽減措置が適用されるケース

住宅の取得にあたっては、一定の要件を満たす住宅用家屋について、登録免許税の軽減税率が適用される特例があります。これは、自己の居住を目的とした住宅取得に対して国が支援を行うもので、登記時の税負担を大幅に減らすことができます。
新築・中古両方に適用される軽減措置
- 住宅ローン等に伴う抵当権設定登記:通常0.4% → 軽減後0.1%
新築住宅で軽減措置が適用される行為
- 住宅用家屋の所有権の保存登記
- 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記
- 認定低炭素住宅の所有権の保存登記
中古住宅やリノベーション住宅で軽減措置が適用される行為
- 特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記
ここでは、新築住宅に適用される軽減措置と中古住宅やリノベーション住宅に適用される軽減措置を詳しく見ていきましょう。
新築住宅に適用される軽減措置
新築住宅を取得し、所有権の保存登記を行う場合は、登録免許税の税率が0.4%から0.15%に引き下げられます。さらに、長期優良住宅や認定低炭素住宅に該当する場合は、0.1%まで軽減されます。
- 住宅用家屋の所有権の保存登記:通常0.4% → 軽減後0.15%
- 特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記:通常0.4% → 軽減後0.1%
- 認定低炭素住宅の所有権の保存登記:通常0.4% → 軽減後0.1%
適用要件
- 床面積が50㎡以上であること、新築または取得後1年以内の登記であることなど
- 1の条件に加えて長期優良住宅の普及の促進に関する法律第10条第2号イに掲げる住宅に該当する住宅用家屋であること
- 1の条件に加えて都市の低炭素化の促進に関する法律第2条第3項に規定する低炭素建築物に該当する住宅用家屋であること
適用期限
- 2027年3月31日まで
中古住宅やリノベーション住宅への軽減措置
中古住宅を取得する際には、特定認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅に該当する場合と、さらに特定の増改築が行われた場合に軽減措置が適用されます。
- 特定認定長期優良住宅の所有権移転登記:通常2.0%→0.2%
- 認定低炭素住宅の所有権移転登記:通常2.0%→0.1%
- 買取再販で特定の増改築等がされた住宅用家屋の所有権の移転登記:通常2.0%→0.1%
適用要件
- 床面積が50㎡以上であること、新築または取得後1年以内の登記であること、長期優良住宅の普及の促進に関する法律第10条第2号イに掲げる住宅に該当する住宅用家屋であることなど
- 床面積が50㎡以上であること、新築または取得後1年以内の登記であること、都市の低炭素化の促進に関する法律第2条第3項に規定する低炭素建築物に該当する住宅用家屋であることなど
- 宅地建物取引業者が中古住宅を買い取り、耐震改修工事やバリアフリー改修工事、省エネ改修工事など特定の増改築を行った住宅用家屋であること
適用期限
- 2027年3月31日まで
登録免許税軽減措置の申請方法と必要書類

登録免許税の軽減措置を受けるための手続きと必要書類は、適用される区分によって異なるため、それぞれよく確認する必要があります。特定認定長期優良住宅や認定低炭素住宅においては、それぞれの認定を受けた書類が必要になるので、認定を受けた書類は大切に保管しておいてください。
各区分の具体的な手続きは国税庁のウェブサイトをチェックしたうえで、不動産会社や司法書士に相談しながら進める必要があります。
ここでは、それぞれの区分で共通している大まかな手続きの流れや必要書類の一部を紹介します。
手続きの流れ
登録免許税の軽減措置を受けるための大まかな流れは以下のとおりです。
軽減措置を受けるには、まず特定認定長期優良住宅や特定の増改築などを行ったことを証する書類の準備が必要です。これらが準備出来たら、住宅が立地している市区町村で住宅用家屋証明書を発行してもらいましょう。
必要書類をそろえたら、登記申請書を作成し、法務局の窓口で提出します。不備がなければ、軽減後の税率が適用され、所定の税額を納付すれば登記が完了します。
申請時に必要となる書類一覧
軽減措置の申請に必要な書類は、本来の登記申請に必要な書類に加えて、軽減措置を受けることができる家屋であることを証明する書類が必要になります。
| 軽減措置の区分 | 必要となる主な証明書類 | 提出先・備考 |
|---|---|---|
| 共通(住宅用家屋) | 住宅用家屋証明書、住民票の写し | 登記申請時に法務局へ提出(証明書は市区町村で発行) |
| 新築(所有権保存) | 登記事項証明書、登記完了証、または確認済証・検査済証 | 住宅用家屋証明書の取得時に必要 |
| 特定認定長期優良住宅 | 長期優良住宅の認定申請書の写し、認定通知書 | 住宅用家屋証明書の取得時に添付 |
| 認定低炭素住宅 | 低炭素建築物の認定申請書の写し、認定通知書 | 住宅用家屋証明書の取得時に添付 |
| 買取再販(特定の増改築) | 増改築等工事証明書、既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類など | 宅地建物取引業者がリフォームした物件であることを証明 |
申請書類は受ける軽減措置によって変わってくるので、具体的な内容は法務局の窓口で確認しましょう。
軽減措置の適用外となるケースと注意点

登録免許税の軽減措置で特に注意したい点が2つあります。
①住宅用家屋以外の建築物には適用されない
この軽減措置は、個人が居住するための住宅を対象とした制度です。住宅用家屋証明が取得できない事業用建築物などには適用されません。
②贈与を原因とした登記には適用されない
所有権移転登記の適用対象は売買および競落に限定されています。住宅用家屋であっても、贈与により取得した場合は対象外です。
なお、軽減措置には適用期限(現在は2027年3月31日まで)が設けられており、延長されるかどうかは確定していません。必ず期限内に手続きを済ませるようにしましょう。
よくある質問
まとめ
ここまで、登録免許税の基本的な仕組みから、活用できる軽減措置までを解説してきました。不動産登記を行うにあたって避けて通れないものなので、制度をよく理解して可能な限り節約を心がけましょう。
特に住宅の取得や相続に関しては、免税・軽減措置をうまく使うことで、経済的な負担を大きく減らすことができます。制度には申請期限があるので、物件を取得する時期や準備期間をあらかじめ考慮して手続きすることをおすすめします。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。