公開日:2026.07.14 更新日:2026.06.26
NEW【不動産購入ローン】の基礎知識と選び方!種類や審査基準・金利比較まで解説
不動産購入では、ローンの種類と条件の選び方によって毎月の返済額だけでなく、総返済額や将来の家計負担も大きく変わります。住宅ローン・アパートローン・不動産投資ローンはそれぞれ金利や審査基準が異なるため、購入目的とライフプランに合った商品を選ぶことが重要です。
この記事では、以下の点を解説します。
- ローンの種類と目的別の違い
- 金利タイプと返済方式の選び方
- 審査で見られるポイント
- 借入までの流れと借り換えの判断基準
目的に合ったローン選びと慎重な返済計画が、長期的な家計の安定につながります。
目次
不動産購入ローンの種類と特徴(住宅ローン・アパートローン・不動産投資ローン)

不動産購入で利用できるローンは、購入目的や物件の種類によって選ぶべき商品が異なります。まずは、住宅ローン・アパートローン・不動産投資ローンそれぞれの特徴から触れていきます。
不動産購入ローン(不動産融資)は大きく分けて、自宅用の住宅ローンと、賃貸経営や資産運用を目的としたアパートローン・不動産投資ローンがあります。名称は似ていますが、これらは、購入時に必要となる「頭金(自己資金)」や「諸費用」の割合、利用できる「金融機関」の選択肢も異なります。目的とローンの種類が合致していない場合、融資が否決されたり、希望条件で借りられなかったりする原因になります。
住宅ローンは、原則として本人が居住する住宅の取得を対象としており、比較的低金利で長期返済を組みやすいのが特徴です。一方、アパートローンや不動産投資ローンは、家賃収入を前提とするため、物件の収益性や担保評価の影響が大きく、住宅ローンと比べて金利は高めに設定されやすい傾向があります。
区分マンションか一棟物件か、新築か中古かによっても利用できる金融機関や融資条件は変わります。そのため、長期的な収支や将来の売却も視野に入れた、自身の投資方針に合ったローン選びが大切になるのです。
不動産購入前に知るべき住宅ローンと不動産投資ローンの違い
住宅ローンと不動産投資ローンにおける最大の違いは、審査で重視されるポイントです。住宅ローンは、年収や勤続年数など個人の返済能力が中心となるのに対して、不動産投資ローンでは返済能力に加え、物件の収益性や担保価値も評価対象になります。そのため、空室リスクや家賃下落の影響も踏まえて審査が行われるのが特徴です。
一般的に住宅ローンのほうが金利は低く設定されています。住宅ローンは本人が居住することが前提のため、購入後すぐに賃貸へ出すなど、本来の用途と異なる利用は、金融機関との金銭消費貸借契約における「契約違反(資金使途違反)」となり、期限の利益を喪失して一括返済を求められる法的リスクがあります。また、悪質なケースでは詐欺罪に問われる可能性もあります。将来的に住み替えや転勤を予定している場合は、事前に金融機関への確認が必要です。
また、住宅ローンでは一定の要件を満たすことで、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が適用できる場合があります。不動産投資ローンは対象外です。
不動産投資ローンの利息(建物部分に対応する利息など)は、賃貸経営の必要経費として不動産所得の計算上、他の所得(給与所得など)と損益通算して所得税・住民税を抑えられる場合があるなど、税制上の扱いも大きく異なります。(※土地取得に係る借入金利息のうち、不動産所得の赤字部分については損益通算の対象外となる制限等があります)
必要書類にも違いがあります。不動産投資ローンでは、物件資料や収支計画書、レントロールなどの提出を求められることがあります。ローンを比較する際は、金利だけでなく、融資期間や自己資金の割合、団体信用生命保険の内容なども含めて検討しましょう。
※適用には床面積や所得要件、築年数、借入期間などの一定の要件を満たす必要があります
不動産購入ローンの金利タイプの選び方(変動金利・固定金利)

金利タイプは、毎月の返済額だけでなく、将来の家計負担にも直結する重要なポイントです。変動金利と固定金利にはそれぞれ特徴があるため、金利の低さだけでなく、将来の収入や支出の変化も見据えながら選びましょう。
金利タイプを選ぶ際は、目先の損得だけで判断せず、将来金利が上昇した場合でも無理なく返済を続けられるかという視点が大切です。例えば教育費の増加や転職などで家計の変動を見込んでいる場合は、固定金利で返済額を一定にしておく選択肢が有効です。
また、借入期間が長くなるほど、金利変動による総返済額への影響は大きくなります。変動金利を選ぶ場合は、繰上返済用の資金を確保するなど、リスクに備える仕組みまで考えておくと失敗回避につながります。
投資用物件の場合はさらに注意が必要です。家賃収入や修繕費によって収支が変動するため、金利だけでなく空室リスクや将来的な資金繰りも含めた、より慎重な判断が求められます。
変動金利と固定金利の違い
市場金利の動きに応じて金利が見直されるのが変動金利です。一般的に固定金利より当初金利が低く設定されることが多く、毎月の返済負担を抑えやすいのが特徴です。将来的に金利が上昇すると返済額や総返済額が増える可能性があるため、そのリスクも理解しておく必要があります。
固定金利は、借入時に決まった金利が返済終了まで変わりません。毎月の返済額が変動しないため、長期的な資金計画を立てやすいのがメリットです。一方で、変動金利と比べると当初金利は高めに設定される傾向があります。
固定期間選択型は、一定期間のみ金利を固定する仕組みです。例えば10年固定の場合、固定期間中は返済額が変わらず、その後は変動金利または再固定を選びます。固定期間終了後の金利変動も見据えた、無理のない返済プランを立てておきましょう。
短期プライムレート・長期金利と金利見直しの仕組み
住宅ローンの金利は、金融機関が独自に決めているわけではありません。変動金利は短期プライムレートなどの短期金利の影響を受けやすく、固定金利は国債利回りに代表される長期金利の動向が反映されるのが一般的です。つまり、同じ金利上昇局面でも、変動金利と固定金利では影響の受け方が異なります。
金利がどのタイミングで見直されるのかも確認しておきたいポイントです。変動金利は半年ごとに金利が見直されるケースが多いものの、返済額の変更は5年ごとに見直され、かつ従来の返済額の1.25倍を上限とするルール(5年ルール・125%ルール)が適用されるのが一般的です(※金融機関や商品プランにより異なるため要確認)。投資用ローンでは、毎月見直しが行われるタイプもあります。
返済額の急激な上昇を抑えるために、一定期間は返済額を据え置く仕組みや、増額幅に上限を設けている商品もあります。ただし、返済額が変わらなくても利息の割合が増え、元金が思うように減らないケースもあります。金利タイプを選ぶ際は、金利上昇時の返済額や返済残高がどう変化するのかまで試算しておきましょう。
返済方式と返済額の決まり方(元利均等・元金均等)
同じ借入額・同じ金利でも、返済方式によって毎月の負担や総返済額は変わります。家計の安定を優先するのか、利息負担を抑えることを重視するのかによって、適した選択肢も異なります。
元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)が一定(※金利変動がない場合)になる方式です。返済計画を立てやすく、多くの住宅ローンで採用されています。返済当初は利息の割合が大きいため、元金の減りは比較的ゆるやかになりやすいのが特徴です。
元金均等返済は、毎月返済する元金が一定で、残高の減少にあわせて利息も少しずつ減っていきます。そのため、返済開始直後の負担は大きくなりますが、総返済額は抑えやすい傾向があります。早めにローン残高を減らしたい人や、返済に余裕を持てる人に向いているでしょう。
どちらを選ぶ場合も、無理なく返済を続けられるかが重要です。教育費や老後資金など将来の支出を見据えながら、自分の家計に合った返済方式を選びましょう。
不動産購入ローンの金利・返済期間シミュレーション|総返済額はどう変わる?

住宅ローンを検討する際は、毎月の返済額だけでなく、最終的にいくら返済することになるのかもセットで比較します。
例えば、借入額3,000万円・返済期間35年の場合、金利1.0%では総返済額は約3,550万円、金利2.0%では約4,130万円と、わずか1%の差で約580万円の差が生じます(元利均等・概算)。
わずかな金利差でも、返済期間が長くなるほど利息負担は増えやすくなります。また、毎月の返済額を抑えるために返済期間を延ばすと、総返済額の増加や完済年齢の上昇につながることもあります。ローンを比較する際は、借入額を同じにして金利だけを変える、あるいは金利を固定して返済期間を比較するなど、条件をそろえてシミュレーションするのがおすすめです。変動金利を選ぶ場合は、金利上昇時の返済額もあわせて確認しておくと、より現実的な判断につながります。
投資用ローンでは、総返済額に加えて家賃収入の変動や空室リスクも考慮する必要があります。不動産購入ローンは購入時の資金調達手段であると同時に、長期にわたる家計や事業の「固定費」でもあります。金利上昇や収入減少などのリスクも踏まえて、想定外の事態が起きた場合でも対応できる返済計画になっているかどうかが重要です。
不動産購入ローンの審査基準で見られる4つのポイント
住宅ローンや不動産投資ローンの審査では、申込者の返済能力と、購入する物件の評価の両方が確認されます。
申込者については、年収だけでなく、勤務先や勤続年数、雇用形態、年齢などから返済の安定性が見られます。また、車のローンやカードローン、携帯端末の分割払いなども既存借入として扱われるため、想定より返済負担率が高くなるケースもあります。
あわせて確認されるのが信用情報です。過去の延滞履歴や短期間での複数申込み、借入枠の多さなどは審査に影響する可能性があります。住宅購入を検討している場合は、新たな借入やクレジットカードの発行を増やしすぎないよう注意しましょう。
物件評価では、立地や築年数、構造、管理状態などをもとに担保価値が判断されます。評価が伸びない場合は、希望する融資額に届かないこともあります。投資用不動産では、これらに加えて賃料の妥当性や空室リスクなども確認されるため、物件資料や収支計画の内容が審査結果を左右します。
審査に通らない原因と対策

ローン審査に通らない理由はひとつとは限りません。年収や信用情報だけでなく、借入額の設定や既存借入の状況、物件評価、提出書類の内容など、複数の要素が総合的に判断されます。
よくある原因は返済負担の大きさです。年収に対して借入希望額が高すぎる場合や、車のローン・カードローンなどの既存借入が多い場合は、減額や否決につながることがあります。対策としては、借入額の見直しや頭金の増額、既存借入を整理してから申し込むなどで改善できることもあります。
また、信用情報が影響することもあります。過去の延滞履歴や短期間での複数申込みは審査で不利になる可能性があります。不要な借入やクレジット枠を整理し、短期間に複数のローンへ申し込まないことも意識しておきましょう。
物件評価が原因となるケースもあります。築年数や立地、担保価値によっては希望額まで融資を受けられないこともあるため、自己資金の割合を増やしたり、別の金融機関へ相談したりすることも検討しましょう。書類不備や説明不足は比較的改善しやすいため、収入証明や資金計画、投資用であれば収支資料などを丁寧に準備することも大切です。
借入までの流れ(事前審査〜契約〜融資実行)
不動産購入では、売買契約や決済日に向けて手続きを進めるため、ローン審査の流れや必要期間を事前に把握しておくことが重要です。資金計画や書類準備が遅れると、契約スケジュールに影響し、取引そのものに支障をきたす可能性もあります。
一般的には、資金計画と物件選定を進めながら事前審査を申し込み、承認後に売買契約を締結し、その後に本審査やローン契約を経て決済日に融資が実行されます。ただし、事前審査に通過していても、本審査で条件変更や否決となるケースもあります。余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
本人確認書類や収入証明書、既存借入の明細、物件資料などは早めに準備しておくと手続きがスムーズです。頭金や諸費用の資金計画についても、事前に整理しておきたいところです。
売買契約には融資利用の特約(ローン特約)の期限が設定されることが一般的です。万が一、期限までに本審査の承認が得られない場合は契約を無条件で解除(既払いの手付金は全額返還)できますが、買主がローンの申込みをしなかったり、書類準備などを怠ったために借入れができなかった場合には、ローン特約は適用されません。特約による解除が認められない場合、手付金の放棄や違約金請求に発展するケースもあるため注意が必要です。所有権移転登記や抵当権設定登記の準備も並行して司法書士と進めましょう。
借り換えを検討すべきケースと注意点

金利環境や借入条件の変化によっては、借り換えによって総返済額を抑えられる可能性があります。ただし、借り換えには一定のコストがかかるため、金利低下による効果が諸費用を上回るかどうかを確認したうえでの判断が重要です。
借り換えを検討すべき代表的なケースは、現在のローンとの金利差がある程度あり、返済期間や残高が十分に残っているケースです。一般的には残高や残期間が大きいほど借り換えによる効果を得やすくなり、完済が近い場合は利息負担が小さくなっているため、メリットが限定的になります。
注意点は、借り換え時には事務手数料や保証料、登録免許税(抵当権抹消登記・抵当権設定登記にかかる税金)や司法書士報酬などの「登記費用」などの諸費用が発生することです。(※借り換え時は、既存ローンの抵当権抹消登記(登録免許税:不動産1件につき1,000円)と、新ローンの抵当権設定登記(登録免許税:借入額×0.4%、住宅用家屋の軽減措置適用の場合は0.1%)の2つの登記手続きが必要となります)
月々の返済額が下がっても、諸費用を含めた総額ベースでメリットがあるかを判断する必要があります。さらに、返済期間を延長すると毎月の負担は軽くなりますが、総返済額が増えるケースもあるため注意しましょう。
投資用ローンでは、物件の担保評価や収益性も借り換えの条件に影響します。築年数の経過や家賃下落によって希望条件での借り換えが難しくなることもあります。また、団体信用生命保険の付帯内容や上乗せ金利の条件、金利見直し頻度なども比較対象となります。金利だけでなく、キャッシュフローや返済計画、商品性まで含めて総合的に判断することが重要です。
不動産購入ローンのよくある質問
まとめ|不動産購入ローンは金利・審査・返済計画で決める
不動産購入ローンを選ぶ際に大切なのは、金利の低さだけで判断しないことです。自分に合った金利タイプを選び、無理のない返済計画を立てられるかどうかが、長期的な家計の安定につながります。
また、ローン審査では年収だけでなく、信用情報や既存借入、物件評価なども総合的に判断されます。審査に通ることはもちろん、希望する条件で融資を受けられるかという視点も大切です。購入前は不要な借入を増やさず、必要書類や資金計画を早めに整理しておきましょう。
ローン選びで迷ったときは、「金利が上昇しても返済を続けられるか」「将来的な住み替えや売却にも対応できるか」「生活防衛資金を確保できているか」を確認してみましょう。
不動産購入では、物件選びだけでなく資金計画も重要です。目先の条件だけでなく、将来を見据えた判断を心がけましょう。
納得の不動産購入を「アキサポ」がサポート
不動産購入は、物件選びやローン条件によって将来の負担が大きく変わります。
「アキサポ」では、空き家や中古住宅の購入をサポート。一人ひとりの状況に合わせた物件選びをお手伝いしています。納得できる不動産購入を目指したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。