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公開日:2026.09.13 更新日:2026.08.25

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内装解体とは?種類・流れ・費用相場・注意点をわかりやすく解説

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内装解体とは、建物の構造体を残し、壁や床、天井、設備などの内装だけを撤去する工事です。 店舗やオフィスの退去時の原状回復工事や、リフォーム・リノベーション前の準備として行われますが、契約内容によって解体する範囲は異なります。

この記事では、内装解体の種類や工事の流れ、坪数ごとの費用相場、見積もりのチェックポイント、トラブルを防ぐ注意点まで解説。

スケルトン工事と原状回復の違いは?どこまで撤去する必要がある?といった疑問にも触れながら、無駄な解体費用を抑えて信頼できる解体業者を選ぶポイントを整理しました。

内装解体でよくある工事の種類

内装解体工事の種類(スケルトン解体・原状回復)と工事費用試算を表した足場付き家模型と電卓

内装解体は、スケルトンに戻すのか、原状回復を行うのか、改装のために一部だけ撤去するのかによって、工事内容や解体費用が大きく変わります。まずは賃貸借契約の返却条件を確かめ、ご自身の物件に必要な工事を把握しましょう。

スケルトン解体(スケルトン工事)

スケルトン解体は、建物の躯体を残し、天井・壁・床・間仕切り・設備などを撤去して、コンクリートが見える状態まで戻す解体工事です。店舗やオフィスの退去時によく行われます。

注意ポイントとしては、空調設備や分電盤、配管などをどこまで撤去するかは物件ごとに異なる点です。貸主や管理会社の指定が優先されるケースが多いため、着工前に撤去範囲を書面で確認しておくとよいでしょう。

特に飲食店は、厨房設備や排気ダクト、グリストラップなどの撤去が必要になり、一般的な店舗より解体費用が高くなります。現地調査では設備の量や搬出経路まで確認してもらいましょう。

原状回復工事

原状回復工事は、退去時に借りたときの状態へ戻して貸主へ返却するための工事です。工事内容は賃貸借契約や管理規約、貸主・管理会社の指示によって決まります。

気を付けたいのは、入居時がスケルトンなら返却時もスケルトン、天井や空調設備付きで借りたなら、それらを残して返すのが原則となることがあります。

照明や空調、間仕切り、床材などは「残す設備」と「撤去する設備」の判断が分かれやすく、トラブルになりやすい部分です。あとから追加工事にならないよう、写真や図面を使って事前に認識を合わせておきましょう。

改装・改修に伴う部分解体

部分解体は、リフォームや店舗のリニューアルに合わせて、必要な範囲だけを撤去する工事のことです。既存の内装や設備を活かせるため、解体費用や工期を抑えやすいメリットがあります。営業しながら工事する場合は、夜間作業や養生、騒音・粉じん対策が必要になるため、通常より費用が高くなることがあります。

また、解体後の内装工事や設備工事を見据え、残す壁や床、配線・配管の位置を事前に確認しておくことも大切です。

内装解体の事前準備と手順

内装解体工事の事前準備や着工までの手順・確認項目を示すチェックリスト

内装解体に着工する際「契約どおりに工事したつもりでも、貸主から追加対応を求められた」「予定外の費用が発生して退去スケジュールが遅れた」というケースは珍しくありません。こうしたトラブルを防ぐためにも、工事前に押さえておきたい準備と手順を知っておきましょう。

貸主・管理会社との打ち合わせ(原状回復範囲の確認)

まずは、賃貸借契約書や原状回復に関する条項、管理規約を確認しましょう。内装解体では、工事ができるかだけでなく、契約どおりの状態で建物を返却できるかが重要です。認識がずれると、退去直前に追加工事や追加費用が発生してしまうことがあります。

返却状態がスケルトンなのか原状回復なのか、どの設備を撤去・残置するのかを事前に整理します。空調や照明、間仕切り、床材など判断が分かれやすい設備は、対象ごとに確認しておくと安心です。

可能であれば貸主・管理会社・解体業者で現地を確認し、撤去範囲を書面や写真で共有しておきましょう。口頭だけでは解釈違いが起きやすく、工事のやり直しにつながることがあります。

業者選定と現地調査

解体業者は2〜3社から見積もりを取り、同じ条件で比較します。撤去範囲や工期、作業時間などの条件が異なると、解体費用の差が適正なのか判断しにくくなるためです。

現地調査では、坪数だけでなく、搬出経路やエレベーターの使用条件、養生範囲、設備の量なども確認します。見積書は「一式」ではなく、解体費、養生費、運搬費、処分費などの内訳まで目を通しましょう。

近隣挨拶・残置物撤去・ライフライン停止

工事中のトラブルを防ぐためには、近隣への事前挨拶も欠かせません。同じ建物のテナントや近隣へ、工期や作業時間、騒音・粉じん対策などを伝えておくことで、万一のクレームにも対応しやすくなります。

残置物は、施主側で処分できるものをあらかじめ撤去しておくと、解体作業がスムーズです。家具や什器、在庫が残っている場合、搬出や処分の手間が増えて解体費用が高くなることもあります。

ライフラインについては、工事で使わないものは停止し、水道など必要な設備は残します。停止時期や手続きは建物ごとに異なるため、貸主・管理会社と解体業者へ事前に確認しておきましょう。

内装解体工事の流れ

内装解体工事は、養生・安全対策を行った後、内装材や設備を撤去し、廃材を適切に処分して清掃・引き渡しへ進むのが一般的な流れです。工程ごとの流れを把握しておくと、工事の進捗を確認しやすくなり、追加費用や工期の遅れを防ぐことにもつながります。

内装解体工事の基本ステップ
STEP 01
養生・足場の設置
共用部や床・壁を保護し、粉じん飛散や傷つきを防止。高所作業が必要な場合は足場を設置。
STEP 02
内装材・設備・床の撤去
インフラ停止確認後、天井→壁→設備の順で撤去。床材を最後まで残すことで搬出路を確保。
STEP 03
産業廃棄物の分別・搬出
廃プラ・木くず・石膏ボード等を品目別に分別し搬出。マニフェスト(処理票)を正しく管理。
STEP 04
清掃・施工後確認・立ち会い引き渡し
現場清掃後、貸主・管理会社立ち会いのもと契約通りの解体状態か確認し完了。

ここでは、着工から引き渡しまでの流れと、各工程で押さえておきたいポイントを解説します。

養生・足場の設置

床や壁、エレベーター、廊下などを保護し、建物の傷や粉じんの飛散を防ぐために行うのが養生です。
養生が不十分な場合、共用部の損傷や近隣トラブルにつながり、追加費用が発生することもあります。
また、ビルや店舗では、養生方法や搬出経路、エレベーターの使用時間などが管理規約で決められている場合があります。工事当日にやり直しにならないよう、事前に貸主や管理会社、解体業者と確認しておきましょう。

天井が高い建物や吊り天井の撤去では、脚立ではなく足場や作業床が必要になるケースもあります。足場の設置は解体費用や工期に影響するため、現地調査で必要性をチェックしておきましょう。

内装材・設備・床の撤去

内装解体では、まず電気設備や空調、給排水設備などの安全を確認したうえで、天井、壁、床の順に内装材を撤去するのが一般的です。この順番で進めることで、落下物による事故や建物の損傷を防ぎながら、安全に作業を進めることができます。床を最後まで残しておくと、搬出経路や作業スペースを確保しやすくなるのもメリットです。

特に注意したいのは、電気設備と給排水設備です。通電中の配線は感電事故、配管の誤切断は漏水につながるおそれがあります。また、空調設備は冷媒の回収が必要な場合もあるため、撤去範囲や専門業者による作業が必要かを事前に確認しておきましょう。

産業廃棄物の分別・マニフェスト管理・処理

内装解体の費用を大きく左右するのが、産業廃棄物の処分費です。追加費用を防ぐためにも、木くずや石膏ボード、金属、ガラス、廃プラスチックなどを適切に分別しましょう。判断に迷う場合は、現場でどのように分別・処分するのかを解体業者へ確認するのがおすすめです。

また、産業廃棄物は適正に処分されたことを証明するため、マニフェスト(産業廃棄物管理票)が発行されます。不法投棄などのトラブルを防ぐためにも、発行の有無や控えを受け取れるかを確認しておくと安心です。

清掃と引き渡し(確認ポイント)

解体工事が完了したら、粉じんや釘、細かな破片などを清掃し、安全な状態で引き渡しを行います。清掃が不十分な場合、貸主や管理会社から手直しを求められたり、次の内装工事に影響したりすることがあるため注意しましょう。

引き渡しでは、契約どおりの状態になっているかを確認します。スケルトンなら残置物がないか、原状回復なら残すべき設備が残っているかなど、事前に取り決めた内容と相違がないかをチェックします。
あわせて、共用部の傷や配管・躯体の損傷がないかも確認し、完了写真を残しておきましょう。民法第621条(賃借人の原状回復義務)に基づく通常損耗・経年変化の負担範囲や、明渡しに伴う損害賠償トラブルを防ぐための重要な証拠になります。

内装解体の費用相場と見積もりの見方

「見積もりが適正なのか分からない」「追加費用は発生しないだろうか」といった不安はつきもの。
内装解体の費用は、坪数だけでなく、撤去範囲や搬出条件、廃材の処分方法などによって変わります。ここでは費用を左右するポイントを押さえておきましょう。

坪数店舗・オフィス(スケルトン解体)住宅・マンション(内装解体)工事期間の目安
10坪30万円 〜 60万円15万円 〜 30万円2日 〜 4日
20坪60万円 〜 120万円30万円 〜 60万円3日 〜 5日
30坪90万円 〜 180万円45万円 〜 90万円5日 〜 7日
50坪150万円 〜 300万円75万円 〜 150万円7日 〜 10日

費用が決まる要素(坪単価・搬出条件・廃材量など)

坪単価はあくまで目安で、実際には店舗の業態や建物の構造、階数によって変動します。

  • 店舗・オフィスの業態
    飲食店は厨房設備やダクトの撤去が多く、オフィスはOAフロアや配線量が解体費用に影響します。
  • 建物の構造・階数
    木造かRC造か、1階か高層階かによって作業の難易度や工期が変わります。
  • 搬出条件
    階段のみ、エレベーター使用不可、車両を近くに停められない現場では、人手や作業時間が増え、費用が高くなりやすくなります。
  • 廃材の種類・量
    木くずや石膏ボードなどの廃材量が多いほど、処分費も高くなる傾向があります。
  • 設備の撤去内容
    厨房設備や空調、ダクト、床下地など、撤去する設備が多いほど工事費が上がります。
  • 追加工事の有無
    下地補修やアスベスト調査・処理が必要な場合は、追加費用や工期が延びる可能性があります。

坪単価だけで判断せず、これらの条件が見積もりに反映されているかを確認することが、適正価格で依頼するポイントになります。

費用を安くするポイント

費用を抑えるコツは、2〜3社から相見積もりを取ることです。不要な工事や過剰な費用に気付きやすくするために、撤去範囲や作業時間、養生範囲、処分方法などの条件をそろえて比較しましょう。

また、撤去範囲を明確にし、残せる設備は保護して活用することで、無駄な解体工事を減らせます。家具や什器などの残置物をあらかじめ処分しておくことも、処分費の削減につながります。

夜間・休日作業や短納期は割増費用が発生しやすいため、退去日から逆算して余裕を持って準備を進めましょう。追加費用が発生しやすい床下や天井裏、配管・配線なども見積もり時に確認しておくと安心です。

内装解体でトラブルを避ける注意点

内装解体工事のトラブル防止やリスク回避策(注意点)を表現した傘で保護された家のミニチュア

騒音や粉じんによる近隣トラブル、工期の遅れ、法令対応といったトラブルの火種が多いのが内装解体工事です。工事が始まる前にリスクを把握し、工程や近隣対応、法令上の手続きを確認しておきましょう。

工期の確保と工程管理

内装解体は、搬出作業や廃材回収、共用部の使用制限などによって工期が延びることがある点に注意が必要です。退去期限や引き渡し日から逆算して、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。

特に、エレベーターの予約制や搬入時間の指定、廃材回収日など、建物ごとのルールは工期に影響します。現地調査や打ち合わせの段階で確認しておくことが重要です。追加工事が必要になった場合の対応方法も事前に決めておくと、工事の遅れや予算オーバーを抑えられるでしょう。

騒音・粉じん対策と近隣対応

内装解体では地域環境への配慮が欠かせません。養生や防音・防じんシート、集じん機などを現場の状況に合わせて使用し、近隣への影響をできるだけ抑えます。

また、近隣からのクレームを防ぐために、建物の利用状況に合わせて作業時間を調整することも重要です。オフィスビルや商業施設では、周囲の営業時間を考慮した工程を組みましょう。

工事前には近隣へ工期や連絡先を案内し、万一トラブルが起きた場合も迅速に対応できるよう体制を整えておきましょう。

アスベスト調査など法令・届出の確認

原則として解体・改修工事を行う際は、規模の大小を問わず着工前の「アスベスト(石綿)事前調査」が法令で義務付けられています。特にアスベスト含有建材の製造・使用が全面禁止された2006年9月1日より前に着工された建物(2006年8月以前の着工)は、含有の可能性が高くなります。なお、2023年10月以降、事前調査は建築時期を問わず有資格者(建築物石綿含有建材調査者など)による実施が義務付けられています。 また、「内装改修等の請負金額が税込100万円以上」または「解体作業対象床面積が80㎡以上」に該当する工事については、石綿の有無にかかわらず行政への電子報告(石綿事前調査結果報告システム)が義務付けられています。

追加費用や工事の遅れを防ぐため、見積もりの段階で、調査の実施者やアスベストが見つかった場合の対応を確認しておきましょう。

工事で生じた廃棄物は産業廃棄物(木くず・ガラスくず・金属くず等)に該当するため、廃棄物処理法に基づき適正処理(マニフェスト管理)を行う義務があります。万一、業者が不法投棄をした場合、発注者(施主)側も罰則や責任を問われるリスクがあるため、マニフェスト E票まで正しく発行・管理する業者を選定しましょう。

内装解体の専門用語(A工事・B工事・C工事)

テナント工事では、「誰が発注し、誰が費用を負担するか」によってA工事・B工事・C工事に区分されます。工事区分を誤解すると、費用負担や発注者を巡るトラブルにつながるため、契約前に理解しておきましょう。

工事区分発注者費用負担主な工事内容
A工事貸主(オーナー)貸主共用部や建物全体に関わる設備工事
B工事貸主(指定業者)テナント空調・給排水・防災設備など、建物の安全性や統一仕様に関わる工事
C工事テナントテナント内装解体工事、原状回復工事、内装工事など

内装解体や原状回復工事はC工事に分類されることが一般的ですが、貸主や管理会社の承認、指定業者の利用が必要な場合もあります。あらかじめ契約内容や管理規約をチェックして、工事区分と手続きを把握しておきましょう。

内装解体の業者選びのポイント

解体費用だけで業者を選ぶと、追加請求や工事品質、近隣トラブルにつながることも。見積もりの内容や対応力も含めて比較し、安心して任せられる解体業者を選びましょう。

業者選びでは、次のポイントを確認することが大切です。

  • 見積もりの内訳が明確か(解体費・養生費・運搬費・処分費などが分かれている)
  • 現地調査を丁寧に行っているか(撤去範囲や建物の状況を細かく確認している)
  • 追加費用が発生する条件を説明してくれるか
  • 産業廃棄物の処分方法やマニフェストについて説明できるか
  • 工期や工程、近隣対応について具体的な提案があるか
よくある質問(FAQ)
Q. 内装解体工事で発生した不用品や家具(残置物)はそのまま残しても大丈夫ですか?
原則として施主様側であらかじめ撤去・処分していただく必要があります。解体業者へ処分を依頼することも可能ですが、産業廃棄物扱いとなり処分費用が割高になるケースが多いため、事前処分をおすすめします。
Q. アスベスト(石綿)の事前調査は必ず行う必要がありますか?
はい。法令(大気汚染防止法・石綿障害予防規則)により、原則として工事規模に関わらず着工前の事前調査が義務付けられています。建築年数に関わらず有資格者(建築物石綿含有建材調査者等)による確認が必要です。なお、工事規模(改修工事:請負金額税込100万円以上、解体工事:対象床面積80㎡以上等)に該当する場合は、調査結果の行政への電子報告も必須となります。
Q. 退去時の「スケルトン解体」と「原状回復」の違いは何ですか?
スケルトン解体は建物の構造体以外の壁・床・天井・設備をすべて撤去しコンクリート剥き出しにする工事です。一方、原状回復は賃貸借契約に基づき「入居時の状態に戻す」工事のため、居抜きや一部設備を残す場合もあります。

内装解体のまとめ

内装解体をスムーズに進めるには、まず契約書を確かめ、どこまで撤去する必要があるのかを整理しましょう。そのうえで、複数の解体業者へ同じ条件で見積もりを依頼すると、費用や工事内容を比べやすくなります。

解体費用は、坪数だけでなく、設備や搬出条件、廃材の処分方法などによっても変わってきます。見積もりの内訳や、追加費用が発生する条件までしっかり目を通しておくことが、納得できる工事につながります。

事前準備から引き渡しまでの流れを理解し、計画的に進めていくことで、不要なトラブルを防ぎながら、内装解体を進めやすくなるでしょう。

この記事の監修者

宅建士 二級建築士 岡崎 千尋

岡崎 千尋 アキサポ 空き家プランナー

宅建士/二級建築士

都市計画コンサルタントとしてまちづくりを経験後、アキサポでは不動産の活用から売買まで幅広く担当してきました。
お客様のお悩みに寄り添い、所有者様・入居者様・地域の皆様にとって「三方良し」となる解決策を追及いたします。

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