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2022.03.02

今話題のDIY型賃貸借の魅力とは|メリット・デメリットと注意点を解説

空き家をDIYで自分好みにリフォームしたいという方は多いはず。しかし、空き家を買うとなると、ちょっとハードルが高くなりますよね。

そんな方におすすめなのが、空き家を賃貸しながらDIYできる「DIY型賃貸借」です。

ややこしそうと思う方もいるかもしれませんが、国も手引きや契約書式を用意して制度を後押ししており、DIYブームも相まって需要が高まっています。

この記事では、DIY型賃貸借の解説やメリットデメリット、注意点などを解説します。

DIY型賃貸借とは?

DIY中の光景

DIY型賃貸借とは、賃貸物件の中で内装のDIYを許可している物件のことです。賃貸という気軽さとDIYの自由さを兼ね備えていることから、DIY好きを中心に需要を伸ばしています。

契約形態はあくまで一般的な賃貸借契約がベース。ハッキリとDIY型賃貸借という契約種別があるわけでなく、そこに特約を追加してDIYに関する取り決めを行います。

そのため、DIY型賃貸借を契約する際には貸主と借主の間で、DIY可能な範囲設定や管理・金銭などについて条件のすり合わせが必要になってきます。まずはDIY型賃貸借の基本について解説します。

DIY可能な範囲は物件ごとに異なる

まず気になるのが、物件のDIY可能な範囲だと思います。DIY可能な範囲は物件ごとに異なり、貸主側の意向によってDIY可能な範囲が設定されます。

ただ、一軒家の場合は契約者が自分だけになるため、相談によっては条件を緩和してくれる可能性もあります。気に入った物件を見つけたら、必ず一回は直接相談をしてみましょう。

DIY型賃貸借契約と一般的な賃貸借契約の違い

DIY型賃貸借契約と一般的な賃貸借契約の主な違いは下記の2点です。

・DIY施工部分の所有権を明確にする必要がある
・賃貸借契約と別にDIY工事に関する合意を交わす必要がある

特にDIY施工部分の所有権は退去時の原状回復や費用清算にも関係してくるため、よく話し合って明確にしておく必要があります。

ただし、建物本体と一体となっているDIY施工部分については、分離することが不可能なため、所有権は貸主に帰属します。

DIY型賃貸借の契約形態と手順

DIY型賃貸借の契約形態は、ベースの賃貸借契約とDIYに関する特約部分から構成されます。特約とは、契約内で特別な取り決めを定める部分のことで、DIYに限らずさまざまな取り決めを定めることができます。例えば、退居時のクリーニング費用負担の関係や、退居申込みのタイミング関係はよく見かけます。

契約の手順は、賃貸借契約とDIY工事関連の2本立てになっており、一般的に下記の手順で進行します。

DIY型賃貸借の契約手順

1.賃貸借契約の締結
2.借主がDIY工事の申請書を送付
3.貸主がDIY工事の承諾書を発行
4.DIY工事の詳細な取り決めに関する合意書の取り交わし
5.賃料の納付

不明な点は国交省のガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」で確認を

DIY型賃貸借は、通常の賃貸借契約よりも取り決め事項が多く、権利関係が複雑になりがちなため、国土交通省からガイドブックが発行されています。

DIY型賃貸借ガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」(国土交通省)

主な内容は、DIY型賃貸借でできることや契約手順、取り決め事項のポイントなど。巻末に契約書の書式例も付いています。

また、施工のイメージ画像も多く取り入れられており、DIY型賃貸借のイメージを把握するにもおすすめ。DIY型賃貸借を検討している方は、ぜひ一度目を通しておきましょう。

DIY型賃貸借のメリット

DIY型賃貸借の最たるメリットは、借主側の「賃貸でもDIYができる」といった点ですが、このメリットは貸主側から見ればそのまま「リフォーム費用が節約できる」といったメリットになります。

このように、DIY型賃貸借は貸主・借主の双方にとって複数のメリットがある契約形態です。そこでここでは、特に注目すべきメリットを貸主側と借主側からそれぞれ3つずつ紹介します。

貸主側のメリット

DIY型賃貸借に関する貸主側の主なメリットは下記の3つです。

・リフォーム費用が節約できる
・ピンポイントな集客ができる
・退居時にグレードアップして戻ってくる

中でも注目すべき点が「リフォーム費用が節約できる」という点です。空き家を借家として貸し出すには、多くの場合集客のためにリフォームが必要になります。

しかし、自分でDIYをすることが醍醐味のDIY型賃貸借では、リフォームは不要。躯体やインフラ部分に係る修繕が発生するケースはありますが、通常の賃貸物件より費用を大きく節約できます。

さらに、アプローチすべきターゲット層が明確になっているのも強みの一つです。普通の空き家だと物件のウリを考えた上でターゲット層を考える必要がありますが、DIY型賃貸借はターゲットが「DIYをしたい人」とはじめから明確になっています。

また、退去時にDIY部分を残置する契約にすれば、DIYの中身にもよりますが、グレードアップした部分をそのまま手に入れることができる可能性があります。

借主側のメリット

DIY型賃貸借に関する借主側の主なメリットは下記の3つです。

・自分好みにリフォームできる
・後から収納を追加できる
・リフォームしていない分家賃が安い傾向にある

借主側の一番のメリットはやはり「自分好みにリフォームできる」点です。

通常、空き家をDIYするには物件の購入が必要になり、手放す際の買い手探しや固定資産税などの負担も付いて回ります。しかし、賃貸なら住み替えがしやすく、金銭的負担も抑えられます。

また、必要に応じて収納を増やせる点も魅力的です。物件の使い勝手は実際住み始めないと分からない点も多いため、DIYによって収納を変更できるのは大きなメリットです。

そして、貸主側がリフォームを行わない分、賃料が安い傾向にあるのも大きなポイントです。

DIY型賃貸借のデメリット

デメリットと粘土人形

メリットの多いDIY型賃貸借ですが、メリットと表裏一体でデメリットも存在します。ただ、デメリットは気を付ければ回避できる事項が多いため、あらかじめ理解しておくことでリスクを最小限に抑えられます。

ここでは、DIY型賃貸借の主なデメリットを貸主側と借主側、それぞれ3つずつ紹介します。

貸主側のデメリット

DIY型賃貸借に関する貸主側の主なデメリットは下記の3点です。

・DIY中に建築物を損傷する可能性がある
・ニーズがニッチである
・契約時に明確にすべき事項が多い

3点の中でもっとも気を付けるべき点が「DIY中に建築物を損傷する可能性がある」点です。これは、DIYをして良い範囲を明確にすることで回避できますが、もし柱や外壁といった、建築物の安全性・耐震性に係る部分を壊されてしまうと大がかりな修繕が必要になります。

借主がDIYにどれくらい理解があるのかを確認し、必ずDIYをして良い範囲をハッキリ説明しましょう。

また、ターゲット層が絞られる分、需要の絶対数が減ってしまうことは覚えておきましょう。宣伝する際はやみくもに広告するのではなく、需要がありそうな場所に的をしぼって宣伝を行いましょう。

そして、もっともこじれがちなデメリットが「契約時に明確にすべき事項が多い」点です。

これはDIY特約に関することですが、DIYをして良い範囲はもちろん、退去時にDIY部分をどうするか、DIY部分を含めた費用清算のルールはどうするかなど、細かなルール設定が必要になってきます。

そのため、DIY型賃貸借として貸し出す際には、必ず賃貸借契約に関するプロである、不動産会社を挟んで行いましょう。

借主側のデメリット

DIY型賃貸借に関する借主側の主なデメリットは下記の3点です。

・仕上がりがDIYの技術次第
・物件が古かったり、DIY前だと状況が悪いことがある
・原状回復が必要な場合、費用が多くかかる

借主側のデメリットとして全体的に言えるのは、居住環境の仕上がりが自らのDIYの腕次第ということです。

DIY型賃貸借物件は、DIYをする前だと通常の賃貸物件よりも状態が悪いケースがあります。そのため、場合によってはイメージしていた仕上がりにならない可能性もあります。

ただ、DIYはそこを含めて面白いもので、ちょっとしたミスも「味」ととらえることもできます。「自分でいろいろやりたい」という方にとっては、そこまで大きなデメリットにはならないかもしれません。

そして、一番気を付けておきたいのが原状回復が必要な物件を借りる場合の原状回復費用です。

大がかりなDIYを行うとそれだけ原状回復も難しくなってきます。どこまで原状回復が必要なのか、部分的な残置はできないのか、契約前に必ず確認しておきましょう。

DIY型賃貸借の注意点

ポイント

DIY型賃貸借で気を付けるべき点は、DIY特約部分に関して貸主・借主双方の理解を明確にすることです。DIY型賃貸借は契約の自由度が高い反面取り決めるべき事項も多く、認識のずれがあると金銭が絡むトラブルに発展する可能性もあります。

ここでは、貸主・借主共通で特に気を付けるべきDIY型賃貸借の注意点を3つ紹介します。

DIY部分を撤去するか残置するかを明確にする

最初に明らかにすべき点は、DIY部分を残置するか、それとも撤去するかです。

撤去の場合、原状回復が必要になるため、退去時に原状回復費用が発生しますし、残置であれば残置部分の買取やDIY部分の補修工事の必要性などについて明確化が必要となります。

また、原状回復が必要とした場合も、どこまで原状回復を行うのかを明確にしておきましょう。

DIY工事で建築物本体を損傷させないように気を付ける

DIY工事の中で一番怖いのが建築物本体を損傷させてしまうことです。

リフォームとは、建築物を新築・改築する際に必要な「建築確認」が不要な範囲で行うものとされており、例えば収納を追加したり、壁を塗り替えたりといった行為が該当します。

また、これらの行為は、いずれも建築物の安全性・耐震性などに影響を与えないため、少し仕上がりが悪くても、住宅の品質を大きく落とすことがありません。

しかし、柱や外壁といった、建築物の構造に直接影響する部分に手を加えてしまうと、安全性・耐震性が落ち、住宅の品質を大きく落とすことにも繋がってきます。

もしこれらの行為が発生し、それが長期間放置された場合、大きな地震に耐えられなかったり、建物の別部分を損傷させたりといった可能性も出てきます。建築物の構造に影響する部分は手を入れないよう、必ず確認しておきましょう。

DIY実施部分の修繕や管理の責任を明確にする

DIY実施部分は、退去時の取り扱いはもちろん、居住期間中の修繕・管理についても取り扱いを明確にしておきましょう。

DIY実施部分については後から借主が追加工事を行い、貸主がそれに同意するという形です。施工した借主側が修繕・管理を行うイメージが強いと思いますが、退去時に残置対応となっている場合は、「最終的には貸主のものになるのだから対応してほしい」という意見が出る可能性も考えられます。

入居時・退去時のルールはもちろん、居住期間中のルールも明確にすることで、お互い気持ちよくDIY型賃貸借物件に住み続けることができます。

DIY型賃貸借はメリットとデメリットが表裏一体の物件

DIY型賃貸借は借主からすれば自由にリフォームができ、貸主からすればリフォーム費用を節約できるメリットの多い物件です。しかし、それらのメリットは仕上がりがDIYの腕次第だったり、借主募集の際はDIYをしたい人に情報を届けなくてはいけなかったりと、そのままデメリットにもなる点は注意しましょう。

それでも、空き家を自分好みにリフォームできるのは、ほかに代えがたいメリット。メリット・デメリットをよく理解すれば、それほど大きなデメリットにはならないのではないでしょうか。

また、DIYでは納まらずより大がかりな工事が必要な空き家物件をお持ちの方やDIYに自信が無い方は弊社の空き家マッチングサービス「アキサポ」を使うのもおすすめです。

空き家のリノベーション費用は全額「アキサポ」が負担するため、借主・貸主両方に費用負担が発生しません。また条件によっては、借主負担で追加のDIYやリフォームを行うことも可能です。

もちろん、リノベーション内容は双方の要望を聞いて決定しますし、手続きは「アキサポ」がワンストップで行うため、とてもスムーズ。空き家リノベーション・リフォームに興味のある方は、ぜひ一度相談してみてください。

アキサポに相談してみる