公開日:2020.10.29 更新日:2026.10.05
実家の生前整理はいつ・何から?親が倒れる前の片付けと準備のコツ

実家の生前整理とは、親が元気なうちに、持ち物・書類・実家の行き先を親子で一緒に整理しておくことです。親が倒れてから始めると、入院の手続きと片付け、相続の準備が一度に押し寄せるため、「いつ・何から」を知っておくだけで家族の負担は大きく減ります。
本記事では、親が倒れる前にやっておきたい生前整理と実家の片付けの進め方を、仕分けのコツや実家の活用・売却の考え方まで含めて解説します。倒れた直後の入院・保険・口座の手続きは、「親が倒れたらまずやること!口座や暗証番号・もらえるお金の手続き」で詳しく解説しています。
親が倒れた際のよくある悩み

親が倒れた際、実際にどのような悩みが生じるのか、具体的に見てみましょう。
・入院・手術など、医療関係の手続き方法がわからない
・税金・年金・光熱費・生活費など、親のお金に関する情報がわからない
・親しい親戚や地元の知人の連絡先・住所がわからない
・実家の掃除や今後の管理をどうすべきかわからない
・生前整理をいつ・何から始めればよいかわからない
共通するのは、「親の情報を事前に把握していれば防げた」という点です。医療手続きでもお金の管理でも、親が倒れてコミュニケーションが取れなくなってからでは、必要な情報を確認することが難しくなります。
余裕があるうちに親と話し合い、もしもの時に備えた準備を進めておくことが重要です。
親が倒れた直後にすべきこと

親が倒れた直後は、入院手続き・手術の同意・治療費の用意が中心になります。
病院から「入院保証人」(1〜2名が一般的で、2名の場合は1名が別世帯であることが多い)と入院保証金(目安5〜10万円、退院時に精算)を求められることがあり、手術では家族が同意書に署名する場面もあります。誰が対応し、費用を誰が負担するかを親族間で決めておくとトラブルを防げます。保険の請求や介護認定など、倒れた後の手続きの全体像は「親が倒れたらまずやること!口座や暗証番号・もらえるお金の手続き」で詳しく解説しています。
親が元気なうちに確認しておきたい情報
親が倒れた際の悩みの多くは、「事前に親の情報を把握していれば防げた」ことばかりです。ここでは特に押さえておきたい情報をまとめます。
お金に関する情報
治療費の支払いから、万が一の際の相続手続きまで、お金に関わる場面は数多くあります。以下の情報を親が元気なうちに確認しておきましょう。
| カテゴリー | 把握しておきたい情報 |
|---|---|
| お金 | 銀行口座・クレジットカード・各種暗証番号・資産内訳・権利書・印鑑の保管場所・毎月の固定費 |
| 人間関係 | 親しい知人・親戚の連絡先と住所 |
| 実家・不動産 | 所有不動産の有無・ローン残高・固定資産税の納付状況 |
| 医療・保険 | かかりつけ医・持病・服薬情報・加入保険の内容 |
貯蓄や資産だけでなく、毎月の出費まで把握しておくことが重要です。親が入院した後も、実家の光熱費・保険料・各種支払いは止まりません。収入と支出の両面をセットで確認しておきましょう。
あわせて、親が親しくしている知人・親戚の連絡先も、「誰に・どのタイミングで連絡してほしいか」を本人に直接確認して控えておきましょう。倒れてからでは聞き出せないことも多いためです。
実家の片づけや生前整理で大切なポイント

生前整理とは、親が元気なうちに、身の回りの持ち物や財産・書類を親子で一緒に整理しておくことです。親が倒れたり亡くなったりしてから始めると、片付け・手続き・相続が一度に押し寄せるため、判断のできるうちに「残す・手放す・保留する」を仕分けておくのが基本です。
生前整理は「よりよく生きる」ための整理
生前整理には「死を想定した片付け」というネガティブなイメージがありますが、本質は異なります。親が亡くなった後、生前整理をしていなかったために手続き・片付け・相続問題が一度に押し寄せるのはよくあることです。生前整理は、残された家族の負担を減らし、親子ともに安心して暮らすための準備です。
親の理解と協力を得たうえで、一緒に進めることが大切なポイントです。
🏠実家の生前整理 進め方5ステップ
一度に全部やろうとせず、小さな確認から始めるのがコツです。
親と話して目的を共有する
「万一のときに家族が困らないように」と伝え、親の気持ちを尊重して進めます。
大切なものの保管場所を確認する
通帳・印鑑・権利書・保険証券などの場所を一覧にして、家族で共有します。
部屋ごとに仕分ける
使わない部屋から手をつけ、「残す・家族に渡す・手放す・判断保留」に分けます。
手放すものを処分する
粗大ごみ・回収業者・リサイクルを使い分けます。思い出の品は写真に残してから手放すと納得しやすくなります。
実家の行き先を家族で決める
住む・貸す・売る・解体のどれにするか、方向性だけでも話し合っておきます。
相続するのは資産だけではない
相続というと預貯金や不動産をイメージしがちですが、実際には親の所持品や不用品なども含まれます。「何を残して何を処分するか」は本人にしか判断できないことも多いため、元気なうちに親と一緒に仕分けを進めておくことが重要です。
親と一緒に進める仕分けの4区分
| 区分 | 対象の例 | 進め方のポイント |
|---|---|---|
| 残す | 日常で使う家具・家電、思い入れのある品 | 親の希望を最優先にし、置き場所を決める |
| 家族に渡す | 形見分けしたい品、アルバム、着物など | 誰に渡すかを生前に決め、メモに残しておく |
| 手放す | 壊れた家電、古い衣類、使わない食器 | 自治体の粗大ごみ・回収業者・リサイクルを使い分ける |
| 判断保留 | 書類、写真、コレクション | 見直す時期を決めて保管する。重要書類は捨てずに保管する |
実家の相続と固定資産税リスク
実家を相続すると相続税に加え、保有している限り毎年固定資産税が発生します。
空き家として放置し、管理が不十分なまま「管理不全空家」や「特定空家」に指定され、さらに自治体から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍になるリスクがあります(2023年空家法改正)。
更地にすれば管理の手間は省けますが、住宅用地特例が外れ、かえって税負担が増す点に注意が必要です。実家に住み続けることが難しい場合は、活用という選択肢も検討してみましょう。
空き家となった実家の主な活用方法には、以下のような選択肢があります。
- 修繕・リノベーションを行い第三者に貸し出す
- アキサポにリノベーション費用を負担してもらい第三者に貸し出す※
- 建て替えを行い、アパート経営などに切り替える
実家を有効活用することで、負担だった資産を収益を生む資産へと転換できます。
活用せず売却する場合は、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家の3,000万円特別控除」を使える可能性があります。相続人が3人以上の場合は控除上限が2,000万円となり、2027年12月31日までの譲渡が対象です。令和6年の改正で、買主が解体や耐震改修を行う場合も対象に加わりました。
なお、相続放棄という選択肢もあります。相続放棄をすれば税金などのコスト負担は回避できますが、実家だけでなく預貯金・株式などすべての遺産を放棄することになる点に注意が必要です。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
🏠実家の生前整理に関するよくある質問
Q. 実家の生前整理はいつから、何から始めればいいですか?
A. 「早すぎる」ということはなく、親が元気なうちに始めるのがベストです。まずは、通帳・印鑑・権利書・保険証券などの保管場所と、親しい人の連絡先を家族で共有することから始めると取り組みやすくなります。そのあとで部屋ごとの片付けに進みましょう。
Q. 親が片付けを嫌がるときはどうすればいいですか?
A. 「処分させられる」と受け取られると抵抗感が強まります。「万一のときに家族が困らないように」と目的を伝え、書類や貴重品の場所の共有など負担の小さいことから始めましょう。思い出の品は写真に残す、判断保留の箱を作るなど、親が納得できる形で進めるのがコツです。
Q. 相続した実家を空き家のまま放置するとどうなりますか?
A. 固定資産税は毎年発生し続けます。さらに2023年12月の空家法改正により、「管理不全空家」や「特定空家」として行政から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍になる可能性があります。売却・賃貸活用・解体など、早めに方針を決めることが重要です。
まとめ
実家の生前整理は、親が元気なうちに、持ち物・書類・実家の行き先を親子で一緒に整理しておくことです。親が倒れてから動くと、入院の手続き・片付け・相続の準備が一度に押し寄せます。まずは大切なものの保管場所を共有し、部屋ごとに「残す・家族に渡す・手放す・判断保留」へ仕分けていくのが基本です。
とはいえ、「実家をこの先どうするか」は、家族だけでは決めきれないことも多いものです。住む・貸す・売る・解体のどれが合うかは、立地や建物の状態で変わります。アキサポでは、実家の活用から売却まで、状況に合った選択肢をご提案しています。方針が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。
実家をどうするか、迷っていませんか?
生前整理のあとに悩みやすいのが、実家の行き先です。活用・売却・解体のどれが合うか、立地や建物の状態を踏まえてアキサポがご提案します。方針が固まっていない段階のご相談も歓迎です。
空き家の相談窓口はこちらこの記事の監修者
白崎 達也 アキサポ 空き家プランナー
一級建築士
中古住宅や使われなくなった建物の再活用に、20年以上携わってきました。
空き家には、建物や不動産の問題だけでなく、心の整理が難しいことも多くあります。あなたが前向きな一歩を踏み出せるよう、心を込めてサポートいたします。






